札幌大学ウレシパクラブ(http://www.sapporo-u.ac.jp/bunka/urespa_project.htm)の第一回総会が開催されました。昨年、プロジェクトが発足して以来、応援団もクラブへ、現在支援団体・個人も150に発展しています。
先日の総会には、宮腰昭男学長、山田玲良副学長、昨年から札幌在住となった作家の池澤夏樹(http://www.impala.jp/)さんも駆けつけて、祝辞を述べられました。今年度の活動予定では、学習会、ウレシパツアー、ウレシパフェスタ、会報「ウレシパ・ソンコ」の発行、ウレシパクラブ・ブログと、盛り沢山の内容です。
総会後の交流会では、ゼミ学生、奨学生達が次々に挨拶をされました。それぞれご自分の人生においてアイヌ民族であることの位置づけ他、率直な言葉でメッセージを伝えていました。38歳にしてアイヌ民族であることを公表した方、社会に一旦は出たものの、再度アイヌ文化をしっかり学ぶ為に入学した方等、私は直接こういった言葉を聞く機会も無く、これまでの紆余曲折を知り有意義でした。応援団の方々も多様で、どうやら本田優子先生を囲む「秘密クラブ?(冗談ですが)」があるようです。大学内では、「逆差別ではないか」との批判もあるでしょうし、ウレシパプロジェクトのような新しい試みは戦いの連続だったかとは推察しますが、ここまで推進された本田先生他関係者の皆さまの勇気に頭が下がります。アカデミックセクターのチャレンジを見せて頂きました。
今年5月22日「生物多様性の日」に、札幌植物園の元園長・辻井達一先生にご案内をして頂きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4214)。その時、辻井先生は、「生物多様性」について最後にこうおっしゃいました。「『多様性』というと、何か種類を多く集めることと誤解される場合が多いのですが、本来は個々の種が生育できる環境を担保すること、というのが正確な表現です。ですから私は、『多様性』というよりも『不同性』、すなわち同じではないという言葉の方が適切だと思っています」と。
様々な経緯をたどって札幌大学のこの場に集ったアイヌ民族の学生たちが、これからアイデンティティの再発見・再構築をされることを心から祈っています。それが成し遂げられるかどうかは、受け止める社会が「不同性」を担保できるかどうか、だと思うのです。出口戦略としての企業の受け入れ体制も問われるのでしょう。本来的意味で、北海道という大地の「バイオリージョン:生きている地域」としての懐(ふところ)の深さが試されるのでしょうね。これからもささやかですが応援していきます。