展覧会、津軽三味線ライブ

Posted by 秋山孝二
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 11月は作品展覧会、ライブ等、盛だくさんの催しでした。

 渡会(わたらい)純介さんの「る・みえる展」は札幌市東区元町の茶廊法邑http://houmura.com/gallery.htmlでありました。フィルムにスクラッチを施した新しい技法の作品について渡会さんからご説明を伺い、踊るような楽しい作品が多く、見ていても音楽が聞こえてきそうな雰囲気でした。ロシアのエルミタージュ美術館内の劇場演奏で、映像としてコンサートとのコラボレーション作品も素晴らしかったですね。

法邑さんのお近くに、「元村開拓記念館」があり、以前から興味があったもので寄ってきました。私の曾祖母が元村出身でしたので、札幌っ子4代目としてはその「原点」を知っておきたかったのです。大友堀による札幌中央部(本府)との往来、国内各地・海外との交易等、積極的な活動の数々は知らない事も多く、興味深かったです。

続いては加藤祐子さんの「テキスタイルによる表現の個展:皮膜」は、札幌市西区八軒のレッドベリースタジオhttp://www.akai-mi.com/st.item.html で開催でした。最初ご案内のはがきを頂いた時は、「布の展示かな」程度で、どんな個展かイメージがつかめないまま足を運びました。行ってみると極めて立体的な作品の数々に驚きました。加藤さんから織る所からの工程の工夫等を伺い、あらためて自分の認識の無さを感じました。織物がこんなにも「動き」をもって存在している事に、新しい発見をしたひと時でした。

登別の白田路明http://con-sent.net/peace/shirata_michiaki/くんは、プロで若手の有望な津軽三味線奏者で、私もささやかながら応援しています。ふるさと登別で、今回は「疾風:はやて」というユニットで熱演でした。

吉田兄弟http://www.yoshida-brothers.jp/の弟、吉田健一さんも今回はプロデューサーとして、後半では舞台に登場しての演奏もありました。「疾風」は、青森・宮城・石川の若手5人のユニットで、それぞれに個性があり、いつも白田くん一人を聴いているのとはまた違った面白さでした。また、演奏をした吉田健一さんも本当に素晴らしかったですね。音の表現に奥行きがあるというのか、津軽三味線はどちらかというとガンガン弾くという感じですが、私は弱い音色とスローな旋律の時に、演奏者の違いが出るような気がします。先日の「月光」という曲は、津軽三味線の深い奥行きを感じました。彼が途中で語っていた、「自分たちは伝承と伝統を大切にしたい。伝承は先代の曲を後の世に伝えること、伝統は自分たちの解釈を加味して創造していくこと」と、若い彼の含蓄のある言葉でした。

白田くんは今、東京を拠点としてしっかりした活動を展開しています。札幌・北海道でのライブコンサートも何回かあり、来年1月には札幌で早速にライブの様です。伝統文化を、若い担い手が数多く受け継いで、それぞれ多様な解釈で一層創造的に発展させている姿に、心から感動します。自分が何かを為すことは勿論大切ですが、健気(けなげ)に道一筋で頑張っている人を応援する事でも、元気を貰えます。育ち行くものを見る楽しみとでも言うのでしょうか。