メディア・アンビシャス 授賞式 2019

Posted by 秋山孝二
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 10周年を迎えた市民団体「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/」、今年も授賞式を行い、大阪・東京からも受賞者がお越しになりました。

* これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%B

 授賞式に先立って、映像部門の大賞受賞作品ほか、計3本の番組(約3時間)を上映しました。改めてじっくり観ても素晴らしい作品ばかりです。

大賞 NNNドキュメント18南京事件Ⅱ~歴史修正を検証せよ~ 日本テレビ制作―STV
メディア賞 「聞こえない声~アイヌ遺骨問題 もうひとつの150年~」 HTB
北海道賞 報道スペシャル〝不幸な子ども〟を生きて~旧優生保護法がもたらしたもの~ HBC


受賞作品3本の上映

受賞作品3本の上

2018年メディア・アンビシャス大賞決定

活 字 部 門
大賞 「疑惑1年、加計氏初会見、首相と面会「記憶も記録もない」」 東京新聞/6月20日朝刊1面
メディア賞 財務省公文書改ざん報道 朝日新聞/3月2日以降の一連の関連記事
アンビシャス賞 「税を追う」
「税を追う 歯止めなき防衛費」
東京新聞/10月29日から11月9日
東京新聞/11月13日から同25日ほかにも
入選 連載<激震 暗黒の大地(ブラックアウト)>
第一部 あの3日間、道民は
第二部 北電という組織

公文書クライシス

北海道新聞/11月8日~12月4日

毎日新聞ワッペン企画
7月19日から8月2日

特別賞 北海道新聞社印刷部門、及び配送・配達の関わった全ての皆さま 9月6日朝刊以降しばらく
映 像 部 門
大賞 NNNドキュメント18南京事件Ⅱ~歴史修正を検証せよ~ 日本テレビ制作―STV  5月13日
メディア賞 「聞こえない声~アイヌ遺骨問題 もうひとつの150年~」 HTB  4月24日
アンビシャス賞 BS1スペシャル「ラップと知事選 沖縄 若者たちの声」 NHK 11月16日
入選 ETV特集「ラーマのつぶやき~この社会の片隅で〜」

NNNドキュメント18「マザーズ ”特定妊婦”オンナだけが悪いのか。」

Eテレ 4月14日

中京テレビ制作-STV 4月23日

北海道賞 報道スペシャル〝不幸な子ども〟を生きて~旧優生保護法がもたらしたもの~ HBC 5月28日

活字部門受賞者の皆さま

活字部門受賞者の皆さま

東京から東京新聞社会部長

東京から東京新聞杉谷剛社会部長

大阪から朝日新聞

大阪から朝日新聞羽根和人さん

9月6日の震災時に新聞を届けた皆さま

9月6日の震災時に新聞を届けた皆さま

映像部門の受賞者の皆さま

映像部門の受賞者の皆さま

大賞の日本テレビ清水潔さん

大賞の日本テレビ清水潔さん

 とにかく、日々、社会、社内で闘いながら番組・記事を作成している方々のご苦労が分かり、一層応援し続けたくなるメッセージばかりでした。来年以降も是非続けていきたい活動です。

講演『森友問題とNHK報道』@ 札幌

Posted by 秋山孝二
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 昨年秋発売の「安部官邸 VS. NHK(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163909578」(文芸春秋)がベストセラーになっていますが、その著者の相澤冬樹さんを招いた道内で初めての講演会が開催されました。『森友事件報道を巡る、迫真に満ちた取材実態、それをつぶそうとするNHK内の動き-』がテーマでした。

著書『安部官邸VS.NHK』(文芸春秋)~~~~~~~~~~~

はじめに
第1章森友報道は「忖度」で始まった
第2章一転して大報道合戦~小学校認可の行方~
第3章クロ現製作ですったもんだ~けんかの末に仲間に~
第4章注目を集めた籠池理事長夫妻の人物像
第5章国有地問題から補助金詐欺へ~焦点を移す検察の捜査~
第6章背任の実態に迫る特ダネに報道局長激怒
第7章籠池前理事長逮捕の舞台裏
第8章取材体制変更で担当を外された私
第9章森友事件追及弁護団(仮称・阪口弁護団)の活躍
第10章 近畿財務局職員の自殺が残した謎
第11章「口裏合わせ」の特ダネに圧力再び~プロの記者はこうして取材する~
第12章 強者記者列伝~5本の指に入る記者+と、もう一人の優れもの記者~
第13章 個性豊かな検事たちとの愉快なやり取り
第14章 急転直下の検察捜査、財務省は全員不起訴 ~そして私は記者を外された~
終章 NHKから大阪日日新聞へ~森友事件の取材は続く~
あとがき

作品紹介より・・・・・

 著者は「森友事件」の発覚当初から事件を追い続けたNHK大阪放送局の司法担当キャップだった。次々に特ダネをつかむも、書いた原稿は「安倍官邸とのつながり」を薄めるように書き換えられていく。NHKでも検察でも東京vs.大阪のせめぎ合いが続く中、ついに著者は記者職からの異動を命じられた。記者であり続けるために職を辞した著者が、事件の核心、取材の裏側、そして歪められる報道の現在を赤裸々に明かす、渾身のノンフィクション。

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相澤冬樹さん

相澤冬樹さん

当日の講演チラシから引用です~~~~~~~~~~~~~~~~~

< 森友問題とNHK報道 >

相澤冬樹さんに聞く「驚きの真相」

相澤冬樹 : 元NHK大阪報道部記者・現大阪日日新聞論説員

 森友学園の籠池泰典前理事長ら事件のキーマンの懐に飛び込み、信頼を得た。「記者の仕事を続けるため、森友事件の取材を続けるため、私はNHKを辞めて大阪日日新聞に移った」という。現在も大阪で取材を続け、コラムなども執筆。

 「わたしや妻が関係していたら総理も議員も辞める」と国会で発言していませんでしたか?安倍政権を揺るがす『森友学園疑獄』…その真実は?あいまいのまま忘れ去られようとしていませんか?われわれの税金はいったいなぜ、どのように使われたのか?その後は?

 相澤記者はNHK在職中に、近畿財務局が国有地売却の前に森友学園側から出せる金額の上限額を聞き出していたことなどをスクープした。森友問題発生以来、記者として一貫して前線で取材をし続けた。そのベテラン記者がなぜ、NHKを辞めなければならなかったのか?これはジャーナリズムの危機ではないでしょうか?「森友学園事件」を追い続けた相澤記者をむかえて、いったい何があったのかお話をうかがいます。

主催:市民自治を創る会ほか

協賛:メディア・アンビシャス(http://media-am.org/

後援:日本ジャーナリスト会議北海道支部

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 当日会場は開始30分以上前から長蛇の列、私もかなり早く到着しましたがすでに会場内着席は難しい状態。しばし待って何とか立ち見での入室が叶い、貴重なお話を聴くことができました、主催者予想をはるかに上回る300人で大盛況でした。この問題を忘れるどころか、ますます火がついて燃え盛っていく様相でした!

外の廊下でも多くの聴衆が

外の廊下でも多くの聴衆が

 報道への信頼を取り戻したい、あるべき報道の在り方は?質疑応答も活発で、今、メディアを取り巻く状況の緊迫感が伝わってきたひと時でした。

おしどりマコ・ケン 講演会

Posted by 秋山孝二
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 私も世話人の一人、「グリーン九条の会(http://green9zyo.blogspot.com/」第11回講演会が、同じく世話人をしている「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/」との共催で、「おしどり マコ・ケン(http://oshidori-makoken.com/」をお招きして開催です、やっと実現した、そんな率直な私の気持です。

* グリーン九条の会関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%B9%9D%E6%9D%A1%E3%81%AE%E4%BC%9A

 テーマは、「『未来のために半径5mを変えていく』~原発事故取材報告~」です。本業はよしもと所属の漫才のお二人ですが、プライベートな時間に東京電力記者会見にこれまで500回以上出席、その他福島県の現地での取材を通じて、数々の新しい情報を引き出している稀有な存在です。今年3月のメディアアンビシャス授賞式(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32658)で、大賞に輝いた番組の主人公でした。以前から札幌にお招きしてきっちりお話を伺いたいなと思っていたので、この度実現して嬉しかったです。至近距離での「生おしどり!」、迫力満点、ライブの説得力に感動しました。

* メディア・アンビシャス大賞受賞番組ーー> NNNドキュメント「お笑い芸人 vs原発事故 マコ&ケンの原発取材 2000日」(https://www.dailymotion.com/video/x5apu4v

 講演会冒頭から笑顔のお二人、これまでの講演会とは違ったソフトな立ち上がりでした。

冒頭から笑顔のお二人

冒頭から笑顔のお二人

掛け合いは流石!

掛け合いは流石!

とにかくものすごい情報量

とにかくものすごい情報量

 ところで記者会見には多くのマスメディア所属の記者がいるのですよね、その方たちは一体どんなスタンスでその場にいるのでしょうか、何も質問もせずにただ東京電力広報部の言うがままを垂れ流しに記事・番組しているのでしょうか。マコ・ケンさんのお話を聞けば聞くほど、取材を本業とされている方々の奮起を促したい気持になります。講演後は質疑応答もあり、最後まで濃密な情報提供でした。

 講演会後は、少人数の懇親会、ここでも引き続きの情報提供が続きました。プライベートな時間でのこれまでの活動のご苦労等、とにかくお二人の絶妙のバランス、隣で聞いていて感動しました。

懇親会でも情報満載

懇親会でも情報満載

懇親会メンバー

懇親会メンバー

 楽しい懇談を終えて、さらに「グリーン九条の会」代表世話人の植田英隆さんと4人で二次会へ。私は特に、ケンさんの細やかな心使いが印象的でした、本当にお二人で成し遂げ続けているこの間の取材だとあらためて納得した次第です。

バーカウンターで

バーカウンターで

 そして最後のお別れでも。まさに徹頭徹尾「エンターテイナー」だったお二人、素晴らしいカップルでした!

ホテル前

ホテル前

映画『共犯者たち』 & シンポジウム

Posted by 秋山孝二
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 映画&シンポジウム、東京池袋の立教大学で開催され、満席の会場は熱気で溢れていました。このイベント、私はFacebook友達の投稿から知りましたが、札幌で「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)」活動の世話人の一人として、「闘って勝ち取った民主主義」を目の当たりにし、参加してよかったです。今回シンポジストの望月衣塑子さんは、4月末の札幌に続いての出会いでした、ご本人が言っていたように、「韓国の闘う記者たちと比べたら、日本、自分はまだまだ」とのコメントも新鮮でした。

* 4月札幌でーー>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33093

映画『共犯者たち』 >HPより

 韓国では、2008年、米国産牛肉の輸入問題の報道で李明博(イ・ミョンバク)政権が大打撃を受けたことから、本格的な言論弾圧がはじまった。最初のターゲットになった公共放送KBS(韓国放送)が、次に2010年「4大河川事業」の実態を告発した公営放送MBC(文化放送)もトップが入れ替えられ占領される。結局、放送検閲という最悪の状況の中、政治権力の広報基地に転落したKBSMBC2014年のセウォル号沈没事件時の誤報をはじめ2016年崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件の真実さえ隠蔽されてしまった。

 映画『共犯者たち』は、この10年の間に公共の放送を台なしにした主犯たちと彼らと手を組んだ放送業界の共犯者たちの実体を明らかにするために、崔承浩(チェ・スンホ)監督がどこまでも彼らを探し出し全員カメラの前に立たせる。一方、権力に抵抗したプロデューサー、記者など内部職員たちがどのように反撃したのか、そして敗北した後、どのように転落していったのかを詳細に追跡する。韓国で大反響を呼んだ作品。映画公開後、奇跡の大逆転劇が起こった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 先日は、映画上映の後、崔承浩(チェ・スンホ)監督の舞台挨拶に続き、日韓ジャーナリストによるシンポジウムが行なわれました。

< 監督挨拶 崔承浩(チェ・スンホ)>

1986MBCに入社。プロデューサーとして『PD手帳』をはじめ時事問題を深くえぐった数々の番組を制作してきた。2012年、MBCを不当解雇された後、市民の支援で作られた非営利オルタナティブメディア「ニュース打破」で活動を継続、権力の素顔を明らかにすべく聖域なき取材活動を行なっている。2016年、国家情報院のスパイ操作事件を扱った『自白』を初公開し、社会的に大きな反響を呼んだ。本作は二作目。この映画を公開した後、MBC労組は勝利し、201712月、崔承浩氏はMBC社長に就任し改革がはじまっている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<シンポジウム>

立教大学社会学部創立60周年記念シンポジウム

「日本の『共犯者』は誰だ? 権力とメディアの関係を問う」

開会挨拶:岡本有佳(実行委員会共同代表、編集者)

パネラー

○金京来(キム・ギョンレ/ニュース打破記者、元KBS記者)

ニュース打破記者。1974年生まれ。2001年、KBS報道局入社。2010年のストで停職懲戒。2012年ストの時、「Reset KBS NEWS9」を制作し、KBSが報道しなかった情報をネット配信。2013年新たなジャーナリズムを求めてニュース打破に合流。

○望月衣塑子(東京新聞記者)

東京新聞社会部記者。1975年東京生まれ。昨年からは森友学園・加計学園問題の取材しながら官房長官会見で質問を続けている。

○砂川浩慶(メディア総研所長、立教大学教授)

1963年沖縄・宮古島生まれ。86年早稲田大学卒、同年日本民間放送連盟に入り、放送制度担当など20年勤務。06年から立教大学。

◆コーディネーター:岩崎貞明(メディア総研事務局長)

閉会挨拶:金富子(東京外国語大学教授)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 しぶとく闘った韓国での10年間、日本国内でも同じような状況が進行する中、これは日本のメディア関係者が見るべき映画ですね。キャスターが一人二人辞めたくらいでバタバタするな、それを乗り越えていく覚悟を決めたジャーナリスト、そして応援する市民の存在が歴史を変える、そんな気がします。報道が死ねば国が亡びる、本気で日本の将来を考えるのであれば、今のような政治・経済の体制・状況こそが「カントリーリスク」そのものであることに間違いはない。インターネット上では、映画の感想として日本の現状を憂うコメントが散見されるけれど、ただ憤る、憂いている場合ではありません。

 自立した個の言論、自由な発言を続けて、少しでも状況への関わりを期待する、そんな覚悟も必要なのでしょうね。映画&シンポ、つい先月観た映画『タクシー運転手(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33218)』と同様の感動を覚えました。

 自分のできる立ち位置の中で、表現すること、コメントを発すること、そして行動を続けていきたいとあらためて思いました。

望月衣塑子さん、炎の2時間半+!

Posted by 秋山孝二
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 今年の札幌は桜の開花が早く、ゴールデンウイーク前に満開になりました。

北海道神宮の表参道も

北海道神宮の表参道も

円山公園ではお花見の人、人、人

円山公園ではお花見の人、人、人

 そんな中、今年3月にメディア・アンビシャス表彰式をした際、「17年メディアアンビシャス特別大賞」をお贈りした東京新聞の望月衣塑子記者が2日間来札し、29日と30日合わせて500人を超す入場者で溢れました。この企画は、当初、日本ジャーナリスト会議北海道主催の講演会だけの予定でしたが、さっぽろ自由学校「遊」と政治とメディアを考える会共催の学習会に広がり、送迎、警備、書籍販売、受付などに市民多数の皆さんが参加・協力しました。

「望月衣塑子、札幌講演」の画像検索結果

<望月記者の略歴>

1975年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。慶応義塾大学法学部卒業後、東京・中日新聞に入社。17年4月以降は、森友学園・加計学園問題の取材チームの一員となり、取材をしながら官房長官会見で質問し続けている。著書に『新聞記者』『武器輸出と日本企業』(いずれも角川新書)、『武器輸出大国ニッポンでいいのか』(あけび書房、共著)など。二児の母。

危機的なマスメディアの状況

危機的なマスメディアの状況

 望月衣塑子さんは、記者会見の37 分で23 回、「モリカケ疑惑」で菅義偉官房長官に質問し続け、ネット右翼に攻撃され、殺害予告まで受けました。安倍長期政権で、メディアは萎縮していないか、ジャーナリズムはどう権力と対峙すべきか、日本歯科医師連盟ヤミ献金疑惑のスクープ記者が鋭い視座から考察しました。

 1時間半の予定の講演は、終わってみれば2時間半を越え、炎がほとばしる機関銃のような言葉が続きました。思い出したのは2年前の香港、2015年COP21で中心的な活躍をされた気候変動枠組条約事務局長のChristiana Figueres さんの講演です。聴衆を引き付ける言葉の力、望月さんの場合は、取材現場の臨場感あふれるお話、「力」と「覚悟」を感じました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28015

日本国憲法と私

Posted by 秋山孝二
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 日本国憲法は1946(昭和21)年11月3日に公布され、その半年後の1947(昭和22)年5月3日に施行されました。5月3日は憲法記念日、1948(昭和23)年に「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する日」と法律で定めらた国民の祝日の1つです。

 その憲法の内容は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つの柱を持っており、特に憲法9条の「戦争放棄」は平和憲法として世界でも有名です。この日を迎えて、私なりの日本国憲法についての率直な視点を書きたいと思います。なかなかまとめて考える時間はないのですが、昨今の改憲論議を見ていると、強い危機感を抱くものですから。

 これまでの私の日本国憲法に関する記載: http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95

 一番直近では、3月に国立公文書館の加藤館長を訪問した時、オリジナルは書庫に大切に保管されていて、ロビーに展示してあるレプリカではありますが、「日本国憲法」を至近距離で観ることができました。加藤館長がおっしゃるには、大日本帝国憲法に比べて時代背景もあったのか、紙の質がいかにも粗末だというのが印象的とか。

 私が日本国憲法を学んだのは、北海道学芸大学(現 北海道教育大学)附属札幌小学校・中学校の義務教育年限でした。そもそも「憲法とは何か」、「歴史が証明するように、時として権力は暴走し、個人を弾圧し、人権を抑圧することもある。だからこそ国家権力を縛り、権力を抑制的に、真に国民のために行使させるべく憲法というものがある。憲法とは、いわば長い歴史を持つ人類の英知の結晶である」、これが今も忘れることがなく学んだ基本的認識です。第二次世界大戦で多大な犠牲を負った日本の、新しい時代に向けた憲法であることも。

 そして、日本国憲法は3つの柱を持っている、と。

* 国を治める主権は国民にあるという「国民主権(主権在民)
* 人間が生まれながらにして持っている、人間らしく生きる権利を永久に保障する「基本的人権の尊重
* 世界の平和を永久に守るため、外国との争いが起きても戦争をしないで平和的に解決するという「平和主義

 当時、教えてくれた先生たちは大変熱心に語っていた姿を、私は今もはっきり覚えています。特に中学校時代、時代背景として自衛隊の存在が裁判等でも問われていたからなのか、「自衛隊は軍隊か」、「自衛隊は違憲か」、といったテーマでディベイトをしたことも覚えています。因みに私は、少数派だった「自衛隊は軍隊ではない」側に手を挙げて授業でやり取りしました。私たちの側は劣勢だったような気がしますが、先日の番組では丁度、二つの裁判との時期が重なり、社会科の先生は私たちに極めて政治的なテーマを題材として提起したのだと思います。

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 先日、案内があってこの憲法記念日に二つの番組を観ましたが、歴史の流れを濃密に捉えた素晴らしい内容でした。

* NHK・ETV再放送「平和に生きる権利を求めて~恵庭・長沼事件と憲法~」

http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2018-04-28/31/920/2259619/

 昨年度のメディア・アンビシャス(http://media-am.org/)のアンビシャス賞に輝いたBS1スペシャル「父を捜して~日系オランダ人 終わらない戦争~」の番組プロデューサーだったNHKの塩田純さんの制作

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 自衛隊の合憲・違憲が争われた恵庭事件。裁判の録音がテレビで初めて公開された。裁判で提起された平和的生存権が、その後長沼ナイキ基地訴訟でどう問われてきたのか迫る。

 自衛隊をめぐり注目された裁判の録音が公開された。北海道の恵庭事件。演習の騒音に抗議し自衛隊の通信線を切断した酪農家が起訴された。自衛隊が合憲か違憲か争われたが札幌地裁は憲法判断をせず無罪判決を下した。ここで提起された平和的生存権は長沼ナイキ基地訴訟の地裁判決で示され、その後イラク派遣差し止め訴訟の名古屋高裁判決で確定した。今、沖縄の基地問題でよりどころとなる平和的生存権をめぐるスクープ・ドキュメント

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* NHK総合:NHKスペシャル「憲法と日本人 ~1949-64 知られざる攻防~」

https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180503

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 戦後一度だけ憲法改正をめぐる国民的議論が交わされた1949年~64年の15年間に着目して、当時の改憲派と護憲派の攻防を検証し、憲法をめぐる日本人の模索を見つめる番組です。憲法施行から71年。護憲か改憲か、国論を二分する攻防が繰り広げられた時代が、かつてあった。GHQの報告書によって憲法制定の過程が明らかになった1949年から、政府に設置された憲法調査会が最終報告書を提出した1964年までの15年間である。新たに発掘したこの間の700点の史料と関係者の証言から、憲法をめぐる日本人の知られざる模索を見つめる。

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 私は、小・中学校でしっかりとこの日本国憲法を学んだという自負があり、当時の先生方の時代と向き合う真摯な姿勢も忘れることはできません。右翼とか左翼とか、「日本を取り戻す」等、今、浅薄に語られる時代と違って、60年安保闘争を経た当時の日本社会の生真面目さも感じ取れるのです。と同時に、昨今、このような教育を受けた者の使命として、私は後の世代のためにも、この日本国憲法を体を張って護っていかなければならないと覚悟を決めました。日本の「近代」に対する認識もいい加減のままで、今の政治家の見識の無さと人品の卑しさに任せることはできません。言い換えるならば、私自身の歴史に対する誠意であり責任といってもいいかもしれません。

映画「人生フルーツ」

Posted by 秋山孝二
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 この間、しばらく映画も観に行く時間もなかったのですが、上映延長が続く「人生フルーツ(http://life-is-fruity.com/」は私の世代にはピッタリのテーマで良かったです(ナレーション:樹木希林 監督:伏原健之  プロデューサー:阿武野勝彦)。東海テレビドキュメンタリー劇場第10弾だそうです。

 プロデューサーの東海テレビの阿武野勝彦さんは、私が世話人の一人の「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/」の設立時(2009年)に、ゲストとして札幌にいらっしゃってご登壇して頂きました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=820

 ストーリーは、津端修一・英子さんの来し方と暮らしから、本当の豊かさへの深い思索のゆっくりした行程、「こつこつ、ゆっくり。人生、フルーツ」です。

津端修一さん1925年1月3日生まれ。東京大学を卒業後、建築設計事務所を経て、日本住宅公団へ。数々の都市計画を手がける。広島大学教授などを歴任し、自由時間評論家として活動。

津端英子さん1928年1月18日生まれ。愛知県半田市の老舗の造り酒屋で育つ。27歳で修一さんと結婚し、娘2人を育てる。畑、料理、編み物、機織りなど、手間ひまかけた手仕事が大好き。

 札幌のシアター・キノ(http://www.theaterkino.net/sakuhin.html)は連日満員のお客さんで大盛り上がりのようで、私が観に行った時も場内はいっぱいでした。

映画HPより

映画HPより

 お二人に寄り添ったドキュメンタリーで、かなりの期間、津端ご夫婦に密着しての撮影、愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅に、雑木林に囲まれた一軒の平屋が舞台です。HPにも記載されていますが、その家は建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てたものです。四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わります。

 刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていました。そう、「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」とは、モダニズムの巨匠ル・コルビュジエの言葉ですが、それを地で行く暮らしぶり。

 かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきました。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画でしたが、高度成長期ではそれを許さず、完成したのは修一さんの理想とはほど遠い無機質な大規模団地でした。修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育て始めたのです。

 それから50年、ご夫妻はコツコツ、ゆっくりと時をためてきました。そして、90歳になった修一さんに新たな九州の高齢者施設での仕事の依頼がやってきて、そこで修一さんの理念が実現されていきます。・・・・

 ナレーションをつとめるのは女優・樹木希林さん。ふたりの暮らしから、日本国がある時代に諦めてしまった本当の「豊かさ」への深い思索が、コツコツ、ゆっくり続いて、私たちに感動を与えます。修一さん亡き後も、好物だったジャガイモのフライを揚げ続けて仏壇に供える英子さんの姿が印象的でした。「人間が暮らす」ことの本来的意味合いを提起され、心にジーンと響きました。

 先月、上甲晃さんのお話「あなたはあなたの人生の主人公ですか?」のお言葉を思い出しながら、私は何回も涙を拭きました、素晴らしいドキュメンタリー映画です。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29285

2016 メディア・アンビシャス大賞

Posted by 秋山孝二
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 メディア・アンビシャス(http://media-am.org/(呼びかけ人代表・山口二郎法政大学教授)2009年に発足し、新聞、テレビの報道を市民の立場から見守っています。その一環として「メディア・アンビシャス大賞」を設け、年に1回、新聞などの「活字部門」、テレビなどの「映像部門」の2部門で、会員同士でニュース・記事、レポート、ドキュメントなどを推薦し、優れた記事・作品に賞を送って称えてきました。私もこの間、世話人の一人として活動しています。

 今回の表彰は昨年1年間(201611日―1231)を対象にし、8回目となります。審査及び投票は昨年末の第1次審査会を経て、1月中旬には映像部門の集中上映会を行い、さらに28日に追加候補を加えた最終審査会を開きました。「市民が勝手に表彰」とは言っても、その選考は大変厳密・慎重で、透明性・公正さは年を経るごとに信頼を集めています。

* http://media-am.org/?page_id=894

【活字部門概況】24本の記事のエントリーがあり、1225日に第1次審査をおこない、広告的なものなど、過去のケースを参考に当初から審査対象を外れるものを除いて選考しました。その結果、大賞には、北海道新聞が1127日から12月初めにかけて掲載した「原発会計を問う」た一連の報道と連載記事が選ばれました。電気料金に組み込まれる原発会計の問題点を鋭く抉り出し、専門家の意見を加えて易しく解説しており、読者として啓発されることが多かったと評価されました。

【映像部門概況】推薦数は42本に上りました。国外テレビ局の作品など過去の選考事例などから9本を除いて選考対象としました。上映は計17本と、例会時の鑑賞分を加えて20本近くに上りました。視聴していることを条件にした投票及び審査の結果、大賞はNHKスペシャル「村人は満州へ送られた 国策”71年目の真実~」(8月14日放送)と決まりました。長野県の寒村から満州へ送り出された村民の悲惨、戦後自殺した村長の苦悩などを淡々と描いたドキュメントです。作品はいったん決まった「国策」という流れを押しとどめることの難しさを浮き彫りにし、現在的な課題として通底していました。

 授賞式が今年も「愛生舘サロン(http://aiseikan.net/salon)」で開催され、表彰状授与の後、受賞者によるパネル討論「メディアの今」で、私はコーディネーターを務めました。短い時間でしたが、濃密なやり取りは充実していたと思います。

授賞式、沖縄・東京からもご参加

授賞式、沖縄・東京からもご参加

NHKの報道番組

NHKの報道番組

活字部門の大賞

活字部門の大賞

続いての受賞者の意見交換

続いての受賞者のパネル討論 愛生舘サロンで

 そして懇親会にも大勢の参加者でした。

さらに突っ込んだ意見交換も

さらに突っ込んだ意見交換も

 2016年メディア・アンビシャス大賞の受賞者(敬称略)は以下の通りです。~~~~~~~~~~~~~~

【活字部門】

〇大賞  ・「原発会計を問う」北海道新聞 1127日―122日の記事と連載

北海道新聞社報道センター 記者 関口裕士

〇メディア賞  ・「憲法を考える 自民改憲草案」朝日新聞 3月―6月にかけて連載

朝日新聞「憲法取材班」(代表 政治部次長 高橋純子)

〇アンビシャス賞  ・「南スーダン派遣と自衛隊員の生命 国防ニッポンのリアル」

サンデー毎日124日号、同11日号 毎日新聞東京本社社会部編集委員 滝野隆浩

〇アンビシャス賞  ・「オスプレイ墜落」の現場写真とルポ 沖縄タイムス1214,15

沖縄タイムス北部支社北部報道部記者 伊集(いじゅ)竜太郎

〇入選(1作品) ・憲法70年第3部「壊憲のゆくえ」北海道新聞95日―11日 連載

北海道新聞社報道センター編集委員 斎藤正明、楢木野寛

【映像部門】

〇大賞   NHKスペシャル「村人は満州へ送られた〜〝国策〟71年目の真実〜」

814NHK名古屋放送局 報道番組チーフ・プロデューサー 加藤謙介、プロデューサー 森田 超

〇メディア賞   ・NHKスペシャル「私は家族を殺した〜介護殺人〟当事者たちの告白〜」

49「NHKスペシャル“介護殺人”取材班」(NHK報道局社会番組部 チーフ・プロデューサー 横井 秀信)

〇アンビシャス賞   ・Eテレ・バリバラ「検証!『障害者×感動』の方程式」

828NHK大阪放送局制作部 チーフ・プロデューサー 真野 修一、ディレクター鈴木 伸治

〇入選(4作品)

・NHKスペシャル 「決断なき原爆投下 ~米大統領71年目の真実~」

86NHK広島放送局 報道番組チーフ・プロデューサー 高倉  基也、ディレクター葛城 豪

報道ステーション「独ワイマール憲法の〝教訓〟 なぜ独裁が生まれたのか」テレビ朝日(HTB)

318テレビ朝日「報道ステーション」 松原文枝、池田悠樹

NNNドキュメント「知られざる被爆米兵 ヒロシマの墓標は語る〜」広島テレビ(STV)

81日 広島テレビ放送報道部 加藤 紗千子

・「戦争とは〜記者たちの眼差し 戦後71年の開戦の日に〜」TBS(HBC)

1226日 TBSテレビ報道局編集部記者兼キャスター 佐古 忠彦

【北海道賞】今回から新設しましたが、該当作なしでした。

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これまでの掲載記事――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83

メディア・アンビシャス大賞ほか 2015年度

Posted by 秋山孝二
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 メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)が勝手に選ぶ「メディア・アンビシャス大賞」ほかの授賞式が、愛生舘サロンで開催されました。大阪、東京からもご参加を頂き、懇親会でも大変貴重なお話を聞くことができました。今年も、私は授賞後の意見交換会でコーディネーターを務めました。 

 マスメディアへの批判はよく目にしますが、そんな中、テーマを追い続けて果敢な取材に基づいて記事・番組を創っている皆さんに、心からの拍手です。これからのご活躍を祈っています。

 

授賞式、満席の会場で

授賞式、満席の会場で

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2015年メディア・アンビシャス大賞 受賞一覧(受賞者氏名の敬称略)

【活字部門】

▽ メディア・アンビシャス大賞

「子どもと貧困 シングルマザー」(朝日新聞 12月20日から3回連載)

連載企画「子どもと貧困 シングルマザー」取材班

朝日新聞大阪本社編集局生活文化部次長 斎藤利江子=出席

▽ メディア賞

「日韓 奔流半世紀」(北海道新聞 6月3日から23日 全4部構成17回)

北海道新聞編集局

「日韓 奔流半世紀」取材班      編集委員 斎藤正明=出席

▽ アンビシャス賞

「憲法解釈変更 局 経緯公文書残さず」の一連の報道記事(毎日新聞9月28日朝刊など)

毎日新聞東京本社社会部記者   日下部

▽ アンビシャス賞

「秘密保護法 検査院が支障指摘 『憲法上問題』」の報道(毎日新聞 12月8日朝刊など)

毎日新聞東京本社社会部記者   青島 顕=出席

▽ 入選

「道標求めて―琉米条約160年 主権を問う」(琉球新報 14年5月〜15年2月)

琉球新報編集委員       新垣 毅

【映像部門】

▽ メディア・アンビシャス大賞

マンデードキュメント「なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち」(11月2日BS-TBS MBS毎日放送制作)

毎日放送報道局番組センター

ディレクター  斉加 尚代

プロデューサー 澤田 隆三=出席

▽ メディア賞

報道特集「戦争を忘れた東京の70年・ドイツと中国で考える」(8月15日HBC TBS制作)

TBS報道局「報道特集」ディレクター

辻  真

瀬戸 雄二=出席

宮本 晴代

▽ アンビシャス賞

日本テレビ「南京事件 兵士たちの遺言」(10月4日STV 日本テレビ制作)

NNNドキュメント取材班 殿

報道局ディレクター 境 一敬=出席

▽ 入選

・ETV特集「薬禍の歳月~サリドマイド事件・50年〜」(2月21日NHK)

NHK文化・福祉番組部ディレクター 石原 大史(いしはら・ひろし)

・報道ステーション「沖縄慰霊の日」(6月23日HTB テレビ朝日制作)

テレビ朝日・報道ステーション

山口 豊

梶川 幸司

升谷 文彦

2015年大賞選考】対象期間は20151年間です。会員からの推薦作品は活字部門で28件、映像部門で20件でした。活字部門では候補の記事の1部をホームページにアップするとともに、推薦者のプレゼンテーションを経て投票しました。映像部門は1次審査後、15件を集中上映のうえ投票しました。詳細はホームページhttp://media-am.org/2015年大賞一覧をご覧ください。

NHK番組「貧困」について

Posted by 秋山孝二
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 このところ、NHK総合テレビ番組では、「貧困」について続けて放映されています。4月27日(日)に放送されたNHKスペシャル「調査報告女性たちの貧困~”新たな連鎖”の衝撃~」同じく、4月28日(月)に放送されたあさイチでの特集「気づいてますか?こどもの貧困」

 前者は、ネットカフェで暮らす10代の姉妹や、非正規労働で先が見えない日々を過ごす20代の女性、仕事をかけもちしながら資格をとるために学校に通うシングルマザーなどの姿を通して、急速に拡がりつつある「女性の貧困」について掘り起こし、後者は、「子どもの貧困」をテーマに、奨学金が返せない若者が増えている問題や、地域のなかで子どもを支えていく取り組みについて描いていました。

 すぐに反応があり、なかなか辛口の評価もありますが、今後が注目です:

* http://bylines.news.yahoo.co.jp/ohnishiren/20140428-00034883/

* http://blogos.com/outline/85449/?fb_action_ids=10202184947038359&fb_action_types=og.recommends&fb_source=other_multiline&action

* http://www.alterna.co.jp/12901?fb_action_ids=10202184680671700&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_

 NHKの番組と言えば、ニュースでは「?」と思う場面が多いのですが、ドキュメンタリー、スペシャル、教育テレビでは、意欲的な取り組みを評価したいです。例えば、「廃炉」については、いろいろ批判はあるものの今後に興味を繋ぎます。

【朝日4/29】(耕論)廃炉の現実 山名元さん、佐藤暁さん、竜田一人さん
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11109881.html

【NHKスペシャル】シリーズ 廃炉への道
第1回 放射能”封じ込め” 果てしなき闘い
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0420/
第2回 誰が作業を担うのか
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0425/

(注1)東京電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案(2012年7月)「福島第一原発安定化費用・賠償対応費用の検討の結果」
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denkiryokin/report_001.html

(注2)電気事業会計規則等の一部を改正する省令(2013年10月)
http://www.meti.go.jp/press/2013/10/20131001002/20131001002.html

 私は、メディアによる報道・記事を勝手に市民が讃える活動、「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)」の世話人の一人です。マスメディアを批判するのは簡単ですが、その中でも果敢に制作活動に励む方々もおおくいらっしゃることを忘れたくないですね。今まで日の当たらなかったテーマに注目して掘り下げていくように、私たちが番組を育てる、みたいな姿勢も大切ではないかと思っています。

<これまでメディア・アンビシャスに関して記載のメッセージ>

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%B9

メディア・アンビシャス授賞式 2013

Posted by 秋山孝二
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メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)」の授賞式、私も世話人の一人ですが、今年は愛生舘サロン(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16586)で開催しました。

昨年の結果はこちら――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15670

パネル討論

パネル討論

今年の授賞式プログラムは以下の通りです~~~~~~~~~~~~~~~~~

<表彰式&パネル討論> 「いま、報道の現場から」

18:00  ドキュメント上映:映像部門大賞作品

「海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸」(NHK)

19:00 表彰式

19:30 パネル討論

徹底討論「いま、報道の現場から

<活字部門>

北海道新聞記者 井上雄一さん

毎日新聞記者(北海道) 伊藤直孝さん

<映像部門>

テレビ朝日(東京) ディレクター 後藤那穂子さん

NHK文化福祉番組部(東京) プロデューサー 木村和人さん 、ディレクター 猪瀬美樹さん

本会・代表世話人 北大大学院教授 山口二郎

司会:本会・世話人 萩本和之

~~~~~~~~~~~~~~

 

表彰式に先立って上映された今年度映像部門大賞作品、「海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸」(NHK)のディレクターのNHK静岡放送局の奥秋聡さんからのメッセージです。~~~~~~~~

「海水中に放出された放射性物質は潮流に流され拡散するので、魚や海草などの海洋生物に取り込まれるまでには相当程度薄まる。」20113月末福島第一原発から海洋に汚染水が放出された時の原子力安全・保安院の発言です。私はそれを聞いた時、疑念を持ちながらも、過去に経験したことがないことだから否定することもできないなと思っていました。その後、番組に登場する調査船、俊鶻丸の存在を知り、考えが大きく変わりました。日本の科学者は60年も前に海の放射能汚染の影響が地球規模であること明らかにしていたのです。なぜこれほど大事なことが引き継がれなかったのか。それを知りたくて番組を制作しました。

この度は市民の立場に立った番組として評価していただいたことが何より光栄です。市民が過去の経験から学び未来を考えることができる社会であって欲しいと強く思っております。今後もそのことに少しでも貢献できるような番組を制作していきたいです。

~~~~~~~~~~ メッセージ おわり

 

この3月1日にビキニ事件から60年の節目を迎えるにあたり、NHK静岡放送局では特設サイトhttp://www.nhk.or.jp/shizuoka/bikini60/)を作りました、忘れてはいけない貴重な歴史的事実ですね。

 

普段あまり交流の無い映像系・活字系の記者、プロデューサー、ディレクターの皆さんたちの相互交流は、東京、札幌問わず、大変貴重な場となり、夜遅くまで盛り上がりを見せていました。この会「メディア・アンビシャス」代表の山口二郎先生は、4月から東京の法政大学へ移られますが、会の代表は引き続き就任しています。NHKの経営幹部を巡っては、何かと騒々しいですが、現場を預かる意欲的なメディアの皆さんの意欲的なお話をじっくり伺うことができた貴重な場となりました。

皆さん、難しい環境の中でこれからも大いに頑張って頂きたいですね、ご活躍を祈っています。

秋山財団のアウトリーチ活動

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団の「アウトリーチ活動」について、つい先日これまでの活動をHP上に掲載しました。

* http://www.akiyama-foundation.org/news/765.html

 思い出してみると、2011年3月11日直後に、私はこの欄でマスメディアと「専門家」について下記のように書き留めており、それ以来ずっと持ち続けている問題意識です。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7922

 特に以下の部分は、その後の展開の中でも変わらず意識を集中していく必要があると思っています。

===========2011.3.20のブログより

 私たち秋山財団では、昨年から「研究助成」の要項に、「アウトリーチ活動」を義務付ける一文を入れ始めました。秋山財団の研究助成を申請する必須要件としての「アウトリーチ活動」です。それ程大げさなものを考えている訳ではありません。ごく普通の子どもたち、市民が、研究者たちが日常使っている専門用語から何を連想するか、どんな心理状態となるか等を、大学教授も若い研究者も、その初期から学びながら研究活動を行うべきだと思います。

 私は数日前の<大地震、今、感じること(1)>で次のように書きました。~~~~~~~~~~

 丁度、今、早朝テレビのワイドショーで、原発の専門家という方が、「すぐに1986年のチェルノブイリ事故と今回の事故を一緒にする人たちがいるが、全く違います!」と、あたかも心配する市民の無知を叱責するような言い方でしゃべっています。

 でも、そうではありませんね。理屈とか理論ではなくて、直接会って知った人々の顔と現実が最も説得力があるのであり、そこから連想する「不安」を払拭できない専門家の理屈こそ、「ニセモノ」と言うものでしょう。歴史的事実、或いは目の前に起きている現実に直面して、社会にしっかりした「安心」を提供できない「専門的知識」とは、一体どんな意味を持つのでしょうか。今こそ、「専門家」としてのこれまでの活動が問われているのです。

~~~~~~~~~~~

 ヨーロッパの方々にとって、「原発事故」は、チェルノブイリ事故なのですよ、研究者がどんなに「それとは違う」と主張しても、そういった認識にある人々への説得力ある説明が前堤だと理解すべきです。タコつぼ的研究、独善的研究に問題提起を与えてくれるのは、子供たち、市民たちの素朴な疑問なのではありませんか。それは自身の研究への余計な労力ではなく、大いに役に立つ価値あるメッセージだと確信します。

============= ブログからのコピー おわり

 従来の自然科学の「専門家」が、切迫した命の課題にどう立ち向かえるのか、先日の「メディア・アンビシャス映像部門大賞」を受賞した「海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸」(NHK)でも、あの時代の科学者と比較して現代の劣化を感じるのは、私だけではないと思います。当時の水産庁長官が外務省局長宛に顧問団の結成と調査船派遣を通告しているのです。見識、矜持、勇気とか、そんな人間としての資質が問われているのだと思います。この番組は、昨年9月に放映されましたが、大好評でリクエストが多く、今週末7日(金)深夜に再々放送が予定されています(http://www.nhk.or.jp/shizuoka/bikini60/blog/index.html

選考中、メディア・アンビシャス大賞は?

Posted by 秋山孝二
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 優れた番組・報道を勝手に誉めようと活動している「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/」が、毎年「活字系・映像系の大賞」を選考して授賞式も開催しています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7303

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15609

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15670

 今年も年始からメンバー他市民が集って第二次選考中ですが、優れた作品が多くて、「選ぶ」などというのが僭越な気がしてきます。

~~~~~~~~~~~~~

<第二次選考> 場所:愛生舘ビル6階愛生舘サロン(南1西5)
1月12日(日)
10:00~10:50 「核のゴミはどこへ ~検証・使用済み核燃料」(NHK)
10:50~11:20 「死の棘~じん肺と戦い続ける医師」(静岡放送)
11:30~12:30 「海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸」(NHK)
13:30~14:50 「僕は忘れない~瀬戸内ハンセン病療養所の島」(NHK)
14:50~15:20 「ルル・ランどこに帰ろうか~タンチョウ相次ぐ衝突死」(STV)
15:30~16:25 「チェルノブイリから福島へ~未来への答案」(日テレ)
16:25~16:55 「今そこにある詐欺」(HTB) 6回分を収録
1月13日(月・祝)
10:00~10:55 「お願い強く抱きしめて~若年性認知症の妻と生きた日」(HBC)
10:55~11:25 「消せない放射能~65年後の警鐘」(STV)
11:35~12:35 「ありがとう!チィ先生~カンボジアの子供たちに夢と笑顔を」(HTB)
13:30~14:55 「原発と原爆~日本の原子力とアメリカの影」(テレビ朝日)
上映終了
15:00~   19日に向けての絞り込み
*映像部門
*活字部門
*活字部門について
12月15日の第1次選考では記事14本のエントリーでした。協議の中で、いくつかのテーマが話題になり、すでに追加エントリーがありました。これらの記事はコピーして、参加者に配布しました。
【今後の日程】
■最終審査会は1月19日(日) 愛生舘ビル6階愛生舘サロン。時間は午後1時から
当日はノミネートの中から2作品を上映し、映像と活字の両部門の賞を投票確定します。
■表彰式は2月26日(水)午後7時 愛生舘ビル6階愛生舘サロン
~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

マスメディアの姿勢を批判するのは簡単ですが、社会においてのメディア機能は今のような時代には特に重要であることは疑いのないことです。報道各社の中で、真実を地道に掘り起こす活動、テーマを基に時間を掛けて取材しての番組制作等、ジャーナリストとして奮闘している多くの方々の応援に少しでもなるのであれば、メディア・アンビシャスの活動も社会的意義を感じることができます。今年の選考結果が楽しみです!

メディア・アンビシャス大賞2012!

Posted by 秋山孝二
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 これまで何回も書きましたが、今年度の「メディア・アンビシャス大賞」ほかが、予備選考を経て、先日の最終選考会で決まりました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%B9

~~~~~~~~~~~~~~2012年度 選考結果

【活字部門】  推薦の記事は20本。
☆メディア・アンビシャス大賞: 「原子力 負の遺産」(北海道新聞。5部27回連載)

☆メディア賞       : 「原発とメディア」(朝日新聞。長期連載)
☆アンビシャス賞    : 「内閣府原子力委員会の『秘密会議』」(毎日新聞。連載含む)
☆入選          : 「除染手当 作業員に渡らず」(朝日新聞)
☆入選          : 「人減らし社会」(朝日新聞。連載)

【映像部門】  推薦の番組は17本
☆メディア・アンビシャス大賞: 「放射線を浴びたX年後 ビキニ水爆実験、そして・・・」(南海放送)
☆メディア賞            : 「米軍は沖縄で枯葉剤を使用した!?」(テレビ朝日/ザ・スクープ)
☆アンビシャス賞   : 「国の責任を問うということ~由仁町C型肝炎訴訟の行方~」(HTB)
☆入選         : 「失われた言葉を探して~辺見庸 ある死刑囚との対話」(NHK/ETV特集)
☆入選         : 「調査報道 原発マネー~“3兆円”は地域をどう変えたのか~」(NHKスペシャル)

なお、表彰式他は2月26日(火)午後7時よりシアターキノにて開催する予定です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 つい先日も書きましたが、マスメディアを批判するのは簡単ですが、難しい今の時代に果敢に挑戦しているジャーナリスト、記者の皆さま方を、率直に評価し励ますには、日々の地道な活動に裏付けられていなければなりません。今回のそれぞれの記事、作品も、会員の推薦が無ければかなり見過ごしていたと私は思っています、まさにメディア・アンビシャスの集まりに感謝ですね。「活字部門」は、コピーを持参して時間を見つけては読んでの選考ですが、「映像部門」は、個別というのも難しいので、数回の会員の上映会を開催しました。最終選考に残った作品は、何回か分からないほど繰り返し観ましたね、それでもかなり新鮮な作品ばかりでした。

 この所のアルジェリアでの事件の推移を見ていると、「メディア不在の時空」の危険を強く感じます。基本的に「報道」機能の重要性をあらためて再認識するのです。3・11直後の状態でも同じですね(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13001)。

 ただ、不在と対極に、バブリーなメディア及びメディアモドキの群れは、権力に容易く利用され、思考停止状態の民衆をミスリードしていきます。果敢に現実・権力の壁を乗り越え、厚い扉をこじ開けての取材による本来の報道は、まさに「命を掛けて」の日々の活動なのでしょう。ここ数日のアルジェリア報道を見ていると、「誰も情報を発表しないのか、どうなっているのか」みたいな批判的な記事が散見されていました。ちょっと待ってくれよ、新聞社・放送局こそ、「あなたたち独自の情報源と取材源はないのかよ!」と、一市民の私としては思いますね。既存のメディアの皆さま、あなたたちはいつからそんな偉くなったのか!と。

 いつの時代にも、どのセクターにも、優れた方々はいらっしゃいます。時代の制約を受けながらも、日々「志」に従って本物を目指す活動、私たちは見続け、応援し続けたいですね。2月26日午後7時からの表彰式が楽しみです!

メディア・アンビシャス大賞は?

Posted by 秋山孝二
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 優れた取材による報道を褒めようじゃないかという素朴な集団、「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/?page_id=2)」が、今年も大賞ほか、映像部門と活字部門の選考が始まっています。大賞他の授賞式は、今年は2月26日午後6時から、中央区南3条西6丁目シアターキノ(http://theaterkino.net/)で予定されています。

 マスメディアへの批判は巷にたくさんあり、私も日々感じている所ですが、そんな中でも、地道に番組制作に挑戦し続けている方々がいらっしゃるのも私たちは知っています。「視聴率」に日々追い立てられながらも、このような方々に対して少しでも励みになるのならとスタートしたこの市民の集まりは、毎月の例会を経ながら、年1回、その年に報道された映像・活字部門に分けて、会員の議論で選考を行います。今年も力作が多く、議論も盛り上がってきています。これまで、例会等については、数回この欄でも記載しました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7210

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12747

 それにしても、私たちは日々の忙しさに紛れてしまって、数々の重要な事実さえ置き忘れていることを痛感します。それらを丹念に掘り起こし、拾い上げて、時間を掛けてドキュメンタリー等に仕上げるジャーナリストたちの技(わざ)は、今の混とんとする国際情勢ゆえにきわめて重要な仕事と思います。昨日・本日と、映像系のノミネート作品をあらためて観ていて、担う皆さま方のご努力に頭が下がります、情報をただ「消費するだけ」ではいけない、賢い市民になって、今日からの活動に活かさなければと。

 2011年の3・11以降、調査報道の価値が一層語られてきています。一方的な記者会見の垂れ流しは、マスメディアの怠慢ではありますが、昨今、インターネットにアップされるインディペンデントメディアからの報道、世界の専門家からのメッセージにより、その気になればかなりの多様な情報を手に入れる環境でもあります。放射線被曝問題では、世界の研究者が実に的確なコメントを掲載しているサイトもたくさんあります。むしろ、日本のこの分野の研究者、自然科学に身を置くアカデミックセクターの人間達の沈黙に憤りを感じるのは、私一人ではないのではありませんか。「科学者の良心」といったものがどこへ行ってしまったのか。今、自国民にこれまでの研究に基づいた信念を語らずして自分の存在はいか程のものか、私はそう問い詰めたい気持です。

 どんな時代にもどんなセクターにも優れた人々は生きている、わずかな鉱脈を手繰り寄せるような作業が、3・11以降の日本社会の市民には必要なのでしょうね、それが今を生きる私たちの責任だと思います。

矢島祥子さん & 山本美香さん

Posted by 秋山孝二
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 このところの報道で、命を亡くされた2人の日本人女性、矢島祥子http://www.youtube.com/playlist?list=PLABABC50AD2CA582D)さんと山本美香http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120825/t10014534391000.html)のことを知りました。

 矢島祥子さんは、「サッチャン」の愛称で親しまれた大阪市西成区のくろかわ診療所に勤務していた医師(当時34歳)で、2009年11月14日から行方不明になりましたが、2009年11月16日に木津川の千本松渡船場で遺体が釣り人により発見されました。大阪府警・西成警察署は、当初、「自殺」と発表していましたが、遺族の粘り強い要請により、先日8月22日12時06分に、『容疑者不詳の矢島祥子殺人事件・矢島祥子死体遺棄事件』の告訴状を受理し、やっと殺人事件として捜査していくことになりました。この間のご両親はじめお兄さまほかご親族のご努力と、支援者の方々(http://sachan330.exblog.jp/)の活動を、テレビ番組でみました、これで捜査のスタートラインについたとのコメントでしたが、何とも理不尽でいい加減な当時の担当警察署の対応でした。

 もうお一人、山本美香さんは、ジャーナリストとして永年活動しており、今回はトルコからシリアに入り、銃撃戦に巻き込まれて殺されました(http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082201000940.html)。一昨日の朝、ご遺体が日本に到着したようです。亡くなられる直前までカメラを回し続け、銃声とともにその映像が終わっていました(http://www.youtube.com/watch?v=SdWVu-TULog)。

 

 お二人の尊い命は、実に多くの問題を私たち、今の日本社会に、提起しています。

 まずは、信念に基づく高い「志:こころざし」でしょう。矢島さんは社会的弱者に寄り添う医療従事者として、実際に地域で患者と向き合い、危険と隣り合わせで活動を続けました。山本さんは、マスメディアでは「戦場ジャーナリスト」と言われていますが、必ずしも「戦場」にこだわっていたのではなく、幼い子ども・女性の虐げられている現場を報道することにより、不条理をを世の中に問い続け、「メディアとは何か」、「ジャーナリストとは何か」と向き合っていたのでしょう。彼女のような「インディペンデント・メディア」が、私たちに実際の戦争の最前線を知らせてくれるのです。

 ちょうど彼女の死がニュースになっていた時、札幌の市民活動「メディア・アンビシャス:http://media-am.org/」の例会で、この話題になりました。昨年3・11以降の日本のマスメディアは、「20キロ圏内立ち入り禁止」の指示に従い、記者の安全を最優先に取材を自粛し、かなりの時期に「メディア空白」となりました。そこにいた被災者、生活者の実態はもちろん、そこへの物資供給さえ滞り、被害を拡大したことへの大いなる反省もその後噴出していました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13001)。

 震災から1年経った今年3月、私はこの欄に書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12165)。ジャーナリストとしての責務、それがギリギリの局面でどう発揮されるべきか、日本のメディア関係者にはもっと真剣に考えて頂きたいものです。

 二つ目は、矢島さんの場合は、その死因に対する警察捜査への憤りです。初動の誤りというか、不誠実な対応、人の命を何と心得ているのか、日頃の署内のたるみが伺えます。いや、「たるみ」とさえ意識していない組織病理なのかも知れません、テレビ番組でもそう指摘する有識者もいらっしゃいました。今、全国的に警察の不祥事が頻発しています。ごく普通の市民は、きっちりこれらの現実と向き合って声を発していかなくてはいけないと思います、泣き寝入りは絶対にダメなことです。今回の告訴状の受理、こうやって努力しないと捜査が始まらない異常さに、私たちは鈍感ではあり得ませんね。

 警察の捜査等に対する問題提起は、札幌の市民活動「市民の目フォーラム:http://www.geocities.jp/shimin_me/」がこの間行っています。社会で大切な「警察機能」が、間違った方向に行っては、安心・安全な暮らしは担保されません。警察を含む司法の在り方についても、自立した市民としては目が離せません。

 お二人の重い「死」から、私は一撃を食らったような感じです。一人の人間として「真剣に生きる」意味、これからも大切にしたいと思います。矢島祥子さん、山本美香さんに対して、心からご冥福をお祈り致します。

外岡秀俊さんの志

Posted by 秋山孝二
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 メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)5月例会で、外岡秀俊(http://1994-4991.at.webry.info/)さんのお話と意見交換を行いました。永年、朝日新聞社(http://www.asahi.com/shimbun/)の中で豊富な経験を積み、昨年4月以降は、一人のジャーナリストとして、ふるさと札幌に拠点を構えての活動に、一層の飛躍を期待したいですね。最初にお願いの電話をした時に、「北海道新聞から朝日新聞に移った青木美希さんから、この会のことは聞いていました」とおっしゃっていて、企業を越えた「北海道つながり」に感謝でした。

 朝日を退職してゆっくり札幌で活動と思っていた矢先の3・11、以前の阪神淡路大震災、中国の四川大震災等の取材経験を踏まえて、今年になって出版した2冊の本(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12747)も大変読み応えのある内容でした。

 経歴: 1953年札幌市に生まれる。1977年東京大学法学部卒業。同年朝日新聞社入社。社会部、外報部、ヨーロッパ総局長、東京本社編集局長、編集委員などを歴任。著書『北帰行』(河出書房新社、1976)、『アメリカの肖像』(朝日新聞社、1994)、『国連新時代』(ちくま新書、1994)、『地震と社会』上下(みすず書房、1998)、『日米同盟半世紀――安保と密約』(共著、朝日新聞社、2001)、『傍観者からの手紙 FROM LONDON 2003-2005』(みすず書房、2005)、『情報のさばき方――新聞記者の実戦ヒント』(朝日新書、2006)、『アジアへ――傍観者からの手紙2』(みすず書房、2010)。

 

 お話の中から幾つか~~~~~~~~~~~~~~~~

<3・11を経て、メディアの課題>

* 20㎞圏内にメディアのいない状態: 残っている住民が居るにもかかわらず・・・・、取材は外国メディアばかり――>非常時に、業界・組合等での「約束ごとに従う」は、本来のジャーナリズムとしてあるべき姿なのだろうか、紛争地にメディアは飛び込んでいくもの

* SPEEDI(文部科学省管轄:http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030101.html)発表の大幅遅れ: アメリカ軍には連絡していた現実

* 低線量、内部被曝への言及がほとんどなし: これまでの「専門家」は、「この時、この場」で何をしていたのか

* 「9・11」と「3・11」: どの国でも、ある種の興奮状態: 批判等には「非国民」のレッテル、それ故の躊躇

* アクセス・ジャーナリズム(ファクラー氏の発言より)――役所・企業等の取材源に批判的記事を書けない

 

<支援の在り方> 

* 四川地震の「対口(たいこう)支援:http://www.drs.dpri.kyoto-u.ac.jp/projects/saigaitaioken/shiryo/0910_03_06S.pdf」を参考にしては:  (例) 関西広域連合、国境を越えた知恵の連鎖

 

<今後の問題点>

* 沖縄、水俣、原爆症: 沖縄の基地と原発は同じ「構図」――>全国紙の4支局体制の下、地方の出来事はどうしても「ローカル扱い」となる、東京での扱いが全て小さい

* 事故原因の解明と責任追及

* 健康被害の長期化

* 災害時のメディア連携――> 会社単位での限界

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ふだん、メディアを語る場合、掲載された記事・放映された番組の批評等が話題になりますが、今回ではそれ以前の、そこに人々が生きている、倒れているにもかかわらず、その事実を伝える使命よりも、「きまり」、「常識」を打ち破ることなく退避した日本のマスメディアへの外岡さんの言及が印象的でした。「メディア空白の世界」の恐ろしさ、今一度、原点を思い出しました、以前、この会で、独裁政治・恐怖政治は、まずメディアの奪取から始まるとも、どなたかの発言がありました。

 外岡さんが、なぜ大震災等を追いかけ続けるのかを聞いたところ、ワシントン勤務時代の戦争報道を、途中で帰国したことがトラウマのようになっていて、その後の阪神淡路大震災では、1年以上現地に入り取材をし続けたとか。被害の実態、被害者のその後等、多角的な寄り添う視座で、持ち前の優れた表現力を駆使して、ジャーナリストの存在感を示していますね。

 「朝日という大企業を辞めて、今回、一人の人間として現地を取材して、その違いは感じませんでしたか?」と、やや意地悪な質問もしました。彼は、「現地で、自分の書いた『アエラ』の記事を持参しながら、個人の名刺を渡して取材をしましたが、被害にあった方々は、誰ひとり差し出した名刺を見ることなく語り始めたのです。そんな体験の中で、取材という活動には、企業とか個人とかはほとんど関係ない、そう思いました」と。勿論、その取材を支えるロジスティクスでは大きな差があるのでしょうが、「取材」そのものについては、まさにジャーナリストとしての「誠実さ」、「寄り添う眼差し」が、メッセージを引き出す力となるのでしょう。

 今回、私なりの大きな目的は、地元北海道新聞(http://www.hokkaido-np.co.jp/)の方々と元朝日新聞の外岡秀俊さんとが、近距離で意見交換する場を実現したい、そんな目論みもあり、これは大成功だったように思います。沖縄問題における琉球新報(http://ryukyushimpo.jp/)、沖縄タイムス(http://www.okinawatimes.co.jp/top/)の存在、3・11とりわけ原発報道でひと際輝く首都圏の東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/)等、地域に根差して地道な取材を積み重ねて検証していく、それを応援する人々が語り合う、そんな場にしたいという思い、それがメディア・アンビシャスの「大志」です。

 余計なことですが、外岡秀俊さんは私の小・中・高校の3年後輩、小学校の時に学級委員の会議で、何故か3年生で初めて出席した彼の姿を今も覚えているのです、不思議ですね。1976年の著書「北帰行」もすぐに買いましたが途中で挫折、私の片思いではあります、彼には札幌を拠点に世界を舞台に活躍して頂きたいですね、今後のご活躍を祈念しています!

メディア・アンビシャス大賞!!

Posted by 秋山孝二
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  優れた報道を勝手に褒めたたえて表彰するメディア・アンビシャス(http://media-am.org/)の、今年度の公開選考会が50名以上の参加者で開かれました。当日は映像系ノミネート作品4本を5時間かけて上映し、活字系ノミネート記事5つをそれぞれの会員が推薦講評、投票の結果、得票順に「メディア・アンビシャス大賞」、「メディア賞」、「アンビシャス賞」を決定し、それ以外のノミネート作品は「入賞」としました。

公開選考会の案内チラシ

公開選考会の案内チラシ

<活字部門>   *ノミネート5作品の中から1作品を選んで投票

メディア・アンビシャス大賞: 「いのち 自死3万人の時代に」(北海道新聞)
メディア賞:            「追跡・累犯」(毎日新聞)
アンビシャス賞:         「ヤマトよ偽善だ/沖縄は怒り疲れ虚脱」(朝日新聞)
入賞:               「フリーター労組が国賠訴訟」(北海道新聞)
入賞:               「現代かわら版 ウラン渇望 ソ連の原爆開発と日本」(北海道新聞)

 大賞には、「自殺」をテーマにした連載作品が選ばれました。この作品は第1部から第4部までの隔月の長いシリーズで、「自殺をどう減らすか」を目的に企画され、残された遺族、医師、電話相談員等の思いや、うつ病の現実、保護活動の動きなど多様な視点を伝えています。テーマ的には不幸にも新しいものではないのですが、「統計数値の外で消えるいのち」、「数値の奥に続く多くの苦悩」ほか、日本社会の病理に正面から向き合った内容が評価されました。

 メディア賞には、犯罪と福祉のはざまに陥って再犯を繰り返す「累犯」を長期間のシリーズで追跡した作品が選ばれました。福祉からこぼれ落ちてきた知的障害者、高齢者が多いことに注目するなど、その視点の新しさが称賛されました。

 アンビシャス賞には、基地問題をめぐる沖縄の現場と日本メディアの偽善を伝えた作品が選ばれました。「政治のせいだけにはできない、メディアの責任も大きい」として、大手メディアが自らメディア批判に切り込んで、「記者魂」を感じたとの高い評価があり、ぜひこれからもこの姿勢を続けてほしいという期待を込めた受賞となりました。

 

<放送部門>     *4作品鑑賞者は上位作品から順に4点/3点/2点/1点を付け、
               3作品鑑賞者は同様に3点/2点/1点、
               2作品鑑賞者は同様に2点/1点、
               1作品鑑賞者でその作品に投票したい場合は1点を付け、
               その得点を合計する方法で行いました。

メディア・アンビシャス大賞: 「あるダムの履歴書~北海道・沙流川地域の記録~」(NHK制作)
メディア賞:           「雨はすべてを洗い流す 在宅死に向き合う三家族の絶望と再生の記録」(UHB制作)
アンビシャス賞:        「NICU その先の現実~医療と福祉のはざまで~」(STV制作)
入賞:              「英霊か犬死か~沖縄から問う靖国裁判~」(琉球朝日放送制作)

 大賞には、「違法ダム」として残り続ける二風谷ダムの歴史とアイヌの人々の思いを描いた作品が選ばれました。圧倒的な長期間取材に基づく説得力が支持されての受賞となりました。

 メディア賞には、在宅死を選択した家族模様を描いた作品が選ばれました。従来のドキュメンタリーにはなかった表現方法や、日常の中にある「死」を描いている点などが評価されました。林先生の言葉、「その人の人生を知らなければ本当の治療は出来ない」は、看取りの真髄なのでしょうね。

 アンビシャス賞には、NICUを出た後に障害児に対する十分な支援や受け入れ機関がないまま、苦しい生活を強いられる家族を描いた作品が選ばれました。現実を報告するだけでなく、「現状改善のためにどうすべきか」を提案している点が支持されました。また被写体との距離も的確で、改めてメディアスタッフの信頼感、コミュニケーションの大切さも教えられた作品でした。

 これ以外の入賞作品も大変素晴らしい内容で、4作品とも非常に僅差でした。

 制作者の方もお招きした授賞式を、2月7日(月)夜・シアターキノ(http://theaterkino.net/)で行う予定です。詳しい制作の背景や会員の評価などもさらに聞けると思います。私も世話人の一人として、この機会に一つの作品・記事を何回も観たり読んだりしました。最初より2回目、3回目にさらに新しい気づきが有る場合も多く、メディアの力を感じます、奥が深いものですね。

ドキュメンタリー「花と兵隊」

Posted by 秋山孝二
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 メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)の新春特別例会として、2009年の映画「花と兵隊:http://www.hanatoheitai.jp/」の上映と、監督の松林要樹(http://d.hatena.ne.jp/motokiM/)さんと北海道大学准教授・中島岳志(http://indo.to/nakajima/)さんのトーク「ノンフィクションをめぐって」が開催されました。

 上映前に松林監督は、彼が卒業した映画専門学校の今村昌平校長の言葉を受けてと前置きして、「僕たちは、戦争を知らない世代って言われるけれど、それは違うと。戦争を知らないのではなくて、戦場を知らないだけ。戦争っていうのは政治の延長だから、ごく最近でも日本が加担した戦争があるし、自分たちのすぐ手元にあるものなのだ。政治に興味を持たなければ、戦争はなくならない。戦争を止めさせたければ、政治に興味を持つしかない」と、熱く語りました。

 この映画「花と兵隊」では、「未帰還兵」への取材を通して、「生きるとは?家族とは?そして戦争とは?」を問いかけ、田原総一朗ノンフィクション賞<奨励賞>を受賞しています(http://www.forum-j.com/bana024.html)。反戦へのストレートなメッセージというよりも、終戦から今日まで、彼らの家族との暮らしから、祖国日本に還らずに現地に残った気持をあぶり出す、そんな感じでしょうか。それぞれの現地の女性たちが皆さん実にきれいでした。

 アフタートークでは、松林監督の1年間のアジア放浪の旅、アフガンでペシャワール会・中村哲(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4289)先生との出会い、そして中村先生の伯父(母の兄)である火野葦平(http://hinoashihei.com/)との脈絡によって、この映画製作に至る過程等、周辺の興味深いお話も聴くことができました。火野葦平の作品「花と龍」は、数社で映画・テレビドラマ化されていますし、今回のこの映画タイトルは、彼の戦前の作品「花と兵隊」に由来するそうです、「北九州つながり」とでも言うのでしょうか。

 ドキュメンタリーは、作品を観ることは第一歩なのですが、それを創った監督の思い・狙い・周辺のストーリーを一緒に聞かせて頂くと、より一層味わいも深まります。それと自宅という空間でよりも、多少時間は掛っても出かけての鑑賞の方が、集中力が増すというか、鑑賞後の他の方との意見交換も含めてさらに興味深いです。

明日、札幌で、今年の「メディアアンビシャス公開選考会」が開かれます(http://media-am.org/?p=243)。

●日時:1月23日(日)13:00~(開場12:00)
●場所:中央区民センター(南2西10)2F 視聴覚室 入場無料

 映像系と活字系でそれぞれ大賞を選考する予定です。ドキュメンタリー作品・記事によって、事象がさらにメッセージ性を強めます。

がん患者~お金との闘い、他

Posted by 秋山孝二
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  メディア・アンビシャス7月例会(http://media-am.org/?p=203)では、STV(http://www.stv.ne.jp/)・佐々木律プロデューサーをゲストにお迎えして、作品「がん患者~お金との闘い:http://www.stv.ne.jp/tv/dnews/past/index.html?idno=20100528204534&query_start=1」を上映・ディスカッションを行いました。(参考:http://pancreatic.cocolog-nifty.com/oncle/2010/02/post-c4a4.html

 今年1月に、がん患者の女性・金子明美さんが享年41歳で亡くなられました。彼女はがんと闘いながら、がん患者の治療費負担の問題を提起してきました(金子明美さんブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/akiramenaidesu/)。

 私はがんに関しては、これまで医薬品卸売会社の経営者として、現在は北海道対がん協会(http://www.hokkaido-taigan.jp/)・監事として、それなりに近い立ち位置で過ごしてきましたが、今回のような患者サイドの経済的な視点からの問題提起は、恥ずかしながら初めて接しました。

 この番組は3回目のリメイク、3年間の取材中にSTV「どさんこワイド」でニュースとして20回以上報道され、岩波書店からも「がん患者~お金との闘い:http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-022499-4」で出版されています。佐々木さんもお話されていましたが、一連の取材では、患者・家族の周りには多様な課題が横たわっていて、「何をテーマとするか」、「どこに解決の道筋があるのか」等、誰も見つけられない難しさがあったようです。創りようによっては、「がんを支える家族物語」で終わってしまう、そんな危惧さえお持ちだったとか。厚生労働者の窓口の方も、新聞レベルの現状把握でしかなく、一般市民にとっては推して知るべしですね。生命保険会社に対しては、「知らせる」意味あいでは大きな成果があったのかもしれません。

 製薬会社は、競ってこの分野で新薬開発を莫大な投資により行い、市場に出たとしても大変高価な医薬品となります。その上、「治療」というよりも「延命」効果に止まる訳で、研究領域を越えた幅広い医師・医療機関、患者・その家族にとって本当に望む医療なのかどうか、まだまだ議論の余地がありそうな気がします。ただ、患者サイドに立った報道というのは大変貴重であり、是非これからもこの視点からのメディアの役割に期待し続けたい気持です。

 

 もう一つ、医療関係の話題です。「札幌医科大学・医療安全公開講座:『女子医大の経験』~再発を防ぐために(http://web.sapmed.ac.jp/jp/public/local/index.html)」が開催されました。黒澤博身先生による2001年3月の東京女子医大(http://www.twmu.ac.jp/)事件から学ぶ貴重なお話でした。英国「ブリストルの経験:http://dr-urashima.jp/pdf/r-5.pdf」から、「システムエラー」の中で、コミュニケーションの重要性を指摘され、「現代医療の限界」を、事前にどう患者・家族に説明するか、医療従事者の認識とギャップのある課題を提起されました。そして同時に、ここでもメディアの役割の重要性が語られました。

 超高齢社会、疾病構造の変化、医療の進歩、新薬の発売等、日本では我々にとって未知の課題解決までの間に、まだまだ幾つかの貴重な「いのち」の存在が必要なのかも知れません。どこかに「悪者がいる」といった悪代官探しよりも、みんなで創っていく姿勢が急務なのだと思います、それが亡くなっていった「いのち」に対する責任かと。