経済同友会 東北ブロック会議 2018

Posted by 秋山孝二
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 昨年の山形での会議(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30732)に続き、今年は新潟県長岡市で「経済同友会東北ブロック会議」が開催され、オブザーバーの一員で北海道経済同友会幹事として参加しました。長岡市には9年前(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3177)以来、2回目の訪問です。

 今年の会で、北海道経済同友会(http://hokkaido-doyukai.jp/)も正式メンバーとして参加が承認され、会議の名称も「東北・北海道ブロック会議」と変更されました。

来年の全国会議は新潟市で開催予定

来年の全国会議は新潟市で開催予定

 基調講演は前長岡市長の森民夫さんでした。

米百俵と市民協働

米百俵と市民協働

森民夫前長岡市長

森民夫 前長岡市長・前全国市長会長

 講演レジュメから~~~~~~~~~~~~~~

第一章 米百俵の精神

第二章 長岡市における市民協働の成功事例

* 中越地震からの復興  民間活力の象徴――牛のヘリコプターによる搬送

* 「アオーレ長岡(http://www.ao-re.jp/)」で躍動する市民力――隈研吾さん設計

* 世界に羽ばたく長岡花火

――復興祈願「みんなであげよう!フェニックス」https://www.youtube.com/watch?v=MB7r8iCDwbo

――大林宜彦監督 映画「この空の花」https://www.youtube.com/watch?v=CivwjE-pHJY

――真珠湾に咲いた平和の花火と青少年交流 http://www.news24.jp/articles/2015/08/16/07307063.html

~~~~~~~~~~~~~~~

 長岡の人材育成は、一人のエリート教育ではなく人材の厚みをつくること、これが小林虎三郎の精神であると。官に頼らない民間経済人の活躍の歴史でもあること。直近では中越地震被害からの復興過程にも、その底力が発揮されてきたことも紹介されました。

 森さんのご講演に続いては、マチづくりのツワモノがパネリストとして登壇、「市民協働を支えた人材の成功の秘訣」と題して、それぞれ迫力満点のメッセージでした。

* 高野克宏 (公財)長岡国際交流協会 専務理事(http://www.niea.or.jp/

* 渡辺美子 NPO 市民協働ネットワーク長岡 副代表理事(http://skn-ngok.net/

* 樋口勝博 (一財)長岡花火財団 専務理事(https://nagaokamatsuri.com/zaidang.html

* 渡辺千雅 「長岡映画」制作委員会 委員長(http://locanavi.jp/blog-info/nagaokaeiga_site/

* 星 貴  長岡戦災資料館 アドバイザー(http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate12/sensai/siryoukan.html

行政とのコラボも見事な協働の実践例の数々

行政とのコラボも見事な協働の実践例の数々

 私は一日目の途中で退席しましたが、灼熱の本州の夏、上越新幹線長岡駅では郷土の誇り高き人々を顕彰していました。

歴史を踏まえて

歴史を踏まえて

良寛さん

良寛さん

山本五十六連合艦隊司令長官

山本五十六連合艦隊司令長官

 故郷の歴史としっかり向き合い、骨太の地域創生を強く感じました、担い手たちの底力なのでしょうね。猛暑の中、心洗われる清涼感、何よりも元気をもらいました、ありがとうございます!

森ではたらく!14人 2018夏

Posted by 秋山孝二
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 東京で開催された「出版5周年プレ祝い『森ではたらく!』15人の仕事リレートーク・大交流会!(http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1807mori/index.htm」、多彩なプレゼンと参加者で大盛況でした。登壇予定のお一人が、大雨災害で被害に合われて急きょ欠席となって、実際は14名の方が発表しました。

 林業の衰退が言われる昨今ですが、従来の林業従事者にプラス「材」「財」として「木」を活用しての活動は多彩でファッショナブルですね。デザインとかマチづくりとか、新しい視点からの取り組みが新鮮でした。

会場ロビーで

会場ロビーで

 プログラムは、

1) 森を「まわす」ーー100年先のサスティナブルな”はたらき”とは?

2) 森で「つくる」—―自然にゆだねるクリエイティブなものづくりとは?

3) 森で「わけあう」――森に生かされ、森を活かすシェアリングエコノミーとは?

と区分けされてのプレゼン。

 ゲストプロフィールはこちら――> http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1807mori/index.htm#profile

登壇者の皆さん

登壇者の皆さん

 北海道から参加の足立成亮さんも出展・プレゼンし、大盛況でした。「札幌南高等学校林(http://www.rikka-forest.jp/)」の現場でもお世話になっています。

部屋の隅ではプチ・マルシェ

部屋の隅ではプチ・マルシェ

北海道から足立成亮さんも

北海道から足立成亮さんもプレゼン

夢のある活動

夢のある活動

3つのパネルディスカッション

3つのパネルディスカッション

 連日35℃を超える暑さの東京・永田町で、熱い発表と意見交換でした。新しい森づくり・森活かし、新しい担い手たちによって着実に進行している日本の現状ですね。

保阪正康さんを囲む連続講座

Posted by 秋山孝二
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 今年も昨年に引き続き、近代史の専門家で札幌ご出身の保阪正康さんを秋山財団にお招きして、21名の参加者とともに、「明治150年と平成30年~北海道に住む人びとはどう変わったか」をテーマに二日間の意見交換でした。

 前日は、小樽市内で「小樽市民講座 2018」でのご講演、今年で46回目、保阪さんは5年連続のご登壇とのことで、今年も変わらぬ人気でした。

人気の講座です

人気の講座です

 私と保阪正康さんとの出会いは、2011年の北海道新聞終戦特集取材時でした。

 これまでの関連記述――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E4%BF%9D%E9%98%AA%E6%AD%A3%E5%BA%B7

 今年の秋山財団連測講座の企画は、2月のこちら「藪半二階」で決まりました。――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32466

 今年のテーマ、保阪正康さんもかなりの気合の入りようで、昨年の議論を踏まえて、日本としての150年の検証と北海道150年の冷静な総括と歴史認識でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 保阪さんメモからの引用

狙 い

 今年(2018年)は明治150年である。具体的には慶応3年の大政奉還からということになるのだが、もとよりこの区分は元号による分け方にすぎないといえるわけで、歴史的に正当性が確立しているわけではない。私たちは歴史を振り返る時に何らかの句読点が必要でもあり、その一つにこの元号で歴史を位置づけて見ることが考えられるという意味でもある。特に北海道に関しては「明治150年」のその内実に対して、さまざまな視点があることは了解されていなければならない。

 アイヌの人たちへの抑圧という側面、北海道入植そのものがそれぞれの場での権力闘争の結果という側面、ロシアの南下政策に対する防衛的な側面、内地でのしがらみからの自由を求めての解放といった側面、などそこには歴史的、社会的な理由が存在する。

 明治150年はそういった問題を、改めて整理しつつ、私たちはこの時代をいかなる眼で見つめるか、を考えていきたい。前半は、中央から見る明治150年を分析しつつ北海道の位置づけを、後半は、北海道の人々の考え方を私なりの見方で「道民性の変化」という視点で考えてみたい。

・・・・・・・・

おわりに

 私たちはいま、北海道そのものの「崩壊の危機」にあると考えるべきではないだろうか。その理由は、近代化の到達した地点で次に来るであろう時代が予測し得ていないがためである。北海道の位置づけが明確でないと言っても良いだろう。北海道は明治150年の出発時の形での地域づくりは終えたのだ。それを共通認識として新しい北海道を作らなければならないように思う。そのために成すべきことは何か、を考えたい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 参加者は事前に事務局にそれぞれの思いを提出しています、以下は私のエントリーシートです。

氏名(ふりがな)

秋山 孝二 (あきやま こうじ)

1.自己紹介現在及びこれまでのお仕事、最近の一番の関心事、ご趣味など)

東京都江戸川区立鹿本中学校 理科教諭(5年間)

(株)秋山愛生舘 代表取締役社長(6年:会社在籍19年)

(株)スズケン 代表取締役副社長(48か月)

(公財)秋山記念生命科学振興財団 理事長(22年間:財団理事32年)

他、現在、財団代表理事4、評議員4、監事1

<関心事>

*日本の「近代」の捉えなおし

*明治期の全国的衛生&健康増進「愛生舘」事業のルーツを探る(初代秋山康之進のルーツ他)

*新渡戸稲造と札幌の人材育成「遠友夜学校」の理念と現代的意義

2.本講座への期待ほか(北海道150年への思い、昭和史を次世代の若者へどう伝えていくべきかについてのお考えなどご自由にお書きください)

自分自身が育った時代(1951年~今日)、義務教育年限でしっかり戦後教育(憲法、国際平和ほか)を受け、さらにその後の高校・大学で時代と真摯に向き合った自分の使命として、北海道のアイデンティティを見つめ直し、この地で自立した人材が育つことを期待し、少しでも尽力できればと思う昨今です。今の各セクターにおける歴史修正主義的風潮に危機感を覚え、このままでは若者へは渡せない、そんな世代の責任を感じています。

国際社会で、日本のリーダー的ポジショニングの機会も多くあるにもかかわらず、登場できない現状を憂いながら、まだ間に合うという一筋の希望も見出しています。

3.講師への質問事項など(今回のテーマに関することに限りません。ご自由にお書きください)

自分の残りの人生、北海道を拠点として、地域の財団法人として、何ができるのか、何をすべきなのか、30数年前の財団設立時からの私のテーマであり、「愛生舘」事業の継承者として日々葛藤しています。

抽象的ですが、「歴史を学び直す」ことが単なる趣味・興味にとどまらず、それを踏まえて日々の行動に反映することにヒントが得られれば私なりに満足です。参加者皆さんのそれぞれのお立場からの意見交換も楽しみです。

<今年の保阪さんの分析>
 北海道入植は明治20年ごろまでは前述の明治初年代に加えて、私の見るところ次の七つのタイプに分かれるのではないか。

1. 開拓使関連の人たち(北海道赴任組など)

2. 移住募集に応じた人たち(農業移民、漁業移民など)

3. 札幌、旭川など都市建設の従事者

4. 戊辰戦争の関連(会津藩など)

5. 牧場経営などの入植者

6. 民間側の商人や小事業主たち

7. 士族屯田兵

 このほか明治20年以降は、札幌農学校の教師、学生などの教育関係者、地主に惹かれての一般入植者、宗教関係、自由民権運動の挫折組、そして第七師団編成による軍事関連の人たちなどと広がりを持っていく。これらの人たちの詳細な分析が必要ではないか。

~~~~~~~~~~~~~~~~ 保阪さん分析からの引用おわり

 これに対して、参加者の皆さんからさらに補足する貴重なご発言も多く、大いに盛り上がった今年の講座でした。議論の中では、アッツ玉砕後、北海道出身のご遺骨を札幌市内で札幌一中生徒が抱える列の写真も披露されました。玉砕のこのような慰霊祭は最初で最後だったようです。この列は中島公園に向かいました。

おびただしい数のご遺骨(中身は骨ではなく)

おびただしい数のご遺骨(中身は骨ではなく)

 今回は、前回にも増して様々なお立場の方がご参加になり、メディア、研究者、企業、行政等の視点からの意見交換は実に内容が濃かったです、来年も是非開催したいと思っています。

『一九六八野郎』!

Posted by 秋山孝二
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 今月号の岩波『世界(https://www.iwanami.co.jp/book/b372513.html)』に寺島実郎さんの連載「脳力のレッスン特別篇」として、「一九六八年再考――トランプも『一九六八野郎』だった」は、大変興味深い内容です。

 私にとっての『一九六八年』は忘れることができません。高校3年生、受験を控えていましたが、ベトナム戦争で疲弊する世の中は何か騒然としていて、東京大学入試中止、朝永振一郎先生に憧れて当初志望していた東京教育大学も、年が明けて早々に入学試験が中止となりました。数年後、大学は都内から筑波学園都市に移って「筑波大学(http://www.tsukuba.ac.jp/)」となり、現在に至っています。そして、後に振り返ると、私の首都圏での大学生活では、キャンパスでの学びよりも、外での集会等での出会い、そして山本義隆さんの存在が大きいです。

 山本義隆さん関係記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E7%BE%A9%E9%9A%86

* これまでの「1968年」記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=1968

 今振り返ると、この時期にどんな立ち位置で時代に関わっていたかは、その後のそれぞれの人生に大きな影響を与えているように思います。これまでお会いした数多くの方の中には、同時代を生きていながら、「全共闘って何?」という輩もいたりして、それが現実かと妙に納得したりいろいろです。

 寺島実郎さんの記述によると、例えば、アメリカのトランプ大統領はこんな感じだったようです、「これじゃね~」と思うのは私一人ではないでしょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~寺島実郎さんの記述から引用

・・・1966年秋に入学したペンシルベニア大学のウオートン・ビジネススクールでは、「美人を連れて歩くのが好きな奴」という印象を多くのクラスメートに残している。・・・自分を「シンシナティ・キッド」と呼んで、卒業時には20万ドルの財産を持っていたと胸を張るが、1968年という時代に世界の若者が「社会変革」に血をたぎらせていたことなど関心の対象外で、一切の言及はない。

・・・この時代を生きた米国の世代に関して気になるのはベトナム戦争との関わりである。・・・「医学的に不適格」として兵役を回避する自分本位の男、時代に正対もすることなく青年期を自分自身のためだけに生きた男というのが若きトランプの実像といえる。

・・・この自己陶酔型の人物の視界には、目指すべき理念、自分の生き方に疑問を抱く力、問題を深く考察する知的葛藤が皆無である。それが、世界の不幸をもたらしていることに気づく。

・・・国の掲げる価値を真摯に信じてベトナムに行った青年は死傷し、背を向けて「女とカネ」に執着していた男が大統領になる。こんな理不尽があっていいのであろうか。だが、それが現実なのである。

・・・確かに歴史は一直線には進まないが、長い視座で考えれば条理の側に動く。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 今、65歳を越えた年齢になって私が思うのは、当時の揺れ動く価値観の中でも時代と真摯に向き合っていた自分の姿勢は評価したいなと。教員時代も、企業経営者時代も、そして今もそうです、足元の日本・北海道を基盤にした歴史認識を求めて、寺島実郎さんが言う「歴史の鏡を磨く」ことから、「持続する志」を持って、課題に挑戦したいものです。

 あらためて「一九六八年」は、私にとって第二の誕生日です。

日大アメフト部に思う

Posted by 秋山孝二
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 日本大学アメリカンフットボール部の事件が明るみになってから、私なりにウオッチし続けていますが、直後の当事者日大部員の毅然とした記者会見をはじめ、幾つかの心に残るコメントがありました。

 一つは、米スタンフォード大学アメフトチームで、唯一の日本人コーチ(オフェンシブ・アシスタント)として活躍する河田剛さんの発言です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180528-00010004-huffpost-soci

 威圧的な態度で部下らに接するパワハラは、大きな社会問題となっている。企業では管理職の研修も開かれ、問題が発覚したら加害者が厳しく処分される。日本のスポーツ界は、そうした社会やビジネスの「常識」と切り離されている点が特徴だ、と河田さんは指摘する。

 「社会やビジネスでの常識が、スポーツの世界には遅れて入ってきます。それは、スポーツの地位が低いからです。アメリカでは、有名企業のCEOがスポーツ球団経営の打診を受けたりします。そうすることで、ビジネス界の知識や常識がスポーツ界にも浸透し、逆にスポーツのいいところがビジネスにも活かされ、双方向です。ところが日本は一方通行で、変化もすごく遅い」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 もう一つは、日本大学アメリカンフットボール部選手一同の声明文です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

https://www.daily.co.jp/general/2018/05/29/0011304364.shtml?pu=20180529

 私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います。ただし、絶対に必要だと今思っていることは、対戦相手やアメリカンフットボールに関わる全ての人々に対する尊敬の念を忘れないこと、真の意味でのスポーツマンシップを理解して実践すること、グラウンドではもちろんのこと、日常生活の中でも恥ずかしくない責任ある行動を心がけるなど常にフェアプレイ精神を持ち続けることを全員が徹底することです。そのために何をしていく必要があるのか、皆様にご指導頂きながら、選手一人ひとりが自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~一部の引用 おわり

 日本大学と言えば、私が思い出すのは今から遡ること50年、1968年頃から数年の「日大闘争」ですね。当時の古田体制に敢然と立ち向かった秋田明大全共闘議長ほかの活動は、今もはっきり記憶にあります。50年を経て共通するのは、日大当局側の責任逃れで嘘も平気で語る醜い大人の姿です。いや、日大に限らず、今の日本社会、潔くカッコいい大人が極端に減った気がします、真っ当に責任を負う大人です。

「一九六八、日大闘争」の画像検索結果

「一九六八、日大闘争」の画像検索結果

 私は繰り返し自分に言い聞かせています、「時代と真摯に向かい合う」、さらに「歴史に誠実に」でしょうか。個人の人生としては、その瞬間瞬間を精一杯生きる、みたいな、そんな人生の積み重ねは時が経っても新鮮であり、何回反芻しても後悔することはありません。

 日大アメフト部の皆さんには、新しい指導者の下で再スタートして、本当の意味で強力なチームに成長して貰いたいですね、必ずそう成れると思います、頑張って!!!

映画『焼肉ドラゴン』

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 この処、等身大の家族をテーマにした映画が続きます、先日も夜に『焼肉ドラゴン(http://yakinikudragon.com/』を観てきました。どこか『万引き家族』とも通じる雰囲気、大阪での万国博覧会が催された1970(昭和45)年。私自身が生きてきた時代と重なり、余韻の残る物語でした。舞台で再演を続け、演出・脚本家としての鄭義信としては初めての映画監督とか。カットが細かく、どこか素朴な映画の印象はありました。

* 『万引き家族』 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33555

 「小さな焼肉屋の、大きな歴史を描きたい」と語る監督の言葉通り、70年代の時代の記憶、人々のぬくもりが鮮明に蘇り、時代に真正面に向き合い、明日を生きるエネルギーで溢れる人間模様は昭和の記憶でしょうか。

公式HPより~~~~~~~~~~~~

 鄭義信作・演出による舞台「焼肉ドラゴン」は朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇大賞および最優秀作品賞など数々の演劇賞を受賞。熱狂的な支持を受け2011年・2016年と再演を重ね、多くのファンを魅了しました。そんな演劇界では一流の演出家であり、映画界では『月はどっちに出ている』、『血と骨』などで脚本家としも名高い鄭義信が本作では初監督に挑みます。

 そして、長女・静花役に真木よう子、次女・梨花役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみと美人三姉妹が揃い、静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋など日本映画界を代表する豪華キャストが集結。さらにキム・サンホ、イ・ジョンウンら韓国の名優が我が子や店に集う騒々しい客たちを、いつも温かなまなざしで優しく包みます。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 ちいさな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営み、故郷を失くし、戦争で左腕を奪われた亭主・龍吉が、「つらい過去は決して消えないけれど、たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」と語る言葉の意味を、今の時代を生きる若者たちはどう理解するのかなとも考えましたね。

 「大きな時代の波に翻弄されながら」と公式HPにも書かれていましたが、まさにその通り、大阪伊丹空港に着陸するジェット機の爆音がそれを象徴しながらも、その下でたくましく暮らす・生きる家族の姿が愛おしく感じます。「在日」をテーマにしながら、それぞれの「在日」を炙り出し、多様な人生の来し方行く末を追いかける、味わい深い作品でした。

合同報告会 2018

Posted by 秋山孝二
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 (一財)前田一歩園財団(http://www.ippoen.or.jp/)と(公財)秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/)との合同報告会は、今年で8回目を迎えました。

*これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%90%88%E5%90%8C%E5%A0%B1%E5%91%8A%E4%BC%9A

第8回目

第8回目

今年の報告団体

今年の報告団体

 今年は、展示もありました。秋山財団の採択活動「厳冬期の災害に向き合い、『地力(ちぢから)』の向上でいのちを護るプロジェクト(http://www.akiyama-foundation.org/news/2700.html)」の「段ボールベッド」、活動の進展とともに、第一世代、第二世代、第三世代と進化している様子を具に見て取れます。

奥がから第一世代、手前が第三世代

奥がから第一世代、手前が第三世代

実証実験を経ての進化

実証実験を経ての進化

7トンまでの耐久性!

7トンまでの耐久性、この方くらいでも全く楽勝!

 発表の後は交流会。盛んな皆さんの交流であっという間に時間が過ぎました。

小池理事の締めのご挨拶

小池理事の締めのご挨拶

 回を重ねることの価値、重みを実感したひと時でした。ご参加の皆さま、ありがとうございます!

映画『万引き家族』

Posted by 秋山孝二
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 映画『万引き家族(http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/)』​は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、日本映画では21年ぶりとなる最高賞にあたる「パルムドール」を受賞しました。この公式HPで予告編のナレーションは、我が(公財)北海道演劇財団の斎藤歩専務理事です!

 是枝裕和監督は語っています、「血縁が無い中で人って家族が作れるのだろうか?血のつながっていない共同体をどう構築していけるか、ということですね。特に震災以降、世間で家族の絆が連呼されることに居心地の悪さを感じていて。だから犯罪でつながった家族の姿を描くことによって、“絆って何だろうな”、と改めて考えてみたいと思いました。」と。

映画『万引き家族』 是枝裕和監督が犯罪で繋がる家族を描く、リリーフランキー×安藤サクラ×松岡茉優 - 写真1

映画『万引き家族』
公開日:2018年6月8日(金)全国ロードショー
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ / 松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 ・ 柄本明 / 高良健吾 池脇千鶴 ・ 樹木希林
配給:ギャガ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~HPより

 映画『万引き家族』​は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品され、最高賞にあたるパルムドールを受賞。日本の映画では今村昌平監督による『うなぎ』以来のことで21年ぶりとなり、大きく話題を呼んでいる。是枝監督は、コンペティション部門では『海街diary』から3年ぶり、5回目の出品となる。また、2004年『誰も知らない』で主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年『そして父になる』で審査員賞を受賞した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、役者の力量と言うのでしょうか、セリフが実に自然で、脚本がまるで無いみたいな日常性を醸し出しています。家族みんなで素うどんをすすったり、縁側で花火を見上げたり、戦後の昭和を生きてきた私は何気ない場面にそれを感じました。血が繋がった家族がDV・ネグレクト等の問題が頻発する現代社会で、「万引き」という犯罪で生計を立て「家族」を形成して生きている姿から、「暮らす、生きていく」意味合い、今の日本社会への静かな問題提起となっています。

観劇 & 第114回北を語る会

Posted by 秋山孝二
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 「北を語る会」、今回は第114回目、シアターZooで『フレップの花、咲く頃に』の観劇の後、隣の稽古場で懇親会でした。

* 「北を語る会」のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A

『フレップの花、咲く頃に』ーー> http://www.h-paf.ne.jp/program/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E8%8A%B1

フレップの花、咲く頃に

<キャスト>

山田百次
西田薫(フリー)
熊木志保(札幌座)
竹原圭一(RED KING CRAB)
高橋海妃(フリー)

友情出演
アリョーナ(ジャイブプロモーション)

 朝鮮人、日本人、ロシア人、樺太アイヌたちが、国家・民族の垣根を越えて一つのコミュニティを奇跡的に形成していた「混住」の時代、個人レベルでの心の交流を描いた作品です。この日の公演は満席で、終了後の皆さんのお顔は満足感で溢れていました。

 今回演出の斎藤歩からのメッセージです。~~~~~~~~~~~~~~~~

 台本を執筆するのは山田百次くん(ホエイ)です。「珈琲法要」をご覧になられた方も多いと思いますし、2月「暴雪圏」での強盗殺人犯の演技も記憶に新しいと思います。

 昨年「亀、もしくは…。」のサハリン公演を終え、サハリンとの新たな交流を検討していた矢先に、私が出会った一つの手記をもとに百次君が取材を重ね、脚本化してくれました。敗戦直後の樺太に残留していた日本人の方々が経験した「混住」という時代。当時小学生だった吉岡潤三さん(北海道演劇財団理事)のお宅に、突然ソビエト軍のトラックが横付けされ、一組のロシア人夫婦が降ろされて「お前たちは今日からこの夫婦と一緒に暮らせ」と命じられたのだそうです。それから、ロシア人の夫婦と吉岡さんのご家族の2年ほどの暮らしが始まったのですが、そのころ樺太には大勢の朝鮮人も連れて来られていたり、樺太アイヌの方々もいたり、様々な民族の人たちが、垣根を持たずに一緒に暮らすコミュニティを形作っていたのだそうです。

 実際に北海道のすぐ隣の島で起こっていたことを舞台上に現わすためには、ロシア人の俳優が必要でした。サハリンのチェーホフ劇場から呼んでこなければならないかなぁ…と考えていた矢先に、テレビの画面に現れてくれたのがアリョーナさんでした。すぐに電話に飛びつき、連絡先を調べて出演交渉したところ「友情出演」という形で出演してくれることになりました。山田百次くんも勿論出演し、5月の「シンデレラ」に続いて連投の西田薫、熊木志保、そしてMAMの「父と暮せば」でTGR俳優賞を受賞した高橋海妃さん、更に竹原圭一くん(RED KING CRAB)も、二つ返事で出演を了承してくれました。

 今年は「日本におけるロシア年」だそうで、日本とロシアの友好・交流について考えることの多い年だと思いますし、北海道150年という事で、記念事業としても登録をさせていただいています。北海道から世界を、そしてこの国の近代を眺め感じ・考える貴重な作品になると思います。シアターZOOで全10ステージ、皆さまを劇場でお待ちしています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 この公演に至るプロセスも具に見ていた私としては、作品自体の知らなかった樺太の歴史の一断面とともに、地域のテーマとしての興味深さも感じて、余韻が残りました。脚本の山田百次さんは、これを書くために実際にサハリンに調査に行かれたとか、すごいですね。

 終演後の役者の皆さんを含めた「北を語る会」メンバーの懇親会は、話題満載で大変楽しい時間となりました。観劇後のこのようなひと時、数倍の喜びとなります。

50名を越える参加者の皆さん

50名を越える参加者の皆さん

演出の斎藤歩さん

演出の斎藤歩さん

原作者の吉岡順三さん

原作者の吉岡順三さん

脚本。主演の山田百次さん

脚本・主演の山田百次さん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん(サハリン出身)

 在札幌ロシア総領事館の総領事もご覧になって、今後、サハリンでの公演も含めた企画に構想も膨らんでいるようです。これまでも札幌座は、ハンガリー、ルーマニア、韓国、ロシア等、数々の海外公演を経て、その都度大きな進化をしてきているので、これからも楽しみです!

皆さん、お疲れさまでした!!

ありがとう、松葉杖!

Posted by 秋山孝二
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 世間では、サッカーW杯の決勝トーナメントで大騒ぎですが、私にとっては2月26日に転倒による骨折をして以来、足の回復が最大の関心事。毎朝、足首の関節をさすっては、昨日よりは少しいいかなと、自らの身体を励ましながら過ごす日々です。4月末のゴールデンウィーク頃にはスタスタと歩いているイメージでしたが、いつ完全に回復するかの目途も立たず、少々気落ちしていた時期もありました。

 この間4か月お世話になった松葉杖、途中二本から一本になり、2週間位前に何とか卒業できました。しかし、杖無しの新たな状態で、まだまだリハビリが続きます。

松葉杖ーー> http://www.smartcrutch.jp/blog/best-fit-foryou2syurui/

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32609

共に過ごした4か月

共に過ごした4か月

 松葉杖と一緒のライフスタイルで、私は非日常のたくさんの体験をし、多くの方々の善意も感じました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32759

 さらに、自分の身体、特に足首上の状態を毎日観察していると、東日本大震災の東北地方の復興状況と重なるから不思議です。2か月くらいして仮骨ができてきて骨格が少ししっかりしてくるとともに、寸断された血管が復旧してきたのか、血液循環が回復して腫れが引いてきました。すると、膝の上も含めた筋肉がかなり落ちているのに気が付きます。筋肉を復活するには、歩く等の運動ほか「適度」の負荷を掛ける必要があり、正しい歩行姿勢で毎日リハビリに励み続けます、地道に。この「適度」がなかなか難しいのですよね。週一回通っている病院のリハビリ担当の方からも、マッサージと歩行姿勢についてはアドバイスを貰っています。

 震災後の東北各地、寸断された物流網の復活、循環の回復、放射能被害以外の各地の復興も、ほぼ同じようなプロセスを踏んで今日に至っているような気がします。

 人間の回復力の素晴らしさ、社会の弱者への眼差し、周囲からかけて頂いたお見舞いの言葉、これまで体験したことがない領域の日々、私には貴重でしたが、気がついてみるともう、今年も7月になりました。

第6回 遠友夜学校フォーラム

Posted by 秋山孝二
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 毎年6月に開催し、第6回目となる今年の「札幌遠友夜学校フォーラム」は、北海道大学名誉教授の三島徳三先生のお話でした。新渡戸稲造全集に盛り込まれる言葉を引用して、現代の課題解決にも通じる解説の数々は、実に新鮮な視座からのメッセージとなっていました。

* 2016年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27044

* 2017年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30109

当日チラシ

当日チラシ

< 三島徳三先生のご講演 >

1 「日本人」の再認識

2 日本国民の道徳的覚醒

3 集団主義の決別と個人の確立

愛国心を土台とした平和主義

5 共存と寛容の思想

   * 柳宗悦「複合の美」の思想-

   * 金子みすず1903-1930の童謡詩

   * ガルブレイスの「拮抗力」概念

講師 三島徳三先生

講師 三島徳三先生

新渡戸の言

新渡戸の言

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 終了後の三島徳三先生の談です。

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 「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」主催の6.23講演会には150名くらいの人たちが来てくれた。しかし高齢者が多く、期待していた若者や各種運動家の人たちの参加は少なかったようだ。国際人としての新渡戸や「武士道」については知っていても、その他の業績や思想についての関心はまだまだ薄いからだろう。

 だが、新渡戸の思想は、若者言葉で言えば”半端ない”、見過ごしてしまうにはあまりにももったいない。飛躍するかもしれないが、朝鮮半島や東アジア、さらには世界の平和を構築するためには、新渡戸の「共存と寛容」の思想、「ナショナリズムとインターナショナリズム」の思想こそが大事なのだ。26歳で夭折した童謡詩人・金子みすずは、新渡戸の「共存と寛容の思想」を短くうたっている。「みんなちがってみんないい」

 その他、新渡戸の著作が「現代の日本」に示唆するものは多い。グローバル化の中で失われつつある地域の自然や文化、タネなどの農業資源、それらを守る哲学として、講演では民芸運動の父・柳宗悦の「複合の美」の思想を位置づけた。脱亜入欧の福沢諭吉とちがい、新渡戸は東洋と西洋の共存、それぞれの美点を強調する、新渡戸と柳の「東と西」「右と左」の複合の思想には、明らかに共通点がある。

 「右と左」の意義と共存を説く新渡戸の思想は、米国の著名な経済学者・ガルブレイスのCountervailing Power「拮抗力」の必要性とも通底する。労働組合、消費者運動、対抗的野党の存在こそが、社会のバランスを保ち、厚生をもたらすのだ。

 いま若者はスマホから目を上げず、他人のこと、政治や社会のこと、自然の移ろいに気が付かない。だが、そういう若者の中でも、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』が爆発的に読まれているという。身近な友達関係から世界人類を見る、その豊かな人間性、そこに未来を託そうではないか。

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 若手の参加者の感想にも注目です。

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『どう生きるか』

 昨日の6月23日(土)札幌エルプラザで新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会の記念フォーラムが行われました。講演者は北海道大学名誉教授三島徳三さん。新渡戸稲造の道徳観を中心に語っていただきました。その中で先生が若者にどうしても読んで本として吉野源三郎作『君たちはどう生きるか』この本は昭和12年の本ですが漫画化され100万部以上の大ヒット作に。ジブリの宮崎駿監督もこの本を読み、自分が映画化する!と宣言されたほど三島先生いわく、ハンパない内容とのことです。自分も近いうちに購入して読んでみようと思います。

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 またこの日は日本国憲法の前文に触れる機会もありました。[われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない]新渡戸稲造が生涯目指した太平洋の架け橋になって国際平和をもたらすこと。そして札幌市、北海道そして自分達が取り組み始めたSDGsにも通じる内容。この文は国家の部分を人や会社などの組織、自然や環境などの大きな枠組みに当てはめてもこれからの時代に必要なエッセンスになると思いました。これらの三島先生による、様々な方向からのアプローチにより新渡戸稲造と現代に示唆する事柄を色々な例を用いて詳しく説明していただき収穫多き日になりました。

 講演会終了後の懇親会にも参加させてもらい元北海道大学農学部長の松井さんや色々な先生方のお話を聞かせていただきました。その中でも秋山さんから秋に開催される栃木県益子町でのワグナーナンドールアートギャラリーに参加させてもらえる事やワグナーナンドールの奥さん和久奈ちよさんにもお会い出来る事が可能なお話もでき有り難かったです!

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ZOOサロン6月例会 2018

Posted by 秋山孝二
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 毎回、様々なゲストを招く『シアターZOOサロン』、「演劇」という接点で結ばれた様々な方が集まり、語り合い、親睦を深める楽しい集いです。今月は作家・佐川光晴さんと俳優・斎藤歩さんと北海道大学同級生対談、タイトルは「持続と変化」でした。斎藤歩さんは、(公財)北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)常務理事・演劇監督で、映画・芝居の出演・演出ほか、私と一緒に財団運営で日々汗を流しています。

* これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%BCZOO%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%B3

「持続と変化」同級生対談

~~~~~~~~~~~~~~~ ご案内チラシより引用

 6月のZOOサロンは、1983年4月、ともに18歳で北海道大学に入学した北海道演劇財団の芸術監督・斎藤歩と、現在、様々な小説で注目を集めている佐川光晴さんが、学生時代の活動から現在に至る軌跡を縦横に語るトークショーを行います。佐川さんは1965年に東京で産まれ、茅ヶ崎で育ち、83年4月北海道大学文Ⅲ系に入学しました。恵迪寮に入寮し、寮自治会の執行委員長等を務めていた頃に、斎藤歩と北大で出会っています。
 87年4月~88年3月、ガセイ南米研修基金奨学生として1年間中南米諸国に滞在。89年3月北大法学部卒業と同時に「劇団どくんご」所属の女優と結婚し、埼玉県に移住。2000年9月、屠畜場での仕事を描いた「生活の設計」で新潮新人賞を受賞。01年2月に10年間勤務した大宮食肉荷受(株)を退社。作家専業となり、02年『縮んだ愛』で野間文芸新人賞、11年『おれのおばさん』で坪田譲治文学賞を受賞。主夫として二人の息子を育てた経歴から、子育てに関する著作も多い、そんな佐川さんが話してくれるのは、北大に入ってから今日までの「持続と変化」だそうです。お楽しみに。

~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 彼らの時代、どんな大学生活だったのか興味がありました。北海道大学恵迪寮の寮自治会執行委員長だった佐川光晴さん、その懐かしい思い出話とともに、受け継いだ次の寮長の顛末をずっと心に引きずる奥の深い物語となっていきました。

佐川光晴さんと斎藤歩さん

佐川光晴さんと斎藤歩さん

 人生の転機、職を代えてもその場その場に向き合う真摯な姿勢は、多くの先輩・仲間からも一目を置かれる存在だったようです。斎藤歩との出会い他、私が知らなかった時代の学生生活を垣間見た思いです。

 帰り道、久しぶりの気持ち良い余韻を味わいました、ありがとうございます。

作家 佐川光晴さん

作家 佐川光晴さん

* 作家・佐川光晴 https://booklog.jp/author/%E4%BD%90%E5%B7%9D%E5%85%89%E6%99%B4

第一回六華ゼミ 2018

Posted by 秋山孝二
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 六華同窓会の現役高校生に対するユニークなプログラム「六華ゼミ(http://www.sapporominami.hokkaido-c.ed.jp/rikka.html」が、今年も、幹事当番期・南43期の皆さんにより開講しました(http://www.minami43.com/pages/1469969/page_201712030108)。「六華ゼミ」とは、札幌南高校の在学生に、将来の進路選びに役立てていただくことを目的として、六華同窓会幹事期(今年は南43期)の同窓生の中から、いろいろな職業の者、いろいろな生き方をしている者の講義を開講するゼミです。聴講者は札幌南高校の在校生1~3年の方を対象としていますが、今回も会場満席、一部通路にも座って大盛況でした。

 トップバッターは、常見陽平(http://www.yo-hey.com/さん、テーマは「これからの社会を生きるために南高生が今、知っておくべきこと」。

視聴覚室が満室

視聴覚室が満室

南43期常見陽平さん

南43期常見陽平さん

時代とともに定義も変わる?

時代とともに定義も変わる?

 私は一番後ろの席で聴いていましたが、ふと前の現役生の荷物を見ると、懐かしい校章が目に留まりました。

懐かしい学校バッジ

懐かしい学校バッジ

SDGs北海道アクション、キックオフ!

Posted by 秋山孝二
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 「SDGs北海道アクション 連続講座(https://www.facebook.com/SDGs.HOKKAIDO/」の初回が開催され、180名を越える参加者で大盛況でした。数年前は、まだまだ一般的には浸透していなかった「SDGs」、北海道からも発信が始まっています。

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★主催者あいさつ
SDGs北海道アクション 呼びかけ人 加納尚明 https://www.facebook.com/SDGs.HOKKAIDO/
★講演 SDGsのいろは
RCE北海道道央圏協議会 事務局長 有坂美紀氏 http://rce-hc.org/
★SDGsでつながろう!活動プレゼン
1. NPO北海道club 宮澤洋子氏 https://sapporo-machizukuri.com/org/4364
2. 北海道CSR研究会 上島信一氏
3. NPO法人北海道エンブリッジ 浜中裕之氏 http://en-bridge.org/
4. 須藤、東、芹澤(札幌聖心女子学院中学高等学校)

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180名を越える参加者

180名を越える参加者

会場内にはロゴも

会場内にはロゴも

有坂さんの基調講演

有坂美紀さんの基調講演

国際社会の流れ

国際社会の流れ

地域から感じる違和感も

地域から感じる違和感も

 17の課題と地域の課題をどうリンクし、自分たちの活動の立ち位置を認識することが今後重要なのでしょうね。昨年(2017年)秋山財団で策定した「第8期中期五か年計画」おいても、以下のように記載しています。

~~~~~~~~~~~~~~~~一部抜粋

1. 活動目標及び方針 (参考:「未来像・2011から(http://www.akiyama-foundation.org/vision

 財団設立25周年に策定した長期方針「未来像・2011から」、その後の第7期中期5カ年を踏まえて、30周年以降の進化・深化を目指す。更に充実した事業展開としっかりした事業検証を継続し、それを裏付ける財政基盤の拡充を目標として、事業計画及び財務計画の基本方針を次の通りとする。

1)研究助成、活動助成全般を通じて、「生命科学」の概念を明確にし、SDGsを意識し、「北海道学」に象徴される「地域」について深掘りする一方、生命科学の基礎的研究に取組む若手研究者を重視した助成を継続する。

2)「新しい公益」の担い手への支援・育成を柱に、「ネットワーク形成事業助成」を検証し、SDGsを意識してパートナーとして共に進化する道筋を継承する。

3)アウトリーチ活動を通じて研究者と地域の担い手とのコラボレーション企画と学びの場(ステージ)の創設、次世代の育成・教育プログラムの創設を実施すると共に、地域社会変革モデルを積極的に提唱し、幅広い道民の合意形成を実現する。

4)基本財産である「秋山メモリアルハウス」を生命科学の「拠点」として、北海道に根差したコミュニティ財団を志向する。

5)自主・自立を堅持する民間財団として、一層の基本財産の保全と充実に努め、さらに積極的な運用を研究し、実行する。

6)財団経営の充実と発展のために、事務局長及び事務局の機能・職務・権限を確立する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~抜粋おわり

< これまでの私が参加したワークショップとSDGs関連の記事 >

* 2015年9月  http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24492

* 2017年8月 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30859

* 2017年10月 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31503

映画『共犯者たち』 & シンポジウム

Posted by 秋山孝二
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 映画&シンポジウム、東京池袋の立教大学で開催され、満席の会場は熱気で溢れていました。このイベント、私はFacebook友達の投稿から知りましたが、札幌で「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)」活動の世話人の一人として、「闘って勝ち取った民主主義」を目の当たりにし、参加してよかったです。今回シンポジストの望月衣塑子さんは、4月末の札幌に続いての出会いでした、ご本人が言っていたように、「韓国の闘う記者たちと比べたら、日本、自分はまだまだ」とのコメントも新鮮でした。

* 4月札幌でーー>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33093

映画『共犯者たち』 >HPより

 韓国では、2008年、米国産牛肉の輸入問題の報道で李明博(イ・ミョンバク)政権が大打撃を受けたことから、本格的な言論弾圧がはじまった。最初のターゲットになった公共放送KBS(韓国放送)が、次に2010年「4大河川事業」の実態を告発した公営放送MBC(文化放送)もトップが入れ替えられ占領される。結局、放送検閲という最悪の状況の中、政治権力の広報基地に転落したKBSMBC2014年のセウォル号沈没事件時の誤報をはじめ2016年崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件の真実さえ隠蔽されてしまった。

 映画『共犯者たち』は、この10年の間に公共の放送を台なしにした主犯たちと彼らと手を組んだ放送業界の共犯者たちの実体を明らかにするために、崔承浩(チェ・スンホ)監督がどこまでも彼らを探し出し全員カメラの前に立たせる。一方、権力に抵抗したプロデューサー、記者など内部職員たちがどのように反撃したのか、そして敗北した後、どのように転落していったのかを詳細に追跡する。韓国で大反響を呼んだ作品。映画公開後、奇跡の大逆転劇が起こった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 先日は、映画上映の後、崔承浩(チェ・スンホ)監督の舞台挨拶に続き、日韓ジャーナリストによるシンポジウムが行なわれました。

< 監督挨拶 崔承浩(チェ・スンホ)>

1986MBCに入社。プロデューサーとして『PD手帳』をはじめ時事問題を深くえぐった数々の番組を制作してきた。2012年、MBCを不当解雇された後、市民の支援で作られた非営利オルタナティブメディア「ニュース打破」で活動を継続、権力の素顔を明らかにすべく聖域なき取材活動を行なっている。2016年、国家情報院のスパイ操作事件を扱った『自白』を初公開し、社会的に大きな反響を呼んだ。本作は二作目。この映画を公開した後、MBC労組は勝利し、201712月、崔承浩氏はMBC社長に就任し改革がはじまっている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<シンポジウム>

立教大学社会学部創立60周年記念シンポジウム

「日本の『共犯者』は誰だ? 権力とメディアの関係を問う」

開会挨拶:岡本有佳(実行委員会共同代表、編集者)

パネラー

○金京来(キム・ギョンレ/ニュース打破記者、元KBS記者)

ニュース打破記者。1974年生まれ。2001年、KBS報道局入社。2010年のストで停職懲戒。2012年ストの時、「Reset KBS NEWS9」を制作し、KBSが報道しなかった情報をネット配信。2013年新たなジャーナリズムを求めてニュース打破に合流。

○望月衣塑子(東京新聞記者)

東京新聞社会部記者。1975年東京生まれ。昨年からは森友学園・加計学園問題の取材しながら官房長官会見で質問を続けている。

○砂川浩慶(メディア総研所長、立教大学教授)

1963年沖縄・宮古島生まれ。86年早稲田大学卒、同年日本民間放送連盟に入り、放送制度担当など20年勤務。06年から立教大学。

◆コーディネーター:岩崎貞明(メディア総研事務局長)

閉会挨拶:金富子(東京外国語大学教授)

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 しぶとく闘った韓国での10年間、日本国内でも同じような状況が進行する中、これは日本のメディア関係者が見るべき映画ですね。キャスターが一人二人辞めたくらいでバタバタするな、それを乗り越えていく覚悟を決めたジャーナリスト、そして応援する市民の存在が歴史を変える、そんな気がします。報道が死ねば国が亡びる、本気で日本の将来を考えるのであれば、今のような政治・経済の体制・状況こそが「カントリーリスク」そのものであることに間違いはない。インターネット上では、映画の感想として日本の現状を憂うコメントが散見されるけれど、ただ憤る、憂いている場合ではありません。

 自立した個の言論、自由な発言を続けて、少しでも状況への関わりを期待する、そんな覚悟も必要なのでしょうね。映画&シンポ、つい先月観た映画『タクシー運転手(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33218)』と同様の感動を覚えました。

 自分のできる立ち位置の中で、表現すること、コメントを発すること、そして行動を続けていきたいとあらためて思いました。

愛生舘サロン6月例会 2018

Posted by 秋山孝二
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 愛生舘サロン6月例会は、坪井亜樹さんの「カキ」のお話、ここでの登場は3回目になります。今回のテーマは、「産業から『カキ』を考える」でした。

< これまでの記事 >

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30107

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32123

坪井亜樹さん

坪井亜樹さん

牡蠣活動家!

牡蠣活動家!

産業的してんから

産業的視点から

カキの奥深いお話

カキの奥深いお話

 「カキ」から見る産業論、ただ牡蠣を食するだけでなく、実の奥深いお話、またじっくり耳を傾けたいですね。

6.12 米朝首脳会談に思う

Posted by 秋山孝二
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 2018年6月12日は、歴史的な日として記録されることと思います、シンガポールで米朝首脳会談が開催されました。

 シンガポールと言えば、2015年と2017年に私も会議出席のため訪問し、特に2015年は、今回会談があったセントーサ島のカペラホテル(https://www.capellahotels.com/singapore/about-ja/)に泊まりました。

<2015年 シンガポール>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24919

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24921

<2017年 シンガポール>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31850

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31853

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31855

12日は朝からのライブ放送ほか、その後数日間の朝・昼・夜のニュース番組等の分析、コメントが面白かったですね。

* http://ch.nicovideo.jp/article/ar1550798

 会談だけでなく、直後のトランプ大統領の記者会見、数日後の北朝鮮のニュースビデオは両者の受け止め方の違いが鮮明で外交の難しさも感じました。記者会見を私はライブで見ていましたが、トランプは米軍に関して「お金が掛かる」みたいな話を繰り返し語り、「Deal」という言葉も頻繁に使い、何かアメリカのリーダーとして品格に欠けて俗っぽい人物像を再確認しました。朝鮮戦争の終結とか、新しい歴史を創るみたいな、高邁な理念を彼の口から求めるのは、無いものねだりなのでしょうね。

 北朝鮮のニュースを分析したTBSの昼の番組は面白かったです。秒単位の映像の分析、背景に流れる音楽、ナレーションの声の高さ・スピードの変化、画面の切り貼りが、ライブ映像と微妙に違い、金正恩の主導権を印象付ける様子等を、メディアの視点から鋭く指摘していました。

<トランプ大統領の会談後の記者会見全文はこちら>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31865230W8A610C1I00000/

<北朝鮮の発表>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180613/k10011476281000.html?utm_int=detail_contents_news-related_002

 その中で、私は寺島実郎さんの分析に賛同致します。特に、朝鮮半島の人々が日本という国を見る視点は、1910年の韓国併合から35年間の日本帝国主義支配の歴史認識です。とかく日本国内ではすぐに「拉致問題」と喧伝されますが、その下地の歴史認識として、海外の東アジア研究者の多くは、拉致に至る終戦までの35年間の日本の統治の問題を抜きには「人権問題」として日本は言及できないとみています。

分かりやすい分析

分かりやすい分析 BS11未来先見塾から

 一方、この首脳会談の裏の主役「中国」の存在もしっかり認識しておく必要があります。今回、金正恩が母国からシンガポールに搭乗した飛行機は中国国旗を記したジャンボジェット機、命を託す手段に中国機を使用したメッセージは深いものがあると寺島さんも指摘しています。

 また、この首脳会談の直前に、中国山東省青島市で、「上海協力機構(https://kotobank.jp/word/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%8D%94%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B-181044)」の首脳会談・調印式を開催し、今回の会議には、プーチンロシア大統領やインドのモディ首相のほか、オブザーバー国としてイランのロウハニ大統領も出席しています。

中国の影響力

中国の影響力

 それにしても日本の存在感の無さは何とも情けないですね。東アジアの非核化において、リーダーシップを発揮する絶好の機会だと私は思います、国際社会の中で、日本のビジョンがありませんね。

 1989年のベルリンの壁崩壊の時も感じましたが、歴史は人が創り出す、いろいろ課題山積ですが、2018年も20世紀の歴史が一つ区切りがつくスタートとなりました。

* 2011年 ベルリン訪問ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10458

* 2018年 南北会談ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33038

箱﨑陽一先生、逝く

Posted by 秋山孝二
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 「一般財団法人 札幌南高学校林(http://www.rikka-forest.jp/)」理事の箱﨑陽一先生が、2018年6月12日13時32分、お亡くなりになりました。札幌南高松本事務長、奥様の瑞枝さまから相次いでご連絡がありました。永年、リンパ系のガンで入退院を繰り返し、先月25日に私は久しぶりに病院にお会いしに参ったばかりでしたので、大変残念でなりません。

< 箱﨑先生に関する記事 >

* 2016年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23501

* 2017年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29403

* 2017年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29919

 お通夜・告別式は、北広島市で家族葬で執り行われましたが、連日、大勢の参列者でお別れを致しました。お通夜の折に、奥様の瑞枝さまから、告別式での弔辞を依頼されてお引き受け致しました。家に戻り、しばし生前の箱﨑先生と深夜まで真摯に向き合って準備し、当日、唯一の弔辞として拝読させて頂きました。

優しい笑顔のご遺影

優しい笑顔のご遺影

< 私の弔辞 >

弔辞

 一般財団法人 札幌南高等学校林理事、故箱﨑陽一先生のご霊前に、謹んでお別れの言葉を申し上げます。

 つい二日前の午後、札幌南高から「箱﨑先生ご逝去」の報が届き、私はにわかには信じがたく、しばし呆然としておりました。というのも、年明けから肺炎等で体調を崩されていると伺っていたので少々心配していましたが、先月二十五日に病院を訪問して久しぶりにお会いした姿が、お声にも力があり、ことのほかお元気とお見受けしていましたので。

 私にとって、学校林財団との出会いは箱先生との出会いでもありました。私が理事に就任して間もなく、現役の教諭として地道に活動されていた箱先生は、植林・伐採が主体の活動から、多様な生態系としての視点、教育・研究の場としての視点、言い換えると環境林・教育林としての展開を提案し続けていらっしゃいました。

 今年、百七年目を迎える学校林、当初の焼け野原から植林を軸に立ち上げた壮大な森づくりは、この十数年、大きく変貌してきています。箱先生をリーダーに、これまでの保全事業から環境林・教育林としての価値を創り始めました。

 昨年のゴールデンウイークの合間、箱先生とご一緒に、水芭蕉も真っ盛りの湿地で、シイタケ、なめこ他の植菌をオリジナルの「YH法」はじめ、幾つかの方法で行いました。そして、簡単な昼食の時間は、箱先生のフォトコレクションの回覧時間、いや、正確にはご自分で撮ったのですから「箱ギャラリー」でしょうか。鮮やかなエゾエノキの葉を背景に、国蝶オオムラサキの多彩な写真の数々、じっと待っての接写レンズでの撮影は、かなりの忍耐力が必要でありまさにその執念と情熱に脱帽でした。

 また昨年は、学校での取り組みの論文テーマ「学校林にはばたけ国蝶オオムラサキをスローガンに ~オオムラサキの保護活動を中心に八年間実践した環境教育の総括~」で、公益財団法人下中記念財団第二回表彰事業の最優秀賞を受賞されました。東京での表彰式には私も応援で駆けつけ、箱先生はご夫妻でご出席、素晴らしい受賞スピーチでした。その論文の最後に、「退職後も学校林財団理事会や企画活動委員会の構成メンバーとして、準絶滅危惧種であるオオムラサキの保護に向けた企画・研究活動等に携わり、継続できる喜びを感ぜずにはいられない」と記されていて、私も昨日までそう信じておりました。

 白旗山の一部をなし、複雑な沢や尾根をもつ多様性と魅力のある学校林。 この森を潤した水は、厚別川から石狩川へ、そして日本海へと注ぎ、海の命とつながる位置にあります。 そしてここはまた、教育の場であり、同窓や地域の交流の場であり、天然資源を生み、地域経済に資する場であり、世代間の架け橋でもあります。 連綿と続く札幌一中から札幌南高の歴史とともに歩んできた学校林は、これからも六華同窓の縁と、地域とともに、美しく豊かに続いていくでしょう。先月二十五日、私が病室を離れる時、「学校林は同窓のためだけのものではなく、広く市民に開かれたものであるべき、私はそう信じている」とのお言葉、私は忘れることはありません。

 箱陽一先生、この学校林でのご業績が、言い尽くせぬ貴いものとして私どもの心にしっかり残っております。「箱プロジェクト」の実践は、松本美奈子さん、宮本敏子さんをはじめとする強力な女子力、「オオムラサキ・キノコチーム」として新たな担い手たちが立ち上がり、一歩一歩前に進んでいます。「六華の風」になって、あの大きな空を吹きわたり、百年、そしてさらに先まで見守って頂きたいと思います。歴史に刻まれたこの財産と陽一先生の生前のご尽力に深く感謝するとともに、これからも永く継承し力強く歩んでいくことをお誓いし、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 どうか安らかにお眠り下さい。

平成三十年六月十四日

一般財団法人 札幌南高等学校林

理事長  秋山 孝二

東京六華同窓会 2018

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 今年も高校の東京の同窓会「東京六華同窓会(https://www.tokyorikka.jp/」の総会、懇親会が開催されました。それに先立ち、恒例のシンポジウム「六華ワールドフォーラム2018」は、若い世代のプレゼンが素晴らしかったです。主催者は、海外での活動を視野に入れている同窓の大学生や若いビジネスパーソンに何らかのきっかけを掴んでもらう事を目的に、今年も開催しました。

* これまでの東京六華同窓会関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%85%AD%E8%8F%AF%E5%90%8C%E7%AA%93%E4%BC%9A

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< 内容 >
1)「世界を見つめ、ここを耕す。」

~日本産米輸出の取組み プロダクトアウトからマーケットインへ~

出口 友洋さん   (南47期、株式会社Wakka Japan代表取締役) http://tawaraya-rice.jp/

起業しさらに発展して!

起業しさらに発展して!

(2)ニューヨーク留学と、今後のキャリアプランについて

中原 かゆきさん(南63期)

ありのままを率直に

ありのままを率直に

 中原かゆきさんの高校時代を知る方に伺うと、大変なガンバリ屋だったとか。挫折も次へのステップとする前向きな姿に感動しました。

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 続いての総会・懇親会は500名を越える参加者で大盛況。

壇上には私も

壇上には私も

今年のテーマ

今年のテーマ

 今年のテーマ「六華フォレスト~つなげよう緑のタスキ~」では、「札南高学校林(http://www.rikka-forest.jp/」の歴史に始まり、活動紹介をとても的確にプレゼンして貰い、この学校林財団の理事長を務める私も、大変嬉しいひと時でした。

 会場内には例年以上に充実したブースも設営し、懇親会中何も食べずに学校林財団の企画活動委員会メンバーが張り付てくれました、お疲れさまでした。

北口さん(南35期)(左)と陣内さん(南35期)(右)」

北口さん(南35期)(左)と陣内さん(南35期)(右)」

札幌一中の校歌を歌う

札幌一中の校歌を歌う

 今年の企画では、札南高学校林について多くの方々の注目を集めてもらい、一段と今後の活動に弾みがつきそうです。幹事当番期の南35期・後藤実行委員長はじめ同期の皆さま、ありがとうございます!

財団事務所のお化粧直し

Posted by 秋山孝二
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 毎年6月は、秋山財団の理事会、評議員会等、重要な会議が続きます。その前に、プロの皆さまに内外の清掃・ガラス磨きをお願いしています。この建物は財団の基本財産の一部、清掃はただの清掃ではなく、「基本財産保全事業」とも言える大切なお仕事です。

一階ミニホールの床磨き

一階ミニホールの床磨き

一階ガラス磨き

一階ガラス磨き

天井換気扇の清掃も

天井エアコンの清掃も

フィルターの汚れ落とし

フィルターの汚れ落とし

2階窓は外から

2階窓は外から

 そして、これぞプロの技!

温室の屋根のガラス磨き

温室の屋根のガラス磨き

 今年は天気にも恵まれ、清掃・ガラス磨きにより、お陰様で財団建物は見違えるように美しく(?!)なりました、神正義さんほかスタッフの皆さん、ありがとうございます!