「ゆめぴりか」を訪ねて、上川へ

Posted By 秋山孝二
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  ゆめぴりかhttp://www.hokkaido-kome.gr.jp/hinsyu3.htmlは北海道期待の新品種で、今年の秋から市場に登場します。 千野米穀店http://www.chino-grain.co.jp/徳永社長の解説で、「ゆめぴりか誕生の地を訪ねて」バスツアーに参加しました。訪問先は上川ライスターミナル、JAあさひかわ永山地区今野峯雄さんの田んぼ、北海道立上川農業試験場http://www.agri.pref.hokkaido.jp/kamikawa/kamikawa3.htmでした。

イネの開花はほんの数時間と大変短く、なかなか見る機会がありませんが、この日は例年より遅れていたために幸運に恵まれました。今野さんの「ゆめぴりか」の水田で、お昼頃の花の様子です。水田にはタニシ・カエル・アメンボが沢山いました。

ゆめぴりかの花

ゆめぴりかの花

 北海道立上川農業試験場では、開発者の佐藤毅さんから説明を聞きました。一つの品種を世に生み出すには約10年の歳月が必要とのこと、地道な毎日のご努力に頭が下がります。来週8月11日は公開デーで一般の方々にも開放するそうです。

開発者上川農試・佐藤さん

開発者上川農試・佐藤さん

 説明の後に、昔の品種「いしかり」と「ゆめぴりか(昨年収穫したもの)」の試食で比較しました。光沢・粘り・香り等明らかに違っていて、「ゆめぴりか」はしっとりして粘りもあり、美味しかったですね。ただ、私にとっては何故か「いしかり」も懐かしい感じがしました、昔どこかで食べたパサパサ感を想い出しました。

左:いしかり、右:ゆめぴりか

左:いしかり、右:ゆめぴりか

 上川ライスセンター近くにある地元青年部の方々の力作「たんぼ・de・アート」にも寄りました。架設展望台に登って見ると、見事な色合いとデザインでした。また、近くに寄って同じ平面でみると、3種類の全て「イネ」でした。

たんぼ・de・アート

たんぼ・de・アート

近くで見ると

近くで見ると

 北海道立上川農業試験場には、こんな品種も栽培されていました。名前の由来はご想像にお任せ致します。大正時代には市販もされていたそうです。

名前の由来は?

名前の由来は?

これまで話には聞いていましたが、いつかコメの研究・開発・生産・流通現場を具に見てみたいと思っていました。野菜などと違って稲作のすそ野の広さを感じました。折りしも7月31日現在の調査によると、日本全国の作況指数は96の「やや不良」、北海道は87の「不良」との発表がありました。道内や東北などコメどころで日照不足や低温が続いたことが響き、豊作だった08年産から一転、不作が見込まれるようです。8月に入って日照も少し増えていますし、これからの回復を期待したいです。道内のこれまでの研究開発の歴史は、このような天候の克服の連続だったのでしょうね。

一粒一粒にこもった数多くの方々のご努力を噛みしめながら、ごはんをこれからも頂きたいと思います。今の日本ではモンスター化した「消費者」の存在が、誤解と思い込みによって随分農業従事者を苦しめているような気がします。最低限の量を担保する農業政策と、国家安全保障戦略としての食糧政策、そして意識変化する消費者をしっかり見つめた流通政策の再考を痛感します。限られた「業界」としての食糧制作ではなく、まさに国民全員の「全体最適」を目指しての取り組みが大切なのでしょう。消費者の意識改革が必須です。

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