「きたネット」、今年のふり返り(後)

Posted By 秋山孝二
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 今年の「札幌KITA-NET北海道環境活動交流フォーラム2011:http://www.kitanet.org/event/index.html#works2011」は、国際森林年に因んで、「北海道スタイルの森づくり、市民力で森と人をつなぐ」と題して、盛だくさんな内容で開催されました。全道各地から170名を越える大勢の参加者が、最初から最後まで大変熱心に聴き、分科会・ワークショップでは活発な意見交換がなされました、一つの場に集う価値を、あらためて確認した一日でした。基調講演二題は「きたネットWeb:http://www.kitanet.org/index.html」の録画でも見ることができます。

フォーラムのプログラム

フォーラムのプログラム

基調講演1 「協働の力でつくる北海道の森林の未来」では、北海道大学農学部教授・柿澤宏昭(http://gcoe.ees.hokudai.ac.jp/mfrs/?p=854)先生が、「持続的な森林の管理と循環型社会の構築を進めるために、森林資源の利用まで含めたより多面的で深い市民と森林との関係のもち方について」、お話をされました。  

北海道大学農学部・柿澤宏昭教授

北海道大学農学部教授・柿澤宏昭さん

基調講演2 「もっと森を、モア・トゥリーズの活動」では、一般社団法人「モア・トゥリーズ:http://www.more-trees.org/」事務局長の水谷伸吉先生が、「より多くの人に森と関わりを持ってもらえるよう、普遍性をもった都市と森をつなぐプラットホームで ありつづけたいと願う、モア・トゥリーズの活動」を語りました。 

坂本龍一代表の「モア・トゥリーズ」

坂本龍一代表の「モア・トゥリーズ」

事務局長・水谷伸吉さん

事務局長・水谷伸吉さん

 代表の坂本龍一さんをシンボルに、フィールドをショウアップする多彩な活動は素晴らしいですねカーボンオフセットの取り組みとして、「ANA・B787カーボンオフセットキャンペーン:https://www.ana.co.jp/amc/cpn/offset/は、ちょうど今、実施期間中です。

 

 午後からは3つの分科会に分かれての意見交換、更に続く全員によるワークショップでした。

●分科会A 市民団体は森づくりをどう変える?~森づくりのモデルを考える」 

 北海道の2地域で、まったく違うアプローチから民有林保全に切り込んでいる2つのNPOが、共通する課題を考え、将来を展望しました。NPO法人ウヨロ環境トラスト(白老町:http://www.shiraoi.org/trust/)、もりねっと北海道(NPO法人森林再生ネットワーク北海道 /旭川市:http://morinet-h.org/

【コメンテーター】
荻原 裕 氏(北海道森林管理局 保全調整課 課長

●分科会B 「事業体と市民をつなぐ森づくり」

 企業・事業体と市民活動団体の連携、森林資源活用事業に取り組むNPOの事例から、森づくりの新しい道筋を考えました。 

【コーディネーター】柿澤 宏昭 氏(北海道大学農学部 教授)  

事例1 コープ未来の森づくり基金(http://www.coop-sapporo.or.jp/contents/view/id/82 & きたネット(http://www.kitanet.org/index.html
事例2 一般財団法人セブン-イレブン記念財団(http://www.7midori.org/) & NPO法人支笏湖復興森づくりの会(http://www.shikotsuko-moridukuri.org/index.html
事例3 NPO法人森の生活(下川町:http://www.forest-life.org/)が事業者としてめざすもの

【コメンテーター】  
     水谷 伸吉 氏(一般社団法人more trees)  
     西川 瀞二 氏(北海道林業技士会)  
    遠藤 俊次 氏(ホーマック株式会社)

●分科会C 「森からはじめるエネルギーシフト」 *この分科会は公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団「ネットワーク形成事業」助成により開催

  林業の持続可能性と木質バイオマスの有効利用の可能性について各地の事例から学び、「北海道における木質エネルギーへの転換をどう進めるか」をディスカッションしました。

 【コーディネーター】大友 詔雄 氏(NPO法人北海道新エネルギー普及促進協会:http://www.hkd-enekyo.npo-jp.net/ 理事長)

事例1 木質バイオマス利活用の可能性と地域内経済効果―森からみたエネルギーの地産地消 大友 詔雄 氏

事例2 薪プロジェクト(どさんこ薪ネットコンソーシアム)について 岡田 基 氏(一般社団法人ProDeC:http://prodec.jp/

事例3 木質資源作物の可能性と下川町における公共施設のエネルギー転換 高橋 祐二 氏(下川町地域振興課 主幹:http://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/Cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AM04000

 <11月28日追記>分科会Cの様子:http://enavi-hokkaido.net/forest/?p=315

~~~印象に残った言葉の数々~~~

* 「植林」から「森」づくりへ、「循環」の中で私たちは関わるべきである

* 地域と森林の関わりは「多様」で、「全体的」である

* 地域特性、特有資源を生かしての取り組みを、「まちづくり」として

* 都市と森とのつながり・橋渡し、3・11以降の取り組みとしての「LIFE 311:http://life311.more-trees.org/

* カーボン・オフセット(相殺)の取り組み:ANA、NTTドコモ等の取り組み

* オーストリア・ギュッシング市の取り組み(http://www.nerc-hokkaido.co.jp/wp/chiki)、http://www.eonet.ne.jp/~forest-energy/GREEN%20ENERGY%20FILE/Guessingstory.pdf

 下川町の数々の実践は、感動する程素晴らしいものでした。行政に優れた人材を得ると、市民とともに先駆的試みが可能ですし、持続可能な新しいシステムもダイナミックに動いていくことを立証していますね。素晴らしいモデルが北海道にはあり、心強く感じました。とにかく、この一日は大変内容が濃く、とても全ては書ききれません。ただの知識・知恵ではなく、これからの私の実践に大きく役立てたいものと決意をしています。皆さま、本当にありがとうございました!

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