初めての「INAZOサミット」!(上)

Posted by 秋山孝二
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 一昨年、寺島実郎さんからアイディアを頂いてから企画を温めて準備した「INAZOサミット」、その第一回を先日札幌で開催しました。定員200名でしたが急きょ椅子を増やして、カナダ、東京、東北からを含めて250名の方々が20の円卓に集い、開始前から交流が始まりました。

直後の報告はこちら――> http://enyumirai.main.jp/2017/11/28/%E3%80%8C%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%9B%9Einazo%E3%82%B5%E3%

 第一回の趣旨は以下の通りです。

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< 「第一回INAZOサミット」in 札幌 開催趣意書 >

テーマ:       友あり、遠方より来たる

開催趣旨

INAZOサミット」開催は、新渡戸稲造とメリー夫人、及び新渡戸家の業績を再確認して顕彰し、縁(ゆかり)の地のネットワーク形成を促し、個々の活動の相乗効果を発信する試みです。今回、それらを地域の繋がりで「見える化」し、さらに新たな気づきを得る場を、縁のある土地の持ち回りで今後継続開催したいと思っています。

そのキックオフとして、新渡戸稲造が札幌農学校の二期生として学び、その後メリー夫人とともに過ごしたこの札幌、教育ボランティア活動の「札幌遠友夜学校」の実践の地で、日本全国・世界の新渡戸ご夫妻に縁のある方々・団体・学校にお集まりいただき、「友あり、遠方より来たる」、多彩な人々が集うプラットホームを準備いたしました。

INAZOサミット」の企画が、自由な環境の中で、参加される方々が互いに開かれて創発しあう場になることを期待し、未来の地域・世界を切り拓く活動として、多くの方々と共に歩むきっかけとなることを札幌から期待しています。

多くの皆さまのご参加と交流をこの機会に図って頂ければこれ以上の喜びはありません。20171125日、札幌でお会いしましょう!

新渡戸稲造記念 遠友みらい塾 塾長     寺島 実郎

一般社団法人 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会 代表理事   秋山 孝二

「第一回INAZOサミット in 札幌」実行委員会 委員長    宮澤 洋子

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オープニングはジョン・レノンの「イマジン」の演奏&唄

オープニングはジョン・レノンの「イマジン」の演奏&唄

 サプライズのオープニングの後はご来賓の在札幌米国総領事館レイチェル・ブルネット・チェン首席領事の素晴らしいご挨拶。チェン首席領事はその後も、基調講演、各地からの活動報告まで熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

レイチェル・ブルネット・チェン首席領事

レイチェル・ブルネット・チェン首席領事

 続いては基調講演、一般財団法人日本総合研究所 会長、新渡戸稲造記念遠友みらい塾(http://enyumirai.main.jp/)塾長の寺島実郎 さんのお話、『新渡戸稲造とは何か-現代に生きるそのメッセージ』でした。

これまでと少し違った切り口から

これまでと少し違った切り口から

 当日用意された「寺島実郎の時代認識」(資料集;2018年新年号速報版)に挟まれていたA4サイズの一枚のレジメ「新渡戸稲造とは何か-現代に生きるそのメッセージ」は以下の通りです。

「太平洋の橋」になろうとした憂国の国際人、新渡戸稲造

・本質は「偉大な教育者」

・『武士道』と『世渡りの道』

・国際連盟次長としての活躍…板挟みの苦悩

・温かく厳しい魂の持ち主

・地方(ぢかた)学→民俗学の基礎…「グローカリティー」の原型

1898年『農業本論』:郷土教育の重要性

「郷土研究会」の意味…柳田國男との関係

青年にとっての2つの道標:新渡戸稲造の対照としての内村鑑三

(参考)キリストに生きた武士、内村鑑三の高尚なる生涯

・純粋で不器用な人生…「内村が父で、新渡戸は母」

・米国留学と日本再発見…クラーク博士との面談:「宗教者というより軍人」

・「不敬事件」という契機:第一高等中学校

・日本近代史との格闘:「一人の日本人、武士の子、独立のキリスト教徒」

・名著『後世への最大遺物』(1894年)…「あの人はああやって真摯に生きた」という記憶

『二十世紀と格闘した先人たち 一九〇〇年 アジア・アメリカの興隆』(2015年、新潮社)