(公財)助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/)が主催する「財団深掘りセミナー」の第2回目で、秋山財団が事例研究で発表する機会がありました。JFCの山岡理事長はじめ、全国の財団運営に関わる皆さまとの濃密な意見交換は、秋山財団設立から30数年関わってきた私にとっても、大変収穫の多い場でした。
助成財団「深掘り」セミナーは、JFCが本年度より新たに企画・運営するもので、個々の活動をく深く掘り下げ、じっくり聴くことにより参加者各々が助成財団の組織及び事業のあり方を学び、実践していくための一助となるこを目的に年3回程度開催を予定しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~当日案内チラシより
http://www.jfc.or.jp/wp-content/uploads/2013/04/160929kenshu.pdf
第2回 助成財団「深掘り」セミナー
「いのちをつなぎ、いのちを育む」― 「秋山財団」の志と価値に学ぶ ―
日 時 : 2016年9月29 日( 木) 14:00~17:00(17:30より交流会)
会 場 : 日本教育会館 (7F ) 704 会議室 (東京都 千代田区一ツ橋 2-6-2)
話し手: 秋山記念生命科学振興財団 理事長 秋山孝二
主催: 公益財団法人 助成財団センター [ JFC] 協力: 公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団
秋山記念生命科学振興財団は明年1月 、設立30周年を迎えます。設立以来、北海道という 「地域 」と「生命科学:いのち」に対する強い思い入れを核に、地域・ 民間財団としてのユニークな活動 (「いのちをつなぎ、育む」研究活動・市民への支援 )を力強く展開しています。 研究助成については、生命科学に関する基礎的・萌芽独創な研究の発掘、市民活動支援については 「ネットワーク形成事業助成」 による活動創出を狙いとしています。
このような高い志と独自の価値観に貫かれた財団の活動は、去る2月に開催された「助成財団の集い(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25679)」でも多くの関心と注目を集めました。同財団の地道で着実な助成 ・育成活動が、地域から日本社会へ、そして世界へ向けて更なる発展を遂げていくことが期待されます。
そこで今回のセミナーでは、秋山理事長のお話をじっくりとうかがい、 新たな時代に即した財団と助成のあり方について、 “グローカル ”な視点( (Think Globally, Act Locally)から、皆さんと共に活発な意見交換等を行いたいと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~チラシコピー おわり
以下は、当日の私のプレゼン内容の一部です、81枚のスライドを使用しました。私自身、これまでにない突っ込んだ内容にチャレンジしたつもりです。
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時代の変化とともに歩んで、30年
1.秋山財団の現在
2.設立までの経緯
3.理念
4.事業の推移・イノベーション
5.公益財団法人への移行認定を通じて
6. 今、注力している活動
7.今、思うこと
8.問題提起
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特に、今回、後半部で注力したポイントです。お金の新しい動きと私から視る問題提起を語りました。
* 「~ところで、大切なお話~お金と事業と公益法人」と題して:
財団の資産運用は「極めて長期的」!と、私は思ってやって参りました~、「基本財産」に込める寄附者の意志の継承
<グローバルマネーの新しい動向>
SRI: Social Responsible Investment (社会的責任投資)、主に、社会的責任の観点から望ましくない投資対象を除外したり、望ましい企業を投資対象とするもの
ESG投資: 環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を意識したという意味で、投資判断の材料にするもの
http://www.es-inc.jp/library/writing/2008/libwri_id003014.html
具体的には、①環境問題への取り組み(リサイクル達成率、温暖化ガスの排出量など)、②企業の社会性(法令順守、職場環境への配慮、地域への貢献度など)、③企業内における経営陣、従業員および株主の権利および責任の明確化(社内監査制度の整備、不祥事対応など)が考慮
* 問題提起として:
1)本来の「第三セクター」の立ち位置は?
①社会変革、アンチテーゼ
②新しい道を切り拓く ーー> 合意形成へ
2)「自主」・「自立」・「民間財団」としての矜持
〇科研費の競争的資金、
〇防衛省 「安全保障技術研究推進制度」、とは一線を画すーー> 民が担う公共
「Duty」 vs 「Prize」
3) 財団法人経営を学ぶ場の必要性
①他財団とのパートナーシップ構築
②「基本財産」に込める出捐者の意志の継承
4)秋山財団「第8期5カ年計画」の策定
①助成金は「投資」 → 「託資」、「拓資」
②対応する → 提起する
③「コミュニティ財団」の機能
以上、当日発表のほんの一部を掲載しましたが、後半の質疑応答も大変内容の濃いものでした。「サラリーマン財団」みたいな言葉も飛び出したり、親企業(?)と財団との関係性、及び今後の自立的活動の展望等、グローバルマネーの動きに絡む新たな展開にも気づきを得ました。様々な環境の中で日々活動されている財団の運営に関わる方々の率直なご意見は、実にリアルで興味深いお話満載でした。
今後も期待したい場ですね、このような機会を与えて頂き、心から感謝申し上げます。