ノスタルジック建築 @ 札幌

Posted by 秋山孝二
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 「北海道建築研究会(https://sapporowalk.sakura.ne.jp/hokkenken/」の山下和良代表が秋山財団に取材にお越しになりました。民間企業の戦後の歴史的建物をノスタルジックにアーカイブスとして残し、将来本にまとめることを夢見ているとのことでした。

 早速、私どもに関連する建物を研究会HPに掲載、1955年の年表欄に「New!!」として、嬉しいですね。この建物の応接間の一部は、現在の秋山財団建物二階に移設されています。

https://sapporowalk.sakura.ne.jp/kochizu/1955/20240918/

奥の部分を移設

奥の部分を移設

建築年表公共編

* https://sapporowalk.sakura.ne.jp/kochizu/

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北海道建築研究会

 歴史的建造物の陰に隠れて、日の目を見ない素敵な建物たちがある。もしくは、一般的な関心を得るには、まだ若すぎる建物たちがある。または、見所がマニア向けなために、メディアに載りにくい建物たちがある。

 そのような建物に訪問して心ゆくまで堪能したいという動機から、北海道建築研究会(ホッケン研)なるものを立ち上げた1年に2〜3物件程を訪ねて取材記録を重ね、近い将来1冊の本にいう真面目な夢を持っている。

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 財団での取材、左端に写る暖炉付近は移設した部分です。『愛生館文庫』としてデジタル化してみると、秋山財団を含めて様々な分野の方々が訪れてきて頂けるので、面白い時代ですね!

近藤家@四街道(下)

Posted by 秋山孝二
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 千葉県四街道市の近藤家には古民家の他にも敷地内建物に歴史的資料が大切に保管されています。ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギーと近藤家との深い関係も大変貴重でした。

* ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギーーー>https://enartsu.co.jp/artist/michael-coudenhove-kalergi/

 ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギーは、クーデンホーフ=カレルギー伯爵家の方で、オーストリアの画家。日本研究者ゲオルフ・クーデンホーフ=カレルギーのご子息。「欧州統合の父」リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーは、ミヒャエルの伯父にあたります。ミヒャエルの父方祖母クーデンホーフ=カレルギー・光子は日本人( 1874年7月24日 - 1941年8月27日)旧名:青山 みつ(あおやま みつ)、オーストリア=ハンガリー帝国の貴族ハインリヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵の妻、欧州統合の母としても有名ですね。

 近藤家のご親族は、代々ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギーと親しく、絵画にも幾つか残されています。オーストリア・ハンガリー帝国として私が理事長を務める「ワグナー・ナンドール記念財団(Wagner Nándor Foundation (wagnernandor.jp)」に繋がるご縁、『邸宅美術館』としての共通点を発見しました、同時に、オーストリアとハンガリーの不思議な出会いでした。

 ハプスブルク家伝統工芸・プチポワン作家の久家道子(https://atelier-kuge.co.jp/さんコーナーです。作品と写真はミヒャエル・クーデンホーフ氏との対談の様子。

 下の写真、右端は近藤よしえさんの兄・青木昌軍医、佐倉5連隊でレイテ島で26歳でご逝去(昭和20年7月1日)

 近藤家とのご縁は秋山財団『愛生館文庫』を通じてでしたが、四街道の場を訪問して、もう一つの『ワグナー・ナンドール記念財団』とも繋がり歴史の面白さに感動した一日でした。

 今回、途中寄ったJR千葉駅の変貌ぶりには驚きましたね、モノレール駅とJR駅が合体し、エキナカのお店もたくさんできて活気があふれていました。思えば私がこの駅界隈を歩いていたのははるか50年以上も前ですから。この写真は敢えて人通りの少ない場所のもの、他のエリアは人で溢れていました、念のために。

近藤家@四街道(上)

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団の『愛生館文庫 - 秋山記念生命科学振興財団 (akiyama-foundation.org)では、デジタルコンテンツ作成で取材に行った先で新たな発見が生まれてきています、歴史の中の人々の繋がりには何か運命的な出会いを感じる昨今です。

 その一つ、四街道市の『近藤家近藤家住宅主屋ほか/千葉県 (chiba.lg.jp))』をご紹介します。四街道市下志津新田地区の中央部に位置、江戸末期に武州多摩郡から犢橋村(こてはしむら、現在の千葉市)に移り、さらにこの地に移り住んだとされている旧名主、旧千代田町長宅です。

 門には近藤登之助の表札、六代目登之助の名前は、江戸時代に浜松、気賀、金指の関所を守る旗本・近藤氏が代々襲名し、それにあやかっていたそうです。五代目貴義の弟・文内岱(ぶんないたかし)も気賀に縁があったとか。三代目・四代目の時代から、その旗本の子孫が千葉で「江戸屋」という呉服屋を営み、道路や医学校建設、銀行設立を支援し、親交があったため、浜松を訪ねて十四代用治氏とも現在歴史交流を続けているそうです。

門には近藤登之助の表札

門には近藤登之助の表札

 一歩入ると、広大な敷地の庭が広がり、奥には林の景観も。

 敷地内の隣には古民家に似合った賃貸のアパートも。

 主屋にはそれぞれ趣のある部屋が幾つもあり、由緒ある展示物が所狭しと並んでいました。とても一回の訪問では理解できないので、またお伺いすることをお約束しました。

 その中で、近藤家は川口家、松本家とも姻戚関係にあり、松本順(良順)揮ごうの掛け軸が目に留まりました、二行書です。幕末から明治に掛けての世の中の世情に対する彼の思いを表しています、新選組の近藤勇ほか旧幕臣たちへの思いを馳せてでしょうか。

* 川口家ーー> 秋山孝二の部屋 (akiyama-foundation.org)

* 松本順ーー> 秋山孝二の部屋 (akiyama-foundation.org)

さらに敷地の隣には、また貴重な歴史史料の展示もありました、(下)につづく。

愛生舘の「こころ」 (29)

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 さて、今回の取材・撮影プロジェクト、いよいよ最終日は東京に移動しました。先ずは「愛生館事業」の発祥の地、神田岩本町の現在地に立っての納谷真大さんとのやり取り撮影です。東京の古地図を調べてみると、ここに「愛生館」の存在が確認できています。デジタルコンテンツではこの場面が一番最終になる予定です、まさにルーツを辿る物語の到達点として。

 引き続いては松本順先生の四代後で、現在、順天堂大学医学部耳鼻咽喉科の主任教授・松本文彦先生との対談、一日の外来を終えての時間帯、医局応接室でお話を伺いました。内容はデジタルコンテンツ完成品をご覧頂きたいのですが、本当に心から感動するお話の数々、48歳の若さも相まって素晴らしいお人柄、今後に大いにご活躍を期待したいですね。

大学病院正面玄関で

大学病院正面玄関で

医学部付属病院一階ロビー

医学部付属病院一階ロビー

 11月に医局の面談室でご挨拶した時の写真、秘書の方々の対応も丁寧で素晴らしく、12月の撮影も快くお引き受け頂きました。実は松本教授は2015年1月に訪問した松本和彦先生の三男、和彦先生は現役を退き、クリニックも閉院したとのご連絡あり、今後は文彦先生と会うようにとのご意向でした。

* 秋山孝二の部屋 »愛生舘の「こころ」 (14) (akiyama-foundation.org)

 今回の取材の最後に、松本文彦先生の素晴らしいお話を伺い、ここでも愛生館事業のキーマンの松本順先生の今と出会った気がして心が躍りました。

 デジタルコンテンツ制作の最終局面での撮影ツアー、素人の私が想像する以上に下見ほか撮影準備等で手間の掛かる作業だと分かりました。ただ、単に昔の歴史を調査するだけでなく、それが今の時代にもしっかり繋がって息づいていることを発信するのも、この『愛生館文庫』の狙いとする所でもあったので、現在ご活躍のそれぞれの方々にお会いしてお話を伺うことができたのは大きな収穫だったと思っています。歴史を繋ぎ、今の課題に正面から立ち向かって解決しようとする姿勢をいつまでも失いたくないものです。ご協力して頂いたすべての方々に感謝致します。

愛生舘の「こころ」 (27)

Posted by 秋山孝二
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 2023年12月に、『愛生館文庫デジタルコンテンツⅣ』作成のために、撮影チームと一緒に千葉県各地、東京に二泊三日の行程で行きました。

* デジタルコンテンツ一覧 - 秋山記念生命科学振興財団 (akiyama-foundation.org)

 仕上がりの順番とは別に、撮影初日は秋山家の菩提寺・円応寺と今もその末裔が暮らす千葉県佐倉市臼井田を訪問。以前にも一度訪問していますが、今回はさらにその縁を深掘りすることができました。

 本堂の正面には由緒ある開祖当時からの古看板。林祐行住職が探してくださった過去帳から、秋山新八の名前を確認しました。

 私が千葉大学出身で学生時代に市川市のアパートに住んでいたこと、本籍地は今も市川市とお話をすると、ご住職の前職は何と市川市役所職員、お母様のご実家は私が通っていた西千葉キャンパスの隣とのこと、浅からぬご縁を感じた対談でした。対談の内容はデジタルコンテンツ完成したあかつきに。

 そこから秋山家のお墓がある同じ佐倉市の吉見に移動し、現在もお元気な秋山二郎さんをお尋ねしました。以前一度お会いしていますが、変わらずお元気でした。

 秋山家の複数のお墓は、以前はお寺の境内だった場所とか、バイパス工事とお寺の併合でもともとのお寺は移転し、現在はお墓だけが残っているとのことでした。このシリーズ「19」、「20」にも訪問時の記事を掲載しています。

愛生舘の「こころ」 (19) (akiyama-foundation.org)

愛生舘の「こころ」 (20) (akiyama-foundation.org)

『愛生館文庫』、 ルーツ撮影!

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 (公財)秋山記念生命科学振興財団(https://www.akiyama-foundation.org/)では、10年ほど前からこの財団の原点とも言える明治期に勃興した公衆衛生促進・健康増進を目的とした全国展開の『愛生舘事業』を深掘りすべく、時間を掛けて多くの資料収集・面談等を重ねて、2019年に『愛生館文庫』を財団建物内の一室に開設しました。

*  愛生舘の「こころ」 (21) (akiyama-foundation.org)

 その後、資料室だけでなく「デジタルコンテンツ」を作成して、広く皆さんに発信しようと制作に取り組んできました。今回はその最終局面第4回として千葉・佐倉に撮影チームと一緒に取材に行きました。撮影というのはこれまでの訪問しての取材に比べて、下見、当日のカメラ・音響準備等、素人の私が想像する以上に大変な作業、今回も二泊三日、チームの皆さんには大変お世話になりました。ここではその一部を予告編程度にご紹介して、あとは秋山財団HPにある「デジタルコンテンツ(https://www.akiyama-foundation.org/bunko_contents」、ブログ「愛生館のこころシリーズ(https://www.akiyama-foundation.org/kokoro」を検索して頂けると嬉しいです。

 今回の詳細は後日こちらに数回に分けてアップしますのでご覧ください。

* ブログ「愛生館のこころシリーズ(https://www.akiyama-foundation.org/kokoro

秋山財団贈呈式 2023

Posted by 秋山孝二
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 今年度の秋山財団贈呈式を4年ぶりにフル・リアルで開催することができました。贈呈式に先立つ講演会では、『受領者からのメッセージ』が三人の方、特別講演では(株)セコマの丸谷智保会長。久しぶりのリアル開催には、北海道大学の寳金清博総長、(公財)公益法人協会の雨宮孝子理事長、(公財)助成財団センターの出口正之理事長もご参加されて贈呈式後の交流会は大いに盛り上がりました、嬉しかったですね。

* https://www.akiyama-foundation.org/wp-content/uploads/2023/08/5e3fcb34e3e7813d8feeae6cc9441ac7.pdf

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〇 「受領者からのメッセージ」

・『天然全長型アニオンチャネルロドプシンの見過ごされてきた分子機能』

塚本 卓 様(北海道大学大学院先端生命科学研究院 助教)

・『数十年に一度の神秘!ササ一斉開花の謎』

北村 系子 様(森林総合研究所北海道支所 主任研究員)

・『北海道の女性アスリートを「健やか」かつ「強く」する!』

後藤 佳子 様(新札幌整形外科病院 医師)

〇 特別講演会 ・講 師:丸谷 智保 様(株式会社セコマ 代表取締役会長)

・演 題:『地域に貢献する経営~地域産業エコシステム』

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 今年度の受賞者・受領者はこちらーー> https://www.akiyama-foundation.org/news/5286.html

 私を含めた主催者側は当日バタバタしていて一枚の写真も撮影できていないので、当日お客さまで参加された過年度受領者の浜中さんの写真をお借りしました。

贈呈式参加者の浜中さん撮影の写真

贈呈式参加者の浜中さん撮影の写真

 当日の模様は動画撮影もしているので近いうちにHPにアップされると思いますので、そちらをご覧頂けると嬉しいです。

 贈呈式での私の冒頭ご挨拶は以下の通りです。

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<はじめに>  

本日はコロナ禍を越えて、4年ぶりに大勢の皆さまにはこのようにリアルに今年度贈呈式にお運び頂き、心から御礼申し上げます。

先ずは受賞者・受領者の皆さま、この度は誠におめでとうございます。そして、ご来賓の皆さま、お手伝いに馳せ参じて頂いた(株)スズケンの皆さま、ありがとうございます。

冒頭にこの6月から新しく就任した大原雅(まさし)常務理事をご紹介致します。  

振り返ればコロナ禍では、理事会・評議員会、研究助成・ネットワーク形成事業の活動報告会等、日々の財団運営でも、ハイブリッド形式を導入したり、今後の会合の在り方を模索する貴重な時間となりました。

贈呈式の場が、ただの「セレモニー」ではなく秋山財団の最重要事業であり、設立以来、年一度の「交流の場」と位置付け、コロナ禍でも何とか工夫をし、設立の初心に戻って継続して参りました、今日ご臨席の皆さまにも是非その辺の財団関係者の意のあるところをお汲み取り頂ければ幸いです。

<事業実績>

コロナ禍、ウクライナ戦争等の影響で激動の国際金融でしたが、お陰様で基本財産の運用は順調で、予定通りの事業予算を確保できました。2023年度、合計463,820万円(採択率:一般23.3%、奨励42.5%37年間の累計事業実績は、合計1,623件、総額118,073万円となりました。これは選考委員会はじめ、偏に今日まで財団を支えて頂いた多くの皆さまの賜物と深く感謝申し上げます。今日ここにお集まりの受賞者・受領者の皆さま、私どもの助成金は皆さまを応援する多くの民間企業・個人の方々が産み出したものです、どうかそんな思いを受け止めて、これからの研究・活動に邁進されることを託したいと思います。

<新たな取り組み>

この場を借りて、地域・民間財団として自主・自立にこだわる当財団のこれまでの事業に加えて、今、私たちが取り組む三つのテーマについてご報告致します。

一つ目は、「顕彰事業」として『秋山喜代賞』の創設です。

私どもはこの間、「ダイバーシティ」、とりわけ日本社会全般で立ち遅れる「ジェンダー差別解消」の動きに注目しています。この数年間、微力ながら何とかこの課題に対しての事業は企画できないかと検討して参りました。

【目的】 当財団の創設者である故秋山喜代は女性経営者であり、実績を基盤に一層の飛躍と進化を求め続けていました。私たちはその理念を受け継ぎ、「女性が輝く社会の実現」や「女性の経済的自立」を目指し、北海道に縁(ゆかり)があり各分野で功績のある女性を顕彰し、身近なロールモデルを北海道に示すことで社会イノベーションの実現の機運を高めることに貢献したいと思っていました。

【対象者】 地域活動等を積極的に行い、社会的影響力をもち次代を担う女性(企業経営者、市民活動家など)であり、常に前進しリーダーを目指しながら新しい事業展開にチャレンジすることで輝いている女性です。今回その最初として竹内美紀さまが受賞されました。

二つ目は、『愛生館文庫:デジタルコンテンツ』の作成及び公開です。当財団が何故「生命科学」を名乗って設立されたのか、それを深堀し資料を収集し続けて2019年に『愛生館文庫』を創設しました。昨年からは資料室に加えて、そこに所蔵している資料を基に、『愛生館事業』の歴史的意義、近代日本の医療・健康増進事業への貢献をコンパクトにまとめた動画を三本公開しました。多くの市民の方々にご覧頂けると嬉しいです。

三番目は、財団自体のアウトリーチ活動です、1)研究者のインタビュー動画、成果論文・記事の掲載です。受領された方々のその後の研究を広く市民の方々にご紹介できる機会と期待しています。2)公法協ESG投資研究会委員での議論です。秋山財団設立の理念、自主・自立的運営の基盤としての「投資」について、今後に向けた貴重な場となりました。

最後に、秋山財団は「生命科学」と「地域」をキーワードに、先ほど民間・自主・自立に拘ると申し上げました、国の科学研究費のミニチュア版では決してなく、一線を画して、長期的視点でチャレンジしている研究を今後も応援していくことをお約束致します。

重ねて、本日の受賞・受領、誠におめでとうございます、今後のご参会の皆さまのご活躍を心から期待しています。

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『愛生館文庫』、YouTube & HP !!

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 2019年10月にオープンした『愛生館文庫』のデジタルコンテンツ二本が、今月からYouTubeで広く公開され、秋山財団HPからも観ることができるようになりました、今後あと数本作成してアップする予定です。

* https://www.akiyama-foundation.org/bunko

* これまでの『愛生館文庫』関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E8%88%98%E6%96%87%E5%BA%AB

HPトップ

 そして、HP上から、これまで私のこのブログに書き記してきた『愛生館のこころ』シリーズも、以下のサイトとしてまとめて観ることができるようになりました。こんな形で集約するつもりはなかったのですが、ここにきて再検証すると、それなりのこれまで取材に足を運んだ記録も価値を持ってくると思った次第です。

* https://www.akiyama-foundation.org/kokoro

 秋山財団の設立趣旨を補完する意味でも、この『愛生文庫』の資料・物語が少しでも多くの皆さんにご理解して頂けると嬉しいですね。

久しぶり、ロータリークラブでの卓話

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 秋山財団でお世話になっている栗原評議員からご依頼があって、札幌北ロータリークラブで卓話の時間を頂きました、テーマは『愛生館文庫』です。

* 『愛生館文庫』ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB

 栗原さんに教えて頂き50周年記念誌を拝見したら、クラブ創設時に特別代表として私の伯父の秋山康之進の名前がありました。久しぶりのロータリークラブ例会、思えば1998年以来25年ぶりでした!

 札幌北ロータリークラブの50周年誌に掲載されている創設時の記事、秋山康之進がご挨拶・集合写真で。

 私のプレゼンは40枚のスライドで25分、コンパクトに『愛生館文庫』について語りました。

 こういったプレゼンの依頼があると、これまで少し散らかっていた私の頭の中の資料をまとめるいい機会となって自分自身にも貴重な時間で有難いですね。今回の卓話の場では懐かしい再会も幾つかあり、感動のひと時となりました、栗原さん、ありがとうございます。

宝物、共に過ごした企業人生!

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 先日は、コロナ禍でこの数年中断していた集まり「愛生館文庫の集い」を試運転ですが再開しました。飲むほどに酔うほどに、出るは出るは私が社長時代の昔の企業人生の様々な秘話の数々、あっという間の時間でした。

* これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84

 懇談の最後は皆さんでこの歌を!心に沁みましたね。

 私は余韻を楽しむために一人でしばし山鼻周辺を散策、帰り際の皆さんの笑顔が印象的でした。

 これからも元気なうちは続けていきたいですね、気持ちよく昔の話を!!!

ケンユー会総会・懇親会 2023

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 『ケンユー会』は、(株)スズケンの出身者の集まり、北海道は合併前の『愛進会』が母体となり、現在は『愛生舘支部』として活動しています。今年は4年ぶりとなるリアルに集まっての開催、私の母、姉を含めてこの間にお亡くなりになった方もいらっしゃいましたが、相変わらず懐かしいお顔も多く、やっぱりリアルの集まりはいいですね。

* これまでの関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%A6%E3%83%BC%E4%BC%9A

 全国の「ケンユー会」の大場会長と本社から横山さんもご参加に、お二人とも私が名古屋で副社長時代、想い出多いですね。特に横山さんは、当時、東京営業部世田谷支店長、同行してお得意先にも訪問したり、その後は本社で活躍し、今年4月からは管理本部長となっています。

 私は決して細く小さくはないつもりですが、このお二人に囲まれると!!!です。私と一緒に仕事をしていた20数年前以降、益々成長して??!!いたようです。

 左が大場ケンユー会会長、右が横山管理本部長

 左が浜岸ケンユー会愛生舘支部長、相変わらずお元気です!

 こちらは現役、OB混在ですが、皆さんそれぞれの趣味を活かしての楽しそうな日々で、私自身も嬉しいですね。

 その中の一人、中野渡さんが何とも懐かしい写真を持ってきてくれました。私が社長に就任してすぐに開催した幹部候補研修での集合写真、彼らはその後それぞれの職場、会社で活躍してくれているかと思うと、当時の私自身の情熱に密かに胸が熱くなりました。

 こちらの写真は苫小牧営業所を訪問した時のもの、良き時代のホンワカした会社の雰囲気を思い出します。

 先日、秋山財団の愛生館文庫を訪れてくれた社員のご家族もそうですが、昔の写真を大切に保管していて見せて頂けるのは本当に有難いことです。それぞれの人生を歩まれて数十年後に楽しく振り返られる、そんな関係が心地よいです。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=46776

 ケンユー会の皆さんとは今年の夏の納涼会、来年の総会・懇親会でもまた元気な姿でお会いしたいものです。

嬉しい『愛生館文庫』訪問者

Posted by 秋山孝二
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 2019年秋に秋山財団建物内に『愛生館文庫』を開設して以来、これまで多くの方々のご訪問、お問い合わせがありますが、先日は予めご連絡を頂き、元(株)秋山愛生舘の社員の奥様と娘さんがお越しになり、ご主人の社員時代の想い出をたくさん語られていました。「本当に良い会社で働くことができて家族も幸せでした」とのお言葉に、私も心から感謝したい気持ちでいっぱいでした。

* 『愛生館文庫』ーー> https://www.akiyama-foundation.org/news/3854.html

 その時にお持ち頂いた会社を定年退職する時の写真、私が社長時代、毎回定年退職者とお弁当を食べながらそれぞれの職場でのエピソードをお聞きする場として、長い間務めて頂いた方にとっても私にとっても想い出となるひと時でした。ご自身のそれぞれの年の名札、当時の懐かしい写真、記念の品も愛生館文庫でお預かりすることにして、文庫の財産とすることをお約束しました。

会議室での懇談

会議室での懇談(右のワイシャツ姿が社長時代の私)

 皆さん、私の幼い頃からお世話になった方、会社に入ってから手取り足取り教えて頂いた方、今も感謝の気持ちでいっぱいです、民間企業の良き時代だったのでしょうね。

 想い出の写真とともに、上場記念のテレフォンカードもお持ち頂きました、これもまた懐かしい。

 写真はもちろんですがこういった記念の品も後になってみると歴史の一コマとして大切にしたいものですね。私の胸に響くお二人との懇談の時間でした、お越し頂きありがとうございます。

愛生舘の「こころ」 (24)

Posted by 秋山孝二
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 先日の北海道新聞朝刊の別刷『さっぽろ10区(トーク)」に、秋野薬局さんの取材の一環で、愛生館文庫の記事も掲載されています。北海道の薬業界の黎明期の様子も語られています。

* 『愛生館文庫』関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB

 一の秋野総本店薬局と初代秋山康之進の妻ナカは、深い縁があり、大変お世話になったことが受け継がれて語られています。今回、「受け継ぐ信頼」との見出しで紹介されたのは大変嬉しいことですね。『愛生館文庫』についても写真入りで紹介して頂きました、ありがとうございます。

愛生舘の「こころ」 (23)

Posted by 秋山孝二
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 かなり長い間メッセージが滞ってい「愛生舘の『こころ』」シリーズ、新しい年を迎えてまた再開します。

<これまでの記事>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=971

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1008

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1096

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1198

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E8%88%98%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%80%8D

 先ずは、千葉県佐倉の近藤家の方からのプレゼントを頂きました、「特別純米酒 『佐倉城』(https://chibasake.com/products/%E6%97%AD%E9%B6%B4-%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%B4%94%E7%B1%B3%E9%85%92-%E4%BD%90%E5%80%89%E5%9F%8E」です。

 題字は、佐倉堀田家12代当主・元佐倉市長・佐倉名誉市民 堀田正久氏によるもの、株式会社 旭鶴は創業が天保元年(1830年)です。

 二つ目の話題は、愛生館文庫の資料を基に、「デジタルコンテンツ」の二本が完成したことです。先ずはDVDで納品ですが、今後はyoutubeにアップして秋山財団HPからもご案内したいと思っています。今現在は五本シリーズを企画してます。これは単に一企業の歴史ではなく、明治期に端を発した社会運動、秋山財団の創設理念の『愛生済民』、『生命科学』に通じる物語の可視化だと考えています。

* 愛生館文庫ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37374

乞うご期待、動画の収録!

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団では2年前の10月に、建物の一室に『愛生館文庫』を開設しました。この財団の由って来る所以を記録に残して、財団の名称にある「記念」の意味を多くの方々に理解して頂きたいという設立に関わった私の思いです。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37374

 資料整備もほぼ整い、今年からデジタルコンテンツを作成して資料館のバージョンアップを図る企画が進んでいます。先日はその第一号としての録画撮りを財団事務所と愛生館発祥の場所で行いました。

 まずは秋山財団事務所一階ミニホールで。劇団『イレブンナイン(http://eleven9.jp/』を主宰する俳優・脚本演出家の納谷真大(なやまさとも)さんを聞き手に、私がインタビューを受けました。

* 納谷真大さん、ほかーー> http://eleven9.jp/member/

 翌日は愛生館北海道支部が1891(明治24)年に開設された札幌市中央区南一条西6丁目の発祥の地での録画撮り。

 ナレーション、再現会話、資料等の映像を編集して、近いうちには第一号が世に生み出されると思います、乞うご期待!!!ですね!

愛生舘の「こころ」 (22)

Posted by 秋山孝二
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 昨年10月にオープンした『愛生館文庫』、これまで訪問者がコンスタントにいらっしゃっていますが、その中で思いっきり昔を振り返る「愛生館文庫の集い」、今回は2回目として神正義さんのお話です。

* 初回の様子ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37374

その生い立ちから

その生い立ちから

聴く方も真剣!

聴く方も真剣!

 お話が終了後は、財団事務所2階に上がってさらに意見交換、生い立ちの語りが長く、なかなか入社後の局面にならずイライラしていた方もいたり、楽しいひと時でした。

2階でさらに懇親を

2階でさらに懇親を

 終わった後も片づけを一生懸命、世代の違いか皿洗い等台所にも自然に入っての後始末も完璧でした。

スーツ姿で洗い物!

スーツ姿で洗い物!

 第三回目は5月の予定となりました、またまた楽しみです!

助成財団セミナー 2020(下)

Posted by 秋山孝二
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 基調講演での私のプレゼンは、概略以下の通りです。

 当日スライドからの抜粋~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

< 助成財団が必要とするアウトリーチ活動を目指して >

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3.「愛生館」の理念

庶民への眼差し

愛生済民

アジア・世界の体力向上

「愛生館」事業~担い手は幕末・維新を生きた人々

〇松本順先生の全国的な健康増進事業

~司馬遼太郎の歴史小説胡蝶の夢

〇愛生館三十六方製剤 > 衛生思想の普及

〇愛生館北海道支部 から 秋山愛生舘 へ

2019.10.1 愛生館文庫開設 http://www.akiyama-foundation.org/news/3854.html

* 参考ーー「愛生舘のこころ」シリーズ http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E8%88%98%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%80%8D

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5. 今、注力している活動

8期中期5ヶ年計画(20172021年度)より抜粋~

3)アウトリーチ活動を通じて

* 研究者地域の担い手とのコラボレーション企画学びの場(プラットホーム)の構築

次世代の育成・教育プログラム創設すると共に、地域社会変革モデルを積極的に提唱し、幅広い道民の合意形成を実現する。

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ネットワーキング!

~閉じた活動を外に開くこと   助成財団センター山岡理事長

受領者 & 秋山財団

大切にしていることは、人の繋がり(歴史・信頼)

プラットホームして持続可能な関係性構築

~~研究者、活動主体へのリスペクト!

~~財団のポジショニングの変更!

研究助成のアウトリーチ活動

〇 市民活動助成のコラボレーション

研究市民活動の相互交流

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6今、思うこと

理念の具現化~未来像・2011から~

http://www.akiyama-foundation.org/vision

1)若い世代への助成

2生命科学のさらなる深化 ~全体知~

3)新しい時代の人と自然の調和

歴史のバトンを受け取り、そして、次に渡す!

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Ⅱ.30年目の決意2016

~ 秋山財団の原点 愛生済民

<立ち位置>

①地域: 「中央からの自立・自律性

②民間: 「官からの独立性、札幌農学校!

③生命科学: 「既成の学術領域」から解放 される“命・いのち”をテーマに

SDG、全体知、つながり

~生命地域(バイオリージョン):北海道~

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1)本来の「第三セクター」の立ち位置は?

3) 財団法人経営を学ぶ場の必要性

①他財団とのパートナーシップ構築

②「基本財産」に込める出捐者の意志の継承

(例) 愛生館文庫 <時代に合った翻訳>(https://www.akiyama-foundation.org/news/3854.html

4)秋山財団「第8期5カ年計画20172021年度)の視座

①助成金は「投資」 → 「託資」

②対応する → 提起する

* 主体は研究者、市民活動実践者

リーダーシップ よりも

パートナーシップ

フォロワーシップ

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秋山記念生命科学振興財団
アウトリーチ等の活動事例

たくさんの事例を写真入りで報告

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 抜粋 おわり

 その後のプログラムでは、アメリカでの事例ほか、日本の大手財団の様々なアウトリーチ活動の取り組みがご紹介されました。さらにそれに続いて、私を含めた登壇者がステージに着席して、フロアーからの質問にもお答えする時間も。私にもたくさんご質問が来ていて、その場では十分にお答出来ていなかったので、札幌に戻ってお一人ひとりにご返事を送信するつもりです、ただ、もう10日も経っているのに、まだ実行はできていませんが・・・。

 いずれにせよ、私にとっても大変貴重なひと時、特に質疑応答での私のかなり突っ込んだ、過激な(?)「民が担う公共」へのコメントは好評だったようで嬉しかったです、「出過ぎる杭は打たれない!」でしょうかね。このような機会を与えて頂いた山岡理事長、田中専務理事に感謝致します、ありがとうございます。

「FMアップル」に生出演!

Posted by 秋山孝二
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 10月に秋山財団にオープンした『愛生館文庫(http://www.akiyama-foundation.org/news/3854.html』、新聞記事になってからいろいろな方面からのお問い合わせが届いています。その中の一つ、コミュニティ放送の「FMアップル(http://765fm.com/」さんから出演依頼があり、先日生放送が実現しました。

* 愛生館文庫の関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37374

 パーソナリティーの村形潤さんとの対談、あっという間の30分でした、さすがに聞き上手で気持ちよくお話ができました。

パーソナリティのさんと

パーソナリティの村形潤さんと

 始まる前に、専務取締役放送局長の塚本薫さんともお話をしましたが、昨今、コミュニティ放送局は、災害時の重要な機能としての役割で注目されています。昨年の胆振東部地震の時も、ブラックアウト最中でも札幌の二局だけが放送を続けて災害時に貢献できたそうです、日ごろの準備が功を奏して素晴らしいことですね。

* https://www.atpress.ne.jp/news/176773

地域防災の取り組み

地域防災の取り組み

 『愛生館文庫』を開設して、いろいろな方々から逆に情報を頂いている昨今、連続講座も含めて、これからの情報の蓄積が大変楽しみになってきています!

愛生舘の「こころ」 (21)

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団の一室に開設した『愛生舘文庫(http://www.akiyama-foundation.org/news/3854.html』は、秋山財団25周年にその開設準備活動を始めましたが、7年を経て、この10月にスタートすることができました。これまでの経過については、以下の「愛生舘の『こころ』」シリーズに掲載してきました。

* 愛生舘の『こころ』シリーズーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E8%88%98%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%80%8D

 北海道の皆さんには「秋山愛生舘」で馴染み深い会社ですが、実はその前には明治初頭から中期に始まった全国的健康増進の「愛生館」事業の存在があったのです。今回の「愛生館文庫」は、地場企業化以前のこの「愛生館」の創設の背景、関わったキーマン達に焦点を当てて、日本の近代における医学・薬学・公衆衛生等の黎明期を再確認する意味合いが主たる目的です。

11月27日北海道新聞朝刊に掲載!

11月27日北海道新聞朝刊に掲載!

 これまでの私のブログの記事の中に以下のような記載があります~~~~~~~~~~~~~ 引用

私の永年の友人からのメール―――明治維新は、厳密な意味ではフランスやロシヤみたいに迫害された民衆が自ら闘って自由を勝ち得た”革命”ではありませんでした。あくまでも政治の面で捉えれば、単に江戸幕府衰退と共に雄藩が政権を握ったに過ぎません。

 開拓期、そうした薩長土肥の藩閥政府が横行する初期、民衆に医療・公衆衛生を持ち込んだ松本良順や高松保郎の思想の源流、その彼らを中心とする「愛生舘事業」の実践は、ある意味では、すなわち必ずしも新時代の変革は「政治」の舞台だけではないという意味で、後年、藩閥に反発して立ち上がる自由民権運動よりも更に先んじた自由平等主義の実践者たちであったろうと思われるのです。老若男女が心身共に病むこの21世紀の日本が失った、取り戻さなけれなばならないエスプリが、愛生舘のルーツに秘められている気がしてなりません。それは蘭学が内包する”博愛”とか”弱者救済”精神に基づいた学問・技術・文化などが、質実的な面で明治時代の民衆を支えたと言えます。政治の暗闇に光を当てたのではないでしょうか。近代への道は決して政治力だけではなかったはずです。

 黒船来航に伴い幕府が設立した長崎伝習所、勝海舟や松本良順はじめ、幕末のインテリが学んだ”蘭学”に内包する哲学は、タオ財団のワグナー氏の言葉「それぞれ民族の違いの主張ではなく、いかなる共通点を探し求めるか」とする、作品「哲学の庭」に通ずるテーマと言えるでしょう。貴兄の言葉通り「いのち」とは平和そのもの、世界共通語であります故、「人類愛」を意味するキーワードでもあります。

(注)タオ財団http://wagnernandor.com/indexj.htm ――――メールおわり

衛生書「通俗民間療法」(左)、大鏡(右:高さ1.5m)

 全国的な愛生舘事業の中で、特に北海道支部のミッションは、北海道開拓を担う屯田兵の後方支援、及び全国から入植してきた開拓移民の健康維持・向上でした。1891(明治24)年、東京神田の館主・高松保郎亡き後は、北海道支部長だった初代秋山康之進が自らの名前を掲げて自立し、「秋山愛生舘」となりました。愛生舘事業の理念は、自社販売していた「通俗民間治療法」の中に明確に示されています。「山間僻地までの医薬品供給、医師の診療を受けられない病人の救済、貧者・弱者への施薬、すなわち、利益追求ではなく、あくまでも民間の衛生・治療の便益を図る事を最優先にする」、それが事業の目的であると書かれています。この理念を継承し地場企業として、秋山愛生舘は北海道の地を基盤に、第二次世界大戦後1948(昭和23)年には株式会社として法人化し、私は1991(平成3年)6月に第五代目社長に就任し、1992(平成4)年には札幌証券取引所上場、1997(平成9)年に東京証券取引所市場第二部上場となりました。その後、(株)スズケンhttp://www.suzuken.co.jp/ と資本・業務提携を経て合併し、北海道は「愛生舘営業部」として、今も活動しています。

 私は2002(平成14)年11月に(株)スズケン代表取締役副社長を退任しました。その後、故郷札幌に戻り、これまでの(株)秋山愛生舘の108年の活動を振り返り、持続する企業として3本の論文にまとめました。

「地域企業の持続的経営の分析」http://ci.nii.ac.jp/naid/110004813846以下、「地域企業の進化の分析」http://ci.nii.ac.jp/naid/110004813848/、「持続的経営論」http://ci.nii.ac.jp/naid/110006392571/と続きます。

 一方、(株)秋山愛生舘の100周年事業の一環として、それに先立つ1987(昭和62)年1月に「(財)秋山記念生命科学振興財団」を設立しました。http://www.akiyama-foundation.org/ 「地域社会への貢献」という理念の実現は、医薬品販売の事業から更に発展して、愛生舘事業の理念を根幹に、財団の助成・育成事業として継承・進化しています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 そして、今月、オープン後の初めての企画として、「連続講座~愛生館文庫の集い~」をスタートして、記念すべき第一回として新祐一さんをお招きしてのミニフォーラムでした。(株)秋山愛生舘の社内報『愛輪』の創刊号から最終号まで、全てを保管してこの愛生館文庫に寄託して頂き、さらにご自身の書き下ろしの会社人生の著書も。

スズケンの幹部たち

スズケンの幹部たち

 秋山財団1階の『愛生舘文庫』でご講演の後は、2階でさらにその続きのフォローアップ懇談会、参加の皆さんは懐かしい思い出話と当時の一生懸命だった自分自身を振り返り、何とも感動のひと時でした。これから、数か月毎に連続して講師を招いての開催を決めて、取り急ぎ次回は2月開催となりました。

 これからが楽しみです!

愛生舘の「こころ」 (18)

Posted by 秋山孝二
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 今年は夏の終わりから今日まで超多忙な毎日が続き、愛生舘の「大鏡」の分解検証についてご報告をするのがすっかり遅れてしまいました。

 秋山財団30周年を記念して、数年前から「愛生舘文庫」創設の一環で歴史のひも解きを続けていますが、8月終わりに、以前から保管してある「愛生舘北海道支部長に送られた大鏡」を、100年の時代を経て分解し、年代の特定を試みました。

* 「愛生舘北海道支部長に送られた大鏡」――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1198

 まずは背板に残る貼り紙の一部を外側から再確認です、ほぼ、いつ頃の時刻表かは分かっています。

汽車の時刻表、年代特定の重要な資料

汽車の時刻表、年代特定の重要な資料

 「れきけん(http://nporekiken.com/)」の東田秀美さんに、ガラス店・職人の福田さんをご紹介して頂き、いよいよ分解を開始、ガラスを気遣いながら、慎重に背板の釘を一本一本抜いていきました。「れきけん」は、秋山財団のネットワーク形成事業助成で応援しています(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_09)。

慎重に釘を抜いていく

慎重に釘を抜いて

 ガラスと背板の隙間に挟んであった新聞紙と思われていた紙は、実はポスターでした。新聞紙だといろいろ情報が読み取れると期待していたので少々残念でしたが、このポスターにも情報は満載で、「札幌松竹座」、「クラブ乳液」ほか、年代特定の大きな手掛かりの予感がしました。ただ、これはガラス製造時期、贈呈時期とは少し違い、送られた後に札幌で一度背板を外して入れられたものと推定できます。商品販売のプロモーションとして映画ご招待といった企画が当時から行われていた、また別の発見も面白かったですね。

ポスターには情報満載!

ポスターには情報満載!

 早速、製造メーカーを調べて検索し、このボトルとデザインから年代を特定できました。

製造メーカーに問い合わせて年代を特定!

製造メーカーに問い合わせて年代を特定!

 今回の一番の発見は、ガラス塗料の検証です。今現在、成分を分析して、この塗料が使用されていた年代を解き明かすことができると期待しています。鉛成分の毒性から、この分野での成分改良も現在まで随分進んでいるとのことも知りました。

初めて開陳された鏡の裏側

初めて開陳された鏡の裏側

 歴史は細部に宿る(?)、数回打ち直された鍵穴も見て取れます。間に挟まっていた先述の2枚の折りたたんだポスターも、贈られた以降に一度背板を外して安定させるために挿入されたものと推察できます。釘穴の後を検証すると、素人が打ち込んだようだと福田さんはおっしゃっていました。

複数回打ち直された釘穴の後

複数回打ち直された釘穴の後

鏡の塗料成分から年代を特定中!

鏡の塗料成分から年代を特定中!

 毎年夏に札幌に避暑で滞在されている片桐一男先生、愛生館文庫創設にお力を借りている山下秀子さんも、背板の細部の検証に集中していました。

背板の細部も検証しながら

背板の細部も検証しながら

 歴史の発掘は、まさに考古学と似た手法なのでしょうね、木製の鏡枠は時の経過を刻み、一つ一つの構成物からも時代時代の特徴を検証できる、本当にエキサイティングな時間でした。現在まだ財団事務所に分解したままに置いていますが、分析中の結果が分かり次第、また組み立てて永く大切に保管し、皆さまのお目にも触れるべく展示したいと思っています。

 永い眠りから息を吹き返した大鏡、本当に愛おしく思えた瞬間でした。

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愛生舘社宝「鏡」の解体調査状況について

解体年月日:平成28817

(秋山理事長、解体者福田ガラス店社長、片桐一男先生傍観、山下)

①裏板の調査について

●列車時刻表の年月日の調査

明治4232日第三種郵便物認可と書かれていることが判明。(但し、何枚かの紙が重なって貼られているため、鏡が出来た時期はそれより早と推定される)

②鏡と板の間から見つかったポスターについて

●札幌松竹座=1925(大正14年南4西3)改称、2年後に火事1929に改築、前身は大黒座として1897に開業)

●ポスターのホルモン含有クラブ乳液(旧中山太陽堂発売)

19311935/昭和6~10年以降に松竹座の広告媒体となったものである)

③愛生舘社宝「鏡」の製造年の特定

●松本順の栄典事項により明治26年から38年(正四位勲二等)に作られたものである。製造年の特定は、調査継続中。

④鏡(8mm)の裏止め塗装・レンガ色の種類の特定

文字を鏡の中に入れる製法について

●④並びに⑤は調査中

(参考)研きガラス(8mm)→鏡に加工(特注)したと考えられる(福田ガラス店社長)

・通常の規格寸法は36インチ×24インチである。

・愛生舘鏡の基板寸法=100インチ(2410mm)×75インチ(1905mm)

11月末を目処に調査を終了する予定

(平成28107日現在 山下)

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