札幌医科大学医療安全公開講演会が開催されました。今回はご自身のお子様を医療事故で亡くされた豊田郁子さんのご報告でしたhttp://web.sapmed.ac.jp/kikaku/event/090810koukaikouenkai.pdf。当日は教授・学生等の医科大学関係者他、医療従事者も数多く参加されていました。辛い経験から更に前向きな問題提起を含めて、日本の医療の向上に資する貴重な提言でした。
東京都の豊田さんの息子・理貴ちゃん(当時5歳)は、2003年3月の夜中に強い腹痛を訴えて病院に運ばれました。腸がねじれる重傷でしたが、医師は「軽症」と誤診し、入院して間もなく亡くなりました。病院は当初ミスを否定、豊田さんは強い不信感を持ち、同様に医療事故で家族を亡くした遺族らと「小児救急」の抱える問題を考えるようになり、東京の新葛飾病院にセーフティマネージャーとなって勤務することとなりました・・・・。
*血液検査では「異常なし」ーー>それが全てではないはず
*医師法21条「異常死」の場合は、取りあえず警察に連絡する義務ーー>それが全てではないはず
http://expres.umin.jp/genba/kaisetsu01.html
*警察の言「事件性は無し」では何の解決にもならない、医師に対する不信感の増幅
*一生懸命やった努力が遺族を傷つける場合もあることを医療従事者は認識すべき
*当事者の「救済」について考える手立ては?:医療ADR機関、死因究明制度、無過失補償制度等
一つ一つの悲しい・辛い現場における事実から、再発防止をシステムとして防止する姿勢、過去の事例から学び質的レベルアップを図る体制づくり、豊田さんのお話は沢山の視座を与えています。もう一つ、このような出来事が内部告発的に明るみに出るのではなく、日常的仕組みとして組織の中に位置づけられているとすれば理想です。組織責任者のリーダーシップとリスクマネジメント、過去も現在もあらゆる組織に問われている課題だと思います。
8 月 19th, 2012 at 9:55 AM
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