「幸せ経済社会研究所」、キックオフ!

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 枝廣淳子さんが新しく設立した「幸せ経済社会研究所:http://ishes.org/」の設立キックオフ・フォーラムがありました。バラトングループの若手のホープ、アラン・アトキンソン(http://www.atkisson.com/)さんの基調講演とQ&Aです。

超満員の会場で、アランの講演です!

超満員の会場で、アラン・アトキソン氏の講演

実にさわやかな、ナイス・ガイでした!
実にさわやかな、ナイス・ガイでした!

 枝廣淳子さんはこれまでに、JFS(ジャパン・フォー・サステナビリティ:http://www.japanfs.org/ja/aboutus.html)をはじめとして、12の視座から環境問題に取り組んできています(http://www.es-inc.jp/)。今回設立の背景は・・・

* 経済成長のジレンマ: 1)現在のままの経済成長は持続可能ではない、2)経済成長を止めると、社会は不安定になる、3)どうしたらよいのか・・・・?

* ハーマン・デイリーのピラミッド(http://change-agent.jp/sustainablemanagement/pyramid.html

* 持続可能な発展の3つの統合指標: 「自然資本」ー持続可能性(Sustainability)、「経済」ー自然資本の幸せへの転換率(Efficiency)、「幸せ」―皆に実現しているか(Sufficiency

* 全体とつながりを考えること: 「経済」、「社会」、「幸せ」――まず指標を考え直そう、という動き

 

 アラン・アトキソン氏は、「Growth and Happiness:成長と幸福」と題しての講演でした。30を越える質問からなるこの講演、普段分かった気になっている言葉を、再度検証する良い機会となりました。その後のQ&Aでも、幾つかのキーワードが・・・・

* インビジブル・エコノミー、「アマチュア・エコノミー」の価値と重要性~~「アマチュア」とはラテン語で「愛」の意味とか

* すべて「プロフェッショナル・エコノミー(お金に代えられる)」にしていいのだろうか?

* これまでお金で代え難かったものをお金にしてしまうと、失われるものも多い

* プロフェッショナル経済とアマチュア経済の線引きをしっかり行うこと――「賢い」経済を目指すべき

* これまで、「歴史は勝った者によって書かれている」

* 日本は、「課題先進国」!!!

  「好奇心」は学習する原点であり、「ダメな自分」を見るのも必要ではないか、と笑顔で問いかけるアランの姿は、透明感と爽やかさでいっぱいでした。JFS(http://www.japanfs.org/ja/)のカタログに「日本から世界へ、世界から日本へ~~コミュニケーションが未来を創ります」と書かれています。

 今回のフォーラム、若い方々と女性が多かったですね。私は平均年齢をかなり上げている参加者の一人だったかもしれません。

「TPSレパートリーシアター」始まる!

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 私も副理事長を務める北海道演劇財団の付属劇団TPS(http://www.h-paf.ne.jp/)が、今年、初めてのチャレンジ「レパートリーシアター」を始めました。役者は大変ですが、3月一ヵ月間にレパートリー3つの作品を公演します。場所は、中島公園横のシアターZoo(http://www.h-paf.ne.jp/ogist/)です。

 初日公演後、関係者が集まってキックオフ・パーティー、すごい熱気でした。

シアターZooのロビー:これまでのポスター

シアターZooのロビー:これまでのポスター

レパートリーの名場面

レパートリーの名場面

初日を終えて「祝スタート・ミニパーティ」で挨拶する斎藤歩さん

初日を終えて「祝スタート・ミニパーティ」で挨拶する斎藤歩さんと出演者たち

 札幌には、たくさんの若手の演劇人が活躍しています。ただ、コマーシャル料等が首都圏と違っていて、ギャラにも限界があり、なかなか演劇だけでは食べていかれないのが現実です。そんな中でも果敢に挑戦する役者達に拍手を送り続けて、北海道発の人材を世に送っていきたいものです。「創造都市・さっぽろ」を謳うのなら、すでに著名なものを呼んできての「興行」、作品鑑賞だけの「消費」ではなく、人材の育成を主軸にすべきではありませんか!今必要なのは、それぞれできる活動、たとえば資金的支援、場を創る、鑑賞する、広く宣伝する等を通して、産業としての育成的視座をもつことなのだと思います。

 今回の公演は、身近なテーマを扱っていて、北海道のローカルな話題で大変面白いと思いますよ!!!!

映画「太平洋の奇跡」

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 今年は、日米開戦(1941年)から70年、映画「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男:http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp/index.html」は日米のスタッフ・キャスト合同の話題作で、印象深かったですね。

 「歴史に埋もれた真実の物語」とチラシにあった通り、私自身恥ずかしながらこう言った事実を知りませんでした、サイパンは玉砕だったと思っていて、です。さらに、この真実がアメリカ人の元海兵隊員ドン・ジョーンズによって明らかになったこと、原作者が戦後に来日して取材を重ねて書きあげた著書であることに、少し残念な気もします。彼は、大場栄大尉の戦いぶりに強い感銘を受けたとも、本人の言葉として語られています。あとがきには、「多くの人たちが、自分たちの父や祖父や叔父たちが、国を守るために戦った精神について何も知りませんでした。もっと驚いたことは、その人たちがしたことに、何の尊敬の念も払っていないことです。私は、このことをとても残念に思います」と記されているそうです。

 竹野内豊が演じた大場大尉は、太平洋戦争の激戦地サイパン島で、わずか47人の兵力で4万5000人もの米軍を巧妙な戦略で翻弄し、“フォックス”と畏敬の念を込めて呼ばれていました。ただ、当時の日本兵にあって、「自決するより生きて戦うことを選べ!」という信念を貫き、終戦後の12月に戦没者を弔うべく軍歌を歌いながら投降したという史実を知る日本人は、驚くほど少ないのも事実です。

 竹野内をはじめ、作品にかかわったすべてのスタッフ、キャストが伝えたかったことは、「日本人の誇り」だったのでしょうね。俳優、監督の弁(http://dogatch.jp/cinema/taiheiyo/special/)は、大変興味深いです。

* 大場栄大尉役の竹野内豊: 「生きて、日本に帰ろう」、赤ん坊に言うセリフ「生きろ!」

* ハーマン・ルイス大尉役のショーン・マクゴーウァン: 「優秀な軍人は戦争を求めない、戦うのは平和を求める時だけ」

 映画にはいくつか印象的なシーンがありますが、私は、投降後、米軍のジープに乗りながら、敵だったアメリカ軍人に対して、「ただ無心に戦っただけ。私はこの島で、誉められるようなことは何もしていません」と、静かに語っている場面が一番でしたね。もう一つ、アメリカ軍の当初の指揮官・ポラード大佐が、日本兵のメンタリティを「理解出来ない!!」と繰り返し叫び、「上官たちがどうして決戦前夜に自ら命を絶つのか」等、たくさんの質問をルイス大尉に浴びせる場面も面白かったです、恐らく多くのアメリカ人、いや現代の日本人でも抱く疑問かもしれません。

 この映画をみ終わってから、インターネット検索で映画の周辺情報を読んでいますと、実に多彩で、さらに興味を増しますね。以前にも書いたのですが、演劇(芝居)にも映画作品程の周辺情報があれば、誘いやすいし、もっと広くファンを集められるような気がするのですが、これからの課題でしょう。

 竹野内豊(http://www.youtube.com/watch?v=FG3pQiT-d4Y&NR=1&feature=fvwp)の今回の好演は、これまでのイメージを変えるのに十分だったとの評価です。私は、もう少しあくが強くても良かったのかな、と思いましたが。日本軍と現地民間人との葛藤も、沖縄での現実を含めて、見逃してはならないです、軍隊は「何のために、誰を守るために戦っていたのか」、ですね。

「かつうらビッグひな祭り」、ほか

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 千葉県外房・勝浦市の「かつうらビッグひな祭りhttp://www.city.katsuura.chiba.jp/event/hinamatsuri.html」は、マチあげてのひな人形フェスティバルです。神社・寺院・交差点、駅周辺の商店街のそれぞれのお店の前にも、中にも、ユニークなひな人形がたくさんありました。強風にもめげず、しっかり台座に座っていましたよ。

遠見岬神社の階段で

遠見岬神社の階段で

覚翁寺山門前で

覚翁寺山門前で、菜の花もたっぷり

図書館2階の江戸時代の雛人形

図書館2階の江戸時代の雛人形

  江戸時代の人形は、顔の形も目の大きさも、現代とは随分違っています。

  そう言えば、名古屋市にある「徳川美術館:http://www.tokugawa-art-museum.jp/」の特別展「尾張徳川雛祭りhttp://www.tokugawa-art-museum.jp/planning/h23/02/index.html」も伝統があり素晴らしいですね。1998年4月から4年8ヶ月、私が名古屋に単身赴任していた時に、隣の牡丹園も含めて毎年訪れていました。

 今日から弥生3月、全国各地で「ひな祭り」にちなんだイベントが開催されています。雪の多かった札幌も、確かに春の日差しになっています。

房総・久留里線での心地良さ

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 千葉県の房総半島を、木更津からほぼ中央を走る久留里線(http://www.kururisen.com/index.html)は、大正元年(1912年)に開通し、第二次世界大戦中は一時廃線となりましたが、戦後復活して、沿線は安房の昔の風景を残しています。木更津から数人の乗客でしたが、途中の駅からたくさんの幼稚園児が遠足で乗ってきました。

久留里線車内の幼稚園児たち

久留里線車内の幼稚園児たち

 わずか30キロ程の非電化・タブレット交換鉄道、ゆっくりと走り、約1時間で終着上総亀山駅に到着です。昔、木更津中学の陸上部の生徒が競争して勝ったとか、自転車にも抜かれたというエピソードもある程、そのスピードは話題を集めてきました。どこか昔の定山渓鉄道(http://www.digi-pad.jp/jdc/)を想い出させる雰囲気でしたね。

 沿線には、幾つか神話・伝説のある場もあり、どことなく神秘的な雰囲気をかもしだし、終点の上総亀山駅からは、亀山ダムによる人造の亀山湖を巡る散策路があります(http://www.mmjp.or.jp/kameyama-no-sato/map02.htm)。

亀山湖畔の紅梅・白梅

亀山湖畔の紅梅・白梅

 湖畔を登り切るとそこには紅梅・白梅が咲いていました。別の時間・空間にいるようで、大変心地よい時間でした。

栗山町議会改革から学ぶ

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 北海道経済同友会の今年度4回目の地方行財政問題委員会が開催され、今回のテーマは、「栗山町議会(http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/parliament/gikai.html)の改革の取り組みについて」と題して、北海道・栗山町議会議長・橋場利勝さんのお話でした。

 平成12年の地方分権一括法(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/990401bunkenhou.html)で、それまでの機関委任事務の市町村への移管が最も大きな改革の糸口となったこと、「栗山町議会基本条例(http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/parliament/g_kihon.html)の誕生と展開についてほか、着実に進めてきた変革の足跡を理解することができました。

* 条例を作って初めて「2元(首長と議員)代表制」の意味を知った

* 総務省・北海道庁は当初は極めて冷ややか

* 策定のきっかけは平成17年3月の「議会報告会」の実施――市民の評価が高く、これからも続けて欲しいとの要望大

* 議会における議決責任は、すなわち「市民への説明責任」

* 議員は町民の代表として広く意見を聴く――議員の評価の場=住民の前に立つこと

* 議員は「口利き」の為ではなく、議論ができなければ資質が問われる

* 情報公開条例等、議会を「見せていく」努力: 「言論の府」であるには、議員同士の議論、合議に至る過程も

* これまでの「追認機関としての議会」からの変革

 「議会モニター制度」、「議会サポーター制度」等の導入、ユニークな取り組みの源泉は、ごく当たり前のことを合意を形成して一つ一つ実践していく着実さだと感じました。特別の手法が有るわけでもなく、この委員会に集まっている企業経営者にとっては、いわば「常識」的変革です。国政レベルでは何とも歯がゆく不甲斐ない政治の世界ではありますが、基礎自治体でも基本的構造は同じな中で、ひときわ新鮮な議会イノベーションのお話でした。

 それにしても、どうして日本全国の議会では、このようなごく当たり前の改革が実施されないのでしょうか、議員の資質の貧困か、それを許す民度の低さなのでしょうか。政治の枯渇と叫んでみても、今の日本の議員レベルでは、今後しばらくは期待しても難しいですね、どいつもこいつもストライクゾーンを大きく外れた連中ばかり、歴史認識はじめ全く勉強不足ですし、人生できっちり仕事をしてきた人間がこの世界にはほとんどいないのではないかと思われるし、まさに自立する市民の活動に期待する方が、現実味があるような気がします。

 税金の最大の無駄遣い、それは見識の無い連中が議会で時間を潰していることでしょうね!!ブルーベル・シンガーズ、天地茂が歌ってヒットした「昭和ブルース:http://www.youtube.com/watch?v=MbP_G40haAQ」の一節(うまれた時が悪いのか、それとも俺が悪いのか、何もしないで生きてゆくなら、それはたやすいことだけど・・・)が、妙に心に沁み入りますね。

久しぶりの留萌で

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 一昨年11月に、早稲田大学で自主上映映画「降りてゆく生き方:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2600」を観ましたが、今回は少しバージョンアップされて、留萌(るもい)で再び観ることができました。会場は800人を越える地元の方々ほか全国からもいらっしゃって、大盛況でした、2万5千人のマチでですよ。

会場の留萌文化ホール前

会場の留萌市文化センター前

自主上映に活躍された実行委員会メンバーの紹介

自主上映に活躍された実行委員会の皆さん

 上映終了後に、舞台では鼎談もありました。

 この映画の脚本・プロデューサーで弁護士・森田貴英さん、映画のモデルでもある新潟の今代司酒造株式会社(http://www.imayotsukasa.com/user_data/history.php)社長・山本吉太郎さん、「共働学舎:http://www.kyodogakusya.or.jp/about/greeting.html」理事長・福澤和雄さん、北海道でこの上映企画の連鎖を続ける(株)ネイチャーズ主宰・伊達弘恭さん、「べてるの家:http://urakawa-bethel.or.jp/」の女性、の5名の方々で、寧楽自家製ソーセージを試食しながら、点が線につながる感じでしたね。

上映後の鼎談

上映後の鼎談

 以前にNHKテレビ「新時代ファイル~生き方~:http://www.youtube.com/watch?v=RtAe5WM6huQ」でも取り上げられました。見終わった後の交流会での意見交換、「降りる」というのは「取り戻す」ことなのですね、という言葉が印象的でした。

 留萌というと、あがた森魚、宮川泰、森田公一といった音楽関係者、それにプロ野球の若松勉さんを思い出しますね。数年前の夏に、札幌から車で石狩経由で日本海を見ながら行って以来です。今回は深川乗換えのJR留萌線で訪れたのですが、車内で面白いフレーズの広告を見ました、ガンバってますね、JR北海道さん!!

留萌線・深川から留萌の車両で

留萌線・深川から留萌の車両で

 2年前の早稲田大学の雰囲気とはまた違った留萌でのひと時、北海道各地の取り組みが線・面でつながっていく予感がしました、今後の進化が楽しみです、北海道の可能性を信じながら・・・・。

演劇「てけれっつのぱ」、ほか

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 このところ、演劇・映画を濃密(?)に鑑賞。一つは、劇団文化座(http://bunkaza.com/)「てけれっつのぱ」です。江戸の名残をとどめる文明開化の東京と、開拓まもない北海道・小樽で、愛情と人情、様々な人間模様が繰り広げられます。あの時代の一面を覗いたような気がします。

当日チラシより

当日チラシより

時代の象徴、人力車

時代の象徴、人力車

  一昨年でしたか、文化座「天国までの百マイル:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2094」も面白かったですね、実話を芝居にしたもので、千葉県のイメージも湧いてきて。先日の舞台では、佐々木愛さんはお元気そうで安心しました。

 もう一つの舞台は、シアターZOO企画公演「じゃぱどら!地区大会:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7214」の後半部分、岸田國士(くにお)作・清水友陽演出、「犬は鎖に繋ぐべからず」です。こちらは数十人の客席、役者よりも低い目線からの1時間超、さらに短編の「紙風船」も観ることができました。

 一方映画では、還暦を迎えたのでいつでも60歳以上割引適用、高齢社会の恩恵を現実に感じた最初ですね。見たい映画も目白押しですが、取り敢えず二つを、「ウォール・ストリート:http://movies.foxjapan.com/wallstreet/」、「ソーシャル・ネットワーク:http://www.socialnetwork-movie.jp/」です。

 WSはNew Yorkの現場がリアルでしたし、SNはボストンのハーバード大学(http://www.harvard.edu/)を舞台にものすごいスピード感でした。ボストンというと思い出しますね、1991年にボストンのハーバード大学のすぐ近く、ハーバードスクウェアに(株)秋山愛生舘の子会社「Autumn Hills International:AHIC」を設立し、私は社長に就任しました。ヘルスケアのリサーチ等を主体としたビジネスでしたが、現在は二代目社長だったアメリカ人男性が、MBOでボストン郊外で独立した会社として発展しています。

 二つの映画では、ともに時間との戦いでサイバー上で繰り広げられるすさまじいやり取りとバトル、そして中国・中国人の登場が特徴的でした。少し前でしたら、それぞれの場面は日本人だったのでしょうが・・・。「facebook:http://www.facebook-japan.com/」誕生の様子が実にリアルに描かれています。

 つい最近では、チュニジアでのジャスミン革命、エジプトでのムバラク政権崩壊、それに続く中東諸国、中国での反政府デモ等で、今や「facebook」ほかソーシャル・メディアは注目の的です。先日のファンドレイジングのフォーラムでも(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7411)。

100兆ドル紙幣?!

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 先日の晩、ある会合で会った方が、ジンバブエ共和国(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/zimbabwe/index.html)出張から戻ったばかりでした。そこに集まったほぼ全員が、「ジンバブエって、アフリカのどこなの?」と。そして、通貨の「ジンバブエドル紙幣(Z$)」を見せてもらってさらに驚きでした、100兆ドル!!!!こども銀行もびっくりですね!

アフリカ・ジンバブエの紙幣

アフリカ・ジンバブエ中央銀行の紙幣:数字に注目!

one hundred trillion dallers

one hundred trillion dollars

 2年前の4月にすでに発行停止紙幣のようですが、ムガベ大統領の名は独裁政権として耳にしたことが有りますね。猛烈なハイパーインフレ、劣悪な経済事情に加えて、秘密警察による監視や反体制派への暴力など、「世界最悪の独裁国家」との記事も読んだことがあります。つい先日のエジプト・ムバラク政権の崩壊をはじめ、強圧的政権国家は必ずほころびがでてきます。ジンバブエはイギリスの植民地から独立をしたものの、先進諸国のエゴとのつながりで、苦しむのはいつもそこに生きている庶民です。

 昨年3月に訪れたマラウィ―共和国(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3435、ほか続く)とはすぐ近くに位置していますが、同じ貧しいとは言っても、「平和」であるかないかの違いは大きいですね。指導者によりひどく異なる国情は、とても遠いアフリカの現状とのんびり語っている訳にもいきません。紙幣に並ぶゼロを数えながら、ため息が出てきました。

今年の「助成財団の集い」で

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 公益財団法人助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/)主催の「助成財団の集い:http://www.jfc.or.jp/tsudoi2010.pdf」が、180名を越える参加者で、今年も開催されました。

会場の星陵会館玄関

会場の千代田区永田町・星陵会館玄関:当日撮れた唯一の写真

 前半は内閣府の方から、一連の「移行認定」に関して、これまでのご報告と今後の留意点等について、ご説明がありました。後半は、下記のメンバーでのシンポジウムで、私もシンポジストの一人として参加する機会を得ました。

課題提起 「公益法人制度改革と民間助成活動の活性化」 コーディネーター・山岡義典さん(法政大学現代福祉学部教授)

シンポジスト 鮫島俊一さん(公益財団法人 旭硝子財団:http://www.af-info.or.jp/ 専務理事)

        加藤広樹さん(公益財団法人 トヨタ財団:http://www.toyotafound.or.jp/ 常務理事)

        秋山孝二(公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団:http://www.akiyama-foundation.org/ 理事長)

 山岡先生から、民間公益活動の歴史等総括的な流れのご説明があり、次にそれぞれの財団の紹介を兼ねた15分程度のプレゼンでした。私のプレゼンは(2011214e7a78be5b1b1e38397e383ace382bce383b3e69c80e7b582e78988)このような内容です。

 当日の模様は、参加者のお一人、日本財団(http://www.nippon-foundation.or.jp/index.html)の荻上健太郎さんが、60近くも驚くほど「つぶやいて」報告して頂いています(http://twitter.com/mash_najo)。まさに「実況中継(?)」ですね!!

 民が担う公共の草分け的担い手・山岡先生、日本の民間財団として代表的な旭硝子財団・トヨタ財団の幹部の方とこの機会に何回かお会いして、財団運営の考え方、不断のイノベーション等、実に多くのことを学びました。民間の英知というか、品格の底力みたいなエネルギーを感じて、あらたな勇気が湧いて参りました。

 昨日、山岡先生は議員会館での寄付税制の緊急集会でもお話をされていました(http://www.ustream.tv/recorded/12709290)。現在上程中の税制改革法案、是非通過して欲しいですね!!

 公益財団法人への移行認定は一つの通過点、先日の秋山財団の理事会・評議員会でも議論されましたが、来年度以降、ホームページをフルに活用して双方向のコミュニケーションを充実させて、さらに飛躍したいと決意を新たに致しました。

 貴重な機会を与えて頂きました助成財団センターさまに心から御礼申し上げます、ありがとうございました。

菜の花忌:司馬遼太郎のたいまつ

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 司馬遼太郎記念財団(http://www.shibazaidan.or.jp/)が主催「第15回 菜の花忌」が大阪で開催され、1400人を上回る人で大盛況でした。NHK教育テレビの番組としても後日放映されるようです。この記念館については、昨年書き留めました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5898)。開演2時間前に、下見を兼ねて会場ロビーを通ったところ、すでに200人以上の方々が列をなしているではありませんか。少し驚きましたが、私は取り敢えず隣の歴史博物館(http://www.mus-his.city.osaka.jp/)の特別展示、「発掘された日本列島2010」を見学しました。

隣の博物館では

隣の歴史博物館では

 この「菜の花忌」は、司馬遼太郎さんの命日の2月12日に、東京と大阪で交互に開催されています。今年は第15回とのこと、ホールの舞台前方には端から端までたくさんの菜の花で飾られていて、終了時には参加者の方々にお土産としてプレゼントされました。

当日のプログラムから

当日のプログラムから

 プログラムは2部構成、第一部は「司馬遼太郎賞」、「フェローシップ」の贈呈で、それぞれ現理事長・福田みどりさまからの手渡しでした。福田みどりさまは、昨年夏に腰を患って入院中とのこと、先日も病院からお越し頂いたとのことでしたが、しっかりとしたまごころ溢れる冒頭のご挨拶でした。

福田みどり理事長のご挨拶: 入院中に、あらためて「生きる」ことの意味を学んだ。入院している方々は、清らかな魂からこぼれ落ちるような笑顔、前向きで、明日だけを見ている眼差しに感動した。存命だった司馬さんを、どれだけ本当に理解出来ていたのか、振り返る時がある。

 第二部は、シンポジウム「司馬遼太郎のたいまつ――われわれが受け継ぐべきもの」と題して、興味深いお話。小学校の教科書にも掲載された、「洪庵のたいまつ:http://www.youtube.com/watch?v=ePjlDn-VH0Y」、「二十一世紀に生きる君たちへ:http://gogodiet.net/Forkids.htmhttp://yokohama-now.jp/home/?p=3504」を題材に、緒方洪庵の大阪・適塾の理念ほか、4人のパネラーそれぞれの視座から含蓄のあるご発言でした。

 ~~~~~~~「人間は自分で生きているのではなく、大きな存在によって生かされている」と、中世の人々は、ヨーロッパにおいても東洋においても、そのようにへりくだって考えていた。この考えは、近代に入ってゆらいだとはいえ、近ごろ再び、人間たちはこのよき思想を取りもどしつつあるように思われる。

 この自然へのすなおな態度こそ、21世紀への希望であり、君たちへの期待でもある。そういうすなおさを君たちが持ち、その気分をひろめてほしいのである。そうなれば、21世紀の人間はよりいっそう自然を尊敬することになるだろう。そして、自然の一部である人間どうしについても、前世紀にもまして尊敬しあうようになるのにちがいない。そのようになることが、君たちへの私の期待でもある。~~~~~~~~~~~「二十一世紀に生きる君たちに」より引用

 江戸の各地における多様な教育の再評価、「理屈」と「道理」との違い、岡潔の「鋭い発見の喜び」ほか、パネルディスカッションで紡ぎ出される味わいのある言葉を反芻し、私は帰り道に何回もうなずきながら余韻に浸っていました、素晴らしい会でした。

ファンドレイジング・日本2011

Posted by 秋山孝二
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 先日は、ファンドレイジング協会(http://jfra.jp/)主催の「ファンドレイジング・日本2011:http://jfra.jp/frj2011/」が開催されました。

ファンドレイジング協会・堀田理事長の開会ご挨拶

ファンドレイジング協会・堀田理事長の開会ご挨拶

常務理事・事務局長:鵜尾雅隆さん

常務理事・事務局長:鵜尾雅隆さん

  「ファンドレイジング」という言葉は随分前から耳にはしていましたが、はっきりその意味を理解したのは、今から5年前のアメリカ・シアトルでの1000人規模のフォーラムだったでしょうか(http://www.akiyama-foundation.org/media/media2.html)。

 今回は昨年に続いての第2回の開催、案内とほぼ同時に500人の定員がいっぱいとなったようです。当日はアメリカでもファンドレイジングの第一人者、「Noble Service:http://niccinoble.com/」社長・Nicci Nobleさんも駆けつけて、ご挨拶と講演もありました。

アメリカからのゲスト:Nicci Nobel さん

アメリカからのゲスト:Nicci Noble さん

 プレを含めて3日間のセッションは、多彩な内容で今後の参考になるものでした。以下に幾つかキーワードを書き留めます。

* 日本の伝統・文化で、「寄付」の拡大可能性は大変大きい

* 「寄付」は、関係を構築すること――いきなり「お金をくれ」ではなく、まず活動の説明を誠実に行い、共感を得ること

* 「ニーズがある意識」を双方(寄付をお願いする側、する側)が持つ

* トレンドとして注目べきこと 1)Ustream等の動画は世界を変える、2)モバイル機器を使っての寄付が伸びてくるだろう、3)「ドナー・エンパワーメント」、どうすれば変革の一員となれるか、の意識が拡大、4)「ブランド・レイジング」、ブランド(名前・メッセージ・価値観、等)を創る・向上させる意識が大切、5)「Facebook」、「Twitter」等の「ソーシャル・メディア」の爆発的拡大、一日6億人のアクセス

* NPOにとって「夢」は最大の経営資源

* フィランソロピーは「ボランティア」と「寄付」、寄付することは「信じて託すこと」

* ソーシャル・メデァア・ネットワークの形成は重要:ただ、それが目的とならないように、双方向の「対話」があること、支持基盤を確立すべき

* インターネットは合理的な手段、場所

* 「草食系男子」ならぬ「ソーシャル系男子」を目指して?!

 ランチョンミーティングの山田さんのお話、大変参考になりました(http://blog.canpan.info/jfra/archive/454

 ある意味では、「ソーシャル・メディア:http://www.itmedia.co.jp/keywords/socialmedia.html」一色の感もありましたが、日本における非営利活動、民による公益活動に、新しい時代が確実にやってきていますね。秋山財団でも活動それ自体で、NPOとのコラボレーションが必要なのかもしれないと思いました。

何なの、除雪へのクレーム!

Posted by 秋山孝二
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 今年の札幌は、お正月5日までは雪も少なく穏やかな天候でしたが、6日から以降は連続の降雪で、毎日雪かきでした。実は秋山財団の理事長の仕事で、冬期間、最も財団に貢献度の高い仕事は、「基本財産保全業務:財団事務所周りの雪かき」です。事務所のある建物・土地は財団の基本財産の一部ですし、多い少ないはあっても、冬は雪かき業務(?)は必須で、究極のボランティアです。

 2月に入って先日もたくさん降りました。北海道神宮・円山公園は素晴らしい新雪の雪景色、私の好きな光景でもあり、思わず足を止めてカメラを構えました。白黒トーンで、人の声が吸い込まれる雰囲気、何とも言えない素晴らしい時間・空間です。

円山公園のいつものポイントで

大雪の朝、円山公園のいつものポイントで

素晴らしい芸術作品ですね

感動の芸術作品ですね

 ところが昨今、住宅地ではこの雪を邪魔ものに考える人々が増えているようです。「家・車庫前の除雪が出来ていない」と、すぐに札幌市役所にクレームの電話をする若い家族が多いと聞いています。私の子どもの頃は、家の前は「除雪」というより「踏み固め」で、どんどん積もると玄関より歩道が高くなるので、雪の階段を作り、それを降りて家に入る、そんな感じでした。私の子ども達がまだ小さかった頃、「たまには家の雪かきをしろよ」と言ったら、「雪はいずれは融けるじゃないか」と答えが返って来たのには驚きましたね、でも全くその通り、火山灰とか土砂とは違うのですよね。交通量の多い財団前の場合は、玄関前の雪は道路に直角に雪を出すのが最も速く雪が融けて効率的です。車の走る面が一番除雪がされていますから。

 昨日から、「第62回さっぽろ雪まつり:http://www.snowfes.com/」が始まりました。

今年の大雪像の一つです

今年の大雪像の一つです

 外国からの観光客で賑わっています。

 「雪」は、本来、北国の貴重な財産ではありませんか。観光資源であり、自然のダムでもあり、今を生きる我々は、その重要さを認識していませんね、とにかく、雪の素晴らしさをじっくり五感で受けとめたいと思います。過剰な行政への依存、それは自分たちの生きる力を弱めます。雪はあと一カ月もすれば融けて、春が来るのですから・・・。

指揮官、ザッケローニ

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 先月の「AFCアジアカップカタール2011:http://www.jfa.or.jp/」では、日本代表「SAMURAI BLUE」が見事激戦を勝ち抜いて優勝しました。これまでの日本代表チームよりはるかに粘り強く、大きな感動を与えてくれました。 

 考えてみれば決勝までの道のりは、とても順調と言えるものではありませんでしたね。退場者を出して10人になる試合、先制された後の逆転劇、死闘の末のPK戦など、数々の劣勢や逆境を跳ね返して勝ち上がってきて、決勝戦も延長の末の劇的勝利でした。今までのサムライブルーにはない、個々の選手の精神力の強さと冷静さが備わってきたように思えます。

 試合前の記者会見で、キャプテンの長谷部が語った言葉が忘れられません、「日本人であることに誇りを持って戦いたい」。新しく就任したザッケローニ監督の指導力の賜物、早くもチームに浸透させたチームカラーと言えるのでしょう。それにしても、戦略・戦術、選手の見極めと投入の妙、監督としてのかなりの蓄積を感じさせる感動的采配でした。

 アルベルト・ザッケローニ、 1953年4月1日、イタリア生まれ、57歳。新聞によると、「地元メルドラで、サイドバックの選手としてプレーしたが、肺炎のため17歳で引退。家業のペンションで働き、保険代理店を経営しながら、サッカーのコーチとして腕を磨く。30歳で下部リーグのチェゼナティコの監督に就任。その後は、ウディネーゼをはじめ、ACミラン、インテル、ユヴェントスなどセリエAの強豪クラブを指揮。ACミランでは1998-99年シーズンにリーグ優勝し、年間最優秀監督に輝く。家族は夫人と一男」とあります。決して選手としては陽の当たるサッカー人生だったとは思えませんが、その後の「指導者」としての修練には奥行きを感じさせます。特に一人一人の選手のモチベーションを、心にくいほど把握して高め、ベストの状態を作り上げるその手腕は、今後に一層の期待を持たせてくれます。

 先日は地元イタリアでの記者会見で、アジアカップを「素晴らしい経験だった、控え選手が素晴らしかった」と振り返ったようです。。試合には1試合も出なかったDF森脇(広島)の名前を唯一あげて、「盛り上げてチームを支えてくれた」とも。テレビで見ましたが、ずっと同行していた日本のスポーツ記者の一人も、やはりこの森脇選手を「MVPだ」と言っていましたね。ザッケローニ監督は、 その後は「日本愛」を強調して、地元記者の質問に、「教育、しつけ、清潔さ、すべてが素晴らしい。物価は2倍だが、お金を払うのも気持ちいいぐらい」、「私は半分日本人だと思っている、日本に恋している」とまで語ったそうです。

 そんな話を聞くと、何かイザベラ・バードの著書とか、渡辺京二著「逝きし世の面影」とかを思い出しますね。

 サッカーに対するひた向きさと、哲学を感じます。オシム監督も同じ雰囲気を持っていましたが、やはり一流の監督には「思想・哲学」が必要なのでしょう。高校野球監督の我喜屋さん、香田さんにも、共通するものがありますね。日本代表監督に招聘した日本サッカー協会の眼力にも拍手です。

 年の初めに、素晴らしいドラマを見せてもらって、久しぶりに気持のよい朝を迎えました。

がんばれNPO!熱血地球人

Posted by 秋山孝二
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 三井物産環境基金の特別シンポジウム(http://www.mitsui.co.jp/csr/fund/topics/1190935_2767.html)が開かれました。私はここの助成を今年受けた「北海道市民環境ネットワーク:http://www.kitanet.org/index.html」の理事長として参加しました。今回は、基金の立ち上げから5年が経過したのを機に開催されて、この基金の紹介、地球温暖化の最新動向、森林保全に関する基調講演、この基金の助成先3団体の成果発表等と盛りだくさんのプログラムでした。

 また、2011年1月15日よりBS12チャンネルTwellV(トゥエルビ)において、三井物産が提供のドキュメンタリー番組 「がんばれNPO!熱血地球人」の放送が始まりますが、この番組名を今回のシンポジウムのサブタイトルとした旨の説明がありました。

三井物産環境基金シンポ

三井物産環境基金シンポ

 それぞれのプログラムは内容が濃かったですが、私は二日目の(株)ファンドレックス(http://www.fundrex.co.jp/info/profile.html)鵜尾雅隆社長のセッションが興味深かったですね。三井物産の関係幹部のお話もそうでしたが、とにかく、企業経営者の話は分かりやすいですね、それに比べて大学の先生のお話は一般的に分かりにくい(!)。以下、いくつかのキーワードを:

* 「助成金」の意図するところは、将来の活動に「投資する」こと

* 環境系NPOの方々に考えて貰いたいのは、知的蓄積をしていき、それを収益事業に仕上げていく努力を。例えば、テキスト化、研修・教育訓練、調査・業務・研究の委託、個別解決策のコンサルティング等、お金を稼げる事業構築へ

* 課題の数ではなく、優先順位が重要

* “ありたい姿”を明確に、専門性が本当に優位性を持つのか、専門性に埋没して引きこもりオタク的活動が多いのではないか、オレオレメッセージの連続ではなく、受け手側の立場に立つことが大切

* NPOの最大の資源は、「夢」のはず。多くの団体はその「夢」を語り尽くしていない

 昔に比べると、随分NPOはじめ、非営利活動の進化を感じます。明日から2日間、ファンドレイジング協会主催の「FRJ2011:http://jfra.jp/frj2011/index.html」も開催されます。お金の流れにも大きな転機が訪れようとしています。

祝!湊晶子先生

Posted by 秋山孝二
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 先日ごく内輪で、湊(内平)晶子先生の「瑞宝中綬章受章を祝う会」が大変和やかに、かつ格調高く開催されました。2年前から秋山財団でお引き受けしている「新渡戸・南原基金」事業の運営委員をされていて、昨年秋にも、札幌で講演をされました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5961)。当日の湊先生のご挨拶、「ビジョン、パッション、ミッション」はあらためて心に響きました。

ご挨拶する湊晶子先生

ご挨拶する湊晶子先生

 ご出席者の中、湊先生の神戸の高校時代の恩師・天満美智子先生は、簡潔明瞭なお言葉でご挨拶をされました。その後に続いた日本の高等教育に携わる見識の高い皆さまのお話に、何か日本の教育者の品格を感じました。

元津田塾大学学長:天馬美智子先生

元津田塾大学学長:天満美智子先生

元日本女子大学学長:後藤祥子先生

元日本女子大学学長:後藤祥子先生

  パイプオルガニストのご令嬢・内海恵子さんの演奏も素晴らしかったです。ご長男、ご次男の母を語るそれぞれのストーリーは、本当に久しぶりの心温まる内容の数々でした。

オルガニストの娘:内海恵子さん

オルガニストとしてご活躍の娘:内海恵子さん

  湊晶子先生は現在、ワールド・ビジョン・インターナショナル(http://www.wvi.org/wvi/wviweb.nsf)のアジア代表理事をお務めになり、世界を舞台にボランティア・教育活動でご活躍されています。当日はゆっくり動く(?)時計がお祝いの品物として贈呈されました。

 湊先生の今後のご活躍を心から祈念しています、素晴らしい会でした。

コン・ユイン選手のこと

Posted by 秋山孝二
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 先日新聞記事で、大変爽やかな記事を読みました(http://www.asahi.com/sports/spo/OSK201101220077.html)。そして出張中に、たまたま朝のNHKニュースで、また見ることが出来たのです。(「笑顔のノーサイド:http://oskhrfc.d2.r-cms.jp/topics_detail1/id=85」)

 今回のゲーム、どなたの発案かと読んでいくと、「初戦で脳振盪と診断され、以降はピッチに立てなかった権(コン)のため、大阪朝鮮高校の呉英吉(オ・ヨンギル)監督が呼びかけて実現」とありました、素晴らしいセンスですし、それに応えた各校の監督・選手に心からの拍手です。

 「高校ラグビー」というと、昔、「青春とは何だ!」という夏木陽介が高校ラグビーチーム監督役、岡田可愛(http://ameblo.jp/okadakawai/)のデビュー作の学園ドラマがありました(http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-9059)。原作・原案は石原慎太郎だったんですね、夏木陽介は森山高校英語教師・野々村健介を演じ、主題曲は布施明が歌っていました(http://www.youtube.com/watch?v=lhA0PtbgrIE&feature=relatedhttp://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-9059)。みんな一生けん命に生きていた良き時代でした。

 先日のサッカー・アジア杯の日韓戦を見ながら、高校ラグビーでもこんな素晴らしい交流があったことに、胸が熱くなりました。

地球規模でみる日本の少子高齢化

Posted by 秋山孝二
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 寺島文庫リレー塾(http://www.terashima-bunko.jp/)第6回は、公益財団法人さわやか福祉財団(http://www.sawayakazaidan.or.jp/)理事長・堀田力(http://hotta.sawayakazaidan-blog.org/http://www.t-hotta.net/)さんでした。

 当日は冒頭に堀田さんの紹介を含めて、寺島実郎さんがご挨拶。大先輩に対して失礼とは思いますがと前置きして、「こんな清々しい方」、「まっとうな日本人」、「元検察庁幹部がどうしてこんなに優しいのか」と表現し、この講演が「真面目に考えなくては」と思うきっかけとしてあることに期待感を滲ませました。

 講演は最初からしばらくは、一連の特捜部の事件についてでした、「実家が火事になっている感じ」と今の心境を率直に。検事が本来の真実を探求する強い情熱・志を失っていく、組織の劣化、怠惰への傾斜が、原因ではないかと分析していました。本題のテーマについては、日本の「少子高齢化」は国内問題としては毎日のように目にしますが、地球規模でこれを問いなおした貴重なお話でした。以下、キーワードを幾つか。

* 19世紀は1800対の戦争があったが、「民主国」対「民主国」の戦争は一つも無かった。すなわち、国民は戦争が嫌い

* 産業革命――>長寿 ――>死なない ――>産児制限 ――>少子化 :他の国の領土を取る必要がなくなる

* 「少子化」、「孤族」は先進国の方向性としては、「当たり前

* 発展途上国は早く「少子化」へ――環境問題・エネルギー問題・食糧問題の解決に向かう

* 戦争をしない民主主義国の取り組むべき課題:連合体を構成して経済のクッションとなるべき――>世界連邦へ

* 「モノ」「知恵」は経済の基本であり、金融だけで経済は動くものではない

* 先進国の労働力の海外流出は「当たり前」、付加価値企業が雇用増にならないのも「当たり前

* これまでも正しい方向で発展してきたし、これからも間違いはないだろう――>人間の「本能的に生きる知恵」を信じている、地球は他生物との共存からみても20億人くらいが適正規模ではないか?

* 経済が右肩上がりの時代は、「稼ぎ」に応じた評価で「つながり」は希薄:モノが無い時代は「モノの豊かさ」が価値。満たされた社会でも「ブランドの違い」が価値のうちは、未だに「競争時代:一億総中流」。それが更に進むと成熟期、すなわち「心の時代:つながり、快適さ、協働の喜び」の価値増大

* 介護・教育はすべて「ヒト」相手の仕事で、「心の満足」が重要な分野。今後はサービス業として成長戦略を目指すべきで、新しい仕組みを創り出す努力をしなければならない

 

 日本で課題視されている「少子化」を、グローバルな視点から論旨を展開する姿が新鮮で、「当たり前」と現実を捉えて対処していこうとする冷静さを感じました。ヨーロッパ先進諸国も同じ傾向であり、ただそのスピードが日本の場合最も速い、それ故に先行モデルがないことが日本の難しさとも指摘されていました。日本の21世紀的「成長戦略」のヒントを見つけました。

メディア・アンビシャス大賞!!

Posted by 秋山孝二
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  優れた報道を勝手に褒めたたえて表彰するメディア・アンビシャス(http://media-am.org/)の、今年度の公開選考会が50名以上の参加者で開かれました。当日は映像系ノミネート作品4本を5時間かけて上映し、活字系ノミネート記事5つをそれぞれの会員が推薦講評、投票の結果、得票順に「メディア・アンビシャス大賞」、「メディア賞」、「アンビシャス賞」を決定し、それ以外のノミネート作品は「入賞」としました。

公開選考会の案内チラシ

公開選考会の案内チラシ

<活字部門>   *ノミネート5作品の中から1作品を選んで投票

メディア・アンビシャス大賞: 「いのち 自死3万人の時代に」(北海道新聞)
メディア賞:            「追跡・累犯」(毎日新聞)
アンビシャス賞:         「ヤマトよ偽善だ/沖縄は怒り疲れ虚脱」(朝日新聞)
入賞:               「フリーター労組が国賠訴訟」(北海道新聞)
入賞:               「現代かわら版 ウラン渇望 ソ連の原爆開発と日本」(北海道新聞)

 大賞には、「自殺」をテーマにした連載作品が選ばれました。この作品は第1部から第4部までの隔月の長いシリーズで、「自殺をどう減らすか」を目的に企画され、残された遺族、医師、電話相談員等の思いや、うつ病の現実、保護活動の動きなど多様な視点を伝えています。テーマ的には不幸にも新しいものではないのですが、「統計数値の外で消えるいのち」、「数値の奥に続く多くの苦悩」ほか、日本社会の病理に正面から向き合った内容が評価されました。

 メディア賞には、犯罪と福祉のはざまに陥って再犯を繰り返す「累犯」を長期間のシリーズで追跡した作品が選ばれました。福祉からこぼれ落ちてきた知的障害者、高齢者が多いことに注目するなど、その視点の新しさが称賛されました。

 アンビシャス賞には、基地問題をめぐる沖縄の現場と日本メディアの偽善を伝えた作品が選ばれました。「政治のせいだけにはできない、メディアの責任も大きい」として、大手メディアが自らメディア批判に切り込んで、「記者魂」を感じたとの高い評価があり、ぜひこれからもこの姿勢を続けてほしいという期待を込めた受賞となりました。

 

<放送部門>     *4作品鑑賞者は上位作品から順に4点/3点/2点/1点を付け、
               3作品鑑賞者は同様に3点/2点/1点、
               2作品鑑賞者は同様に2点/1点、
               1作品鑑賞者でその作品に投票したい場合は1点を付け、
               その得点を合計する方法で行いました。

メディア・アンビシャス大賞: 「あるダムの履歴書~北海道・沙流川地域の記録~」(NHK制作)
メディア賞:           「雨はすべてを洗い流す 在宅死に向き合う三家族の絶望と再生の記録」(UHB制作)
アンビシャス賞:        「NICU その先の現実~医療と福祉のはざまで~」(STV制作)
入賞:              「英霊か犬死か~沖縄から問う靖国裁判~」(琉球朝日放送制作)

 大賞には、「違法ダム」として残り続ける二風谷ダムの歴史とアイヌの人々の思いを描いた作品が選ばれました。圧倒的な長期間取材に基づく説得力が支持されての受賞となりました。

 メディア賞には、在宅死を選択した家族模様を描いた作品が選ばれました。従来のドキュメンタリーにはなかった表現方法や、日常の中にある「死」を描いている点などが評価されました。林先生の言葉、「その人の人生を知らなければ本当の治療は出来ない」は、看取りの真髄なのでしょうね。

 アンビシャス賞には、NICUを出た後に障害児に対する十分な支援や受け入れ機関がないまま、苦しい生活を強いられる家族を描いた作品が選ばれました。現実を報告するだけでなく、「現状改善のためにどうすべきか」を提案している点が支持されました。また被写体との距離も的確で、改めてメディアスタッフの信頼感、コミュニケーションの大切さも教えられた作品でした。

 これ以外の入賞作品も大変素晴らしい内容で、4作品とも非常に僅差でした。

 制作者の方もお招きした授賞式を、2月7日(月)夜・シアターキノ(http://theaterkino.net/)で行う予定です。詳しい制作の背景や会員の評価などもさらに聞けると思います。私も世話人の一人として、この機会に一つの作品・記事を何回も観たり読んだりしました。最初より2回目、3回目にさらに新しい気づきが有る場合も多く、メディアの力を感じます、奥が深いものですね。

ドキュメンタリー「花と兵隊」

Posted by 秋山孝二
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 メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)の新春特別例会として、2009年の映画「花と兵隊:http://www.hanatoheitai.jp/」の上映と、監督の松林要樹(http://d.hatena.ne.jp/motokiM/)さんと北海道大学准教授・中島岳志(http://indo.to/nakajima/)さんのトーク「ノンフィクションをめぐって」が開催されました。

 上映前に松林監督は、彼が卒業した映画専門学校の今村昌平校長の言葉を受けてと前置きして、「僕たちは、戦争を知らない世代って言われるけれど、それは違うと。戦争を知らないのではなくて、戦場を知らないだけ。戦争っていうのは政治の延長だから、ごく最近でも日本が加担した戦争があるし、自分たちのすぐ手元にあるものなのだ。政治に興味を持たなければ、戦争はなくならない。戦争を止めさせたければ、政治に興味を持つしかない」と、熱く語りました。

 この映画「花と兵隊」では、「未帰還兵」への取材を通して、「生きるとは?家族とは?そして戦争とは?」を問いかけ、田原総一朗ノンフィクション賞<奨励賞>を受賞しています(http://www.forum-j.com/bana024.html)。反戦へのストレートなメッセージというよりも、終戦から今日まで、彼らの家族との暮らしから、祖国日本に還らずに現地に残った気持をあぶり出す、そんな感じでしょうか。それぞれの現地の女性たちが皆さん実にきれいでした。

 アフタートークでは、松林監督の1年間のアジア放浪の旅、アフガンでペシャワール会・中村哲(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4289)先生との出会い、そして中村先生の伯父(母の兄)である火野葦平(http://hinoashihei.com/)との脈絡によって、この映画製作に至る過程等、周辺の興味深いお話も聴くことができました。火野葦平の作品「花と龍」は、数社で映画・テレビドラマ化されていますし、今回のこの映画タイトルは、彼の戦前の作品「花と兵隊」に由来するそうです、「北九州つながり」とでも言うのでしょうか。

 ドキュメンタリーは、作品を観ることは第一歩なのですが、それを創った監督の思い・狙い・周辺のストーリーを一緒に聞かせて頂くと、より一層味わいも深まります。それと自宅という空間でよりも、多少時間は掛っても出かけての鑑賞の方が、集中力が増すというか、鑑賞後の他の方との意見交換も含めてさらに興味深いです。

明日、札幌で、今年の「メディアアンビシャス公開選考会」が開かれます(http://media-am.org/?p=243)。

●日時:1月23日(日)13:00~(開場12:00)
●場所:中央区民センター(南2西10)2F 視聴覚室 入場無料

 映像系と活字系でそれぞれ大賞を選考する予定です。ドキュメンタリー作品・記事によって、事象がさらにメッセージ性を強めます。