「命の世話」と向き合う

Posted by 秋山孝二
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 先月までの4年間、第16代大阪大学総長だった臨床哲学者の鷲田清一(http://www.isc.meiji.ac.jp/~nomad/washida/menu.htm)さんが、日曜日朝のテレビで静かに語っていました、「『命の世話』と向き合う」です。

 NHK教育テレビでは、心に沁みる番組がありますね(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=NHK%E6%95%99%E8%82%B2%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93)。3・11の大震災後、何か生きていることの意味合いが変わってきているような気がします。以下、幾つか印象的だったフレーズを。

* 「命の世話」を引き受ける

* 「Responsibility」の意味は、「Response:応答・反応」+「Ability:能力」であり、日本語訳の「責任」とは意を異にする。「Community」の「パブリックな事がら」をもう一度引き受け直す、それが「Responsibility」の本来の意味

* 大切なものを失った時、「自分の人生を語り直す」プロセスが大切、そして最後まで自分で語り終えることも<R.D.レイン(Ronald David Laing):http://d.hatena.ne.jp/keyword/R%A1%A6D%A1%A6%A5%EC%A5%A4%A5%F3

* 「聴き役」の心得は、1)相手が語り切るまでひたすら「待つ」こと、言葉が出て来るまで「待つ」こと。<感心する才能>、2)他人との関係の中で考える、自分の時間を相手にあげること、3)自分の中で完結させない、すなわち「命の世話」と向き合うこと

* 自分の名前は、人から頂いたもの、それは「相対化した自分」と向き合うことを意味づけられている

 

 休日の朝、頭が一番すっきりしている時間帯に、根源的・哲学的なお話が入ってくるのは心地良いです。この番組を見ていて、思い出した方がいます、「株式会社レスポンスアビリティhttp://www.responseability.jp」代表取締役の足立直樹さんです、これまで企業と生物多様性の保全に対してメッセージを発信し続けています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2990)。 秋山財団の「ネットワーク形成事業」の一つ、「社会企業研究会」で第一回のゲストとして興味深い講演をして頂きました(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema02.html)。先日届いたメーリングの最後に、「・・・・・、 何かおかしくなりつつあることに、みなさんはもう気がついているはずです。問題は、いつ行動を起こすかです。それが、持続可能になれるかどうかの分かれ道なのだと思います。――サステナビリティ・プランナー 足立直樹――」と書かれていました。

  「2001.9.11」からちょうど10年、「2011.3.11」から6ヵ月、犠牲になった皆さまのご冥福をお祈りしながら、身の引き締まる思いの今朝の私です。