「好きな季節はいつ?」と聞かれれば、私は迷わず「秋」と答えます、それも「晩秋」でしょうか。
「春」は、あらゆる植物が一斉に芽を吹き、咲き出して、その勢いに自分の気分がついていけない、そんな気が幼い時からありましたね。学校に入学してからはこの季節、新しい環境の場合が多く、その辺の緊張感も更に気持を押しつけるのかもしれません、自分自身の「出遅れ感」とでもいうのでしょうか。「夏」は太陽がまぶし過ぎて、気持は解放されますが奥行きが無いといった感じですね。「冬」も好きですが、一面の白は立体感に欠けて味わいが無い(?)。「秋」は盛りを過ぎて枯れていく魅力みたいな、紅葉も春の緑よりもはるかに多様で変わりゆく時間的経過もあり、色それぞれのストーリーを想像すると、何ともそれまでの道程をいとおしく感じます。
先日、札幌市西区琴似方面に用事があって歩いて行きました。屯田兵舎跡も一緒の琴似神社境内は、午後の陽を浴びて素晴らしい景色でしたね。北海道神宮もいいですが、ここもまさに「晩秋」でした。
そう言えば、10月下旬に札幌に初雪が降った日、市内のたくさんの木々の枝が折れて地面に落ちていました。広葉樹の葉の色が、まだ変わるか変わらないかの内に湿った雪が降って、枝が重さに耐えきれなく折れたようです。それくらい自然界では「急激」という時間軸の短縮は、大きな影響を与えるのですね。「適切な時間」、適時というタイミングの妙、実に見事に創り上げられている「環境」、「生態系」です。後で思えば、自然界の剪定作業だったのでしょう。
これから、いよいよ北海道の冬の到来ですね。