期待したい「社会的企業」の起業

Posted by 秋山孝二
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  11月末に北海道大学公共政策大学院生協議会主催による「社会的企業(ソーシャル・エンタープライズ)」のフォーラムが開催されました。テーマは「社会を変える新しい仕事~北海道における社会的企業の可能性~」です。基調講演に続くパネルディスカッションのパネラーも幅広いジャンルからでした。http://hops2009.web.fc2.com/

フォーラムのチラシ

フォーラムのチラシ

パネルディスカッション

パネルディスカッション

 数年前には、この様なテーマで大学院生がフォーラムを主催するなどと考えられないことだと思います、新しい時代の到来を感じましたね。アカデミックセクター、NPOセクター、企業セクター等が一堂に会して、それぞれの立場から社会的課題の解決に向けた活動を発表する中で、情報共有による相乗効果が期待出来ると思います。幾つかのキーワードを書き留めます。

* 「社会的企業」とは、社会的課題を解決することとビジネスを両立させている企業のこと。一般のNPOと違って、利潤を得ながら事業を行う。また、一般の企業と違って、社会的課題の解決を一番の目的としていて、地域の雇用創出と地域活性化の役割を担うことが出来ると考えられている。行政だけでは対応出来なくなっている北海道の多様な課題の解決の担い手として期待されている。

* ソーシャルビジネスの二つのキーワード、「trust:トラスト(信頼)」と「regitimacy:レジティマシー(正当性)」、私の感想としては的確な日本語がまだ存在しないということか、と残念でもあり多少の違和感あり。伝統的互助の精神とどこが違うのか?

* 日本の当面の課題はこれらの活動を支援する「中間支援団体の重要性」

* 中間支援団体の特徴は、「きめ細かさ」と「機動性」

* 地域を誰が担うのか:大切な機能は 1)つなぐ――>2)育つ――>3)拡がる  学生と社会人が出会える場

 院生たちが言わんとすることは分かるのですが、日本社会にこれまであった伝統的価値の中からも学ぶ姿勢も大切かと思いましたね。それは町内会的活動かもしれないし、日本全国の地域に存在した「絆:きずな」だったのかも知れません。「取り戻し」の概念は、この「社会的企業」をグッと身近に引き寄せる気がいたします。

 いずれにせよ、こう言ったテーマでフォーラムが開催されること自体、大変嬉しいですね。写真では空席が目立つかもしれませんが、私は前方にいて関係者席として確保されたゾーンをたまたま撮ったので、こんな具合になりました当日は沢山の聴衆で盛況でした、念のために。