今シーズンの大谷翔平の活躍は感動の連続でしたが、先日、『NHKweb特集』でアメリカ総局記者の山本脩太さんが取材した素晴らしい幾つかのコメントが紹介されていたのでそこからマッドン監督のコメントをそのまま引用します。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211008/k10013293641000.html?fbclid=IwAR0GYdXyx00MffU7M1VL6hhvr5DNohzg2eAIDqqhcioiD3g7aY9XSyy_gEE
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<大谷翔平の衝撃 チームメートが語る>
2021年10月8日 14時58分大リーグ
大リーグで今シーズン、話題の中心であり続けた大谷翔平選手(27)。
ピッチャーとして9勝、156奪三振、バッターとしてホームラン46本、26盗塁のすさまじい記録を残し、現代野球では例のない投打の二刀流を1年間やり遂げた。史上初めてオールスターゲームに投打の両部門で選出され、ホームラン競争にも初出場。先発登板した試合では160キロを投げ、最初の打席で先制ホームランを打つ。ホームラン王争いトップでマウンドに立ち、2位の選手相手に投げる。
マンガでもお目にかからないようなそんな活躍を、いちばん近くで見ていたエンジェルスのチームメートたちはどのように感じていたのか。大谷選手の歴史に残る1年の衝撃を彼らのことばで描いてみた。
(アメリカ総局記者 山本脩太)
「二刀流を疑っていた人たちが間違っていたことを彼は証明した」
2021年、二刀流で歴史を塗り替え続けたシーズンをこの人抜きには語ることはできない。最優秀監督賞を3回受賞し、カブス時代の2016年にはチームをワールドチャンピオンに導いた大リーグきっての知将は、2月のキャンプ初日に大谷選手の「フル稼働戦略」を公表。「登板前後に休養日をあてていた、これまでの翔平ルールをことしは作らない」と宣言した。マッドン監督がこの大きな決断ができたのは、なぜなのか。
マッドン監督
「私はルールが好きではない。権力を持つ人間が制限を設けて他人の偉業を妨げることが多いが、私はルールではなく誠実さが必要だと常々思っている。その点、彼は誠実で謙虚な人間だ。うそを言わないし、発言には責任を持つ。私は今シーズン、(通訳の)一平と毎晩メールしていたが、『あすはだめです』と言ってきたことは1度もなかった。いつも『準備万端です、いけます』と答えが返ってきた。そして次の日球場に来ると、彼はいつも元気いっぱいだった。彼はことし『ルールがない』というルールを作った。これは私が作ったのではない。彼自身が作ったものだ。そして彼は、二刀流を疑っていた人たちが間違っていたことを証明して見せた」
マッドン監督と大谷
大谷選手は、大リーグに挑戦した2018年に右ひじのじん帯を修復する「トミー・ジョン手術」、翌年には左ひざの手術を経験し、去年は開幕直後に右腕を痛めてピッチャーを断念。ケガに悩まされてきただけに、疲労が蓄積される懸念が大きいこの起用法は当初、大胆すぎるとも思われたが、マッドン監督は大谷選手のある“表情”に注目していた。
マッドン監督
「投げた翌日に体は痛いに決まっている。私だって、高校時代に投げた翌日は痛かった。ほかの先発ピッチャーに『投げた翌日に4打席立ってホームランを打って、盗塁して、一塁にいる時にツーベースが出たらホームまで走ってかえれるか』と聞けば、誰1人できるとは言えないだろう。できるとしても1回くらいだろう。それを彼はやってのける。タフさは本当にすごいが、何より彼はいつも笑顔だ。プレーする純粋な楽しさが、彼を疲れなくさせていた。野球は遊びだ。生きるか死ぬかの戦いだと思っている選手が多いが、そうではない。内なる楽しさや喜びがなければ気が重くなり、何かに押しつぶされてしまう。楽しむ力を甘く見てはいけない。彼は純粋にプレーを楽しみ、野球が遊びだということを正しく理解している。彼のようにプレーを楽しむ選手が増えてほしい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり
それぞれの立場からの言葉に大谷翔平の素晴らしさ・凄さを感じることができます。プロのアスリートとして、その運動能力ばかりでなく、生きる真摯な姿勢に心打たれる気持です。と同時に、プロの世界で最初から育てた北海道日本ハムファイターズの栗山監督の育てる眼を忘れることはありません。この動画でのコメントでもそれを強く感じます。