エネチェンフォーラム 2015

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 「エネルギーチェンジ100ネットワーク(http://enechan100.blogspot.jp/」主催のフォーラムが開催されて、100名を越える参加者で盛会でした。私自身、環境アセスメントについての新しい情報を得ることができました。

 少しですが、当日ご参加の吉田文和先生がこちらに報告しています。http://webronza.asahi.com/science/articles/2015090400005.html

 今後録画もHPにアップされるそうです。後日以下に掲載します。

 報告書はこちらです:――> https://enechan100.wordpress.com/

エネチェン100ネットワーク代表の宮本尚さん

エネチェン100ネットワーク代表の宮本尚さん

全体のコーディネーター さん

全体のコーディネーター長谷川理さん

後半はアセスに関して

後半はアセスに関して

 ともするとこれまで、風力発電系と自然保護系の方々は出会い頭のぶつかり合いでしたが、今回のフォーラムは、それぞれの視点、これからの地方の自立とエネルギー転換、生物多様性の保全、生態系保持等について、現場の雰囲気から「環境アセスメント」を通じて議論の場を形成する企画が功を奏したと実感しました、聴衆も幅広く、市民、環境活動、企業とですね。

 どういう場を設定して議論するか、その重要性を痛感した土曜日の午後でした。

吉田文和先生、退職講演ほか

Posted by 秋山孝二
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 吉田文和先生の最終講義が北海道大学で200名の参加で開催されました。当日のプログラムは以下の通りです:

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[プログラム]
【退職講演】
北海道大学大学院経済学研究科 特任教授 吉田 文和

【パネルディスカッション】
* パネリスト

札幌市 市長 上田 文雄 氏

浜中町農業協同組合 組合長 石橋 榮紀 氏

寿都町産業振興課 参事 森本 昌和 氏

北海道大学大学院経済学研究科 特任教授 吉田 文和

* コーディネーター

一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構理事長 鈴木 亨

講師プロフィール

北海道大学大学院経済学研究科 特任教授 吉田 文和
京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。専門は環境経済学、産業技術論。
2007 年より北海道大学サステナビリティ・ウィーク実施、低炭素社会づくり教育プロジェクト実施に尽力。

浜中町農業協同組合長 石橋 榮紀 氏
1990 年に浜中町農協の組合長に就任。酪農技術センターや研修牧場の開設など数々の新事業の仕掛け人。また、農業分野において国内初の大規模な太陽光発電システムを導入。

寿都町産業振興課参事 森本 昌和 氏
2009年から現職。寿都町は人口約4千人。1998年に自治体として全国初の発電事業に取り組む。現在11基(16,580kW)の風力発電設備が稼働しており、売電の余剰金における水道料の値下げにて住民への還元を行っている。

札幌市長 上田 文雄氏
2003 年6 月に札幌市長就任。2014 年10 月に「札幌市エネルギービジョン」策定。また、策定したビジョンを踏まえて、2014年度中に「さっぽろエネルギー未来構想」を策定予定。

[主催] 北海道大学大学院経済学研究科
[共催] 一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構
[協力] 認定NPO 法人北海道市民環境ネットワーク、
北海道エネルギーチェンジ100 ネットワーク

シンポジウムはトヨタ財団国際助成プログラムの助成の一環で開催されます

☆詳しくはこちらをご覧ください↓
URL:http://www.reoh.org/news/20150123-symposium

当日の吉田文和先生のご講演録画はこちらです。

* http://www.reoh.org/news/150123kirokukoukai

吉田文和先生の最終講義

吉田文和先生の最終講義

第二部パネルディスカッション、上田文雄札幌市長と石橋組合長

第二部パネルディスカッション、上田文雄札幌市長と石橋組合長

森本参事と吉田文和先生

森本参事と吉田文和先生

 吉田文和先生のお話は、エネルギーと環境の視点から、さらに、内村鑑三の「デンマルク国の話」を引用しての地域再生プロジェクトの視座からのご提言があり、大変貴重で示唆に富むものでした。

 また、各パネリストのお話は、それぞれのフィールドでの実践に裏打ちされて大変説得力があり、私は特に、石橋組合長のビジネスマインドに共鳴致しました。3年前に別海でのフォーラムでもお話を伺い、感銘を受けました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11933)。「農業協同組合」が金融機関の視点から新しい事業に融資する姿勢は、これからの農協のイノベーションモデルとしても大変優れていると思います。そのためには、ハーゲンダッツへの生乳納入という出口戦略を固めて、さらに再生可能エネルギー等の活用で環境に優しい地域を付加価値として地域のブランディングを重ねていく手法は、見事としか言いようがありません。今回、交流会を含めて石橋組合長とお話が出来て大変よい出会いでした。

 吉田文和先生については、これまで何回も記載しています。(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%90%89%E7%94%B0%E6%96%87%E5%92%8C

ミランダ・シュラーズさんは語る

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 秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)主催の講演会「ドイツの脱原発政策と経済界」が、少人数の限定メンバーで開催し、内容の濃いやり取りもあり盛況でした。講師は、ミランダ・シュラーズ(ベルリン自由大学環境政策研究所所長)先生、座長は北海道大学大学院経済学研究科教授・吉田文和先生。
<ミランダ・シュラーズさん> 
アメリカ生まれ。メリーランド州立大学教授を経て、ベルリン自由大学教授・環境政策研究所所長。専門は環境政策、政治学。2011年3月よりドイツ政府原発問題倫理委員会委員。日本語著書『ドイツは脱原発を選んだ』(岩波ブックレット)、『地球環境問題の比較政治学ー日本・ドイツ・アメリカ』(岩波書店)などがある。

ミランダ・シュラーズさん:夜のフォーラムで

ミランダ・シュラーズさん:夜のフォーラムで

 

 <講演趣旨> ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

* 戦争の背景には「エネルギー問題」、エネルギー不足が戦争を引き起こす場合が多い:現在はエネルギー需要の増大時期

* 「エネルギー不足」よりも「地球温暖化」の課題が優先順位として高かかった:しかし、20123.11以降は転換

* 2011年、南アフリカのダーバンで開催された気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の合意

* 2011年3月、欧州連合理事会のエネルギー大臣決定:2050年までに温室効果ガス排出量80~95%削減(1990年比)

* 東西ドイツが統一した時に、東ドイツにあった原発を止めた

―― フクシマ原発事故のインパクト

* ドイツの「脱原発政策」はすでに決定していた。問題はいつまで、どんな順番でというのが議論の焦点

* エネルギーの問題は「社会問題」、「私たちの問題」、倫理の議論をする必要性を政府は痛感

* 安全性の問題、代替エネルギーの問題、送電線の整備等、付随する様々な問題を早い時期に想定

* ドイツ政府・国民は、ハイテク日本での大事故とその後の対応に衝撃を受けた

* ドイツは、迅速な対応により、古い原発を即停止した

* 新しいエネルギー政策は二つの軸: 1)自然エネルギーの普及、2)エネルギー効率の向上

―― 「倫理委員会」の議論

* 17名の委員:「原子力」は社会を二分していた

  ――倫理的に問題あり: 都市と地方、次世代の資源を使って、次世代に廃棄物を残す――>「脱原発」で統合できる

* ドイツの将来のエネルギー転換のための協同プロジェクト「エネルギー・ヴェンデ

* 「エネルギー・ヴェンデ」をエネルギー革命として世界に普及する言葉としていく

* 原子力発電の安全性には楽観的だったが、「チェルノブイリ事故以上の可能性を想定すべき」へと転換

* 原子力発電は事故になった場合は、ほかのどのエネルギー源よりも危険

* 次世代に廃棄物処理などを残すことは、倫理的問題としての認識

* 「原子力」より安全なエネルギー源としての「自然エネルギー」

* 再生可能エネルギー普及とエネルギー効率性政策で原子力を段階的にゼロへ:経済的にも大きなビジネスチャンス

* 原発を停止する順番の決定:地域の電力事情を考慮して明確化

* ドイツの失敗から日本は学べるのではないか

* 自然エネルギーの最適ミックスを考えるべき

* 自然エネルギーは地域資源に依拠: ドイツは風力主体、日本は風力と森林バイオマス、水力等の地域特性を活かすべき

* 太陽光: ドイツは太陽光よりも風力に優位性あり、将来はコスト的には風力に投資すべき

* 都市の魅力発信として「100%再生可能エネルギーのマチ」:輸送システムの転換、ライフスタイルの転換等

  ――ハンブルグは「European Green Capital」、フライブルクは「Green City」、 世界から多くの訪問者

* 政府が動くまで「待つ」のではなく、地方が独自に地域資源を活かしてエネルギー転換を実践すべき

* ドイツでは、1970年代に地方で「脱原発」を実践し始めた。成功の秘訣は成功モデルを地方から見せること

* 「「エネルギー・ヴェンデ」」の必要性は、電気だけ考えていては困難、輸送システム、新しい技術等も含めた議論が必要

* 「新しい技術」を待っていても何も始まらない、あるものからまず始めよう。

* 今使っているエネルギーがどこから生まれているかを考える時代

* 今までのエネルギー論議は、「技術論議」に終始していたが、社会のため、生活レベルのため、どうやって「もっと住みやすいマチ」、「もっと住みやすい社会」を創造できるかの視座が重要

* 「エネルギー・ヴェンデ」が会社のためにはどういう意味があるのか、経済にどういう価値があるのかを議論、新しい技術、新しい考え方等、ビジネスチャンスが大

* 原子力のコストは高すぎる――保険を払っているのは国民、廃棄物処理コストも含まれていない

* 「脱原発」は、ドイツに取って大きなビジネスチャンス: 「経済界=企業群」が率先してけん引した

* ドイツに日本の「経団連」は存在しない、個々の企業の意思決定が全て:個々の企業がリスクとプロフィットで迅速な判断可能

* 「エネルギー・ヴェンデ」は新しいドイツを創造する――>どうやってヨーロッパのエネルギー革命へとするか

* ビジョンが無いと前へ進めない、必要なことはどういうマチにしたいのか、草の根の力、「地域のビジョン策定」が重要

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~おわり

 今回のミランダ・シュラーズ先生のお話で、今、私たちが北海道で推進する「エネチェン・ロードマップ:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13681」にも力を頂きました。まさに地方からのエネチェンを実践するこの取り組みが、将来のエネルギー転換の基盤になっていく、まさに「エネルギー・ヴェンデ」の実践モデルとなる確信を得ました。

再稼働なしで、この冬を乗り切ろう!

Posted by 秋山孝二
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 先日、北海道大学吉田文和先生が、北海道の道政記者クラブで記者会見を行い、私も同席致しました。12大学130名を越える研究者の方々の声明に、経済団体の一員、経営者としてこれに賛同する立ち位置でです。

 昨年3・11以降、マスメディアでは「経済界」、「経済団体」とよく出てきますが、メッセージが「満場一致」の議決を経て出されている訳ではありません、いやそれどころか、あたかも日本で営む企業を代表するかのような誤解は、しっかり払しょくしなくてはなりません。先月私が書いたように(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14447)、経済団体のそれぞれの中身は多様であり、様々な意見を持つ経営者がいることを、世の中の方々に分かって頂きたい、少なくとも北海道民には、そんな思いが私にはずっとありました。それゆえ、今回、吉田文和先生ほか研究者の皆さまの思いに賛同する意思を、経済団体に所属する経営者として明確にしたつもりです。限られた時間でしたので、実際はここに記載されている以上の、多くの賛同する経営者がいらっしゃいます。

声明文概要は下記で、賛同した経営者は11月2日現在です。

~~~~声明文概要~~~~~~~~~~~~~~~~~~

泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切ろう―泊原発再稼働問題について        2012年11月2日
吉田文和(代表声明者、他130名北海道内大学研究者)
(1)泊原発は再稼働できる条件にはない
 この冬の電力不足が想定されるとして、北海道電力泊原発1号、2号の再稼働について、当事者である北海道電力を先頭に、経団連とともに北海道の経済団体が経済産業大臣に再稼働実施の働きかけを行っている。そもそも福島第1原発の事故については、政府と国会の事故調委員会報告がすでに公表されており、これを受けた原発の新たな安全基準づくりが求められており、新たに発足した原子力規制委員会の安全基準づくりも来年7月を目途とされる。したがって、この冬に泊原発の再稼働を求めることは、その新基準の前に再稼働を迫る異常な行動である。
 原発に関する将来選択については種々意見があるが、論理的に考えて、震災前の安全基準が徹底的に見直され、それが確認されるまで原発を稼働できないことは当然の考え方である。現段階で原発を再稼働することは、近い将来再び大震災が起こることはない、という根拠のない無責任な楽観論を拠り所にしているといわざるをえない
 現在の泊原発は、東日本大震災に匹敵する頻度で起こりうる地震と津波に耐えられないことは明らかでる。しかも福島第1原発に設置されていた免震重要棟はなく、オフサイト・センターは海抜わずか4mに位置しており、移転を計画中である。また泊原発は加圧水PWR型で、ベント装置もフィルターも設置されていない。周辺の避難道路の整備も遅れている。北海道電力が泊原発で予定している、津波対策の防潮堤の完成などは2、3年先であり、指摘されている周辺の黒松内断層などの影響による送電線倒壊についても、影響評価と防止対策が明らかにされていない。
 以上のような状況において、冬の電力不足を理由に泊原発の再稼働を認めることは、安全性が確認できない原発を稼働することによるリスクに、北海道民をさらすことになりかねず、再稼働すべきではない。万が一の事故が起こった場合には、道央圏が放射能の汚染によって居住不可能になる場合があること、北海道の基幹産業である一次産業が大きな打撃を受けることを考えなければならない。
(2)安全な電力確保は電力会社の社会的責務である
 一方、原発を再稼働させない場合、冬の電力不足と停電のリスクの問題があり、原発再稼働のリスクかあるいは冬の停電のリスクかという、一種の「社会的ジレンマ」といわれる事態に北海道が直面しているかのような状況を呈している。この「社会的ジレンマ」を解決するには、関係当事者の責任と分担を明らかにして、一部の人々の負担に頼るのではなく、社会の構成員全員の積極的参加と議論に基づく対処と行動が不可欠である。
 そこで、原発再稼働のリスクと停電のリスクの両方を避けながら、予防原則に立ちかえり、安全サイドに舵を切りながら、道民が10%を目標に節電対策などに最大限努力、協力して節電対策を行えば、原発の再稼働は必要なくなる。そして、第3者検証により、もしどうしても火力発電による燃料代金値上げの必要性が確認できれば、その分の消費者負担も多くの道民は受け入れることになるであろう。その際はもちろん、社会的経済的弱者への配慮が不可欠である
 そうしたうえで、電力の安定供給は地域独占が許された電力会社自身の社会的責務であり、北本連系線による本州からの送電確保、自家発電の要請、予備電源の準備など、北海道電力が行うべきメニューは数多くあるので、これまでの努力を踏まえさらに改善に取り組むべきである。政府の需給検証委員会でも指摘されているように、北海道電力の具体的な電力確保対策、節電対策は、まだ不十分である。
(3)道民の知恵と協力で電力危機を乗り切ろう
 鉄道や病院には優先的に電力を確保することにより、道民の生活や健康・生命は確保される。泊原発ができてから、オール電化のキャンペーンなどで道内の電力消費は1.5倍になったのであり、電気を代替できる石油ストーブ、ガス、ストーブへの切り替えによって電力消費を抑えることができる。北海道電力は停電や計画停電を避けるように最大限努力し、一方で道民、企業等も不測の事態に備えるべきである。また住民が節電に努力できるよう節電の可視化やインセンティブの設定をいっそう推進すべきである。
 これまでにない電力危機を、道民の協力で乗り切るべく、当事者である北海道電力は、今後、情報開示を一層積極的に行い、電力確保に努め、北海道庁をはじめ行政各機関は、各企業、道民と協力して対処すべきである。
 泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切れるかどうかは、ひとえに北海道民の知恵と協力にかかっている。従って当事者である北海道電力は、他の経済団体を巻き込んで、泊原発の再稼働に動くのではなく、再稼働をしないで冬の電力供給の責任を果たすために、できる限りの方策を講じるべきである。火力発電の停止の場合を想定した計画停電も避けるべく最大限努力すべきである。通常の火力発電の運転確保も保証できない技術レベルで、どうして原発を安全に再稼働できるのだろうかと、残念ながら疑問を持たざるをえない。こうなったのは、原子力に過度に投資をし、天然ガス火力発電への投資が遅れ、本当の意味でのベストミックスを見失った一方で、泊原発も防災・安全対策が不十分であるという、経営のあり方の問題なのである。
 新しくできた原子力規制委員会の新基準の策定前に、この冬の泊原発再稼働を認めれば、原子力規制委員会そのものの存在価値が問われかねず、政府も再稼働に慎重にならざるをえない国内情勢があり、他方で、北海道の基幹産業である農業と水産業の従事者が再稼働反対で北海道知事も新基準前の再稼働に慎重な姿勢を取らざるを得ない道内情勢がある。北海道電力の経営陣は、これらの情勢を理解判断することができず、いまだに再稼働に固執し、本格的な電力供給の緊急対策に腰が入らない状況は誠に遺憾で、危険な状態である
 昨年8月に泊原発3号機の「無条件の営業運転開始」を容認できないという声明をだした私どもは、北海道電力が経団連や北海道の経済団体とともに泊原発の再稼働を要求しているという事態の緊急性を鑑みて、泊原発再稼働問題について声明を公表いたす次第である

 

<経営者の声明賛同者>   肩書のない方は、みなさん「代表取締役社長」
* 植田英隆  株式会社 りんゆう観光
* 内山博   株式会社 旅システム 
* 清水誓幸  株式会社 スーパーライン北翔        
* 白鳥雅芳
* 加城祐史   オホーツク警備保障 株式会社
* 川田弘教   川田自動車工業 株式会社
* 國枝恭二   株式会社 帯建工業    (*エネ経会議 北海道支部長)
* 小枝秀則   小枝産業 株式会社
* 後藤健市   合同会社 場所文化機構
* 竹本直人   株式会社 ネクセスステージ
* 仁志方紀   有限会社 仁志陶器建材店
* 爲廣正彦   株式会社 エコERC(エルク)
* 前川和弘   北海道生活協同組合連合会 専務理事
* 舛川誠     北見通運 株式会社
* 三宅雅登   左希子化粧 株式会社
* 宮下 周平  株式会社 まほろば 
* 森実さとみ
* 秋山孝二  北海道経済同友会 幹事
<参考>
「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議
https://enekei.jp/page/concept>
~趣意書より~
私たちが具体的に取り組むべきは、単なる反原発運動ではなく、原発がないほう
が健全な国・地域づくりができるという対案を示し、それを実践していくことだと
思っております。そのひとつは地域でのエネルギー自給のしくみを、最初は小さく
ともいいから、同時多発的に実現させることであり、そのための活動をしてまいり
ます。たくさんの小さな循環を起こし、そのネットワークを創っていくこと。いわば
「実践のネットワーク」。それが私たちの役割だと任じています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

再エネ & グリーンエコノミー

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 「北海道大学 サステナビリティー・ウィーク2012」のプログラムの一つで、「環境政策セミナー:http://www.sustain.hokudai.ac.jp/sw/jp/2012/environmental/」が開催されました。

再生可能エネルギーとグリーンエコノミー

再生可能エネルギーとグリーンエコノミー

  「持続可能な北海道・日本・世界へ~再生可能エネルギーとグリーンエコノミー ~」と題したこの環境政策セミナーでは、再生可能エネルギーに携わる研究者、ビジネスマン、国のRio+20担当者の講演、パネルディスカッションを通じて、この間の世界の動きを概観し、北海道各地のいままでの取組の成果と、今後の再生可能エネルギーの利用促進を通じた持続可能な社会の達成に向けての課題が提起されました。

後半のパネルディスカッション

後半のパネルディスカッション

<講演・パネリスト>

* 北海道大学大学院経済学研究科 吉田文和 教授

* 日本政策投資銀行 環境・CSR部 竹ヶ原啓介 部長

* NPO法人 北海道グリーンファンド 鈴木亨 理事長

* 環境省地球環境局国際連携課 柴田泰邦 課長補佐

<コーディネーター>

北海道大学大学院地球環境科学研究院 荒井眞一 特任教授

 それぞれ大変有意義なメッセージの数々、その中で私は、特に、お金の流れ、投資からみた再生可能エネルギーを語った竹ヶ原さんのお話が印象に残りましたね。ファイナンスと地域展開とで、幾つか構造的な難しさを指摘されていました。地域から見た再生可能エネルギーのニーズと、それらに投資するサイドとのモチベーションのずれみたいなお話、北海道の今後の留意点だと思います。他には匿名組合設立によるファイナンス、まさに証券化(小口化)ですね。

 もう一つは、鈴木さんが指摘されていた「信用補完」、これこそが地域の金融機関、特に、銀行の果たすべき役割なのでしょう。昨今、信用金庫の中でそれに気がついている金融機関が出てきて業績を伸ばしています。さらに、寒冷地北海道ゆえに、冬の「熱」をどう電気以外で確保するのか、「コジェネレーション」の重要性と効率向上です。

北海道神宮境内では、秋

北海道神宮境内では、秋

 会場に向かう日、気がついてみると9月の猛暑から一ヵ月しか経ていないのに、外は確実に秋の気配。今年の冬は例年にも増して、「北国に住む人々の知恵」が求められそうです。

 新しい時代の新しいライフスタイル、安全・安心は、我々が「獲得していくもの」なのでしょう。

二つのフォーラムで

Posted by 秋山孝二
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朝日・HTB北海道フォーラム2012 「3・11からエネルギー問題を考える」が開催されました(http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000831205280001)。

 基調講演は、北海道大学の吉田文和(http://www.econ.hokudai.ac.jp/~yoshida/j_index.htm)教授が 「原発ゼロのシナリオ~原発なしでも電力を供給できるか~」と題して、大変分かりやすいお話でした。先生の新著、「脱原発時代の北海道:http://shop.hokkaido-np.co.jp/book/products/detail.php?product_id=418」には、これからのエネルギーの展望が示されています。それにしても、日本のエネルギーバランスで、最終消費段階では「ロス」が30%にも及ぶ事実は、衝撃でもありました。まさに「省エネ」は、最大の「創エネ」ですね。

 また、いち早く福島原発事故から学んでいるスイス等の外国当局の例を引用して、日本のその後の対応・対策の遅れも指摘されていました。

基調講演・吉田文和先生

基調講演・吉田文和先生

  第二部のパネルディスカッションは、北海道グリーンファンド(http://www.h-greenfund.jp/)・鈴木亨理事長、民間事故調「福島原発事故独立検証委員会:http://scienceportal.jp/news/daily/1203/1203022.html」のメンバーを務めた鈴木一人(http://www.juris.hokudai.ac.jp/~kazutos/)先生・北大大学院教授(国際政治経済学)、吉田文和教授がパネラーで登壇し、竹内敬二・朝日新聞編集委員がコーディネーターで、内容の濃い意見交換でした。

3人のパネラーによる意見交換

3人のパネラーによる意見交換

 鈴木亨さんのお話では、電力会社の経営体質等、これまで風力発電事業で長く電力会社と付き合ってこられた経験に裏付けられたお話が興味深かったです。

 鈴木一人さんは「「安全神話」にまつわる「深層防護:http://yaplog.jp/defend_japan/archive/260」の言及に、説得力がありました。世界標準では、原子力の「深層防護」は、5段階、「第一層:逸脱防止、システム故障防止」、「第二層:事故への拡大防止(スクラム等)」、「第三層:安全停止、閉じ込め機能」、「第四層:シビアアクシデント対策」、「第五層:防災対策」、です。鈴木一人先生のブログはお薦めです(http://kazutosuzuki.blogspot.jp/)。

 ところが、すでにお気づきでしょうが、日本ではメディア等でも、これまでの責任ある人・機関の方々が、繰り返し繰り返し「多重防護」と称して、「第三層」までのリスクしか想定せずに済ませてきていたのです。国際標準に明記されている「第四層」、「第五層」を検討しない(想定しない)で、「原子力は安全」と言い続けてきた責任を問わずして、3・11以降、何を検証し、学んだと言うのでしょうか、これは「犯罪」でしょう。インターネットで、「多重防護」を検索しても、電気事業連合会のこの説明(http://www.fepc.or.jp/present/safety/shikumi/bougo/index.html)が象徴的です。

 

 もう一つ、東京での講演会 石原信雄さん(財団法人 地方自治研究機構:http://www.rilg.or.jp/001.htm)「日本人への遺言」も含蓄がありました。石原さんは、1926年生まれ。地方自治庁(現総務省)に入庁し、84年事務次官、87年(~95年)内閣官房副長官(竹下、宇野、海部、宮澤、細川、羽田、村山の7代内閣)を務められた方です(http://www.koho.or.jp/columns/ishihara/index.html)。阪神・淡路大震災で陣頭指揮をされた経験等、「危機管理」、特に「安全保障」のお話は良かったです。「最悪の事態を常日頃から考えておく必要があり、それは国民に多くの負担を強いることゆえに、避けた結果の不幸も議論することが重要」と。

 原発の再稼働については、事故の徹底的究明・検証が必須であり、その後に再稼働かどうかの決定を行うべき。同じ事故は二度と起こさないことが最も重要である、そう明言されていました。

 外交分野はじめ、どんな場合でも、「セカンド・トラックづくり」は必要であり、自由に物を言う場、対話の場が、課題を解決する道であること。そして、「対話」は、自分たちの主張をしっかり言う・伝えることであり、同時に、相手の主張を聴くこと、そうおっしゃっていました。ごく当たり前のことを、今、この時期に壇上から発せなければならない日本の実情、ここでも政治の混迷が浮き彫りになってきます。

 

 短期間に濃密なフォーラムに参加して、日本の「良心」を感じ取り、勇気も湧いてきました。まだまだ日本は立ち直れる、そんな一筋の光明とでも言いましょうか。

エネルギーチェンジ、チャレンジ始まる

Posted by 秋山孝二
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 年明けから「エネルギー」に関する記事が続々と掲載されています。昨年の東京電力福島原発爆発事故後、多くの方々が、今、エネルギーに関して真摯に向き合い始めている証拠かと思います。

 

1) 2011年7月27日衆議院厚生労働委員会で線量測定・内部被曝に関して怒りの論述をされた児玉龍彦教授(http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo)の試みです。現在しかるべき立場にいる方の説得力・影響力の大きさを痛感します。

<北海道新聞1月1日朝刊>

福島汚染米でバイオ燃料 児玉・東大教授、県内で実験へ:道内製造企業も協力~~~~~~

 放射性セシウムが検出され廃棄見込みの福島県産のコメを、道内企業の技術を使って、ガソリン代替燃料のバイオエタノールとして利用する計画が動きだした。政府の除染施策を批判して自ら福島で除染に携わる児玉龍彦・東京大教授らが、「福島再生のモデルに」と取り組み、2012年内に具体化に向けた実験に着手する。バイオエタノール生産工場は福島県内に造り、廃棄用や風評被害で売れにくいコメを有効活用しながら、雇用創出や耕作放棄による農地荒廃を防ぐ狙いだ。~~~~~~~

 

2) <1月5日北海道新聞社説>

ニッポンつくり直し(4) 原発頼らぬ生活目指そう 20年で5割も増えた電力消費/自然エネルギー普及の道筋を

 原発が担う3割分を差し引いた発電量は、およそ20年前の1990年前後の水準だ。日本経済にとって長期低迷の「失われた20年」が始まるころである。 北海道は一層厳しく、経済規模を示す域内総生産は当時と変わらない。この間、人口は減少に転じた。

 ところが、北海道電力の販売電力量は、泊原発2号機が運転開始した91年から現在までに51%増えた。成長ゼロで人も減ったのに、1・5倍の電力を消費している。電気を便利に使いこなしているつもりが、実は、原発を基本に据えた電力供給システムに、知らず知らず生活様式を合わせてしまったのではないだろうか。

 原発に頼らない未来を選ぶには、一人一人が暮らしを見つめ直し、エネルギーについて真剣に考えることが出発点となる。

 将来のエネルギーのあり方を検討する上で、北海道には指針がある。2000年に制定された道の省エネルギー・新エネルギー促進条例だ。放射性廃棄物の処理・処分技術が確立されていないことから、原子力を過渡的エネルギーと位置づけ、「脱原発」の視点で省エネ促進と再生可能エネルギーの導入に取り組むとしている。ただ、道の取り組みは不十分で、これまでは見るべき成果がない。福島の事故を経験した今こそ、その理念を生かすときだ。

 条例に共感した道内のNPO関係者や研究者らが昨年、「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」を発足させた。条例の周知を図るとともに、再生可能エネルギー普及の独自の工程表づくりに取り組んでいる。メンバーの北海道市民環境ネットワーク理事の宮本尚さん(52)は、「何かしたいのに、どうしていいか分からない人も多いはず。そんな市民の思いを形にして、条例に命を吹き込みたい」と話す。

 北海道新聞が昨年10月に実施した全道世論調査では、79%が原発の廃止を求め、今後の電力確保で再生可能エネルギーを重視する意見が6割を占めた。高橋はるみ知事はこうした声をくみ取り、原発に依存しない北海道を目指す姿勢を明確にして、再生可能エネルギーによる地域活性化を主導すべきだ。

 風力、地熱、太陽光、家畜のふん尿や間伐材を使ったバイオマスなど、北海道の潜在力は高い。道内各地の取り組みを束ね、運営の課題、送電網の強化にかかるコストなどを検証し、短期と中長期に分けた普及計画を練る必要がある。熱電併給などでエネルギー利用効率を高める工夫も欠かせない。

 北大大学院の吉田文和教授は、道、関係自治体、北電、専門家、市民団体などで構成されるエネルギー環境会議の設置を提案している。道はこうした意見を取り入れ、公開の議論を通じた合意形成を急がねばならない。道内の電力の4割は札幌市とその近郊で消費される。都市住民への省エネ意識の浸透が不可欠だ。脱原発を掲げ節電に取り組む札幌市は、道内の他の中核都市にも省エネを働きかけてもらいたい。

 再生可能エネルギーは、地域分散、地産地消が特徴だ。国の方針を待つことなく、地方からの積極的な提言が求められる。道は、東日本大震災後の新たなモデルを提示するぐらいの意気込みで、省エネと一体となったエネルギー計画を策定すべきだ。東北以外で無駄な電気、石油、ガスを節約すれば、その分を被災地に回せる。

 エネルギーを大切に使うのは環境にも家計にも優しい。自分にも他人にも得になる。そんなふうに考えられないか。オール電化住宅や24時間営業といった身の回りにあふれる便利さは、私たちが本当に求め、必要としたものだろうか。家庭で、職場で話し合うことから始めたい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり

「エネルギーチェンジ100」プロジェクト(http://www.enechan100.com/)、私も世話人の一人です。

 

3) 「ネットワーク農縁:http://www004.upp.so-net.ne.jp/net-nouen/」HPからエネルギーシフトに関してです。

http://suiden-trust.blogspot.com/2012/01/blog-post.html

 

 新しい取り組みが確かに始まっています!!!

「みんなのエネルギー・環境会議 札幌」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
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  「みんなのエネルギー・環境会議:http://www.meec.jp/」、第3回目が札幌で開催されました。 当日は300人を越える聴衆で満席、セッションも内容が濃く、「エネルギー」、「原子力発電」についても、賛否はともかく、まずは議論の新しいフィールドが生まれている、そんな感じでした。

 コーディネーターをつとめた枝廣淳子さん(幸せ経済社会研究所所長:http://ishes.org/)の能力・センスが、ひと際輝いていたと思います。ある時はさりげなく補足し、ある時は大胆に方向性を変える、以前枝廣さんのワークショップ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=508)で学んだ「Resilience」な姿勢そのものでした。そう言えばこの研究所のキックオフ・ミーティングは、今年の大震災の直前に東京で開催されました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7722)、何かの因縁ですね。

枝廣淳子さんに関するこの欄での掲載一覧――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9E%9D%E5%BB%A3

豪華メンバーが勢ぞろい!

豪華メンバーが勢ぞろい!セッション1で

 セッション1「エネルギー政策と原子力」
「新しい」エネルギー基本計画はどうあるべきか?
コーディネーター:枝廣淳子氏(幸せ経済社会研究所所長)
登壇者:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所)
    上田文雄氏(札幌市長)
    澤昭裕氏(国際環境経済研究所)
    澤田哲生氏(東京工業大学原子炉工学研究所)
    鈴木達治郎氏(原子力委員会委員長代理)
    吉岡斉氏(九州大学)
    吉田文和氏(北海道大学大学院) 

 セッション2「再生可能エネルギー」
日本と北海道の自然エネルギーは増えるのか?何が必要か?
コーディネーター:枝廣淳子氏(幸せ経済社会研究所所長)
         鈴木亨氏(NPO法人北海道グリーンファンド理事長)
登壇者:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所)
    上田文雄氏(札幌市長)
    小林基秀氏(北海道新聞社編集局報道本部編集委員)
    吉田文和氏(北海道大学大学院)

  このフォーラムの内容は新聞等でも報道されましたし、近いうちに録画で掲載されるでしょうから、ここでは逐一の報告は致しません。ただ、 会の趣旨は次のようなものです~~~~~~~~~~~~~~~~~~~HPより~~~~~~~~~

 「みんなのエネルギー・環境会議」は、原発推進/反原発・脱原発、自然エネルギーの今後等について、「こうあるべき」という特定のスタンスを打ち出すためのものではありません。それぞれの観点についての賛成・反対を含め、さまざまな立場や考え方の人々がオープンに日本の産業や暮らしを支えるエネルギーの今後について、考え、語り、議論し、対話する場を作っていくことをめざします。

 エネルギーについて考えることは、私たちがどのような豊かさを望むのか、未来の暮らし方をイメージするのか、を考えることでもあります。国民の参加と合意に基づく民主的なエネルギー政策をつくっていくとともに、エネルギーに関する議論それ自体が日本を真に幸せな民主主義国家にしていく一助になると信じています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり~~~~~

 長時間でしたが、集中力の欠けることなく壇上と聴衆が真剣でした。私は、同じ空間・時間を共有すると、人柄が浮き彫りになってくる、或いは、やり取りの中でその人の人間性がにじみ出ると思うのです。普段活字で読んでいて共感しているつもりでも、本人を目の前にして発言を聞いて落胆する場合もありますし、また、その逆もあったりして。

 さらに今回感じたことは、「今、その重要な立場にいる方が意識を変えることの重み」ですね。ある意味で権力を保持している方、影響力のある方が、「人間として時代と真摯に向き合う」姿勢があるとすれば、それが最も「力」を発揮する、今回、原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎さんのお話しぶりをお聴きしていて、そう感じました。

 3・11以降の新しい時代、エネルギーについて、皆で議論していきたいですね!