ONKALO、「地下深く、永遠(とわ)に」

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 つい一週間程前のこの欄にも書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8054)が、NHK・BS放送で引き続き興味深い番組がありました、放射性廃棄物・最終処分施設「ONKALO」を描いた「地下深く、永遠(とわ)にhttp://skyalley.exblog.jp/15572451/」は、この建設中の施設を巡るドキュメンタリー作品でした。何とも不気味なホラー番組と思いたいのですが、今現在進行形の現実です。

 「ONKALO」とは一体どんな施設なのか、以下のサイトで分かります(http://www.youtube.com/watch?v=BN25RTYjjIg)、(http://www.jsce.or.jp/committee/rm/News/news8/Onkalo.pdf)。

 こちらは、東京で緊急特別上映中の映画「100,000年後の安全http://www.uplink.co.jp/100000/」、札幌ではシアター・キノ(http://theaterkino.net/)で、5月28日(土)から6月3日(金)で1日一回上映予定との案内も見ました。2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞ほか、幾つかの賞に輝いています。

 とにかく「怖い」映画です、み終わった後の気持の悪さは何なのでしょうね。「持続可能な循環型」とか「地球に優しい」と真逆な、世界に今、25万トンある放射性廃棄物の最終処分場としてフィンランドに位置し、100年後に密閉し、10万年後まで自己完結型で封印するというのです。そして、その間の最大の危険因子は「人類」であると、関係者は真面目な顔で語っています。さらに、「不確実性の下での運用」、質問に対して窮すると、「それは政府に聞いて下さい」と語ってはばからない姿、まるで今の日本国のようです。

 実は、北海道も無縁ではありません、今回の原発事故の最中、3月31日に報告書が発表になっています。~~~~~~~~

北海道・幌延町での深地層研究 新年度の計画まとまる 原発事故で注目も

2011.3.31 19:42 産経ニュース

 日本原子力研究開発機構が北海道幌延町で進めている深地層研究計画の平成23年度調査研究計画がまとまり、31日、北海道に概要が説明された。前日の30日には地元の幌延町への説明が行われている。

 この研究計画は、同機構が約20年かけて深地層の研究を実施しているもので、23年度は11年目に当たる。すでに深さ250メートルまで立て坑が掘られているが、新年度は350メートルまで掘削を進めるほか、坑道で低アルカリ性コンクリート材料を吹き付ける実験など、地下施設での調査研究も併せて行う。

 深地層研究の目的は、原子力発電の核燃料を再処理する際に出る高レベル放射能廃棄物の地層処分について研究開発すること。幌延町には研究施設があるだけで、実際の処分場はまだ候補地も見つかっていない。

 福島第一原発の事故で、改めて核燃料の処分の問題がクローズアップされているが、今のところ研究計画を特に急ぐことはないという。幌延深地層研究センターの宮本陽一所長は「今回の後処理をどうするか議論されるときには、処分を研究しているわれわれにも当然、役割が与えられるのではと思っている。まずは今より悪くならずに安定することを願っています」と話している。

独立行政法人 日本原子力開発機構http://www.jaea.go.jp/

幌延深地層研究センターhttp://www.jaea.go.jp/04/horonobe/

~~~~~~~~~~~~~~引用おわり

 「幌延:http://www.town.horonobe.hokkaido.jp/」と言うと、「まるごとミンチ」を思い浮かべます、我が家でも買いましたね。このセンター誘致によって廃牛となった酪農家の製品だったと思います。日本のこの間の高レベル核廃棄物処分場に関する説明は、こちらに詳細掲載されています、ONKALOとの比較も(http://asako.churaumi.me/fds/archives/date/2011/05)、フィンランドの地盤との違いに注目です。

 幌延にある「ゆめ地創館:http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/prsite/index.html」のサイトを見ると、以前の浜岡原発の記念館とそっくりの雰囲気で(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8116)、子どもたち、地元住民へのプロパガンダです。ここに至ってもなお「研究・実験」する意義がどこにあるのでしょうか、急には止まらない、止めたくない、いや、止めるにも長~い年月が掛るのでしたね。これからの研究者の存在意義は、まさに長い年月にわたる「処分場の最終処分」の研究でしょう。

 「核再処理工場」、「核最終処分場」、青森県六ケ所村(http://www.rokkasho.jp/)、そして幌延、引き続き眼を離せない言葉となりました。

追悼 庄司昭夫さん

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 (株)アレフ(http://www.aleph-inc.co.jp/)の代表取締役社長・庄司昭夫さんが、3月23日にお亡くなりになり、一昨日、お別れの会が札幌で開催され1000名を越える参列者でいっぱいでした。全国で300店舗展開するハンバーグのお店「びっくりドンキー」で有名ですが、生産現場からの垂直的事業展開のほか、環境への提言、ドラムスのミュージシャンとしても幅広くご活躍でした。

送る会で配布されたパンフレットより

送る会で配布されたパンフレットより

  地元では、これまでたくさんの経営者とお会いする中で、庄司社長ほど多彩な活動の場をお持ちの方を知りません。以前からフォーラム等では何回も同席しましたが、一番お人柄を知ったのは、今から8年くらい前に、新しく就任された札幌市の上田文雄市長に対するアドバイス集団「経済アドバイザー会議(SEF)」でご一緒した時でしょうか。2年間に8回程会合を開き、経営的視点から様々の提言を行いました、私はその事務局長として会議の議事録作成のためにテープ起こしをしたので、そこでの庄司社長の大変内容の濃いメッセージの数々と見識の高さを、忘れることができません。特に、「食―農」に対する哲学、日米関係への批判的考察、環境問題への提言等、とにかく幅広い分野に対する筋の通ったご発言は、確固たる信念に基づいていて、実に説得力がありました。

社内・社外での多彩な活躍

社内・社外での多彩な活躍

多くのメッセージ発信も

多くのメッセージ発信も

 これまでに多くのメッセージも発信されています。特に、2004年11月「さっぽろガイアミーティング」では、ハンガリー人で世界賢人会議「ブダペストクラブ:http://www.peaceproposal.com/jbudapestclub.html」主宰のアーヴィン・ラズロー氏、映画「ガイアシンフォニー:http://gaiasymphony.com/」監督・龍村仁氏をお迎えしてフォーラムを開催されました。

 ~~~すべての存在は繋がりあい、その相互関係を進化させることこそが環境問題など混とんとした現代を克服する鍵となり、そして我々人間もまた繋がりあう有機的な総体の一部として、宇宙の進化に影響を及ぼすことができるのだ~~~~

 哲学者であり、物理学者であり、ピアノ奏者として優れた活動を続けたアーヴィン・ラズロー博士、映画監督・龍村仁さん、そして庄司昭夫社長との鼎談は、この10年の中で私にとって際立って印象深いひと時でした。

 庄司社長は、食―農分野では、国際食糧戦略としての日本の農業のあり方に対して戦う姿勢を鮮明にして、「真に消費者の立場に立つ」ことを追求し、BSE問題に関連しても積極的提言を行いました。そして企業のあり方では、社会性のある組織としての企業、「何を目的として戦うのか、理念競争の時代」と断言し、「昨今のように、ものごとが大きく変化していく時期には理念が必要で、何に命を使うか、死んでもこれだけは絶対に譲れないと守るべき自らの『掟:おきて』を持っているかどうか、会社の『掟』、個人個人の『掟』を持っているかどうかが、厳しく問われているのです」、そう発言集にも記されています。「掟:おきて」という言葉に込められる庄司社長の哲学に心を打たれました。

 尊敬する経営者、思想家であった庄司昭夫さま、どうか安らかにお眠り下さい。

今年も、札幌三吉神社の例大祭

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 札幌市中央区南1条西8丁目の札幌三吉神社例大祭(http://north.ninpou.jp/miyoshi/miyoshi.htm)が、今年も開催されました。気温はやや低めでしたが、日曜日は天気にも恵まれて、祭祀の後、神社から札幌市内中心部を渡輿でした。

三吉神社境内で渡御準備

三吉神社境内で渡御準備

 6月の北海道神宮例大祭に先立ち、札幌のマチなかの風物詩で、すぐ近くで育った私も、幼い頃からの思い出がたくさんあります。そもそも札幌の三吉神社は、秋田県の「太平山三吉神社総本宮:http://www.miyoshi.or.jp/」の流れを継ぐ由緒ある神社です。HPには、「全国各地及びブラジル サンパウロの三吉神社並びに太平山講の総本宮」と紹介されていて、「霊峰太平山の山頂(標高1,171m)に奥宮、また秋田市広面赤沼に里宮が鎮座し、古来より≪勝利成功・事業繁栄≫ の守護神としてご崇敬を頂いております」と説明もあります。

 先日の例大祭には、秋田・総本宮の役員の方から新築改装のご報告、秋田の地元の方3名による三吉節(http://miyoshijinja.ftw.jp/rinnku.html)の奉納も披露されました。190万都市のど真ん中に、昔ながらの鎮守の杜があり、年一回のお祭りに多くの人が集う、これからも大切にしたいですね。今年は時間が無くゆっくり出来ませんでしたが、やかんで熱くなった日本酒が売れたでしょうね、一杯のお酒の量がそれぞれ大きく違うので、毎年楽しみ(?)です。

ある結婚式にて

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  私の親友K.Aの息子さんが東京で結婚するにあたり、彼の厚意で招待を受けたので、先日今風の結婚式に出席しました。60名程の出席者、殆どは20代・30代の若い方々ばかり、結婚式は人前での誓い、披露宴は仲人の代わり(?)に入口前のスノーボードに託されたメッセージでした。二人は冬のスノーボードが出会いだったとか。

披露宴入口で

披露宴入口で:スノーボードに描かれたメッセージ

 仲人が新郎・新婦の両サイドに立って、というのが一般的だった昔に比べて、今はヒナ段はカップルだけ。でも何の違和感も無いですから昔は何だったのか、とも思います。全体を通して新郎・新婦の出番の多い企画、ケーキ一つとっても二人ばかりでなく母親が登場したり、会場スタッフと二人の事前の再三の打ち合わせで、盛りだくさんのプログラムでした。カメラの絵になる場面が実に多く、後日出来上がるだろう写真集が楽しみです。

 企業経営者時代に、社員の仲人を頼まれる時も多かったのを懐かしく思い出します。直接の出会いには関わっていないのに、「仲人」の務めとして新郎・新婦を紹介し、披露宴では終始ヒナ壇に出ずっぱりで座り続ける、今考えると、実に僭越な役回りでした。

 K.Aと始まる前に話をしていたのですが、20代とか30代の若い世代を前にすると、今日の状況下、我々の世代は何か「こんな世の中にしてしまって申し訳ない」と謝罪の言葉から始めなければならない心境だよね、と。国家財政の膨大な負債、原発を止められずに放射能汚染された海・大地・空気等・・・・。第二次世界大戦後の平和な時代に生まれ、高度成長期を一生懸命それなりに社会のため、家族のためと仕事一筋に働いてきた私たちの世代、浪費したつもりは無いのだけれど、バブル崩壊以後の「平成生まれ世代」からは、高度成長を謳歌しただけ(?)の私たち、結果的には行き過ぎた「消費社会」を造り出してしまった、そんな自責の念でしょうか。

 披露宴の出席者の中で、同じテーブルの2歳くらいの男の子、隣のテーブルの来月生まれてくる新たないのちを宿した近未来の母、日本の地域医療に意欲も燃やす医学生、そして輝くような若い世代の男女達を見ながら、思わず視線を下げる自分に気がつきました。同じ気持を共有する親友のK.Aは、その気持を最後の新郎の父の挨拶の中で語ろうと準備をしていたのですが、本番ではさすがに胸が詰まり、ただ「ありがとうございました」と言うのが精一杯のようでした。

 

 先日、北海道大学教授・山口二郎先生(http://www.yamaguchijiro.com/)が主宰する「フォーラム in 札幌時計台~パラダイムの転換http://yamaguchijiro.img.jugem.jp/20110410_1781910.jpg」がありました。「閉塞を嘆くばかりでは何も変わらない」という副題でしたが、その中で、政治の世界で、「未来への責任」という概念がいかに構造的に困難かが話題になり、大変興味深いお話でした。政党の理念として「未来への責任」と語っても、その「未来」を担う人々が、今現在は選挙権がない、まだこの世に生れてきていない、言葉がない等、「票」の獲得で、政治というのがどうしても目の前の課題解決に終始せざるを得ない構造があるというのです。確かに、公共投資・福祉財源としての国債発行、子どもの政策といっても次代を担う世代のためと言うより、「子ども手当」として現在の親への支援として実行してしまう、負債・改革の先送り、そんな繰り返しが今日の危機を招いているのでしょう。

 さらに、戦後、「一億総ざんげ」と時の総理大臣が国民に言い放ったように、今の原発事故の推移を見ていると、責任の所在を曖昧にしてしまう発言・報道がみるけられるとも。責任の概念を4つのレベルに分ける必要性、すなわち、「犯罪」、「政治的」、「道徳的」、「メタフィジカル(歴史に対して)」の説明は分かりやすかったです。

 そしてもう一つ、現在の原発事故等でも象徴される「リスク社会」についての言及もありました。「リスク社会」の特徴は、1)大変大きな破局的被害、2)確率はかなり小さく計算が困難、であるがゆえに、今までのような合理的・効率的概念では対応が難しいというのです。原発事故は、飛行機の墜落事故・自動車事故、とは基本的に異質なリスクです。普通のリスクの場合、伝統的なアイディアでは、起きる確率に対して「中庸をゆく」みたいな対策、「保険を掛ける」的発想が功を奏してきたのですが、現在のリスク社会では、中途半端な対策では何の役にも立たちません。

 そんな意味では、原発に関しては「事故が起こる」からではなく、「放射能」が制御できないものであるゆえに、地球上には在ってはいけない「存在」なのだと思います。生物的でない、普通に稼働している時でも危険、終わって廃炉にしても危険、と言えましょう。パラダイム転換、エネルギー政策の転換が必須です。

 朝日新聞の5月13日朝刊に、ドイツの社会学者・ウルリッヒ・ベック氏の論説が掲載されていました。そのタイトルは「限界のないリスク、近代社会が生んだ不確実性の象徴」、「産業界や専門家に判断独占させず、市民の関与を進めよ」、とありました。

 「原子力発電」、「地球温暖化」、「国際金融」、「テロ」等、現在のグローバルな課題に直面する「リスク社会」という認識の中で、社会への関与を一人の市民として一層強める、それが成熟した「シビル・ソサイアティ」なのでしょう。

 結婚式に参加して続いてのフォーラムにより、若いカップルの心からの幸せを祝福しながら、新しい時代の視座を獲得した気がします。

<追加コメント:17日> 政治では「未来への責任」を受け止めるのが難しいとしても、一人一人の市民意識、市民活動として「未来への責任」を提起することこそ、今重要になっている時代なのではないか、それが最終フレーズの「新しい時代の視座」ということです。投票行動を通して政治・議会に期待する一方で、シビルソサイアティの自立した市民としての意思表示、それを支える寄付金は、税金とともに車の両輪となるべきだとも思います。

大震災から2カ月以上を経て・・・

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 あっという間に「3・11」から2か月が過ぎました。この間私は、東京方面には4回程出張しましたが、様々な場で3・11以前と明らかに違っている世界も感じます。ただ、仕事場として移動・活動するのには、何の不都合もありません、これで十分です、いやもっと節約しても構いません。さらに自分のライフスタイルで「節電」に努めること、それは限られた電力を他の必要としている方々へ「贈与」することであり、これこそ「絆:きずな」の証明でしょう。

誰もいない到着ロビーへの道

誰もいない羽田空港到着ロビーへの道(2週間後)

節電努力:外資系金融機関が集まるテナントビル

節電努力:外資系金融機関が集まる都内テナントビル

節電努力:都内ホテルで

節電努力:都内ホテルで

 テレビ・新聞報道、東京電力経営者、経産省、原子力村の学者たちには、憤りだらけですが、一方、時が経つにつれて、優れたメッセージもたくさん目にするようになってきています。

 まずは、以前から尊敬す方のブログ「凛和総合研究所http://www.linhwa.jp/」です。今回、その中で紹介されている「復興か創造か―これからの文明―:http://www.tkfd.or.jp/topics/detail.php?id=268」は、その構想力に感服します。

 もう一つは、岩波書店月刊誌「世界2011年5月号『生きよう!』、6月号『原子力からの脱出』:http://www.iwanami.co.jp/sekai/」です。多くの識者が一連の災害・原発事故をどう受け止めて、新しい日本国建設に対する具体的方策も提起していて、読み応えがあります。この所あまり縁もなかった週刊誌も、この2カ月いつになく買い求めて読んでいます、知らない事実がたくさんあり、存在感抜群です!

 テレビ番組では、「チェルノブイリ原発事故」から25周年の今年、これをテーマとした深夜のNHK-BS放送ドキュメンタリー連続番組、「永遠のチェルノブイリ」「被曝の森はいま」「見えない敵」、5年前の「汚された大地で ~チェルノブイリ 20年後の真実」ほか、貴重なメッセージです、まさに「想定内」の内部被曝の現実に、私たちは歴史から学ぶ真摯な姿勢でなければなりません(http://www.nhk.or.jp/wdoc-blog/200/77575.html)。引き続き来週も特集があるようです。

 私なりには、取り敢えず浜岡原発は停止が決定しましたし、少しずつ動きが出てきているのを感じています。ただ、福島原発は炉心溶融、高濃度汚染水垂れ流しほか、ますます深刻な状態が明るみに出てきて、緊張感が高まります、これ以上悪化しない努力を期待するしかありません。

 等身大の身近な所では、これまでの「天気予報」とともに、放射能測定モニタリングデータに基づく「放射能・線量予報」、電気供給量と消費量を日々明示する「電気予報」を設定し、毎日数回告知することを提案したいです、すでに始まっているようでもあり、先日東京駅で、可能電気供給量と消費量を明示する電光掲示板を見ました。

 「日常性を取り戻すことが支援につながる」と、被災の現実から安易に眼を遠ざける都会人の上滑りな風潮は気になります。3・11がエネルギー・食の大転換点であること、放射能と共に暮らす時代を直視して、改革することから逃げてはならないことに変わりはありません。

 自分的には、北海道の資源を棚卸して、代替エネルギーの提案も模索したいですね、「火山国家」、「海洋国家」を逆手にとって、エネルギーを創り出すみたいな構想を持ちましょうよ、北海道電力にも積極的に提案したいし、北海道なら必ず出来る、そんな気がします。うつろな「がんばろう、ニッポン」、「ひとりじゃない」の連呼よりも、個々人のライフスタイルの変革で連帯する、それが地に着いた「支援」というものでしょう!!

ウィキリークスの威力

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 「WikiLeaks:http://wikileaks.ch/」は、ご存じのように、2006年にオーストラリア人ジュリアン・アサンジ(Julian P.Assange)氏が、「全ての情報にあらゆる人がアクセスできるべき」との理念で創設したウェッブサイトです。どんなものかは、こちらの動画(http://www.youtube.com/watch?v=J2ZI4s9yxc4)でも分かりますが、日本では「暴露系サイト!」とマスメディアにより「ならず者」扱いで、諸外国との認識の差が甚だしいです。

 約40万件の外国公電を把握していると言われていますが、現在はそのまだ1%しか公開されていません、国別ではアメリカがトップ、日本は3番目の多さにもかかわらず、これまで国内関係者はその事実を過小評価・隠ぺいしようとしていました。これらが公開されれば日本のマスメディアの報道に対して、大きな疑問を提起するからでしょう、各国首脳の対応に比べて日本の当局の認知度が低いのは、日本のメディアがウィキリークスの価値を正確に伝えていないことに因るものでしょう。

 今回、朝日新聞の一連のウィキリークスによる公開文書を読むと、日本の外務・防衛官僚が、日米関係に対して自国政府元首・大臣よりもアメリカ当局の意向をおもんぱかる異常さ、まさに国民をなめた姿勢と言えるのではありませんか。この特集は衝撃的で、ウィキリークスの情報公開について(http://wikileaks-japan.blogspot.com/)、天木直人さんは「日本外交への地震・津波だ」、と表現しています(http://news.livedoor.com/article/detail/5537721/)。

 このコメントとは別ですが、来月札幌で下記の講演会を予定しています。

~~~~~グリーン九条の会 第4回講演会̶ 経済の視点から平和を考える~~~~~~~~̶
天木 直人 氏 「さらば 日米同盟~平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策~」

と き:2011年6月25日(土)
開場13:30 開演14:00
ところ:りんゆうホール 札幌市東区北9条東2丁目りんゆう観光3F
TEL:011-742-4233
会 費:1,000円
主 催:グリーン九条の会
協 賛:(株)りんゆう観光

連絡先 グリーン九条の会
〒003-0831 札幌市白石区北郷1条7丁目5-8 白鳥方   green9zyonokai@gmail.com
お問い合わせ、参加申し込みは、郵送か、メールでお願いします

天木 直人 Naoto AMAKI プロフィール
1947年、山口県に生まれる。1969年、京都大学法学部中退後、上級職として外務省入省。中近東アフリカ局アフリカ第二課長、内閣安全保障室審議官、在マレーシア日本国大使館公使、在オーストラリア日本国大使館公使、在カナダ日本国大使館公使、アメリカ在デトロイト日本国総領事などを経て、2001年2月~2003年8月、駐レバノン日本国特命全権大使。小泉純一郎首相らに米国のイラク攻撃を支持しないよう諫言したことで、2003年8月に外務省を解雇処分。その後、評論・執筆活動を続ける。日本ペンクラブ会員。
著書には23万部を超すベストセラーとなった『さらば外務省!』(講談社)をはじめ、『怒れ、9条!』『アメリカの不正義』(以上展望社)、『さらば小泉純一郎!』『ウラ読みニッポン』(以上、講談社)などがある。さらに『さらば日米同盟!』(講談社 2010年)。~~~~~~~~~~~~~~

 

 日本の既存メディアが、メディア分野の新しい動きに対してみせる姿勢は、国際社会の中でこれまでいつも特異的です。インターネットニュースサイトを情報収集から締め出し、ウィキリークスを「暴露系」と誹謗中傷し、限られた情報のみを「既存メディア村」内で処理加工してきた事実。今回の東京電力原子力発電所事故においても、諸外国のメディア情報により事実を迅速に把握していた日本国民が多かったのは、実に嘆かわしいことですね。今の時代、「隠ぺい」などというのは出来るはずもありません。

 繰り返します、「風評被害」が拡がるのは、ひとえに正確な情報を迅速に伝えていないからに外ならず、従来のメディアに比べて、市民活動団体、独立系市民メディアのグローバルな発信力・収集力は、多言語を駆使し双方向機能も兼ね備えていて、素晴らしい力なのだと思います。豊富な情報の中から的確な判断をする、自立した「個」に基づく成熟した市民社会でありたいものです。

「男肉 du Soleil」、大復活!

Posted by 秋山孝二
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 「男肉 du Soleil:オニク・ド・ソレイユ(http://oniku-du-soleil.boy.jp/)」の公演がシアターZooでありました。若い男たちが上半身裸で踊り、叫びまくる舞台、予想はしていましたが「緊張感?」がありましたね!「写肉祭(フォトコンテスト)」に応募しようと数枚写真も撮ったのですが、動きが速くてとても作品までは至りませんでした。

男8人が踊り、語る2時間

男8人が踊り、叫ぶ2時間

ほとばしる汗、熱気が充満!!

ほとばしる汗、熱気が充満!!

 以前この欄に、私のパリ・ムーランルージュの舞台に引き出される体験 (http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2264)を書きましたが、今回も舞台で踊ったお客さまがいらっしゃいました、まるで違和感が無い素晴らしい踊りでした。客席では裸の男が私の横を行ったり来たり、終盤は汗いっぱいの体で私に向かって倒れ掛ってきて、まさに「緊張感」もいっぱいでした。20代の男たちの何とも言えない切なさが伝わってきました。

 アフタートークは、劇団「千年王國:http://sen-nen.org/」代表の橋口幸絵(http://bamora.seesaa.net/)さんと「オニク・・・」代表の池浦さだ夢さんでした。池浦さんからは、私には意外な程純朴な(!)お話の数々で、少しの驚きがありました。

口直し(失礼)のアフタートーク

口直し?(失礼)のアフタートーク

 橋口さんは、「今回の公演、見ているだけで妊娠しそう」とおっしゃっていました、すごいフレーズですね!公演前に丁度ロビーにいらしゃったので、ようやくご挨拶ができたし、お話も大変興味深かったです、今回はこの劇団の受け入れで場所も提供して、「寮母状態」とのことでした。

昨年の「札幌劇場祭:http://www.s-artstage.com/2010/tgr/2010/12/865/」で、私は審査員の一人でした。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6621

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6707

 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=148

 劇団「千年王國」はこの劇場祭で「ダニーと紺碧の海:http://sennencocuchi.blog.shinobi.jp/Entry/38/」を上演しました、若さ溢れて大変オシャレな舞台で好きでした。今月14・15日には、韓国・光州市で開かれるビエンナーレ「光州平和演劇祭」に日本の代表として「贋作者」公演の予定です、素晴らしい舞台を期待したいですね!

北海道マサチューセッツ協会総会で

Posted by 秋山孝二
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 北海道マサチューセッツ協会(http://www5.ocn.ne.jp/~homas/)の年次総会が開催されました。北海道とアメリカ・マサチューセッツ州(http://www.discoveramerica.com/jp/massachusetts/)とが姉妹州契約を結んだ1990年に設立され、これまで文化・芸術・教育分野を中心に交流を続けてきています。私は当初から関わっているのですが、その後、仕事上の多忙で殆ど活動には貢献出来ていません。この間、大変熱心な活動をつづけていらっしゃる中垣事務局長は、直接は習いませんでしたが私の高校時代の恩師です。

 懐かしい顔も多く、総会会場では桑折広幸さんの「『暖』ボールアート」のミニ展示、明楽(あけら)みゆきさんのチェンバロ・ミニ演奏会もあり、会を盛り上げていました。

段ボールアートのミニ展示

桑折広幸さんの「暖」ボールアートのミニ展示

チェンバロ演奏

明楽(あけら)みゆきさんのチェンバロ演奏

 マサチューセッツ州と言えば、アメリカ発祥の地、ニューイングランドのプライドは今も高いですね。私の世代はビー・ジーズの歌「マサチューセッツ:http://www.youtube.com/watch?v=4XWYefe9EzI&feature=fvwrel」は忘れられないです。もともとの題名は「The lights all went out in Massachusetts(マサチューセッツの灯りはすべて消えた)」、歌詞2番のサンフランシスコは、当時のヒッピー全盛期の中心で、最後のフレーズは「I will remember Massachusetts」です、1960年後半の時代を感じます。

~~~~~~~~~

Feel I’m goin’ back to Massachusetts,
Something’s telling me I must go home.
And the lights all went out in Massachusetts
The day I left her standing on her own.
マサチューセッツに帰りたい気持がする
何か帰ったほうがいいって言っているみたいだ
マサチューセッツの灯りはすべて消えた
彼女の1人残してきた日に

Tried to hitch a ride to San Francisco,
Gotta do the things I wanna do.
And the lights all went out in Massachusetts
They brought me back to see my way with you.
サンフランシスコにヒッチハイクしようとした
したいことをいろいろしなくちゃと思った
マサチューセッツの灯りはすべて消えた
見えない足元を君と歩こうとした

Talk about the life in Massachusetts,
Speak about the people I have seen,
And the lights all went out in Massachusetts
And Massachusetts is one place I have seen.
マサチューセッツの暮らしを話したり
今まであった人達のことを話したり
マサチューセッツの灯りはすべて消えた
マサチューセッツはボクの見た場所の1つになってしまった

I will remember Massachusetts.
マサチューセッツを忘れはしない
~~~~~~~~~~~~~~

 私自身、アメリカに設立した現地法人「Autum Hills International:AHIC」とともに、忘れられない場所となっています。現在も、ハーバード大学のプログラムの少しの支援は続けて、関係を継続しています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2510)。

映画「英国王のスピーチ」

Posted by 秋山孝二
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 今年、第83回アカデミー賞(http://www.wowow.co.jp/extra/academy/)で、映画「英国王のスピーチ:http://kingsspeech.gaga.ne.jp/」が、作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞など4冠に輝きました。同じくノミネートされていた「ソーシャル・ネットワーク:http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD16880/」は、脚本賞・編集賞・作曲賞の3つで、評論家筋では「圧勝」とのことです。

3人の表情が象徴的なポスター

3人の表情が象徴的なポスター

 吃音症に苦しみ、満足にスピーチ出来ない英国のアルバート王子(コリン・ファース)が、やがて国王ジョージ六世(現在のエリザベス女王の父)として、第二次大戦の開戦に、国民に向け感動的なラジオ・スピーチをする、あまりにも先が見え見えのストーリーではあります。コリン・ファースの「自信なげ」な感じが次第に変わっていく様子が分かりやすく、ドラマチックに盛り上がっていました。

 脚本の73歳、デヴィッド・サイドラーに負うところが大きいのでしょうね、本人自身も吃音症でこの作品への思い入れもあり、同時にジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーターの演技が素晴らしかったです。この作品がこんなに魅力的なのは、アルバート王子、妻、オーストラリア人治療士ローグが創り出す対立、和解、信頼が、的確に表現されているからでしょう。

 それと、映画前半は「治療する者と治療される者」「王室と平民」といった分かりやすい対立関係で、次第に、一歩踏み込んだ「人間と人間」に進化していく構図。「伝えるべきことがある!」とジョージ六世が叫び、ローグは国王の覚悟を確認しました。「あなたは勇敢な人だ」、「私に話して」、ローグの短い言葉に力を感じます。終盤、スピーチ直前の国王が語るローグへの感謝の言葉と、それを受けとめたローグの表情が印象的でした。

 ラストは、演説後にバッキンガム宮殿バルコニーから国民に手を振るジョージ六世の後姿、それを見つめるローグの微妙な表情も良かったですね。スピーチは感動的でも、戦争がこれから始まる、まさに前途多難な時代です。先日のロイヤルウエディングで、お二人が手を振っていたあの場所ですよね。

 大英帝国の国王と王室が、実はドイツ系であるということは背景として知っておく必要があります。第一次世界大戦ではドイツと戦い、しかもまたヒトラーの台頭によってドイツとの戦いが不可避のものとなってきたとき、国民感情への配慮を迫られました。この状況のさなかに国王に即位することを余儀なくされ、国民に向けてラジオ越しにスピーチをしなければならなかったジョージ六世の心中を察すると、さらに映画を深く味わえます。

 ヨーロッパ映画の厚みは、各国の皇室がそれぞれ深い姻戚関係にあることに由来するのかもと思えます。この映画を観終わってから、インターネット検索で調べてみると、映画のシーンにロシア皇帝であったニコライ二世の肖像画が出てきたようですね、私は見逃しましたが。

 

 映画とは直接関係はありませんが、英国王室メディアとして、「The Royal Channel:http://www.youtube.com/user/theroyalchannel?blend=4&ob=4」の広報サイト、つい先日は久しぶりの「ロイヤル・ウエディング」も盛り上がったようです。因みに日本の皇室広報は、「宮内庁HP:http://www.kunaicho.go.jp/」でしょうか、日本の映像・芸術センスはこんなものではありませんが、何かお役所仕事的(?)サイトで、雰囲気の違いを感じますね。

 それでも2年前この欄(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=470)に書きましたが、日本の宮内庁のライターは中央官庁ではピカイチとの評価も。また、皇室を警護する皇宮警察等、幅広い国民を意識したソフトな雰囲気を演出し、たとえば、数年前に札幌に天皇・皇后両陛下がお越しになった時は、地元警察も先導パトカーから情況をあらかじめ集まっている市民に解説する等、普通の警備とは大きく異なった雰囲気づくりをしていました。これも皇室の強い意向と伺ったことがあります。この度の震災で、先日避難所を訪問された時の両陛下のご様子を拝見し、「皇室」の強い意思と品格を感じました、特に直接語られた肉声によるお言葉の力を。

 今回、この映画による王室当事者の内側に迫る内容に、英国という国の懐の深さを垣間見た気がします。

ロシアと北海道のこれまで、これから

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 異業種交流の「北を語る会」第83回例会は、札幌市内のロシア領事館(http://www1.odn.ne.jp/ruscons_sapporo/japvisa.htm)で行われました。今回は、在札幌ロシア連邦総領事のワシーリ・サープリンさんの特別講演、ロシア民謡・歌曲の声楽家・中川速男さんのライブで、春の夜、素晴らしいひと時でした。

在札幌ロシア連邦総領事・ワシーリ・サープリンさん

在札幌ロシア連邦総領事 ワシーリ・サープリンさん(Vassili Saplin)

 中川さんの唄、特にトロイカの原曲、「郵便トロイカが走る:http://www.youtube.com/watch?v=ODrd6jSYwHQ」は、何と悲しいストーリーだったことか。最後の「鶴:http://www.youtube.com/watch?v=FoVMFCJ6pyY」も良かったですね、重厚な中に物悲しさが漂い、ロシア文化の奥行きを感じる素晴らしい歌声でした。

 ロシア民謡といえば、カチューシャ(http://www.youtube.com/watch?v=IHlq_P5CI18&feature=related)、赤軍合唱団(http://www.youtube.com/watch?v=lsUP8YusEg0)でしょうか。

 サープリンさんのお話は、17世紀からカムチャツカ・サハリンに交易目的でロシア人は来ていた歴史に始まり、「赤蝦夷」と呼ばれた「赤」は、コサックの赤い服からそう呼ばれたこと、その後しばしばカムチャツカ知事の交易状を携えて北海道に寄港している事実等でした。ラクスマン、ゴローニンも函館を訪問しています。1855年下田条約締結により、長崎・下田・函館にロシア領事館が開設され、函館の初代ロシア領事はゴシュケヴィッチでした(http://orthodox-hakodate.jp/history)。函館港は不凍港として重宝がられ、軍艦・商船が来航して、北海道の国際交流は、ロシアとの歴史が最も古いのでしょう、少なくともアメリカとではないようです。

 それ以来、北海道はロシアの窓口となり、独自の交易を始めていました。今、ロシアは、2008年の経済危機を乗り越え、日本ともっと深く新しい交流の可能性を期待しているようです。LNG等のエネルギー、IT、科学技術、建設技術、農業(特にサハリンで)分野でですね。平和条約は難しくても、「北方四島を特別区で共同開発」といった具体的提案もありました。

 3・11を経て、全く新しい露日関係構築の絶好の機会であると結ばれました。今回の締めの乾杯、私は近くのテーブルにあった特上ウォッカのストレートでした。芸術・文化の厚みを感じたひと時、しばしテクテク歩いて余韻を楽しみ、家路に着きました。

The Earth Cafe Project

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 秋山財団の「ネットワーク形成事業」の一つだったテーマ(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema04.html)の中で、アースカフェ・プロジェクト(http://earth-cafe.jp/)は潜在力を秘めています。今年3月で3年間の助成は終了し、今年度以降はこれを基盤に引き続き発展しています。

 昨年のアフリカ・マラウィでの研修旅行(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3435)もその一環でしたが、今年2月末に、中国農業事情ツアー「The Earth Cafe in China」を実施し、報告会が北大ビジネス・スプリング(http://www.smrj.go.jp/incubation/ho-bis/054214.html)で開催されました。札幌駅南口方面からタクシーで会場に向かうと、エルムトンネルをくぐり抜けて右折、さらに右折、入口は厳重なオートロック、会議室内にたどり着くのは大変でした、余程の「機密」が充満しているのでしょうね(?!)

 私もこの中国ツアーに参加したかったのですが、日程的にかなわなかったので、せめて報告会だけでもとの思いで出席し、その場には直接農業に従事する方々ばかりでなく、農業に関心のあるさまざまな立場の関係者が集まりました。それぞれプロの視点から、見学先のコメントは興味深かったですし、農業だけでなく、中国の食や経済などにも踏み込んだ報告も面白かったです。

 経済成長が著しい大国中国。食料需要が増え食料輸入国に転換し、日本にとって貿易相手国として最大となっていますし、今後、国内農業生産性の改善など課題も多く、日本にとってもその存在感は大きなものになっています。さらに今回の原発事故で、これまで比較優位性を強調していた日本の食糧の「安全・安心」が、国際社会で大変厳しい局面に至っていますし、今後も長期間懸念されます。

* 北京郊外の温室は、イスラエルからの技術導入

* 肥料は「液肥」でミネラル主体

* 消費者を収入で5段階に選別し、それぞれ異なった販売戦略

* 「有機認証」は、オランダ・ドイツからの導入で「国際水準」と言っているが、どこまで信頼できるのか、国内認証として「緑品認証」というのもある――日本の認証の優位性はある

* 「富裕層」といっても、ビジネスで成功した訳でもない、不動産バブルによる20~30歳代、中国共産党幹部、香港に親族を持ち留学してきている一群(会社設立しての財テク、等)も多い

 

 この「アースカフェ・プロジェクト」は、(株)リープス(http://www.leaps.jp/)の鈴木善人社長がリーダーとなってここまで積み重ねてきていて、彼は、スマート・サポート(http://la-classy.net/)事業でもチャレンジをしています。日本の得意「技術」を組み込んだ新しい製品で、世界に貢献するポジショニングをつかみたいですね。詳細報告はこちらで(http://earth-cafe.jp/?p=911)。

 報告会終了後の交流会では、今の原発事故による土壌汚染、農作物被害等についても、貴重な意見の数々を聴くことができました。3・11以降の日本における食ー農分野の北海道の価値について、私たちはもっと真剣に議論する必要がありますね。東北復興政策が本格的に稼働していくと、これまでの「北海道開発予算」の振り向け・削減は、大幅なものになる予測をしなければなりませんし、すでに建設分野では重機・トラック・労働者でその動きが出ています。勿論、私たちは東北支援の気持は必要ですが、それ以上に、足元の北海道産業の行く末をしっかり見据えた展開を組み立てておかねばならないと思います。

札幌開府の槌音!!

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 北海道経済同友会の今年度総会があり、引き続きの例会では、北海道神宮(http://www.hokkaidojingu.or.jp/)の吉田源彦宮司のご講演でした。札幌開府の歴史を、担った人々をご紹介しながらの視点で面白かったです。

北海道経済同友会例会での講演

北海道経済同友会例会での講演

北海道神宮・吉田源彦宮司

北海道神宮・吉田源彦宮司

 特に、開拓使設置以前の北方探検・松浦武四郎(伊勢の国出身)の功績、さらに吉田宮司の著述には、「北海道の歴史は浅い」という従来の通説ではなく、「先住民アイヌ民族の文化が永い間維持されてきていて、北海道の大自然というものを今日に伝えてきた」と記されています。

 新政府は、諸外国の圧力に危機感を持つ佐賀藩主・鍋島直正を蝦夷開拓督務に命じ、島義勇(よしたけ)、松浦武四郎らを蝦夷開拓御用掛に、その後、鍋島は明治2年に開拓使設置とともに開拓使長官、島は開拓判官に任命されました。

神宮境内の島義勇(しまよしたけ)開拓判官像

境内の島義勇(しまよしたけ)開拓判官像

 島判官は、「札幌本府建設」、「大友堀(現在の創成川)」、「大通り」、そして「開拓三神の鎮齋:http://www.hokkaidojingu.or.jp/history.html」等で大きな功績を残しましたが、その後は必ずしも陽のあたる一生ではなかったようです。今も命日の4月13日には、佐賀にゆかりのある方々が参列して、北海道神宮で祭祀が執り行われています。

 さらに、北海道開拓に心血を注ぎ、偉大な業績を果たした功労者三十七柱をお祀りしている「開拓神社」の説明もあり、開拓神社大神輿、子ども神輿の由来も知ることができました。

開拓功労者37柱をお祀りする開拓神社

開拓功労者37柱をお祀りする開拓神社

 5年前でしたか、秋山愛生舘の発祥の地、「札幌市中央区南1条西5丁目」が属する「本府連合町内会:第一祭典区」が、10年に一度の北海道神宮の年番となり、私も総務部の一員として活動しました。190万人の大都会となった札幌のマチ中を渡御するのは大変ですが、札幌の6月の風物詩として、今も続いています。思い出します、その時の連日の「直来(なおらい)」を。「ハレ=祭」から「ケ=日常」への移行期、「直り合う」意味でお供えを頂く、そう言った意味だそうです。

 儒教・仏教が伝来して後に、「神道」という言葉が生まれ、古代より日本は、本来「まつりごと」として、祭政一致の歴史だったとお話されていました。

 ほぼ毎日通っている北海道神宮境内、お話を伺ってから、また一味違った心持で歩いています。

アメリカのテレビ番組から

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 話の分かりやすさ、情報の根拠の明確さ、そして同時に説得力、どうして日本の場合は、こう言ったしゃべりになってこないのでしょうか?ラルフ・ネーダー、健在ですね(http://democracynow.jp/video/20110318-2)!!

日本の「原子力資料情報室:http://cnic.jp/」は、震災直後から原発事故に関して情報発信を続けています。

情報発信の一元化は解決策?

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 東日本大震災関係、とりわけ福島原発事故に関するマスメディアの公的(?)情報源は、これまでの様子から見ると首相官邸をはじめ安全委(内閣府)、保安院(経済産業省)、東京電力の4つのようですね。以前から、この4つの異なった情報源から発信されることにより、一つの事実に対して4者の説明が食い違ったり発表のタイミングずれる等、情報の「混乱?」を広げる要因をつくっている、とマスメディアは報道していました。

 それを受け止めてかどうか、昨日、情報発信の一本化が始まったようです、経過は以下の通り~~~~~~

 細野豪志首相補佐官は21日、福島第1原発事故対応をめぐり、東京電力や経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委員会がそれぞれ実施している事故に関する記者会見を、25日から一本化するとの方針を明らかにした。東日本大震災に関する政府と与野党政策担当者の実務者会合で報告した。事故に関する説明が食い違うなどの問題点が指摘され、一本化を求める声が上がっていた。 

 細野氏は政府と東電の事故対策統合本部で事務局長を務めており、会合で「私が統合本部として情報を整理し、それぞれの担当部門に報告してもらう形にする」と説明。会見場所は東電本店とする方向で調整している。

~~~~~~~~記事おわり

 本当にこれで情報発信の強化、海外からの信頼回復等の目的は達するのでしょうか、最初の会見場面をテレビで見て、むしろ大いなる危惧を持ちました。なぜなら、これまでの一連の混乱は、非常時におけるリーダーシップの欠如と情報内容のあいまいさにあるわけで、その解決策としては、「命令指揮系統の確立」と「情報の整理と一元化」なのだと思います。決して「情報窓口の一元化」だけでは解決はしないし、それどころか情報操作・隠ぺい体質の強化にもつながりかねません。記事にある「一本化を求める声」の主語は、政府?保安院?東京電力?マスメディアの記者たち?、誰なのか分かりません。

 昨日の記者会見、ひな壇に並ぶ人の多さをみると、国会の答弁に控える官僚まる出しで、とても国民に対して正確な情報発信をしようとする意欲は伝わって来ません。4者が一堂に会することにより、逆に黙っている時間が許される緊張感の無い「いつもの場」となってしまうのですよ。地域での出前講座で、一つのテーマにも関らず担当部署の連中がズラッと並ぶ役所的対応を思い浮かべます。一同に会しても、結局は自分への質問に答えるだけのために座っている多くの関係者たち。ここは細野豪志首相補佐官に頑張って頂かなくてはなりません。

 要するに最優先課題は、「命令指揮系統の一本化」と「リーダーシップ・フォロアーシップの確立」であり、その具現化が「情報発信の一元化」という手段ということだと思います。やらなければならないことを間違ってはなりません。私たちは引き続き、ここからの情報を「監視」し続けると同時に、インターネット等で発信される一貫した識者の言にも耳を傾ける必要があります。

 

 似たような危険性を、違ったテーマではありますが、朝日新聞(4月24日)掲載、小沢昭一さんの「シブトク立ち直って」から読みとることが出来ます。

~~~~~~~~~~引用はじまり

敗戦後は日本中が「茫然自失」の状態でした。昨日までの価値観が根底からひっくり返って、ただ「茫然」とするだけじゃなく、自分の存在の根拠さえ失った「自失」だったわけです。昨日まで「鬼畜米英」なんて言っていたのが、ガラリと変わってアメリカ礼賛の「民主主義」「自由」なんです。世の中、信じられなくなっちゃった。

当時は「みんなで頑張ろう」なんてかけ声もなかった。みんな焼け跡で、今日を生きることで精いっぱい。てんでんバラバラに頑張るしかなかった。

それまでの「一億一心」から、正反対の「てんでんバラバラ」。この「てんでん」というのは、個人一人ひとりの「自立」なんです。そのてんでんを深めよう、バラバラを深めようと、急に切り替わった。でも、バラバラの価値観をどう深めていくか。それは大変でも、そのために戦争という大きな犠牲を払ったわけですからね。

戦後はみんなが何もかも失って貧しかった。でもその代わり「自由」なるものを味わって、これにすがりつこうと思い、みんなが希望を持った。

「今日一日の食うものもない貧乏暮らしだけれど、今度こそ貧乏をバネに俺の好きな生き方をしよう」「大変だろうけど、やってみようじゃないか」と、一人ひとりが独立心を持った。後に私の唱えた「貧主主義」が芽生えるのです。

今回、「一致協力」とか「絆」なんてことが強調されるのが実はちょっと心配なんであります。いつかまた、あの忌まわしい「一億一心」への逆戻りの道になりゃしないかと、そんな気がするんですね。だから私たちの世代には「絆」ってのはちょっと怖い言葉なんです。耳にタコで、こりごりしてる。でも若い人たちには初めての新鮮な言葉なんでしょう。いつの間にか意味がすり替わらないように、気をつけなくちゃいけませんよ。

東北の皆さんはみんな我慢強く、ねばり強い。それだけじゃなくて、実は底抜けに明るいユーモアの心もお持ちなんです。大変でしょうが、持ち前のたくましさでシブトク立ち直っていただきたいと祈っております。~~~~朝日新聞より引用おわり

 

 「みんなで頑張ろう」、「こころは一つ」という言葉も、誰が言うか、誰から言われるかが重要であり、受け手としての「自立した個」が大前提なのだと思います。昔から小沢昭一さんのラジオ番組(http://www.tbs.co.jp/954/ozawa/)は味が有りますが、先日のメッセージを読んで、「見通している人物でただ者にあらず」と感じました。

 本来の意図する所を外さないかどうか、信念をもって見続けなければなりませんね、今の時期!

孫正義氏の記者会見

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 「エネルギー政策の転換に向けて」と題し、ソフトバンク(http://mb.softbank.jp/mb/customer.html)社長・孫正義氏の記者会見が、22日、自由報道協会http://fpaj.jp/)主催で行われました(http://fpaj.jp/news/archives/2500)。東日本大震災の復興プロジェクト例「東日本ソーラーベルト構想」、「自然エネルギー財団」創設について、統計・分析を交えて大変分かりやすいですね。説明の後、質疑応答も行われました。

 経営者の話は以前から分かりやすいものと思っていましたが、この説明はデータに基づき、殊のほか明解です。「そんなことを言っているより、早く回線の復旧をやれ」とクレームの嵐の中、上場企業経営者がこのような論点で記者会見する勇気に、経営に身を置いていた私は敬服します。

* 世界のすう勢、原発建設に対する誤解、寿命の認識不足

* 発電量と原発建設との矛盾

* 安全基準の見直し、代替エネルギー

* 原発コストの不透明さ(事故の追加コスト、保険等が含まれていない)――説明義務を果たしていない

* アメリカでのコスト構造の変化

* 自然エネルギー導入の真剣な検討

* 知ってしまった人間としての責任ーー「知って行動しなきは罪である!」、若い世代への責務、避けて通れない課題

* 2011年、エネルギー政策転換の年

* 「自然エネルギー財団」の設立趣旨

 

25日に追加分: 高い放射線量で苦戦する現場作業には、60歳以上の元技能者・技術者たちの志願が始まりました(http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1975)。若い世代にはやらせたくない、今こそ、日本国民・世界のために覚悟を決めた方々です。「福島原発暴発阻止プロジェクト:http://park10.wakwak.com/~bouhatsusoshi/」というそうです!

忘れられない中谷さんの言葉

Posted by 秋山孝二
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 30数年前の原子力発電に関係する書類を読む一方、当時から反原発活動に関わった方々の話を個別に聴く場面では、今、多くの方が、「手がけた反原発運動の不徹底さを悔いている」と、今回の大事故を目の当たりに苦渋の表情で語っています。すべてが主張してきた「想定内」の出来事であるからにほかなりません、普通はその通りになるのは喜ぶべきことなのですが・・・・。

 1979年のアメリカ・スリーマイル事故を受けて、80年代には日本でも原子力発電を不安に思い、反対する多くのごく普通の市民がたくさんいました。小学校の保護者会等でも、子どもの将来を気遣う自然な気持として、原発問題について語る雰囲気もあったと聞きます。次第に時が経ち、「原発推進」と「原発反対」が鋭く対決する情況の中で、「反原発」は政治マターの範囲に限定されていき、何かごく普通の場でまともに議論することを避ける風潮となってしまったのではないでしょうか。変わらず原発への疑問を語り続けていると、ある種の「変わり者」として疎外されるような。

 そして、このような「時代」の推移で、推進勢力のパブリック・アクセプタンス(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8003)の影響もあり、教育現場でも当たり前に、原子力発電のリスク・恐怖について、むしろ昭和20年・30年代に教えられたよりもはるかに少なく、「避けてきた話題」となり、「教育の敗北」を感じるのです。

 

 私はこのところ、繰り返し思い出しています。この欄にも書き留めましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1485)、一昨年6月に、ポーランドのアウシュヴィッツ収容所を訪問し、現地のただ一人の日本人ガイド・中谷さんのお話を伺った時の言葉です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

* 日本の平均的教育レベルの高さに期待している。ただ極限状態に追い込まれた時に、どの程度理性的に行動し得るのか、人間の本生の赴くままになってしまうのか、それが今もこれからも問われるのだろう

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ビルケナウで、「何と残酷な」、「どんな種類の人間がこんなことを実行できたのか」とかのやり取りの最後に、彼が私たちに向かっての言葉だったと記憶しています。

 今回の大震災で被災した人々に象徴される「日本人」への国際社会の報道は、「暴動等もなく秩序を保った」、「忍耐強い」等、大変な称賛で溢れていました。ただ、先月末の東電原発汚染水の海洋への漏えい、意図的投棄以降は、「日本国」への評価は大変厳しいものになっていることを、しっかり認識すべきでしょう。

 極限状態に追い込まれた時の行動、私は日本人の「耐えるレベル」、「理性的」には確信を持っていますが、むしろ、「集団の雰囲気を過剰に忖度(そんたく)する精神構造」、「他者への過剰な遠慮」に、大きな社会不正義を見過ごす、結果的に容認してしまう、弱さを危惧します。「主張することを躊躇する弱さ、勇気の無さ」とでも言うのでしょうか。中谷さんがおっしゃった「問われる」とは、私を含めた日本人の「勇気の無さ」なのではないかと、今思います。憲法に書かれている「人権」を、本当に市民社会のものにする活動を躊躇してはいけないのでしょう。

 

 昨日、北海道経済同友会の幹事会が早朝に開催されました。今までになく多くの役員の方々がお集まりになり、会の終り頃に北海道電力の経営幹部から、今回の東電福島原発事故の報告と、北電泊原発の安全性についての説明がありました。これまででしたら、恐らくただ黙って説明を承ってといった雰囲気だったと思いますが、昨日は明らかに違っていました。

 私はこう発言しました。汚染水海洋投棄以降の国際社会の厳しい視点から、今後の原子力発電継続の難しさ(停止・廃止)を勘案し、比較的電力供給では余裕のある今こそ、企業系・家庭系の北海道的節電・ピーク時削減プラン或いは議論を提案すべきではないか、と。やり取りはその後、「危険度の高い浜岡原発はすぐに停止すべき」等、各産業セクターの経営トップもかなりの危機感を持っている様子でした。エネルギー問題は、今や全ての日本で活動する人々が当事者であることを実感しました。

 ある出席者は、会議終了後に、節電等にはその動機が大切で、今回の場合は、北海道の節電分を、今の60万キロワットの本州への支援を大幅に増やすことに使うといったストーリーが良いのではないか、とおっしゃっていました。北海道民による福島支援の具体的方策としての節電・ピーク時削減プランとして、勇気を持って北電がこう提起して、企業・道民がムーブメントを起こすのは如何でしょうか。

30年以上前に、すでに「想定内」

Posted by 秋山孝二
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 我が家の書棚に、30数年前の「原子力発電とはなにか・・・、そのわかりやすい説明」<第三版>を見つけました。その「まえがき」から順番に読み進めてみると、あらためてこの数十年間の反原発活動の重みを感じます。今、目の前に起こっている現実すべてが「想定内」であることに加え、まえがきを読むと分かりますが、推進側、反対側の双方の問題点を的確に指摘しています。これらを「反原発」と一括りにして本当に宜しかったのでしょうか、この辺りからすでに推進派(通産省・学者群・産業)のプロパガンダが始まっていたことを見逃してはいけません。

家の書棚にひっそりと

家の書棚にひっそりと

まえがきには

まえがきには

その2

その2

 今回のまだ進行形の大事故を教訓に、飽くなき議論を戦わさなければなりません。企業系・家庭系双方のセクターにおいて、「需要」としての節電・ピーク時削減の具体案、「供給」としての当面の原発の安全性担保と代替エネルギーへのシフトです。

以下は引用です。
~~~~~~~~~~~~出所(枝廣淳子さんの環境メールニュース http://www.es-inc.jp

「原子力か、化石燃料か」ではなく、「原子力でも化石燃料でもない世界」への
移行は可能です(「ただちに」ではないですよ。「ただちには無理」だからといっ
て否定する必要もないですよね? 30年後、50年後にどうなっていたいか、です)

そのための技術開発も実用化も、日本でも世界でもぐんぐん進んでいるのは、本
当に心強いことです。

去年、日刊 温暖化新聞の「エダヒロはこう考える」コーナーで、こういうご紹
介をしています。

2010年06月02日
原発10基分!日本の洋上風力発電の可能性と取り組み
http://daily-ondanka.com/edahiro/2010/20100602_1.html

最近の日刊 温暖化新聞の記事を見ていても、各国/世界の再生可能エネルギー
・シフトの元気な足音が聞こえてきそうです。いくつかご紹介しましょう。見出
しだけでもわくわくしてきますよ。ニュージーランドでは電力の4分の3近くを
自然エネルギーでまかなっているって、ご存知でしたか?
2011年04月07日
IEA報告書:ニュージーランドの再生可能エネルギー発電、2009年は73%
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110407_1.html

2011年04月04日
オレゴン州全域でクリーンエネルギーワークス計画始動、雇用創出と省エネに期待
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110404_1.html

2011年04月02日
持続可能な方法で生産されたバイオ燃料の認証システム、始動へ
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110402_1.html

2011年03月30日
英スコットランド政府、世界最大の潮流発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110330_1.html

2011年03月22日
2010年、独の再生可能エネルギーの割合は17%へ、雇用は37万人へ増加
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110322_1.html

2011年02月21日
カナダ政府、ディーゼル燃料と暖房用燃料に再生可能燃料の含有を義務付けへ
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110221_1.html

2011年02月19日
米国内務長官とエネルギー長官、大規模な洋上風力イニシアチブを発表
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110219_1.html

2011年02月16日
英国、新たな職業技能アカデミーでグリーンな未来の構築を後押し
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110216_1.html

2011年02月08日
米国:NOAAの気象・気候情報を利用して再生可能エネルギーを推進
http://daily-ondanka.com/news/2011/20110208_1.html

2010年12月30日
米エネルギー省、世界最大級の風力発電プロジェクト融資保証を最終承認
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101230_1.html

2010年12月27日
豪政府助成金により太陽光発電を導入する学校が増加
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101227_1.html

2010年12月22日
英ロンドン、市バス用に導入する水素バス第1号を発表
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101222_1.html

2010年12月20日
米国、クリーンエネルギーに関する輸出振興のためのイニシアティブを開始
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101220_1.html

2010年10月01日
世界最大の洋上風力発電所、イギリス海峡で正式に始動
http://daily-ondanka.com/news/2010/20101001_1.html

2010年09月15日
米国の各プロスポーツリーグ、競技場で太陽エネルギーを利用
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100915_1.html

2010年07月10日
オーストラリア、クリーンなエネルギーの将来に向け前進
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100710_1.html
2010年06月21日
オバマ大統領演説、クリーンエネルギーへの速やかな移行を呼びかけ
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100621_1.html

2010年06月16日
米国:2009年の小型風力発電装置販売は15%増、世界の約半分を占める
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100616_1.html

2010年05月14日
米内務省、マサチューセッツ州沖合の洋上風力発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100514_1.html

2010年05月12日
米国の太陽エネルギー、2009年も堅調な成長
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100512_1.html

 

日刊 温暖化新聞でも、エネルギーシフトへの足音が聞こえる記事がトッ
プに出ています。どうぞお楽しみに~!
http://daily-ondanka.com/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり

 チェルノブイリ事故後、ベラルーシの汚染地域のある村に住む農民は語っています。

 「人々はパンを食べる。わたしたちは放射能を食べる。国は遠くに去っていった。わたしたちはこの地に、踏み留まっている。もしロシアを捨て天国に生きよ、といわれたら、私はいう。天国はいらない、故郷を与えよ、と」

 余震は、日本人への更なる警告のような気がします、「まだ気がつかないのか!!」という天からの声として。

博多の余韻、「自由人の十戒」ほか

Posted by 秋山孝二
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 今年の経済同友会全国フォーラムは、福岡で「緊急日本復興会議」となりました。15日のこの欄に掲載した大前研一氏講演の最後に、今の状況で、新たに輝く英国人哲学者、バートランド・ラッセル卿の「自由人の十戒:http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/DECALOG.HTM」が紹介されていました。

 その第9番目、「たとえ真実が不都合なものであったとしても、どこまでも良心的に真実であるべきである。なぜなら、もしあなたが本当のことをかくそうとすると、もっと都合が悪いことになるからである」。今、東京電力の経営トップに提起したい言葉です。これまで彼らの発言からは、顧客である「市民」へのメッセージが全く届いて来ません。ただひたすら、「原子力村」を守ろうとする醜悪な姿を多くの国民は看破しています。

 バートランド・ラッセル卿はノーベル文学賞にも輝きましたが、1955年7月の「ラッセル・アインシュタイン宣言:http://www.pugwashjapan.jp/r_e.html」では、核兵器廃絶を明確に世界に宣言しました。3月の東日本大震災・原発事故を受けて、私たちは私たちの立場から行動を起こしますが、今後のエネルギー政策において、現存する科学者たちは転換を迫る「勇気ある」行動を期待したいですね。

 

 もう一つ、被災地の岩手県、宮城県、福島県の方々の現状報告をお聞きして、それぞれ「固有の復興モデル」があるように思いました。すなわち、岩手県は水産業の復興、宮城県は水産業と稲作を中心とした農業復興、福島県は原発見直しによる復興です。それら全てに共通するのが「食を支える日本の第一次産業の復興」であり、21世紀の日本社会・地域の生きる道筋を示しているように思えます。北海道もこれを契機に、一層の「食ー農」の取り戻しとイノベーションの大きなムーブメントを興したいものですね。

 博多のマチは、新旧が同居していて、人々は元気でした。

櫛田神社で

櫛田神社で

福岡タワーから西を臨む

福岡タワーから西を臨む

「博多町屋」ふるさと館

「博多町屋」ふるさと館

カナルシティで

カナルシティで震災応援

「緊急日本復興会議」、福岡で開催

Posted by 秋山孝二
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  昨日福岡で、「第24回全国経済同友会全国会議」が、1000名以上の登録で開催されました。毎年4月に2日間、全国各地で持ち回りなのですが、今年は3月11日の大震災があり、急きょ日程を半日に短縮し、テーマも「緊急復興会議」として行われました。第二次世界大戦直後に、83名の経済人でスタートした「経済同友会:http://www.doyukai.or.jp/about/」に相応しく、現在的意義を見出そうとの意欲的な取り組みでした。

経済同友会全国会議、福岡で開催

経済同友会全国会議、福岡で開催

  大前研一氏「震災復興とこれからの日本」の特別講演は、有料インターネット番組「ビジネス・プレーク・スルー」の内容でしたが、彼が、原子力のバックグラウンドを持っているとは知りませんでした。海外の情報把握は的確で、当初極めてシンパシーを寄せていた国際社会が、東電による「汚染水の海洋投棄」を契機に一変して厳しくなり、今、日本の良識が問われていると警告していました。本来、「海洋」は世界共有のものであるはず、日本の責任として汚染水は自国に閉じ込めるのが世界の常識と(http://www.youtube.com/watch?v=9MfteXqFHzM&feature=relmfu)。

 以下の3回はオープンになっていますので、会員以外でも見ることが出来ます。

 *3月13日(http://www.youtube.com/watch?v=U8VHmiM8-AQ&feature=relmfu

 *3月20日(http://www.youtube.com/watch?v=2RztR0sRWk8

 *3月27日(http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY&feature=related

大前研一さんの講演

大前研一さんの講演

 

 続いて、被災地代表の経済同友会会員と有識者メンバーでのパネルディスカッションもありました。ロジスティックスの仕組みが構築されていないことの指摘等、緊迫した報告は大変新鮮でしたが、「道州制の先行モデルとして、東北復興を!」との提言では、中央左側の現地の方々と、やや距離を置く右側の方々との臨場感の違いも印象的でした。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

 数回前にこの欄でも書き留めましたが、経済同友会では昨年11月に「2020年の『日本創生』:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7320」の提言もしています。

 昨日の会議では、最後に経済同友会として「緊急復興アピール:http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2011/110414a.html」を「満場一致(?)」として採択しましたが、私は今後のエネルギーの原発の扱いについて、全く賛同出来ませんね、何かの機会にその旨を表明しようと思っています。これまで担ってきた日本の企業経営者は、やはり「過去を引きずる」しかないのかと、かなり失望しました。「復興」には、新しい担い手が必須です。

風評被害?

Posted by 秋山孝二
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<大地震、今、感じること(9)>

 「風評被害」と、このところマスメディアには氾濫していますが、この言葉、責任の所在をそらす意味合いがあります(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8003)。

 この状況で国(総務省)がこれはないでしょう(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000023.html)、中国・北朝鮮と同じになってしまうではありませんか。原因は、責任ある当局・当事者が、市民に届くメッセージをしっかり発していないことに尽きるのですよ。たくさんの情報の中から選ぶのは市民です。提供する側を抑制しようという発想は、「民主主義国家」のすることではありません。

 メッセージを届ける使命はマスメディアの最上位の仕事です。にも関らず原発関連記者会見におけるあのだらしなさはひどいですね。過去の雪印食品・ミートホープ等の食品事件で、社長をあれだけ追い回したマスメディアの、今回の東電トップへの弱腰は一体どう説明するのでしょうか。

 一方、海外メディアの取材に、日本を代表する経済団体の最高責任者が、このメッセージもないですね(http://jp.wsj.com/Japan/Companies/node_217459)、特にこのやりとり~~~~~~

WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル):東電は甘かった?

米倉氏:甘かったということは絶対にない。要するにあれは国の安全基準というのがあって、それに基づき設計されているはずだ。恐らく、それよりも何十倍の安全ファクターを入れてやっている。東電は全然、甘くはない。

~~~~~~~~~~ 

 こんなコメントをしているから、海外でも「日本不信」の風評被害(??)を招くのですよ、本当に民間企業の「経営」を経験してきた方なのでしょうか、誰のための企業か、経済団体は社会に対して何をする責任があるのか、全く理解していない、何とも情けない、「恥を知れ!」です。

 本来担うべき立場の方々・マスメディアが、ことごとくその機能を果たしていない、その任に相応しい能力・勇気を備えていない質的劣化であり、「3・11」を契機にこれまでの日本を変えなくては、亡くなった方々の「いのち」に対して申し訳ありません。つい先ほど、テレビに出ている学者が、「もう一度『原子力』にチャンスを与えて頂きたい」と発言していました、コメンテーターは沈黙です。学者の前に人間であるはず、「怒り」、「憤り」を忘れた日本人は総退陣して貰いましょう、「情けない」の一言ですね。

 インターネットに数々の貴重なサイト・ブログ(http://fpaj.jp/news/http://lucky2009.cocolog-nifty.com/blog/)があるから、市民はギリギリ納得出来ている状態です。記者会見に出席していながらロクに質問もせず、ただ垂れ流し情報だけを報道するのは、もうやめて頂きたいものですね。「報道の自由」を叫ぶのであれば、市民への情報提供という使命感に基づいた姿勢で、プロの仕事をして貰いたいものです。

 「計画停電」で一つ提案し忘れていたことがありました、テレビを中心とした下らない番組を「無期限」でやめることです。

 今の時代を生きる市民の、情報を取りにいく意欲・力をなめてはいけません。グローバル情報社会の底力を「風評被害」で片づけているその風潮が、今、終わりを告げようとしています。