ヴォーゲル教授は1958年に社会学博士号をハーバード大学で取得後、2000年に退職されるまで、ハーバード大学において東アジア研究所所長、フェアバンクセンター所長、アジアセンター初代所長、日米関係プログラム所長などを歴任され、60年以上に亘り東アジア研究の第一人者として活躍されました。また国家情報会議(NIC)の東アジア・太平洋担当の国家情報官を務めるなど米国の対アジア政策でも重責を担われました。1958-60には日本に滞在され、1979年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版して日本でベストセラーになったのは皆さんご存知の通りです。
ヴォーゲル教授は人とのつながりを大切にされる方でした。ハーバードで直接指導を受けた学生・研究者は勿論のこと、同氏の自宅で下宿しながらハーバードで研究や学業に従事された方々、ケネディスクールの日本人学生を中心に設立したヴォーゲル塾で薫陶を受けた日本の留学生、共同での本の執筆・翻訳者、講演セミナーの主催者、推薦状や就職の紹介に至るまで、個人的な交流をされた方々が日本の政財学界に極めて沢山おられることを、ご逝去を機にSNSやメディアを通じて改めて知ることが出来ました。
ヴォーゲル教授の日米関係で果たされたご功績、同氏が築かれた比類なき人々の繋がり、そしてご恩の数々に対して我々として出来ることは何か、という思いからハーバード・ケネディスクール・クラブ・オブ・ジャパン(HKSJ)有志が中心となり、今回の追悼イベントを発案・企画致しました。イベントでは献花・式典に加えて、故人が研究されてきた日米中関係の在り方についてのシンポジウム、懇親パーティ、オンラインでも繋ぎつつ、ビデオメッセージや生前の故人の画像・ビデオの上映、追悼文集の作成も行う予定です。
今回の追悼イベントは故人にゆかりのある方々やハーバード関係者にとどまらず、日本の政財界のリーダーの方々も対象とする予定です。故人を偲び、功績を称えつつ、日本の政財学界のリーダーが、これから激動が予想される日米中関係にどう取組むべきかを議論し、改めて考えるきっかけを提供することこそ、ヴォーゲル教授の遺志を受け継ぐことではないかと考えます。
ご賛同、ご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
エズラ・F・ヴォーゲル・ハーバード大名誉教授 追悼イベント実行委員会
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◆イベント概要◆
メインシンポジウム『日米中関係の今後を考える』
日時:2022年 2月 8日(火)15:00-18:00
場所:帝国ホテル(東京都千代田区) 『孔雀の間』
参加方法:対面及びオンライン
セッション1『ヴォーゲル先生と日米中知的交流』 15:00~ 16:00
モデレーター:五百旗頭 真(兵庫県立大学理事長)
パネリスト:スティーブン・K・ヴォーゲル(カリフォルニア大学バークレー校教授)
蒲島 郁夫(熊本県知事、東京大学名誉教授)
呉 懐中(社会科学院日本研究所副所長)
船橋 洋一(一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)
セッション2『今後の日米中関係を占う~政治・外交・安全保障の観点から』16:00~17:00
モデレーター:高原 明生(東京大学教授)
パネリスト:秋山 昌廣(元防衛事務次官、安全保障外交政策研究会代表)
呉 軍華(日本総研上席理事)
小嶋 華津子(慶應義塾大学法学部教授)
峯村 健司(朝日新聞編集委員)
セッション3『今後の日米中関係を占う~経済・ビジネスの観点から』 17:00~18:00
モデレーター:グレン・S・フクシマ(元在日米国商工会議所会頭)
パネリスト:瀬口 清之(キャノングローバル戦略研究所研究主幹)
竹中 平蔵(元総務大臣、慶應義塾大学名誉教授、HKSJ特別顧問)
林 芳正(衆議院議員、HKSJ会長)
福川 伸次(元通産省事務次官・東洋大学総長)