2011年3月11日の東日本大震災から早9年が経ちましたが、今年の特集では、NHK総合テレビの原発関連企画が印象的でした。
* https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20200315
東京電力福島第一原子力発電所で起きた史上最悪レベルの原発事故を、独自に検証してきたメルトダウンシリーズです。今回は311までの数年間、関係者の間で、津波対策についてどのような議論が行われていたのかを取材し、事故に至る道のりを検証していました。1000ページを超える国や電力会社の内部文書を入手、さらにおよそ100人の関係者を取材しています。東京電力を中心に電力会社の間で、国の「長期評価」をめぐって行われていた会合で、「巨大津波への備え」について各社が交わしていた生々しいやりとりが明らかになり、さらに、当時新たな知見が次々と出ていた過去の巨大津波「貞観津波」についても、規制当局の保安院、研究機関、電力会社、地元自治体などの間で行われていた詳細なやりとりも見えてきました。事故前に具体的な津波対策を実施することはできなかったのか?原発の安全審査に関わっていた中心的人物などのインタビューを交え、9年たって見えてきた新事実を描き出していました。
NHKのアーカイブスの厚みというか、継続的取材を続けてた山崎記者に拍手ですね。第二次世界大戦の日本の軍部に通じる隠ぺい体質に、あらためて日本の脆弱さを痛感します。今の新型コロナウイルス感染に対処する政府等の姿勢にも同じ匂いを感じる昨今です。