今、あらためて検証しよう!

Posted by 秋山孝二
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 朝日新聞のスクープをきっかけに、マスメディアで福島原発事故「吉田調書」を巡って報道が始まり、9月中旬には政府も公開を決めたようです。それに先立ち、北海道新聞でも一面トップで記事となっています(http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/science/science/1-0043690.html)。「撤退」、「逃げた」といった言葉の問題よりも、私は事故現場、本社・官邸、原子力ムラ、マスメディアのギャップと癒着を検証したいですね、「原発安全神話」の愚を繰り返すことはもう出来ませんから。

 この調書のポイントはこちら――>http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/559967.html

 それとは別に、youtube上にも、2年前に原発事故報道の検証が大変興味深く行われていました。

 「徹底検証!~テレビは原発事故をどう伝えたか?(https://www.youtube.com/watch?v=RiDkLmTeCk0#t=9925」は、当時の報道を振り返りながら、実に多くの問題を私たちに提起してくれます。4時間弱ですが、忘れていた報道を振り返り、テレビに登場した「専門家」たちの呆れる発言を聞き、あらためて無責任構造を炙り出します。「情報が少なく判断が出来なかった」とすぐに弁解しそうな輩ですが、当時このようなコメントをした責任を重く受け止めて頂きたいと同時に、私たち日本国民はそれを免罪してはいけません。

 多くの皆さんには是非4時間じっくりご覧頂き、今後のマスメディアの検証にお役に立てて下さい。そして、「専門家」と言われる研究者たちが如何にいい加減な連中であり、それらを番組に登場させているマスメディアの体質も見極めておかなければ、今後の教訓と改革に役に立ちません。個々の人間の思考力が問われます。そして、その責任を問い続けなれば、将来に向けた展望が拓けません。

内容の概略~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2012/04/19 に公開

徹底検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?

 福島原発事故から1年が経った。政府の事故調査委員会や民間事故調、国会事故調と、3­つの調査委員会によって、事故直後の東電や政府の対応が徐々に明らかになってきている­。では、その当時、果たしてテレビはどのような役割を果たしていたのか? 311直後のテレビを見続け、分析してきた研究者やジャーナリストらが徹底検証する。

ゲスト

* 伊藤守(早稲田大学メディアシティズンシップ研究所所長)

* 小田桐誠(放送批評懇談会/ジャーナリスト)

* 広河隆一(フォトジャーナリスト/DAYS JAPAN編集長)

司 会:白石草(OurPlanetTV)

徹底検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?
Part1 緊急事態をどう伝えたか?
Part2 避難指示をどう伝えたか?
Part3 1号機爆発をどう伝えたか?
Part4 被曝リスクをどう伝えたか?

テレビは原発事故をどう伝えたのか (平凡社新書) 伊藤 守 http://www.amazon.co.jp/dp/4582856314…
NHK独り勝ちの功罪 (ベスト新書) 小田桐 誠 http://www.amazon.co.jp/dp/4584123594…
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 増刊 検証原発事故報道~あの時伝えられたこと
http://www.amazon.co.jp/dp/B007FSZHDU…

制作:OurPlanetTV
http://www.ourplanet-tv.org

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~紹介 おわり

<幾つかのキーワード>

* 外国メディアと国内メディアの報道の落差、危機感・スピード感の違い、BBCの危機報道姿勢

* 映像と現実とのギャップ~意図的に平穏な時の映像を放映していた

* パニックを恐れて、結局は人命を軽んじている

* 直後より時間が経てば経つほどひどくなる報道

* 人々を人質にして原子力産業を守った

* NHKは「番組」としてばかりでなく、「ニュース」としてもっと速く、早く報道できなかったのか

* 反省の番組を一つも作らない日本のマスメディアの状況

* 研究者(地震、津波、原子力分野)、メディア、政府、自治体等、あらゆる領域で自己検証をしなければならない。どのような取材があったのか、どのように報道すべきだったのか等

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 当時、私はここのブログで今回の検証と同じような感想を述べています、今もその時の意見が間違っていなかったことを確信しています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7807

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7922

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8003

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12165

* 「大地震で、今、感じること」シリーズで: http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%80%81%E4%BB%8A%E3%80%81%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8

 日本の企業は、やはり現場力で今日の地位を築いてきたのですね。東京電力の本社の危機感の無さは、事故直後だけでなく、日頃の経営陣を覆う雰囲気だと思います。そして、3年後の今も、全国の電力会社の経営者たちは一体どれだけあの事故から学んだというのでしょうか。

 一度に4基の原発が爆発事故を起こしその対処に立ち向かっていた吉田所長を想像し、胸が熱くなります。