秋山財団のアウトリーチ活動

Posted by 秋山孝二
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 秋山財団の「アウトリーチ活動」について、つい先日これまでの活動をHP上に掲載しました。

* http://www.akiyama-foundation.org/news/765.html

 思い出してみると、2011年3月11日直後に、私はこの欄でマスメディアと「専門家」について下記のように書き留めており、それ以来ずっと持ち続けている問題意識です。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7922

 特に以下の部分は、その後の展開の中でも変わらず意識を集中していく必要があると思っています。

===========2011.3.20のブログより

 私たち秋山財団では、昨年から「研究助成」の要項に、「アウトリーチ活動」を義務付ける一文を入れ始めました。秋山財団の研究助成を申請する必須要件としての「アウトリーチ活動」です。それ程大げさなものを考えている訳ではありません。ごく普通の子どもたち、市民が、研究者たちが日常使っている専門用語から何を連想するか、どんな心理状態となるか等を、大学教授も若い研究者も、その初期から学びながら研究活動を行うべきだと思います。

 私は数日前の<大地震、今、感じること(1)>で次のように書きました。~~~~~~~~~~

 丁度、今、早朝テレビのワイドショーで、原発の専門家という方が、「すぐに1986年のチェルノブイリ事故と今回の事故を一緒にする人たちがいるが、全く違います!」と、あたかも心配する市民の無知を叱責するような言い方でしゃべっています。

 でも、そうではありませんね。理屈とか理論ではなくて、直接会って知った人々の顔と現実が最も説得力があるのであり、そこから連想する「不安」を払拭できない専門家の理屈こそ、「ニセモノ」と言うものでしょう。歴史的事実、或いは目の前に起きている現実に直面して、社会にしっかりした「安心」を提供できない「専門的知識」とは、一体どんな意味を持つのでしょうか。今こそ、「専門家」としてのこれまでの活動が問われているのです。

~~~~~~~~~~~

 ヨーロッパの方々にとって、「原発事故」は、チェルノブイリ事故なのですよ、研究者がどんなに「それとは違う」と主張しても、そういった認識にある人々への説得力ある説明が前堤だと理解すべきです。タコつぼ的研究、独善的研究に問題提起を与えてくれるのは、子供たち、市民たちの素朴な疑問なのではありませんか。それは自身の研究への余計な労力ではなく、大いに役に立つ価値あるメッセージだと確信します。

============= ブログからのコピー おわり

 従来の自然科学の「専門家」が、切迫した命の課題にどう立ち向かえるのか、先日の「メディア・アンビシャス映像部門大賞」を受賞した「海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸」(NHK)でも、あの時代の科学者と比較して現代の劣化を感じるのは、私だけではないと思います。当時の水産庁長官が外務省局長宛に顧問団の結成と調査船派遣を通告しているのです。見識、矜持、勇気とか、そんな人間としての資質が問われているのだと思います。この番組は、昨年9月に放映されましたが、大好評でリクエストが多く、今週末7日(金)深夜に再々放送が予定されています(http://www.nhk.or.jp/shizuoka/bikini60/blog/index.html

風評被害?

Posted by 秋山孝二
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<大地震、今、感じること(9)>

 「風評被害」と、このところマスメディアには氾濫していますが、この言葉、責任の所在をそらす意味合いがあります(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8003)。

 この状況で国(総務省)がこれはないでしょう(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000023.html)、中国・北朝鮮と同じになってしまうではありませんか。原因は、責任ある当局・当事者が、市民に届くメッセージをしっかり発していないことに尽きるのですよ。たくさんの情報の中から選ぶのは市民です。提供する側を抑制しようという発想は、「民主主義国家」のすることではありません。

 メッセージを届ける使命はマスメディアの最上位の仕事です。にも関らず原発関連記者会見におけるあのだらしなさはひどいですね。過去の雪印食品・ミートホープ等の食品事件で、社長をあれだけ追い回したマスメディアの、今回の東電トップへの弱腰は一体どう説明するのでしょうか。

 一方、海外メディアの取材に、日本を代表する経済団体の最高責任者が、このメッセージもないですね(http://jp.wsj.com/Japan/Companies/node_217459)、特にこのやりとり~~~~~~

WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル):東電は甘かった?

米倉氏:甘かったということは絶対にない。要するにあれは国の安全基準というのがあって、それに基づき設計されているはずだ。恐らく、それよりも何十倍の安全ファクターを入れてやっている。東電は全然、甘くはない。

~~~~~~~~~~ 

 こんなコメントをしているから、海外でも「日本不信」の風評被害(??)を招くのですよ、本当に民間企業の「経営」を経験してきた方なのでしょうか、誰のための企業か、経済団体は社会に対して何をする責任があるのか、全く理解していない、何とも情けない、「恥を知れ!」です。

 本来担うべき立場の方々・マスメディアが、ことごとくその機能を果たしていない、その任に相応しい能力・勇気を備えていない質的劣化であり、「3・11」を契機にこれまでの日本を変えなくては、亡くなった方々の「いのち」に対して申し訳ありません。つい先ほど、テレビに出ている学者が、「もう一度『原子力』にチャンスを与えて頂きたい」と発言していました、コメンテーターは沈黙です。学者の前に人間であるはず、「怒り」、「憤り」を忘れた日本人は総退陣して貰いましょう、「情けない」の一言ですね。

 インターネットに数々の貴重なサイト・ブログ(http://fpaj.jp/news/http://lucky2009.cocolog-nifty.com/blog/)があるから、市民はギリギリ納得出来ている状態です。記者会見に出席していながらロクに質問もせず、ただ垂れ流し情報だけを報道するのは、もうやめて頂きたいものですね。「報道の自由」を叫ぶのであれば、市民への情報提供という使命感に基づいた姿勢で、プロの仕事をして貰いたいものです。

 「計画停電」で一つ提案し忘れていたことがありました、テレビを中心とした下らない番組を「無期限」でやめることです。

 今の時代を生きる市民の、情報を取りにいく意欲・力をなめてはいけません。グローバル情報社会の底力を「風評被害」で片づけているその風潮が、今、終わりを告げようとしています。

大地震、今、感じること(8)

Posted by 秋山孝二
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 放射能・原子力発電所で思い出すことがあります。

 「放射能」という言葉を初めて真剣に聴いたのは、昭和30(1955)年代だったと思います、もう50年以上前になるのですね。昭和21(1946)年の実験を皮切りに、ビキニ等では13年間に渡って計66回もの核実験が行われ、昭和29(1954)年には人類史上初の水爆実験が推定15メガトン、ビキニ環礁で行われました。この時の「死の灰」を、日本の漁船の第五福竜丸(http://d5f.org/top.htm)が浴びて乗組員が被爆したのはよく知られています。目に見えないけれど、人間の体に大変危険であること、雨が降った時に雨粒に溶けて、地面に落ちたり人の皮膚に着いたりするのも危険と教えられた気がします。雨に濡れると頭がはげると脅かされて、当時まだ幼かった私はすごく怖かったのを覚えています。ウラン、ストロンチウム、セシウム、プルトニウム等の言葉も、その頃から馴染みがあった言葉です。

 二つ目は、今から7年くらい前に、静岡県浜岡原発・原子力館(http://www.chuden.co.jp/hamaoka-pr/)を見学に行きました。実は、そこの近所に住んでいる私の知人夫婦のご案内で、静岡カントリー浜岡コース(http://www.scg.jp/hamaoka/)のクラブハウス・ホテルで食事をしたついでの訪問だったのですが。このホテルは、2002年日韓ワールドカップサッカー大会(http://www2.tba.t-com.ne.jp/tamaro/newpage8-1.htm)の時に、イングランド代表チームの宿舎として使用されて、あのベッカムが泊まったという建物でした。

 原子力館のHPには、「ようこそ、人・自然・エネルギーが出会う情報パークへ」というタイトルに始まり、「私たちの生活に欠かせないエネルギー『電気』、日本の電気の約30%を原子力発電が担っています。浜岡原子力館を中心とする浜岡PR展示施設では、『原子力発電のしくみ』や『新エネルギー』について学べる展示コーナーやジャンボスクリーンのオムニマックスシアター(無料)などがあり、一日中楽しめる施設となっています。みなさんも浜岡原子力館で、『見てふれて科学する』体験をしてみませんか?ご来館をお待ちしております!」と続いています。いまは、「プルトくん:http://www.youtube.com/watch?v=bJlul0lTroY」の方が有名です、異常な神経ですね、これらに関わっている方々は。

 この中部電力原発の危険性は、皆さまもご承知の通りです。図らずも今回の一連の事故で、ここまで足を運ばなくても、世界中の人々が原子力発電の危険性と出会ってしまい、固唾を飲んで状況を見守っています。今すぐにでも、日本政府はこの原発に停止命令を出さねばなりません。

 「お金を掛けて作った建物」という印象で、エレベーターなどもとてつもなく巨大でした。原子力関係予算で建設されたものだろうと容易に推測できましたが、壁に、「阪神・淡路大震災の5倍(?)までの地震にも耐えられます」みたいな標語が貼ってありました。直感的に、「ああ、そうか、それ以内には責任を持つけれど、それ以上だと壊れるのだな」と、いかにもあらかじめ責任を回避する逃げ道のようだね、と一緒に乗っていた人たちと話をしていました。今回の大震災・津波で、いち早く「想定外の地震だった」と東京電力幹部が語った時、私はあの時のエレベーター内の文言を鮮明に思い出しましたね。

 言葉と言えば、今回の一連の事態で「未曾有の」とか、「1000年に一度」とかをメディアで見掛けますが、後に発生する補償に対する「保険金支払い」を意識している様子も伺えます。姑息なプロパガンダに惑わされず、「想定していなかった責任」を企業経営者は負わねばなりませんし、エネルギー「電気」で選択肢のない顧客である国民は、その責任を見逃してはいけません。

 こんな中、今回の悲惨な出来事でも、数多くの「ファインプレー」もしっかり見ておく必要があります。昨日テレビで、宮城県山元町の中浜小学校の建物についての報道がありました。海岸から程近い場所に建っているので、水害を想定して、土盛りした土地に、向きを海岸線と垂直に、廊下の両サイドの大きな窓、吹き抜けにも大きなガラス戸をはめ込んで、いざという時にはそれらのガラスが壊れて水の通り道にする設計だったとか。80名以上の児童を含めた関係者は、全員救助されたとのことでした。過去の歴史から学ぶ姿勢とでも言うのでしょうか。

 一方、NHKラジオ第一では、国際的NGO「Save the Children:http://www.savechildren.or.jp/top/jpn/」の東京本部・津田さんという女性が、被災地の子どもに向けた新しいタイプのボランティア活動を紹介していました。活動それ自体も迅速で素晴らしいですが、彼女の簡潔明瞭な日本語、ラジオアナウンサーとのやり取りが実に清々しく立派でしたね。

 東京電力福島第一発電所(http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html)の状態は一進一退で、予断を許しません。相変わらずのプロパガンダが続く映像系メディアですが、インターネットには腑に落ちるブログ・会見もあり、以前よりはインディペンデントメディアが活躍しています。ボランティアの実情とそれへの提案サイト(http://www.ustream.tv/recorded/13788982)、 当面の緊急対処と同時並行的に、今、具体的な中長期提案(http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_StrategyNo2.pdf )(http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY&feature=related)も始まっています。こちらのニュースサイトも注目です(http://fpaj.jp/)。

 昨日昼過ぎ、札幌市内の小学校近くの交差点で、入学式に向かう新1年生と少し着飾った保護者の方々の姿に出会いました。昔よりランドセルが大きくなったからなのでしょうか、背中一面がランドセルで、地面すれすれを歩く子どもたちを見て、心が少し明るくなりました。あの子たちが大きくなった時、今より幸せな社会でありますようにと、祈るような気持でもありましたね。

大地震、今、感じること(7)

Posted by 秋山孝二
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 もうすぐ大震災から一ヵ月が経とうとしています。数回前にも書きましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7320)、このところ、的を射た発言、感動する番組も増えています。

 経営共創基盤CEO(http://www.igpi.co.jp/)・冨山和彦さんの文章、産業再生機構時代から彼の発言には注目していましたが(http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/person/interview/070424_toyama1/)、朝日新聞(4月2日)のオピニオン「3・11再起」で、「すべては『子どもの為に』」と題するメッセージは心に染み入ります。

・・・・これからの日本再興で一番大切なことは、すべての政策やプランを「子どもたちにプラスかマイナスか」で判断することです。「国は何をしてくれるか」ではなく、「あなたは国の未来のために何ができるか」を問うこと。それを国民に問う勇気のあるリーダーを選ぶこと。だから町づくりも、さらには国づくりも30代までの若い世代に任せたい。50年後にも生きているだろう彼らが、未来を決めるべきです。それより上の世代は、子どもたちのためにどれだけ犠牲になれるか、当然と思っている既得権益をどれだけ捨てられるか、が問われる。年金受給権も、医療保障も、あるいは年功序列や終身雇用も、それが大事です。すべての政策や復興計画は、子どもたちの未来を軸に考えていく。・・・・・

 NHK教育テレビ(4月3日夜10時から)のETV特集「原発災害の地にて~対談玄侑宗久・吉岡忍:http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html」は、原発事故下の福島県にて直近の取材で、大変説得力がありました。福島県三春町の福聚寺住職・玄侑宗久(http://www.genyu-sokyu.com/)さんの言葉の力、近隣住民の元高校教師の放射線量観測データ、避難所の漁師の証言等、東京電力ほか原発関係者を含む諸中央官庁への不信感、自らのデータ蓄積と研ぎ澄まされた判断で行動する自立性、等です。今回「亡くなった命」が生き残った人々へ与えるメッセージをしっかり受け止めて、私たちには新たなより良き社会を構築する使命がある、そう私は理解しました。

 プロゴルファー・石川遼くんの今年の賞金全てを被災者支援への寄付とする報道にも感動しました。ただのパフォーマンスではなく、マスターズトーナメント(http://www.tbs.co.jp/masters/)を間近に控えて、今回の被災者に心を寄せるその姿勢、19歳の人間とは思えいない、いやそれゆえの崇高な志に涙を抑えることができませんでした。自身の成績と金額を連動させたことについて、「こんな時に、ゴルフをやっていていいのだろうかとも考えました、でも復興には長い時間がかかると思う。皆さんと一緒に戦っていく形にしたかった」とインタビューで答えていました、何というプロゴルファーでしょうか。

 昨日、スイスの金融機関の方から連絡が有りました。「日本の原発事故の推移の中で、少なくともヨーロッパの多くの人々は、日本の関係当事者たちの発表に強い不信を持っている」と。爆発当初にアメリカ原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Comission:http://www.nrc.gov/の責任者が語った悲観的予測の通りに事態が進んでいると認識していて、日本の復興により経済が上向きになるのは10月以降ではないか、との観測が定着しつつあるようです。さらにフランスのサルコジ大統領の緊急な訪日も、来年の大統領選挙に向けては裏目との見方が大半とか。

 NRC は3月21日に、福島第一原発事故に関する公聴会を行いました。その中で、NRC は現在、福島第一原発事故に関して、主に3つの活動を行っていることを明らかにしています。1つ目は、日本政府、およびNRC の連携先である原子力安全・保安院に対する支援、2つ目は、情報収集とその情報にもとづく日本国内のアメリカの施設への安全性評価、3つ目は、アメリカ大使館への支援です。

 福島第一原発事故の現状も説明されましたが、日本側から提供される情報は記者会見で発表される程度のもので、NRC が独自の解析を行うに足るものではないようです。「正確な状況を理解することは非常に難しい。情報はときに錯綜しており、技術者が詳細な解析をするために必要なレベルではない。そのため、われわれは最良の理解のための情報を収集するのに多くの時間を費やしている」と、責任者(Executive Director for Operation )のウィリアム・ボーチャード氏は語りました。

 気象庁の事故現場付近の風に関する定点観測情報も、海外からのメッセージの方が迅速で正確のようですね(http://takedanet.com/2011/04/47_afa2.html)、国内ではなぜか急に発表されなくなったのですから。今の情報時代、NHK教育テレビに出演していた福島県三春町の福聚寺住職・玄侑宗久もおっしゃっていましがが、とにかく出来るだけ早く測定値を発表さえすれば、分析等は世界の専門家たちが瞬時に寄せる時代である、と。「Twitter」がわずかの文字数でもなぜあれ程のネットワークを形成できるか、それは個々のメッセージを読んだ人たちが、次々にメッセージを寄せることにより、瞬時にネットワークが形成されていく、質の進化がなされる、そういう時代なのですよね。

 情報制限下の日本社会、「国への幻想」は早々と捨てて、私たちの身の回りのできる活動からやっていきましょうよ!未来は予測するものではなく、創っていくものであることを信じて、です!

原発事故、その後に思う

Posted by 秋山孝二
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<大地震、今、感じること(6)>

 3月もあっという間に月末を迎えています。大変な一月となりましたが、皆さまお変わりありませんでしょうか。

 この間、たくさんの情報がインターネットを通じても得られていて、昔に比べて、一層、従来の「マスメディア」の欺瞞性を具に感じます、大口企業広告との兼ね合いから、圧力による遠慮・自粛とは言え、とりわけ映像系メディアのですね。手元の震災関連の私のメモは、どんどん増えていきますが、月の締めとして、少し書き留めておきます。

 まずは株式市場では、ストップ安になっている東京電力の株価(http://company.nikkei.co.jp/chart/chart.aspx?scode=9501&ba=1&type=year)が、実に正直な動きを示しています。先を読む株式市場で独占企業の株価として、今起こっている現実への対処の不透明性と企業の脆弱なリスクマネジメントへの評価なのでしょう。安易に「国の支援」とかと言う前に、当事者としての社会に対する経営責任をしっかり問わなければなりません。現場の関係者の努力と経営幹部の責任を明確に分離して、経営者の経済的責任、社会的責任を曖昧にしてはいけません。そして、今後の電力供給体制の再構築を早急に議論すべきだと思います。さもなくば、エネルギーに端を発した日本売りの様相を招きます、株価のメッセージは、すでに企業破たんを暗示しています。

 「原発事故」に関して、一部の反原発派の即時廃炉主張に対して、東電・保安院の世論操作に警戒感を持ちますね。まさにこの「機」に乗じて、パブリック・アクセプタンス(public acceptance)活動を変わらず進めています。1)原発事故による「計画停電(実際は無計画停電!)」を、電力不足への不安を煽る材料として逆に市民を恫喝する機能を呈している、2)当面の防潮堤強化、ポンプへの防御強化等により安全性の向上、こんな大災害を乗り切った(?)日本の優れた技術等のアナウンスです。まるで、目の前の深刻な事態が収束したかのようなおめでたさです。

 私は、今回の事故・報道で、東京電力は勿論のこと、マスメディア、経済産業省等は、国民の信頼を失ったと思います。「風評被害」とテレビで繰り返されていますが、ちょっと待って下さいよ、食べ物の放射線の高い数値に不安を抱く行動は、「風評被害」などではなく、市民のごく普通の感覚であり、批判されるべくは曖昧なメッセージしか発していない当事者たちではありませんか。以前、「自己責任」が喧伝された時も、本来は「自分で責任を取る」が、「お前、責任を取れ、俺たちは知らないよ」という意味でメディアで使われたのと同じです。言葉は大切です、巧妙に責任を回避する当事者と、それとスクラムを組むマスメディアを、私たちは見逃してはいけません。

 インターネットを通じてのニュースチャンネル(http://www.ustream.tv/user/videonews.com)で、今回の件で冷静なメッセージを発信しているサイトがあります(http://www.ustream.tv/recorded/13551476)(http://www.ustream.tv/recorded/13552530)。トータル約3時間ですが、正しい現状認識、そして今、私たちが何をしなければならないのかを明示しています。

 こちらも注目すべきサイトです(http://www.youtube.com/watch?v=ovv2__vc-Nk&feature=relmfu)。「ステーション・ブラックアウト」、青森県六ケ所村にも言及しています、集める危険性の指摘です。

 私たちは何をすべきなのか、考えてみました。

1)持続可能な省エネ・節電計画をそれぞれ考え、電力会社に提案し、20~30%程度の節減は不可能ではないことを示す。そして電力会社は、特に、大規模な「計画停電(無計画停電)」については、ライフラインの確保を最優先に、きめ細かく優先順位を決めて周知すること。情報が集中している独占民間企業の優位性を活かして、早急にプランを示す、これ位できなくては民間企業とは言えません。

2)電力会社は、毎日供給できる電力を広く迅速に知らしめる

3)各家庭は省エネ・節電のライフスタイルへ変更する、昨日の札幌市内、まだまだ緊迫感がありません

4)企業は、これまで原発が止まった時の対処を参考に、一層の省エネ対策を練り直す、それは国際競争力を高めることになる

 これからも補償に幾らかかるか分からない原子力発電を続けるのか、膨大な安全対策をしながら活用し続けるのか、それがクリーンで安価な電力なのか、電力会社が民間企業と言うのなら、自らの力で冷静に検討をすべきではないでしょうか。社内では、「自分たちは国策に沿って事業を進めただけ、むしろ被害者だ」という雰囲気もあるとか。驚くべき無責任体質です、そう発言してはばからない企業風土が、問題の温床ですし、日頃の経営者の傲慢さではありませんか。

 パブリック・アクセプタンス(public acceptance)と書きましたが、この間の原子力行政推進では、1)反原発メディアに対しての集中豪雨的抗議文、2)小学校低学年からの原発推進のプロパガンダ、3)文化人等を使ってのパブリシティ記事掲載等、多額の資金を使って行われてきています。アカデミックセクターも、本来の「真理の探究」といった視座からではない、無責任で自己保身的立ち位置からのメッセージ発信を続けてきていました、産学官一体のですね。異様な一体感を以前から感じていましたし、今月のメディアに登場する方々を冷静に拝見して、確信を得ました。

 それとこれはまだまだ議論が浅いですが、送電線の国有化とか、安全審査規準・保険料の見直しとか、国レベルで早急に方向性を示す必要があります。

 引き続き予断を許さない福島県での「東京電力原発事故(東京電力の施設であることを明確にする必要があります)」、大変不幸ではありますが、新しい日本のエネルギー政策に向けた貴重な歴史的事実としたいものです、特に若い「いのち」、これからの「いのち」のためにですね!

原発事故報道、アウトリーチ活動の欠如!

Posted by 秋山孝二
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 <大地震、今、感じること(5)>

 危機的な原発事故について、テレビで連続的に報道される楽観的メッセージ、例えば核心を外すNHK解説者のM氏、保安院幹部の後追い記者会見、狭い視野の大学教授等、「これで一安心」、「体に害を及ぼすレベルで無い」、「CTスキャナー一回分以下」等の言葉は、何とも一般市民の心には全く届かないどころか、逆に大きな不安感と不信感をかきたてる結果となっています。今回の事故の放射能レベルを、医療機関のCTスキャナーによるレベルと比較して発表するそのセンスに、あきれてモノが言えません、誰もそれを聞いて安心なんかとは思いませんよ。

 それに比べて自衛隊・東京消防庁責任者の記者会見は説得力があります。実際の現場を踏まえた「危険予知力」の違いではないかと思いますね。今朝、テレビで放水活動に携わった東京消防庁ハイバーレスキュー隊指揮官の記者会見(http://ceron.jp/url/www.youtube.com/watch?v=6Vad16Rlx8U)で、「放射能に関して、十分な知識と理解がある隊員だけに、今回の放射能レベルへの恐怖心が強く、状況への危機感もあった。ただ、今、自分たちの活動が救世主にならなければという使命は十分認識しており、モチベーションは大変高く、今回の目標完遂があった」と、淡々と述べていました。

 日本の原子力・放射線関係の研究者に足りない事は、日頃の「アウトリーチ活動」なのではないでしょうか。「原子力発電」、「放射線管理」、「放射線治療」等における放射能の話を、ごく普通の市民に対して率直に語れる術(すべ)を日頃から磨いておく必要があります。「安全であるため」の説明ではなく、研究自体の説明・お話を、小学生にも分かる形で研究の一環として義務付ける、それぞれの学会の社会的使命として行うことが重要だと思いますし、是非、該当する学会は検討して頂きたいですね。

 私たち秋山財団では、昨年から「研究助成」の要項に、「アウトリーチ活動」を義務付ける一文を入れ始めました。秋山財団の研究助成を申請する必須要件としての「アウトリーチ活動」です。それ程大げさなものを考えている訳ではありません。ごく普通の子どもたち、市民が、研究者たちが日常使っている専門用語から何を連想するか、どんな心理状態となるか等を、大学教授も若い研究者も、その初期から学びながら研究活動を行うべきだと思います。

 私は数日前の<大地震、今、感じること(1)>で次のように書きました。~~~~~~~~~~

 丁度、今、早朝テレビのワイドショーで、原発の専門家という方が、「すぐに1986年のチェルノブイリ事故と今回の事故を一緒にする人たちがいるが、全く違います!」と、あたかも心配する市民の無知を叱責するような言い方でしゃべっています。

 でも、そうではありませんね。理屈とか理論ではなくて、直接会って知った人々の顔と現実が最も説得力があるのであり、そこから連想する「不安」を払拭できない専門家の理屈こそ、「ニセモノ」と言うものでしょう。歴史的事実、或いは目の前に起きている現実に直面して、社会にしっかりした「安心」を提供できない「専門的知識」とは、一体どんな意味を持つのでしょうか。今こそ、「専門家」としてのこれまでの活動が問われているのです。

~~~~~~~~~~~

 ヨーロッパの方々にとって、「原発事故」は、チェルノブイリ事故なのですよ、研究者がどんなに「それとは違う」と主張しても、そういった認識にある人々への説得力ある説明が前堤だと理解すべきです。タコつぼ的研究、独善的研究に問題提起を与えてくれるのは、子供たち、市民たちの素朴な疑問なのではありませんか。それは自身の研究への余計な労力ではなく、大いに役に立つ価値あるメッセージだと確信します。

大地震、今、感じること(4)

Posted by 秋山孝二
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 昨日で今回の大震災発生から1週間、地震・津波・原発多発事故はまだまだ緊迫した状態が続いています。

 昨晩のテレビで、「有識者・専門家たち??」は、相変わらず恥ずかしげもなく「原発に海水が注水されて一安心」、「あの原子炉は古い型だったから」等、まさに無責任な発言を繰り返し、メディアのキャスター達も一部を除いて何の危機感もない質問の繰り返しです。MOX燃料の危険性、原子炉複合施設の危険性等、チェルノブイリ・スリーマイルには無かったその後の新たなリスクへの言及が隠ぺいされています。私自身、これまでの原子力発電に対しての中途半端な反対姿勢を、今、強く悔いています。企業経営者として、原発問題・憲法問題・防衛問題に対して、立場を考慮して(?)、歯切れの悪いスタンスに終始していましたので。

 でも、この場に至って、自分の命というよりも、子供たち・孫たちの命と将来の安心・安全な暮らしのために、これからの人生を送らなければなりません。戦後日本の極めて恵まれた時代を生きることが出来た私は、これまで得た少しの知識と知恵を、次の時代に生きる人々のために尽力する責務があります。眼前の同世代の体たらくを目の当たりにして、そう痛感しています。

 枝廣淳子さんのメーリングから、諸外国の応援メッセージを引用掲載します(http://www.japanfs.org/ja/pray4japan/message.cgi)。また、国内からも具体的なアドバイスも集まっていて(http://www.es-inc.jp/news/001949.html)、私自身は、一層の節電モードのライフスタイルに入っています。

 群馬大学の片田敏孝教授(http://www.ce.gunma-u.ac.jp/staff/st02_katada.html)は、これまで防災教育を現地の中学生に指導してきたそうです。その成果は今回実践の中で示されました。(http://plaza.rakuten.co.jp/yamamotoyoshie/diary/201103190000/

 こちらも説得力があるサイトです(http://www.asyura2.com/index.html)。

 

 こんな折り、環境分野で大きな功績を果たしてきた、北海道大学教授・小野有五先生の定年記念講演会が、「地球科学者から環境科学者へ:大学と社会を結んで25年」と題して開催され、会場の北大クラーク会館は超満員で溢れました。 

小野有五教授定年記念講演会~大学と社会を結んで25年~

小野有五教授定年記念講演会~大学と社会を結んで25年~

 この間、氷河から地球の研究に端を発した地球科学者・小野有五先生でしたが、ビートルズの「A long and winding road:http://www.youtube.com/watch?v=JrcYPTRcSX0&feature=related」をバックミュージックに、ご自身の軌跡を素晴らしいまとめで締めくくりました。まさにこの時に、小野先生のこのご講演は、学者としての一筋の光とでも言いましょうか。

* 「大学と社会を結んで」と簡単に言っていますが、まさに「水と油」みたいな関係だった

* 専門家は、ごく普通の市民に分かる説明、今風に言えば「アウトリーチ活動」が必須な時代になっている。今回の一連の原発事故に対する「専門科学者」たちの、最も欠如している視座である

* 宮澤賢治の1929年11月29日の予告文:今にも活きる言葉に違いない

 「われわれはどんな方法で、われわれに必要な、われわれの科学を、手に入れることができるのか」

 羅須地人協会で:http://www.artwing.biz/kaze2/rasutizin/rasutizin.html

* アイヌ民族の歴史に対する認識: 徳川幕府は「蝦夷地」として、まだ外地扱い、すなわち「アイヌの地」としての認識があったが、明治維新以降、北海道の中のまさに「植民地化」であった、奪われた土地、奪われた文化、奪われた人権等、で。

* マザー・テレサの言葉、「愛することの反対は、憎しみではなく、『無関心』である」

 

 本来は駆けつけるはずだったお弟子さんのアラスカ大学・吉川謙二教授は、サンフランシスコで足止めとなり、今アメリカで大ブレーク中、本人主演のyoutube掲載、「The tunnel man:http://www.youtube.com/watch?v=-l0JdVtmNus」の紹介がありました。「究極のアウトリーチ活動!!!」でしょうか。

 弁護士の市川守弘(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema05.html)さんは、「科学者の社会的責任」を果たすということが、如何に困難なことか、森林・生態系保護活動においても同様なこと。そして同時に、「裁判所の責任」も、これまでの各地の諸開発問題では重いものがあることを指摘されました。

 2008年の「先住民族サミット」で活躍し、その後「Win-Ainu」設立にもかかわった結城幸司(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema06.html)さんも駆けつけました。

 

 幅広く市民活動とコラボレイトした小野有五先生は、退官とはいえ、まだまだこれから多くの分野でのご活躍を期待しなければなりません、北海道の環境問題のアドバイザーとしてです。取り敢えず、ここまでお疲れさまでした。

大地震、今、感じること(3)

Posted by 秋山孝二
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 昨日の続きになりますが、海外メディア・外国政府関係者の今回の福島原発事故の認識は、連日、日本で報道されている内容とは大きく異なり、大変危機的で深刻です。

 私の身内に届いたカナダからの友人のメールでは、「自分の周りには住む場所が十分あるから、今すぐにでも家族全員でこちらに移動するように」と、真剣な内容だったとか。諸外国のメディアは、福島原発の爆発の連鎖とその対応の事実をつぶさに見つめながら、冷静に報道しています。この場合、冷静と言うのは、「真実を語る」という意味ですね。

 東京電力、保安院の記者会見、テレビに出て来る「専門家」、メディアスタッフの話は、何の役にも立ちません。とにかく、当該事故現場組織の「発電所所長」とか、現場の最高責任者の存在が全く見えないのは大きな疑問ですね。現場はこういう作業をしていて、こんな作業プランを持っているといった、やっている側発の報道が何もない、危機管理の中ではあり得ない状態です。無いなら無いと率直に言えば、市民はそれぞれの判断で責任を持って動けます。

 現場に一度も足を運んだことが無い連中が、「安全だ、安全だ」といくら叫んでも、市民はとうの昔にその「ニセモノ性」を見破っていますよ。理屈では「対策」になっていても、それが出来る環境が現在あるかどうか、直感的に理解しているのです、私たちは。発表される写真だけ見ても、「安全」などとは程遠い現実を認識できるのです。

 市町村長の何人かはメディアの取材に対して、現在の状況報告、必要物資の具体的要請等、大変な困難な環境の中、必死に訴えています。これ自体、本来はそんなことをしなくても支援の手を差し伸べなければならないのでしょうが。それと同様に、原発事故に関して、現場最高責任者は、「日本国民を守る」意識を持って語り続けなければなりません。もし、その任に誰も就かないのなら、これまでの原子力政策というのはその程度の覚悟だったということを、しっかり歴史に刻んでおかなければなりません。

 もう一つ、政府は今すぐに、全国各地の原発責任者及びその次席を招集して、現場に最も近い場でこの現実をしっかり観察して、現場はどんな状態なのか、今後の原発運営に活かす手立てをすべきです。廃炉・見直しも含めた、将来の日本のエネルギー政策に向けて、この未曽有の事故の連鎖を無駄にしてはいけません。

 少し離れた私たちに何が出来るか、枝廣淳子さんのメーリングから引用します。環境に関わってきた彼女が、この難局においても情報収集・発信し続けるその姿に感動致します、日刊温暖化新聞は秋山財団もパートナーとなっています。彼女はまさしく「ホンモノ」です。

~~~~~~~~~~~

日刊 温暖化新聞の企業・団体パートナーでもあるソトコトさんが、「被災地の
復興のために、わたしたちができること」というページをアップされました。

以下にご紹介します。もちろん、できることはこれだけではありませんが、「被
災地から遠く離れた自分に何ができるんだろう?」と思っていらっしゃる方がい
らしたら、ぜひ!

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「被災地の復興のために、わたしたちができること」
<ソトコト・ホームページ>
http://www.sotokoto.net/setsuden/
<ロハスクラブ・ホームページ>
http://www.lohasclub.jp/setsuden.php

2011年3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震による甚大な損害は、私たち
がこれまでに経験したことがない災害です。被災地域に暮らしている方々、救助
活動や復興活動に尽力されている方々を支援するために、私たちができることの
ひとつが「節電」です。

未曾有の大地震による、電力施設への被害発生により、私たちの日本は電力が不
足しています。特に、被災地域においては、電力の確保は、救援活動や復興活動
にとっては極めて重要な問題です。

政府及び東京電力は、3月14日から「計画停電」の実施をアナウンスしています。
計画停電は、電力需要が現状の電力供給能力を上回ってしまった場合に実施され
る手段であり、電力需要を抑制するためには、鉄道、工場、大型商業施設などの
社会全体での節電努力、そして、一般家庭での節電努力が必要です。

いま一番大切なことは、まず被災地が必要とするエネルギーを確保することです。
そして、そのためには、私たち一人ひとりが「節電」を心掛け、続けていくこと
が重要です。

電気は、水道やガスの供給にも必要とされるエネルギーであり、被災地での救援
活動や復興活動に必要なライフラインの確保のためにも、私たち一人ひとりの節
電努力が必要です。

●私たちが生活のなかでできる節電

・外出の際、あるいは、使っていない電気製品のプラグはコンセントから抜きま
しょう。機器によってはプラグを挿し込んでいるだけで、待機電力を消費してし
まう場合があります。

・昼間は、なるべく必要最低限の照明で過ごしましょう。オフィスでは、昼休み
の消灯や、通路のなどの照明の間引きも節電になります。

・暖房機器を必要とするこの季節は、朝の時間帯や18:00~19:00の時間帯が電力
消費のピークタイムとなります。電子レンジ、洗濯機、炊飯器などの消費電力の
高い機器は、ピークタイムをずらして使用しましょう。

・冷蔵庫にはものを詰め込み過ぎないようにしましょう。また、電気炊飯器の保
温時間を減らすのも節電に有効です。

・屋内では、温かい格好をして、カーテンを閉める(断熱効果があります)など
して、エアコンやストーブなどの暖房機器を使う時間を減らしましょう。

・テレビよりもラジオのほうが消費電力が小さくてすみます。

電気を大切に使うことで、被災地を励ますことができます。
私たち一人ひとりの節電努力が、被災地が必要とするエネルギーを創り出します。
物資援助やボランティアなどの人的支援も必要ですが、被災地側の受け入れ態勢
も充分ではない今、私たちが、いまそれぞれの暮らしのなかでできるアクション
が「節電」です。
私たちが日々の暮らしのなかで、節電に努力し、続けていくことは、確実に、被
災地のチカラになります。

現在、節電が必要とされているのは、東日本エリア(東京電力、及び、東北電力
の管轄内)です。東日本と西日本では、周波数が異なることから東日本に周波数
を変換して送電できる容量に上限があります。このため、東京電力、東北電力の
管轄外で節電しても被災地のためにという意味では効果は生まれません。

それでも、電力以外にも燃料が足りないという状況もあり、日本全国で節電・節
約していたくことはとても大事なことです。そして、「電力消費量を自分たちの
意思で減らすことができる」ことを未来に向けて実証・伝えていくためには大き
な役に立つと思います!

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして、イーズでも、これまでのコンテンツからヒントやアイディアをとりまと
めてご紹介するページをアップしました。

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~

「被災地の復興のために、わたしたちができること。節電努力。」
http://www.es-inc.jp/news/001947.html
※※この呼びかけは、ソトコトの「被災地の復興のために、わたしたちができる
こと。節電努力。」に賛同し、同じタイトルで呼びかけています。※※

「いまの状況で私に何ができるのだろう?」と思っていらっしゃる方も多いこと
でしょう。義援金や救援物資の支援などのほかにも、毎日の暮らしの中で「でき
ること」の1つが節電です。特に、被災地と同じ周波数の圏域の方々は、その節
電が被災地への電力につながります。周波数が違っても、ガソリンその他、省エ
ネすることが役に立ちます。

「節電」や「省エネ」については、イーズでも枝廣のメールニュースや書籍等を
通して、ご紹介・ご提案してきました。これまでに蓄積した情報から、わたした
ちができる「節電」に関する部分をピックアップしました。お役に立てばうれし
いです。

被災地の一刻も早い復興を心より願っております。

枝廣・イーズスタッフ一同

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大地震、今、感じること(2)

Posted by 秋山孝二
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 今回の地震の件、いち早く海外にも伝えられたようですね。11日夜にお会いした上海のビジネスパーソンには、直後からインターネットでたくさんのお見舞い・励ましメールが中国から届いたとか。私のところにも、海外からのお見舞いメッセージ、アポイントのキャンセルも来ました。ヨーロッパの方は、特にチェルノブイリ事故の経験があり、敏感な反応があります。集団に属している場合、その責任者は、何の渡航禁止処置もしないことの責任追及も懸念するのでしょうね。幾つかご紹介します、表現の仕方、心配りに感激します。

*私のアメリカの友人から~~~

Hi Koji,

We are so sorry to hear about the problems in Japan this week. I want you to know I’m thinking about you and hoping that your family is safe and healthy.

How is life in Hokkaido? Did you have problems with the hurricane or tsunami?
Are your children safe?

 

*17日に東京で会うことになっていたスイス人から~~~

I would like to send our sincere thoughts to you and to your country for what is happening in Japan these days which will remain, for sure, in the Japanese history.

I hope you and your loved ones are safe, without injuries and that you have no damage at home. I keep closely following the information on the development of the situation.

My trip to Japan has been postponed further to this dramatic event as our management believes that this is not an appropriate timing to come to Japan during these difficult times for you. My apologies for that cancelation, we shall contact you again when this emergency situation has settled down.

Please do not hesitate to contact me anytime should I be any help.

 

*栃木県益子町にあるワグナーナンドール記念財団理事長・ワグナーちよさんは、東京にも住まわれていますが、彼女からのメール~~~

ナンドールがいたら、すぐ東北に向かって走り出すの止めるのが大変でしたでしょう。

神戸の折にも切断機や溶接機を車に積んで助けに行くというのを、若くない私共が行ったら
かえって足手まといになるからと必死で止めました。

ここの対策はよく出来ていて水、電気も十分ですしスタッフも一生懸命です。医者もいるし
その上キシュさんもいてラッキーでした。イロナさん他ハンガリーの方々はTVで悲惨な状態を
見て、切符を二枚手配するからすぐちよさんとハンガリーへ戻れ、と何人もから電話が来ます。
あなただけ早く帰って、と言わないところがハンガリー人らしいです。おそらくキシュさんは
ナンドールに対しても私への責任を感じて下さっているのでしょう。

 

 1956年の革命(ハンガリー動乱)はじめ、幾つかの理不尽な体験をしている人々は、「Dear friends」の絆が強く、危機に直面した時の「同志的助け合い」にスイッチが入るのかも知れません。私たちも頑張らなければなりませんね!!

 日本でも渡辺謙さんほかが新しいサイトを立ち上げました、「Kizuna311:http://kizuna311.com/」。

大地震、今、感じること(1)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
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 今回の地震、日が経つにつれて甚大な被害の様子が明らかになってきています。地震・津波、余震、そして福島原発連続事故による電力供給難です。繰り返し、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

 昨日、羽田空港出発ロビーは、いつもの照明よりも暗くはなっていましたが、現場で働く職員の頑張りに支えられて、チェックインほかには何の支障もありませんでした。むしろ非常時の印象も明確で、秩序ある静けさとでも言うのでしょうか。都内JR切符の自動販売機も、3分の1は計画停電で使用できない旨の張り紙がありました。

羽田空港出発ロビーは薄暗く

羽田空港出発ロビーは薄暗く

 原発事故は今後も目を離せませんね。私どもの財団としては、3年前に、ベラルーシ大使ご夫妻と被災地生まれの子供たちがこの事務所を訪問されたこともあり、原発事故と聞くと、あの時の子どもたちの屈託のない笑顔と澄みきった眼を想い出します。

財団事務所を訪問したベラルーシ大使ご夫妻と療養の子どもたち

2008年、秋山財団を訪問したベラルーシ大使ご夫妻と療養の子どもたち

訪問時に頂いたプレゼント!

訪問時に頂いたプレゼント!

 秋山財団の社会貢献活動助成の第一号で採択された、「チェルノブイリへのかけはし:http://www.kakehashi.or.jp/」の皆さまの企画で、この訪問が実現しました。子供たちは財団の建物中を走り回っていましたし、被災した女性のエカチェリーナ・コスチュケービッチさんが、その時付添いの医師として同行していました。 

 丁度、今、早朝テレビのワイドショーで、原発の専門家という方が、「すぐに1986年のチェルノブイリ事故と今回の事故を一緒にする人たちがいるが、全く違います!」と、あたかも心配する市民の無知を叱責するような言い方でしゃべっています。

 でも、そうではありませんね。理屈とか理論ではなくて、直接会って知った人々の顔と現実が最も説得力があるのであり、そこから連想する「不安」を払拭できない専門家の理屈こそ、「ニセモノ」と言うものでしょう。歴史的事実、或いは目の前に起きている現実に直面して、社会にしっかりした「安心」を提供できない「専門的知識」とは、一体どんな意味を持つのでしょうか。今こそ、「専門家」としてのこれまでの活動が問われているのです。

 対照的に、昨日アメリカの科学者が、「今回の事故は、スリーマイル事故とチェルノブイリ事故との間くらいの危険度」と語っていました。さらにこの欄の末尾に、3月11日付ニューヨークタイムスのこの事故に対する論評を添付致します。国内の「専門家」が信頼できないのは情けないことですが、命には代えられませんので。

 この数日間各テレビ局に出演している原子力発電関係の「専門家」と称される方々、特に東京大学教授たちの、ごく普通の市民に対しての冷たい眼差し・立ち位置、NHKを筆頭とするメディア関係者の突っ込みの甘さは、一種の日本の「異常性」を象徴するような現実だと思います。「想定外」、「念には念を入れて」等、ここに至ってこれらの言葉に憤りを感じるのは私だけではないのではありませんか。

 昨日、JR東京駅構内を歩いていて、黙々と各ホームに向かう大勢の人々の後ろ姿を見ていて、何かある種の「感動」を覚えました。普段は、単なる群れとしての存在にしか映らなく、それどころか「従順な羊ではなく、自分の頭でしっかり考えろよ!」と攻撃的になる自分がいるのですが、昨日は明らかに違いました。日本社会は、「現場の力」、「労働力の質の高さ」で今日まで来たことを確認しました、指導的(?)立場の人材・アカデミックセクターがいかに貧弱でもですね。

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2011年3月11日:ニューヨークタイムス
「日本における放射能放出は数カ月続く可能性あり」と専門家が見解を示す

デヴィッド・サンガー、マシュー・L・ウォルド
http://www.nytimes.com/2011/03/14/world/asia/japan-fukushima-nuclear-reactor.html?_r=1&emc=na&pagewanted=print
日本の政府関係筋は、2つの発電所での炉心溶融は「部分的」であり、発電所外
での放射能の測定値は、日本の安全基準値の2倍とはいえ比較的低いと思われる
と言っているが、米国国防総省は13日にプラントから100キロメートル離れた地
点を飛行したヘリコプターに少量の放射性の微粒子が付着していたと発表した。
セシウム137とヨウ素121が含まれていると思われ、これは環境汚染の広がりを示
している。

1号機の設計に詳しい複数の専門家によれば、東京電力側にはいまや、冷却手段
として放射性物質を含んだ水蒸気を定期的に放出する以外に選択肢はほとんどな
く、この措置は核分裂が止まった後も1年以上続けられることになる可能性があ
るという。ということは、数十万人の避難住民は長期間家に戻れないことになり、
風向きが変われば、放射性物質が海方向ではなく日本の都市に向かって運ばれる
可能性がある。

通常の原子炉冷却機能を回復するには、電力が必要であり――地震と津波で電力
供給は停止中――発電所の技術者たちは、すでに放射能汚染が著しい場所で作業
をする必要があるだろう。

米国政府は、不安を抑えるために、「ハワイやアラスカ、米国領および米国西海
岸では、放射能が人体に悪影響を与えるレベルには達しないと予想される」との
結論を出しているが、日本に到着した専門家はこの3日間に起こったことを把握
し始めており、その一人は「最良のシナリオをたどったとしても、これが近いう
ちに終わることはない」と述べた。

核分裂反応が止まって原子炉の運転が停止されても、燃料は運転時の約6パーセ
ントの熱を出している。通常は、電気ポンプによって熱水を抜き、それを冷却す
るのだが、今回の場合、電力供給が止まった後、このシステムが使えなかったた
め、海水を注入して燃料冷却を試みた。だが、これによって、炉内の圧力が上昇
して、大気中に蒸気を放出し、さらに水を注入するという手法をとらざるを得な
くなっている。

燃料が無傷であれば、放出する蒸気に含まれる放射性物質はわずかであるが、燃
料が損傷すれば放出される蒸気の汚染度は高まる。

もう一つの懸念材料は、日本の原子炉の中にはMOX燃料を使っているものがあり、
MOX燃料には再処理したプルトニウムが含まれていることだ。今回の原子炉がこ
のタイプであれば、放出する蒸気はより有害なものになる可能性がある。

問題の原因は、津波の後の一連の失敗にある。津波は福島発電所の周囲にあった
護岸堤防を軽々と越え、ディーゼル発電機が浸水した。発電機は低いところに置
かれていた--これは明らかに、護岸によって守られるだろうという誤った自信
によるものだ。

大きな爆発は、炉心が冷却されない場合に原子炉格納器内で起きる可能性のある
ことを示す警告である。IAEAによれば、「炉心の損傷を抑える手段として」東京
電力は海水にホウ素(核反応を止める作用がある)を混ぜて注入することを計画
し、12日午後10時20分にそれを開始した。

これは捨て身の行動である。海水を注入すれば発電不能になるので、廃炉を決心
したということなのだ。だがこの海水注入も簡単ではない。格納器内の圧力がひ
じょうに高くなっているために海水注入が困難になっている。

問題をさらに大きくしているのは、原子炉内の計器が地震または津波で損傷して
いるようで、炉心にどのくらいの水があるかを正確に知ることができなくなって
いることだ。

また、注水の作業にあたっている人々は放射能にさらされていると思われる。放
射能汚染の治療を受けた作業員も複数いるという。彼らの被爆の程度がどの程度
深刻なものかは不明である。

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