秋山財団の「未来像・2011から」

Posted by 秋山孝二
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 「2011年」、決して忘れてはいけない年となりましたが、皆さまには大変お世話になりました、この場を借りて御礼申し上げます。

 公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/)は、今年で設立25周年を迎えました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10144)。来年度以降の向こう25年を見据えて、「未来像・2011から」を策定して、新しい歩みを進めて参ります。

 その中から、以下抜粋し、皆さまの引き続きのご支援を期待したいと思います!

~~~~~~~~~~~~~~~~以下、抜粋です

<現状認識>

現在、避けることのできない大きな課題としてわれわれが直面するものに、地球規模の環境問題、経済・金融危機の頻発、安全・安心な地域社会の崩壊などがありますが、これらの課題は設立当時の財団を取り巻く社会に、既に萌芽的に現れていました。

しかしながら、グローバル化の急激で大規模な進展により、これら社会状況が、これまでになく急速に変化する新たな局面に入りつつあります。また、冷戦終結後の国際秩序の不安定化や、EUに見られる新たな地域統合もまた諸問題を抱えて流動的であり、アジアの一員として、われわれの生き方、考え方に変更を迫る要因となっています。さらに今年の「311東日本大震災」は、これまで創り上げた社会に、地震、津波、原子力発電所爆発事故の甚大な被害を及ぼし、現在の科学と社会との関わりに、重大な問題を提起しています。

課題解決の担い手に目を転じますと、これまで「官」が担ってきた公的サービスを、ボランティアやNPOなどが果たす役割が大きくなってきており、企業もCSR活動に一層力を注いだり、「新たな公共」の担い手が成長しています。このような「新たな公共」のうねりは、秋山財団の設立当時には見られなかった動きです。

時代の大きな変化は、われわれの社会のしくみや日々の生活を根本から変質させると同時に、また新たに創り出すチャンスでもあり得ます。当財団は、時代の変化のとば口に立っていると認識しています。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~途中を省略

<向こう25年の方向性>

 以上のような認識を踏まえて、今後を展望したいと思います。

まず財政的には、今現在、基本財産の飛躍的拡充はこれまでのようには見込めません。経常的に外部からの寄付等、ソーシャルメディアを活用したファンドレイジングをきめ細かく行っていく必要性があります。インターネットのホームページをフルに活用して情報発信機能を高め、それを収入に結び付けて、財政的基盤の拡充を図っていきます。

 事業的には、次のような視座に留意します。

1)「生命科学」を人間のみならず、地域を対象とした科学として視野に入れる。地域を生命体として捉え、経済的な循環(エコノミー)、環境生態系(エコロジー)、さらに伝統文化の継承・発展等、地域科学分野を含めた活動支援。そして、成果の検証も行う

2)財団としてのアウトリーチ活動を行う、例えば、一般市民向けの「生命科学」講演、出前講座の開催、ライフサイエンス・カフェ等

3)硬直した国・自治体の政策・制度に代わり、社会的課題に速やかに、柔軟に解決していく活動

4)「人材育成」活動は、

a)次の時代を担う世代を、もっと早い時期から視野に入れるべき。活動助成については、対象として中学生・高校生・20歳前世代へのアプローチを、テーマ的には若年労働者の雇用促進につながることも検討する

b)「科学リテラシー」を高める「教育」への貢献

5)活動助成について、

a)「地域の創造的社会システムの構築」として、経済効果、環境負荷の軽減効果等、科学的な地域分析の手法を取り入れたアプローチの組み入れ

b)「北海道に根差した地域研究」として、独自の伝統・文化を北海道の発展に結びつける取り組み支援、例えば、アイヌ文化の振興と価値創出、地域主権下での北海道開拓・開発政策の進化等

 

 

<おわりに>

 

年報創刊号の巻頭言に、当財団の名付け親である伴義雄理事が書かれています。

「・・・・このように、自然科学を専攻する者にとって感動的な生命現象の解明へのステップも、他の分野、特に人文・社会科学系の方々には、生命の尊厳があたかも単なる原子・分子の集合体であるロボットのように扱われていると、拒否的に受け取られたとしても無理からぬことである。私自身、その成果を感銘深く知ったのであるが、そこに自己の生命観を持ち込んで理解するようなことは、いささかも考えなかった。しかし、その後、存在としての生体そのものの在り方が鮮明になることによって、かえって生命への認識を新たにしたように思う。私は、自然科学的生命観の樹立に、宗教や哲学が介入する余地が十分あるように思われてならない。

 確かにライフサイエンスの著しい進歩は、人間の福祉に大きく貢献する一方で、人間の存在と尊厳に深く関わるような問題が提起されていることも周知のことである。たとえば遺伝子操作、人工授精、臓器移植等は、社会倫理の立場から慎重な対応が求められている。私どもとしても、この点には十分配慮しつつ、21世紀へ向けての重要課題に取り組むべきであろう。・・・・」

 

「生命科学(ライフサイエンス)」をテーマに、北海道から発信する「民間・自立」という秋山財団の設立の初心を踏まえて、内外ともに節目の2011年に、もう一度原点に立ち返えり、次の四半世紀に向けた「覚悟」を明確にしたいとの思いです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用おわり