『羽鳥慎一モーニングショー』ではタイムリーな話題を掘り下げています。先日は、台湾の地震被害の迅速な対応と日本のそれの比較を行い、課題を炙り出していました。
日本でも災害対応の研究者の方々も示唆に富んだ指摘をしています。私たちの財団が応援してきている根本昌宏先生もその中のおひとりです。
* 根本昌宏先生関連記事ーー> 秋山孝二の部屋 (akiyama-foundation.org)
一方、日本における課題は山積しています。
『羽鳥慎一モーニングショー』ではタイムリーな話題を掘り下げています。先日は、台湾の地震被害の迅速な対応と日本のそれの比較を行い、課題を炙り出していました。
日本でも災害対応の研究者の方々も示唆に富んだ指摘をしています。私たちの財団が応援してきている根本昌宏先生もその中のおひとりです。
* 根本昌宏先生関連記事ーー> 秋山孝二の部屋 (akiyama-foundation.org)
一方、日本における課題は山積しています。
今年の元旦に地震災害のあった能登半島の各市町村の皆さん、1か月近く経ってもまだまだ復旧・復興の目途はたっていない様子ですが、現地の方々はそんな中でもたくましく前を向いてこれまでの日常を取り戻し頑張っているようで、私達が逆に勇気づけられる気がしています。
今朝のモーニングショーで紹介されていた「宗玄酒造(宗玄酒造株式会社 公式サイト /Sogen Official Web Site (sougen-shuzou.com))」の八木隆夫社長の絞り出すようなお言葉に感動しました。
マスメディアは、「悲嘆にくれる被災者」と言った先入観での報道がこの種の災害時は目立ちますが、実際の現場では気落ちしながらも必死で前を向いて頑張っている方々がいらっしゃることを私たちはもっと知るべきですよね。そういえば、発災直後の介護施設の女性責任者が、テレビ局記者の寒いし大変ですねとの問いかけに対して、笑顔で落ち着いた言葉で「私たちはこの場を離れることはございません、入居者も職員も変わらずこの状況の中でこれまでの日常を続けていくつもりです。」と語っていました、現場を預かる責任のあるお立場の方の至言です。
それにしても国・市町村役場の対応の遅さ、今更ながらにこれまでの災害から何を学んできたのか、学んでこなかったのか、目を覆うばかりの惨状です。私ど秋山財団が永らく応援してきた根本昌宏先生たちのプロジェクトは、まさに今回のような「厳冬期の災害」に向けた備えだったのですが。
NHKの『知恵泉』で『田中正造~すべては人々のために~』、田中正造の人となりを詳細な歴史的事実から深堀りした番組でした。
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* 田中正造(https://www.tochigi-edu.ed.jp/furusato/detail.jsp?p=6&r=26):日本の幕末から明治時代にかけての村名主、政治家。日本初の公害事件と言われる足尾鉱毒事件の重鎮であり、明治天皇に直訴しようとしたことで有名。衆議院議員選挙に当選6回。幼名は兼三郎。下野国安蘇郡小中村出身。足尾銅山鉱毒事件の被害者でもあり、救済を政府に訴えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~
* 足尾鉱毒事件(https://kougai.info/archives/794)
栃木県佐野市にある生家と資料館、以前、「佐野ラーメン」で知った佐野市をいつか訪問したいと思っていたので、機会があったらラーメン巡りだけでなく、田中正造ゆかりの場にも足を運びたいものです。
* 佐野ラーメン関係記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E4%BD%90%E9%87%8E%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3
斎藤幸平さんがおっしゃる『共事者』、共に寄り添い伴走するというような存在なのでしょうね。
今年も秋山財団贈呈式を開催しました、単なる儀式ではなく、コミュニケーションの場としてこれまで設立以来続けています。
* https://www.akiyama-foundation.org/news/4871.html
参加者は受領者は全員ですが、コロナ禍でまだ以前のように大勢のお客様をお迎えすることには慎重でした。
< これまでの贈呈式の記事 >
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=42354
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=42384
昨年は中止しましたが、今年は永年続けていた『特別講演』を時間短縮でしたが復活しました。
全員への授与を終えて、今年の財団賞受賞の札幌医科大学医学部病理学第一講座・鳥越俊彦教授の記念講演『ヒトがん免疫応答のメカニズム解明とがん免疫療法への応用研究』でした。
そして、コロナ禍も2年半を経て、ただ昨年同様に限定版の贈呈式では進展が見られないというので、今年は懇談時にコーヒーと事務局手製のお菓子パックをそれぞれの受賞者にお配りしました、大変好評でしたね。
後日、秋山財団ホームページに、当日の模様が動画でアップされますので、乞うご期待!です。
NHK総合テレビの『視点・論点』で、私たちの財団も応援してきている根本昌宏先生が登壇されていました。早朝の15分解説番組、再放送もありましたが、今回は「巨大地震」との視点からのコメント、豊富なこれまでの実証実験に基づいた説得力でした(https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/460366.html)。
* これまでの根本先生関連の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E6%98%8C%E5%AE%8F
今年の冬の雪の降り方は、年が明けてから連日のドカ雪、朝晩の雪かきはいい運動を越えて負担感もこれまでになく抱くほどでした。
こんな時期に地震で全電源喪失なんて状況になった場合、私たちはどう過ごすのでしょうか、日頃からの準備が必要ですね、2018年9月の地震を思い出しながら。
秋山財団ネットワーク形成事業助成(2015~2017年度助成)代表者 根本 昌宏様(日本赤十字北海道看護大学 教授)のアウトリーチ活動の一環として、さまざまな社会貢献活動(特に防災啓発・災害支援活動)を行っている高校生のボランティア団体『BLOSSOM(https://chiiki-bosai.jp/index.php?gid=15188)』による活動、札幌市内チカホで二日間イベントを開催しました。
東日本大震災から10年。風化させてはいけない。この節目に今、高校生ができることは何なのか。チカホに訪れる札幌市民の防災に対する意識を高め、コロナ禍を生きる高校生が一種の災害とも捉えられるこの状況をいかに乗り越え、いかに未来を創っていくのかを示す防災展。
1) VR・写真で災害を見る
2) 被災講話を聞く
3) 災害時の行動を考える
* https://www.akiyama-foundation.org/news/4203.html
冒頭ご挨拶は、フォトグラファーの鈴木貴之さん、この間、被災地の様子を撮影続けています。
続いては宮城県東松島町からお越しの武山ひかるさん、「被災者」で一括りにされる理不尽さほか、10年経って成人になり、当時を振り返ってその意味を発信され、テレビ取材も複数ありました。
向かいのブースでも対話型も。
当日の様子が新聞各社でも記事になりました。
NHKBS1「コロナ新時代への提言~変容する人間・社会・倫理~」は、それぞれの分野からのコメントが大変含蓄があり、興味深かったですね。
* https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-05-23&ch=11&eid=11513&f=2443
~~~~~~~~~~~HPより
京都大学 総長…山極寿一 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/president/message.html
青山学院大学 教授…飯島渉 http://www.cl.aoyama.ac.jp/a_kyouin/hst/iijima_wataru.html
東京大学 准教授…國分功一郎 https://researchmap.jp/koichirokokubun
~~~~~~~~~~~~
<未曽有のパンデミック>
* 産業・教育・政治を根本から考え直す
* ウイルスは差別しない
* 潜在的に地球において人間が他者にとって脅威を持つ存在
* 疫病史観
* ハワイの歴史から~ヨーロッパが持ち込んだ感染症によってたくさんの人が亡くなり、日本・中国からのアジア系がハワイに導入されていった(移民)
* 「SARSのレッスン」に基づく感染症対策
<山極>
* 人類は信頼できる仲間の数を増やすように進化してきた
* 人々が移動することによって集団と集団との関係を密接に作ってきた
* 人が集まる、人が移動する
* 今、我々は接触を禁じられた、移動を禁じられた
* 社会の作り方が根底から覆されてしまった
* 新たな哲学の時代
* 言葉は後から出てきたから信頼できるコミュニケーション手段ではない
* 古いコミュニケーション手段としての「音楽」
* 身体の共鳴が失われて「言葉だけでつながる社会」に放り出された
* 音の組み合わせによって「意味を作る」のではなく、「気持ちを伝える」コミュニケーション
* 「音楽」は人と人の間を共鳴させる一番いい装置
<國分>
* 人間を一つの駒として見るようなものの見方
<飯島>
* 疫学は数学、一人一人の顔が見えない
* 集団でしか人間を捉えないという問題性の指摘
* 農業は生態系にかなり負荷をかける:野生動物の家畜化、都市化
* 人が集まって一緒に共同作業をする
* 生態系と人間との距離を縮めていく
* 文明化のトレンドに対して反対のことを要求された
* 葬儀も行われずに埋葬される
* 親族でさえも会うことができない
* メルケル首相の演説ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=38377
<まとめ>
山極: 地球は「細菌の惑星」、「ウイルスの惑星」、我々は主人公ではない
封鎖をしても接触を禁止しても人間らしい社会を営めるか
國分: 今回のコロナの新しさは「地域に全く限定されない」こと
飯島: 初めて世界が生死の問題を通じて共通の危機に直面した
コロナの危機をポジティブに捉えなおす思考の転換~一人一人の生死にかかわる共通の問題
大変興味深い視点からの数々の指摘、それぞれのお立場からの素晴らしいコメントでした!!
今年度から秋山財団のアウトリーチ活動の軸としていく『寒冷期の避難所プロジェクト』の構想は、根本昌宏先生を中心に、今、どんどんその拡がりを見せてきています。
< これまで秋山財団が支援した根本昌宏先生のプロジェクト関連 >
“地域をつなぐ”プロジェクト3
プロジェクト名 | 厳冬期の災害に向き合い、「地力(ちぢから)」の向上でいのちを護る |
概要 | 冬の万が一への対策は、すべての地域が万全ではない。北海道実証プロジェクトが自助・共助・公助を包含した「地力」を高め、寒冷地域のいきる力を増幅する。 |
代表者 | 根本 昌宏(ネモト マサヒロ) |
所属役職 | 日本赤十字北海道看護大学 教授 |
助成期間 | 2015年度~2017年度 |
プロジェクト11
プロジェクト名 | 積雪・極寒冷地域のいのちを護る防災・減災への取り組み―いきるための力を創出する |
概要 | 道内の積雪・極寒冷地域災害に対処できる能力を人的ネットワークを生かした実践演習を通じて集積し、「いきる力・いきぬく力」を培い、多種多様な災害に備える。 |
代表者 | 根本 昌宏 |
助成期間 | 平成23年度~25年度 |
* プロジェクト関連のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E6%98%8C%E5%AE%8F
今年度は、これまでのネットワーク形成をさらに発展させるために、一つは高校生たちの取り組み、もう一つは避難所における性被害への取り組みを実践されている方々とも手をつないで、より広範なネットワーク形成とアウトリーチ活動を展開していこうと思っています。
先日、高校生チームと根本昌宏先生との初めての懇談を秋山財団で開催しました。折からの新型コロナウイルス対策で、写真のような形態で行いましたが、双方とも大変有意義なひと時でした、もちろん秋山財団にとってもですね。
今年6月に札幌のチカホ空間で開催予定のイベント開催に貴重なアドバイスを頂いたようでした、これからが楽しみです。
もう一つは、避難所における「性被害」に取り組む活動団体の方々との面談です。折から内閣府でも、札幌市でも取り組みが始まっているようです。阪神淡路大震災に端を発した避難所における性被害、当事者たちが声を上げ始めて今、先進国としては大変遅い動きではありますが、その活動の盛り上がりを見せてきています。
この分野における札幌での市民活動は、全国でも先駆的との評価をこれまで得てきています。一昨年札幌で開催されたフォーラム、この第一回が札幌で始まったのは市民として誇るべきですね。この中核団体の本拠が札幌市中央区の愛生舘ビルの一室、「女のスペース『おん』(http://www.ne.jp/asahi/sapporo/space-on/)」です。
昨年末のNHKテレビで再放送された番組も大変示唆に富む内容でした。
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37661
昨日、愛生舘ビルの私の部屋で代表の方お二人と、秋山財団の今年の活動に是非ご参加してほしい旨をお願いして、ご快諾を頂きました。
今年も10月15日は盛岡で『新渡戸稲造 命日祭』が開催されました。
* これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%96%B0%E6%B8%A1%E6%88%B8%E7%A8%B2%E9%80%A0%E5%91%BD%E6%97%A5%E7%A5%AD
今年は9月に関東を襲った強風の台風、10月に豪雨を伴った台風の影響で東日本各地に大きな被害を及ぼしましたが、盛岡ではそれほどひどくは無かったようです。それでも倒木があったりで。
今年は(株)実業之日本社(https://www.j-n.co.jp/)代表取締役社長の岩野裕一さん、取締役会長の増田義和さんをお招きしての鼎談でした。
岩野社長からは、近代日本における出版業界の歴史を分かりやすくご説明して頂きました。社是の『真・信を以って宝とす』の根本にも言及されました。初代社長の増田義一氏の進取の気性のエピソードの幾つかのご披露も。
新渡戸稲造と共通する視座として、女性・子供たちへの優しい眼差しと励まし、いわゆる上から目線ではない「通俗性」があるとのご指摘でした。思い起こせば、2年前の札幌で開催された「第一回INAZOサミット」の基調講演、寺島実郎さんのお話にも、新渡戸稲造の凄さは、『武士道』で示された優れた見識以上に、『世渡りの道』で明らかになっている庶民への温かい眼差し、「通俗性」にこそ、人間的な幅・奥行きを感じる、とのご指摘に通じるもので、大変納得した次第です。
懇親会では盛岡新渡戸基金の藤井茂理事長の冒頭ご挨拶。
さらに参加の皆さんとはお別れ後に、岩手めんこいテレビの鎌田淑子ディレクターと工藤哲人さんとしばし懇談でした。今年5月の北海道大学での工藤さんのお話は印象的でした。
* 工藤哲人さん関係の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%B7%A5%E8%97%A4%E5%93%B2%E4%BA%BA
* INAZOカクテル――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=34514
毎年訪れる盛岡市は、行くたびに新しい気づきと歴史を学ぶ場となっています。
今年の「札幌演劇シーズン2019夏(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36309)」は、先月末からスタートして連日各公演は大盛況ですが、今回は、その中の一公演「ぐりぐりグリムのシンデレラ(https://s-e-season.com/program/cinderella/index.html)」のチケットを、障害を持つお子さまたちに寄付をしました。札幌もこどもみらい局山根直樹局長に贈呈するために、実行委員会の監事を務める私と事務局長の斎藤歩さんで根本局長とお会いしました。
市役所からは感謝状が贈られました。
この公演の狙いについて、斎藤歩さんは以下のように語っています。
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子ども向けの劇というよりは「親子向けの劇」というつもりで、「劇のたまご」シリーズは創っています。みんなが知っているシンデレラの物語ですが、グリム童話の原作「灰かぶり」は、王子様がちょっとバカだったり、とぼけたハトが大活躍したり、意地悪なお姉さんたちが可愛らしかったり、主役のシンデレラよりも、わき役の人たち動物たちがちょっとおかしくて、劇にしてみたらとっても面白いんです。
そんなシンデレラの物語を読んだペングアートの子どもたちが、本当に自由に、勝手気ままに空想して、たくさんの色鮮やかで素敵な絵を描いてくれました。シアターZOOを飛び出して、hitaruのクリエイティブスタジオ、ちょっと大きな舞台にたくさんの絵を飾ってお待ちしています。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に観に来てくださいね。
* 劇のたまごーー> 2001年、多くの方のご協力によって誕生した公益財団法人北海道演劇財団が運営する「扇谷記念スタジオ・シアターZOO」は、地域の未来を担う子どもたちにも演劇の魅力を届けたいと、15周年を迎えた2016年から「劇のたまご」シリーズを製作しています。これまで、宮沢賢治『注文の多い料理店』、グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』『シンデレラ』『赤ずきん』など、子どもも、大人も、外国人のおともだちも、誰もが楽しめる世界の名作の新しい魅力を「劇のたまご」として生みだしてきました。
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幅広いお客さまに劇場に足を運んで頂ければ、この13回目の演劇シーズンは、さらにすそ野が広がることでしょう、楽しみですね。
枝廣淳子さんが主宰するイーズ「企業・団体パートナー異業種交流会」、第52回『「海洋プラスチック問題」~企業はどう対応すべきか』が開催されました。この数年、私自身はかなり高い出席率になって、今の課題に向き合っています。
これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%BA
今回は、環境省の環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室の井関勇一郎係長から『環境省担当者に聞く「海洋プラスチック問題」~企業はどう対応すべきか』をテーマに、プラスチック循環戦略案の背景を始め、国内外の動向、バイオプラスチックの違いなど、細やかな解説でした。また、枝廣淳子さんからも、プラスチックの問題を「Source(供給源)」と「Sink(吸収源)」という環境問題を見るときのフレームを紹介したり、「今日の問題の対処が、明日の問題を作り出す」という視点で、プラスチック問題と根本的に向き合い、問い直す必要性についてのお話を聞くことができました。その他、井関さんがご担当されている、「プラスチック・スマート」キャンペーンは下記サイトに詳しく載っています。
「プラスチック・スマート」キャンペーン――> https://www.env.go.jp/press/106073.html
海洋プラスティックについては、一昨年の香港、昨年のシンガポールで開催されたフォーラムでも、「持続可能な海洋」をテーマに、海外の方々が大きな問題意識を提起していましたが、私自身はその時、しっかりは受け止めてはいませんでした。先日の会でも枝廣さんが、「今年1月の年始のこの会で、向こう1年のテーマを列挙した時に、この『海洋・マイクロプラスティック問題』は挙げられていなかったですよね』とのお話も。私も年初の会に参加していましたが、海外のフォーラムで聞いていながら、自分自身の中でもきっちり消化されていなかった、そんなテーマでした。国際社会と身近な課題のギャップを痛感しましたね。
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28017
今回、新たなメンバー複数とお話ができたこと、来年以降も楽しみな集まりとなっています。
(公社)日本技師会北海道本部(http://www.ipej-hokkaido.jp/)社会活動委員会主催の講演会で、日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏先生がご講演をされました、テーマは、『超高齢・少子・人口減を迎える災害大国日本で生きるために』でした。
* 根本昌宏先生の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E6%98%8C%E5%AE%8F
「Ring of Fire」と呼ばれる地域の日本では、あらゆる自然災害は想定内として日常生活を送らなければならい、冒頭にまずその認識の重要性を語りました。
そして、さらに北海道では、冬の災害を想定した様々な取り組みを実証実験の結果から提起し、今後の北海道の防災計画等にたくさんのヒントを与えて頂きました。
途中休憩時には、根本先生自ら防災用具を使ってのご説明。多くの参加者が耳を傾けていました。
最後は、今年9月の台風・地震による長期の停電等のような災害に備えるためにも、自宅に確保しておきたい備品と注意事項についても言及されました。
根本昌宏先生は、これまでの様々な場でお話をされていますが、毎回進化した内容になっている一方、今回は、以前秋山財団のご紹介で講演を行った連合町内会・宮の森明和会の関係者も3名お越しになっていました。地域と実証実験と行政等がコラボレーションして、北海道における災害時の対応を準備しておきたいものですね。秋山財団のネットワーク形成助成事業が、少しでもお役に立てばと心から願っています。
北海道南西部地方・厚真を震源として、6日午前3時8分頃に発生した「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」。最大震度7の揺れを観測し、大きな被害を北海道全域に与えました。札幌でも、私自身、これまでに経験したことがない程の深夜の揺れ、2年前の4月、別府で体験した熊本地震に次ぐ大地震でした。
* 別府での地震体験――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258
今回の地震の一番の特徴は、道内ほぼ全域の約295万戸が停電した点です。大手電力会社でのほぼ全域での停電は国内初であり、復旧にもかなり時間が掛かっています。停電の大きな原因は、道内最大の火力発電所、苫東厚真発電所が停止したこと。泊原子力発電所が運転停止中のなか、苫東厚真発電所は地震発生当時、道内の使用電力の約半分を供給しており、同発電所はボイラー設備などに損傷が見つかっているようです。当初の発表によると、道全域の電力復旧には最長で1週間くらいかかるとか。世耕経済産業大臣は、今日午前6時の記者会見で、「北海道内の停電は4割以上が解消したことになります」と言うけれど、7時間経っても未だに停電中の札幌市中央区宮の森2条地区、「4割以上」に説得力はありません、ガンの生存率と同じような表現で、少なくとも住民、患者側の立場ではないですね。そして、7日午後7時30分にやっと電気が復旧しました。
地震当日、陽が昇って札幌市中央区宮の森地区は停電中、宮の森3条11丁目北1条宮の沢線と北24条線との交差点では信号機が消えて、警察官が出ていました。
その夜は停電の中、ロウソクの火と災害用ラジオ&ランタン・懐中電灯で食事です。
翌日、秋山財団贈呈式で特別講演をされた桜田一洋先生がお泊りの札幌グランドホテルも館内は真っ暗。ロビーでは、最新のニュースボードで情報提供です。贈呈式翌日の予定されていた若手研究者との対話型セミナーは、急きょ中止となりました。
翌日の新聞を見て地震の規模の大きさと被害の甚大さにあらためて驚きました。
そして、夜のNHKニュースには、秋山財団のネットワーク形成助成事業でも応援した根本先生も登場されていました。
9月12日に追補:https://mainichi.jp/articles/20180911/k00/00e/040/189000c
根本昌宏先生のプロジェクト
プロジェクト名 | 積雪・極寒冷地域のいのちを護る防災・減災への取り組み―いきるための力を創出する |
概要 | 道内の積雪・極寒冷地域災害に対処できる能力を人的ネットワークを生かした実践演習を通じて集積し、「いきる力・いきぬく力」を培い、多種多様な災害に備える。 |
代表者 | 根本 昌宏 |
助成期間 | 平成23年度~25年度 |
プロジェクト名 | 厳冬期の災害に向き合い、「地力(ちぢから)」の向上でいのちを護る |
概要 | 冬の万が一への対策は、すべての地域が万全ではない。北海道実証プロジェクトが自助・共助・公助を包含した「地力」を高め、寒冷地域のいきる力を増幅する。 |
代表者 | 根本 昌宏(ネモト マサヒロ) |
所属役職 | 日本赤十字北海道看護大学 教授 |
助成期間 | 2015年度~2017年度 |
第7期寺島文庫戦略経営塾が、4年ぶりで奈良西ノ京・薬師寺(http://www.nara-yakushiji.com/)で開催されました。
* 4年前の薬師寺での講義
http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A5%88%E8%89%AF%E3%81%A7%E5%AD%A6%E3%81%B6
開催日の早朝、東京の宿泊先で観たテレビニュース、今回の講義の冒頭で、村上管主はご挨拶の予定でしたので大変驚きました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
https://mainichi.jp/articles/20180516/k00/00m/040/102000c
法相宗大本山・薬師寺(奈良市)は15日、最高責任者に当たる村上太胤管主(71)が辞任したと発表した。村上管主は「不徳の致すところで多くの方々の信頼を裏切り、ご迷惑をおかけ致しましたことを、深くお詫(わ)び申し上げます」との書面を寺に提出した。村上氏は寺側に「宗教者として不適切な女性関係について、週刊誌に取材を受けた」と説明したという。村上氏は執事長や法相宗宗務長などを経て2016年8月に管主に就任。当面、加藤朝胤執事長(68)が業務を代行する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ニュース おわり
私は、受付時刻より早めに奈良西ノ京・薬師寺境内に着き、白鳳伽藍で修復事業中の東塔を除き、
* 金堂で「薬師三尊像【国宝】薬師如来、日光菩薩、月光菩薩(http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_kondo.html)」
* 大講堂で「弥勒三尊像【重要文化財】、仏足石・仏足跡歌碑【国宝】(http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_daikodo.html)」
* 東院堂【国宝】で「聖観世音菩薩像【国宝】(http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_toindo.html)」
* 西塔(http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_seito.html)
に足を運び、参拝してしばし黙考できました。
西塔
午後からの受付後、新たに復興した白鳳伽藍の「食堂(じきどう)http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_jikido.html」を説明付きで見学し、建物外観は奈良時代の意匠を凝らした作りとし、内部は現代技術を活用することで広い空間を確保し、食堂を多目的に利用することを想定しています。堂内には田渕俊夫画伯により描かれた食堂ご本尊「阿弥陀三尊浄土図」を中心に、全長約50メートルにわたる壁画「仏教伝来の道と薬師寺」が奉納されています。
さらに、道路を渡って「玄奘三蔵伽藍(http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_genjyo.html)」で壮大なインドから西安までの仏教伝来の歴史絵図。4年前にも観ましたが、詳細な解説付きで足を運ぶと、より深い空間となりました。食堂壁画とこの歴史絵図で日本への仏教伝来が完結しています。
講義では、当初プログラムは変更されて、冒頭ご挨拶は記者会見をされていた加藤朝胤執事長、ニュース報道のお詫びのお言葉から始まり、失った信頼を取り戻すべく関係者全員で努力する旨のお話でした。
続いては4年前にもお話を頂いた大谷徹奘(http://www.tetsujo.net/)副執事長のご登壇。薬師寺の「まほろば塾(http://www.mahoroba21.jp/)」では、寺島実郎さんとともに講師陣のお一人です。
* まほろば塾 http://www.mahoroba21.jp/about/index.html
今回は「般若心経(はんにゃしんぎょう)」について、「お釈迦様の教えを現代に活用する試み:般若心経に学ぶ~玄奘三蔵と観自在菩薩」と題して、そのエッセンスを分かりやすくご解説されました。
お釈迦様の教えの根本は、「死=人間の有限性」。そして玄奘三蔵訳の「般若心経」は、主人公の名を「観世音菩薩(鳩摩羅什訳)」から約240年を経て「観自在菩薩(玄奘訳)」に書き換えたその真意。最後に、その心は、初めの三文字「観自在」と最後の八文字「羯諦羯諦、波羅羯諦(ギャーテイ・ギャーテイ、ハーラー・ギャーテイ)」に表現される、すなわち、最初に「自覚(自ら目覚め)」、まとめに「覚行(かくぎょう:目覚めながら行く)」、永遠なるものを求めて、永遠に努力する人を菩薩という、そう締めくくられました。
この日最後は、寺島実郎さんの現状認識、今回は特に宗教とAIほか、ホットな話題に鋭く切り込みました。
普段、なかなか時間を費やしてのこのようなお話は聞くことができなかったので、宗教、お寺というのはまさに学びの場だと、認識を新たにした一日でした。奈良、また時間を見つけて訪れたいものです。
アメリカ大リーグで、日本ハムファイターズからエンジェルスに行った大谷翔平の活躍が素晴らしく、先週のMLB週間MVPにも選ばれました。投打の「二刀流」をこなす選手の受賞は各週の最優秀選手を選び始めた1975年以降、初めてで、日本選手でメジャー1年目の4月の受賞は最速、23歳9カ月は最年少と、初物尽くしでした。日ハムの栗山監督は、普通のことで特に驚かないと言っていますが、アメリカでも大変大きなインパクトを与えていて、私も嬉しく、元気を貰っています。
* https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180411-00000014-dal-spo&pos=4
6年前、彼が日本ハムファイターズに入団して二刀流に挑戦する時、多くのこの世界の評論家たちは反対の大合唱で極めて批判的でした。そんな様子に当時私はずいぶん憤っていたことが以下のコメントから分かります、どうして、若いこれからの選手の夢を、「やってみなはれ!」と背中を押してあげられないのか、と。
* 2012年12月 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15309
* 2013年6月 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16905
* 2014年4月 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19619
例えば~~~~~~~~~~~~~私のブログから
* 日ハム球団のきわめてオーソドックスな現行ドラフト制度下での選手指名、交渉姿勢に、さらに大きな拍手をしたいです。丁寧で誠実な交渉を繰り返し、指名した責任をしっかり果たした結果の翻意なのでしょうね。これに対して、星野仙一が批判しているようです(http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20121209-OHT1T00224.htm)、スポーツ報知の記事というのもアンタには言われたくない、ですよ。
* 今、学校教育現場で「いじめ」が大きな課題になっていますが、今回の「翻意」に対して、学校及び本人に対して幾つかの批判メッセージが届いているとか。朝日系の「強行指名」という言葉も不適切です、大手メディアの寄ってたかっての球団、若者バッシングではありませんか。ゆがんだ今の日本社会ですね、「いじめ」は学校現場だけではなく、むしろ日本社会そのものに横たわるどす黒い風潮なのでしょう、これを子どもたちが真似してしまっているのだと思います。
* 栗山監督のあの教育者としての立ち振る舞いと表現は、彼がただ東京学芸大学の卒業であるだけでは説明できないでしょう。以前にも書きましたが、「人を育てる」ことを根本の所で、人生の目的にしているのではと、私は彼に哲学を感じて尊敬しています。言い方は大変失礼ですが、「ただのプロ野球選手ではない」、そんな思いですし、彼を監督に据えた北海道日本ハムファイターズの球団関係者に敬意を表します。http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14871
* 新人大谷へのレベルの低いコメントに辟易していると、全く対照的な事例として、私は、先月盛岡で、ジョン・V・ルース駐日米国大使が、経済同友会全国フォーラムの基調講演で「日本経済の未来を支える3つの鍵」と題して熱く語られ、日本の若者への期待感がにじみ出ていたのを思い出します(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803)。
* さらに大藤さんに共感するのは、大谷翔平選手の前代未聞の「二刀流」挑戦を目の当たりにして、まだ始まったばかりではありますが、投打とも素晴らしい成績を挙げている現状から、このコメントが発せられていることです。昨年も、従来型の解説者、プロ野球選手OBは大谷翔平、日本ハムファイターズの挑戦に大変ネガティブな反応でしたね、まるで成功しては困るかのようでした。今年はさすがにそれ程ではありませんが、張本勲氏を筆頭に相変わらずの方も多いです。
* 何回もこの欄でも書いていますが、新しい挑戦を従来型の眼でしかコメントできない、理解しようとしない、その構図が今日本の閉塞状況を象徴しているような気がします。ベテランは、自分で判断できないことは素直に「分かりません」、「果敢に挑む本人を応援しましょうよ」と、どうして言えないものか、社会全体の器の小ささ、解説のプロフェッショナル不在を感じる昨今です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私のブログからの引用 おわり
寄ってたかって若者を批判する姿、カッコ悪いですね。新しい時代は新しい担い手が創る、そうです、化石のような方々は静かに去って頂きましょう、邪魔をしないように。実は、昨日のある会合でも、定番のように講演後に質問する80歳を超えた方が、質問を幾つも独り占めして時間を使う場面がありました。年寄りだからダメとは言いませんが、ああいう場で、質問は吟味したもの一人一つというのが「作法」ではないでしょうか、ご本人は現役時代からあの調子、未だに気が付いていな様子に、何か哀れを感じました。最後はお口汚し、失礼しました。
大谷翔平くん、これからも限りない挑戦を!!!
(公財)秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/)の2017年度講演会・贈呈式が、今年も札幌プリンスホテルパミール館で開催されました。
* 今年のプログラム http://www.akiyama-foundation.org/news/2384.html
* 秋山財団HPより http://www.akiyama-foundation.org/news/2392.html
* 動画――> http://www.akiyama-foundation.org/news/2700.html
* これまでの記事――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E8%B4%88%E5%91%88%E5%BC%8F
私のご挨拶 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
< 開会挨拶 メモ >
秋山財団の紹介:
* 昨年30周年、今年は31年目で新たなスタート
* これまでの実績 研究助成、市民活動助成等 1,340件、総額 9億4,800万円
このプログラム:
「受領者からのメッセージ」 今年で5年目~研究者、市民活動の原点を共有したい
「特別講演」 今年で26年目~第一回は今年7月18日105歳で亡くなられた日野原重明先生(http://earth-words.org/archives/3747)
* 今年の 「受領者からのメッセージ」
1)『海鳥と水銀を追跡せよ!』 北海道大学大学院水産科学研究院 特別研究員 庄子 晶子 先生
2)『知育・徳育・体育・食育そして『災育』』 日本赤十字北海道看護大学 教授 根本 昌宏 先生
3)『地域医療とサイエンス』 旭川医科大学医学部 准教授 野津 司 先生
< 特別講演での座長 メモ >
特別講演 ・講師: 桜田 一洋 様 (株式会社 ソニーコンピュータサイエンス研究所 シニアリサーチャー)
https://www.sonycsl.co.jp/member/tokyo/188/
演題:『 「生命とはなにか」 ~コーディネーションによる自由の創出~ 』
1)自然科学と自然哲学
2)医療と生命医科学の課題
3)機械論の生命科学と複雑系の科学
4)疾患発症モデルの変遷
5)身体状態の記述と人工知能による推論
6)新たな総合理論の確立
冒頭:
* 桜田一洋さんの紹介に代えて~なぜ、今、桜田さんがここに
――寺島実郎戦略経営塾 7年続く40人程の企業経営者の勉強会で、昨年ご講演
~ 経営者へのメッセージ 科学史を読み解きながら自然科学のみならず、人文・社会科学を含めた日本の明治維新以降、「日本の近代」における科学技術の導入の歴史にも言及する内容に感銘
常に新しい組織の責任者としてイノベーションの先端を切り拓いてきて(進行形)
~再生医療の実用化を目指す中、早期治療・予防の重要性、個別化(多様性・個別性)医療の必要性を認識、
* ソニーCSに移籍してAIを用いたデータ解析の新しい手法を開発
* 実用化の為に「医科学イノベーションハブ推進プロジェクト(MIH)」に参画、現在、副プログラムディレクター
< 贈呈式での挨拶 メモ >
* 御礼 ご来賓(北大 西井理事・副学長、公益法人協会 鈴木副理事長)、お手伝い スズケン
* 事業の実績
~これまで31年間の実績 1,340件、総額 9億4,800万円
~今年の実績 47件、 3,600万円
* いくつかのご報告
~米光 宰(よねみつ おさむ)先生 今年2月にご逝去 選考委員・理事として10年
http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29206
~ポスト トゥルース(真実)」にどう向き合うか フェイクニュースの中から
トランプ、BRIXIT、五輪誘致での「アンダーコントロール(原発事故)」発言、国会答弁「南スーダン治安状況」
ウソがまかり通る、格差と分断の時代に個人として何ができるのか(SNSほか)
https://mainichi.jp/articles/20170130/dde/012/040/002000c
https://www.rarejob.com/englishlab/column/20170309/
――その一つの回答: 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設問題について、日本獣医学会、全国大学獣医学関係代表者協議会、獣医学分野の教育関係者が6月30日、文部科学省で記者会見「根拠を欠いたまま進められ、妥当性を欠く」と批判、獣医学教育の現状について、大学同士の連携や教員の確保など「国際水準化へ向けた改革のまっただ中」と強調。「獣医学を学ぶ若き研究者・学生のために、私たちは黙認できない」、と。アカデミズムの責任あるお立場の方の勇気ある行動であり、矜持を感じた
記者会見の中央席に、(第一回秋山財団助成金受領者)稲葉睦先生・(この贈呈式にご出席の)谷山弘行先生のお姿
~背景 物理学者・哲学者の山本義隆氏 日本近代における「科学技術」導入の3大特徴:
1)「科学」、「技術」が「科学技術」として導入
2)軍事偏重 当初は「富国」に貢献し国力をつけたが、次第に「軍事増強」へと
3)国策として 「科学」、「技術」の各セクターの自立なく
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/274063
~2011.3.11東日本大震災、そして原発事故、現在に至る状況は、その限界を完膚なきまでに露呈
~ 昨年の私の挨拶:文科省「競争的資金」、防衛省「安全保障技術研究推進制度」に言及、「魔性と闘って」と。1年経った今、むしろ「自分の頭で考えて頂きたい」と。「ご自身の研究が何のためなのか、いつも」
* 財団の課題
コラボレーション & イノベーション
~助成財団センター深掘りセミナー、公益法人協会トップマネジメントセミナー、保阪正康さん3日間連続講座「近代日本史と北海道史」
~今後のキーワード、「SDGs」、「北海道学」
秋山財団は社会の不条理と闘いながら、変遷する環境において、日夜、自律的に研究活動に邁進する皆さんを、微力ながら応援し続けることをお誓いする。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今年の秋山財団賞は、北海道大学低温科学研究所 生物環境部門 生物適応分野 特任教授の田中歩先生(http://www.akiyama-foundation.org/news/2343.html)の「クロロフィル代謝の包括的研究」でした。
そして、最後は参加者全員による懇親会、話は尽きることなく続きました。
年始早々、凄い番組を観ました、登場人物のそれぞれのコメントが心に沁みます。日々のマスメディアではなかなか解き明かせない原理・原則ほか、時代の潮流を俯瞰する視座は、年の初めとして極めて価値があります。
HPから~~~アダム・スミスは間違っていた?ゼロ金利、英EU離脱、トランプ相場…。資本主義が揺れ、その在り方が問われる今、人々は「目先」の動きに右往左往する。それは利子という「禁断の果実」に手を出し楽園を追放された時に始まる?資本主義という経済システムの本質を解剖。アメリカの行方は?ヨーロッパに希望は?日本オリジナルのモデルとは?内外の経済のフロントランナーたちに取材、欲望という視点から資本主義を読み解く冒険。~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NHK・BS1スペシャル 「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」 <1月3日(火)午後9時00分放送>
http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2017-01-03/11/21522/2225460/
前編 50分 http://www.dailymotion.com/video/x57a5jd
第一章 資本主義の現在
第二章 成長は至上命題?
第三章 魔術の誕生
第四章 幻想が幻想を生む
第五章 欲望の果てに
第六章 サイレントフォース
第七章 危機後の世界
第八章 グローバルかナショナルか
第九章 数 リスク 不確実性
第十章 不確実の世界へ
最終章 未来へ
<出演者ほか>
【出演】 安田洋祐(大阪大学准教授),ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授),トーマス・セドラチェク(チェコ総合銀行 マクロ経済チーフストラテジスト),エマニュエル・トッド (歴史人口学者),ルチル・シャルマ(モルガン・スタンレー・インベストメントマネージメント チーフストラテジスト),アルヴィン・ロス(スタンフォード大学教授),ウィリアム・トラヌジャヤ(トコペディア CEO),原丈人デフタ パートナーズ グループ会長),安永竜夫(三井物産 代表取締役社長),小林喜光(三菱ケミカルホールディングス 取締役会長)
【語り】 やくしまるえつこ
【ナビゲーター】 安田洋祐(大阪大学准教授)
~安田洋祐先生の番組へのコメント~
ノーベル経済学者のスティグリッツ教授やロス教授をはじめ、世界の経済・金融・産業界のフロントランナーの方々にお話を伺いに行きました。昨年5月に放送された「欲望の資本主義~ルールが変わる時~」の増補改訂版、あるいは拡大完全版という内容で、時間も実に倍の100分へと大幅に拡大しています!僕もスタッフのみなさんも、膨大な時間と集中力を注ぎ込んで作り上げた番組で、自分が今までメディアを通じて行ってきた経済系の知見に関する情報発信の集大成、とも言えるデキに仕上がっています!(編集は確認していませんが、きっとそのハズ!!)
「欲望の資本主義」に携わったことがきっかけで、資本主義や経済に関する自分自身の捉え方や研究の方向性にも変化が起こりました(その研究成果の一端が、競争市場とある種の格差との関係に注目したこちらです)。同時に、国や職業が異なる識者の方々と、複雑な問いについて様々な視点から議論することの楽しさも知ることができました。番組に備えるための情報収集などに時間がかかり、従来行ってきた研究のペースは一気に落ちてしまいましたが、それを補って余りあるほど、研究者としてもコミュニケーターとしても成長することができたように感じます。
運命的な番組との出会い、番組を通じた他では得難い経験、そして番組制作に携われた多くの方々に本当に感謝しています。100分間と長丁場の番組ですので、録画でも構いません。ぜひ一人でも多くの方にご覧い頂けると、本当に本当に嬉しいです^^どうぞよろしくお願いします!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<私が手元に書き留めたメモから>
* 本来、お金は人々に託されたものだったのが、その後の資本主義の発展により貯めることが目的化してきた
* 従来型の経済指標は、もはや現実の状況を反映できない
* 日本はこのままで突き進めば「KAROSHI」するだろう
* 果てしない欲望に基づく資本主義に代わる新しい社会システムが必要
* Facebook等は、「いいね!」に象徴される「好かれたい欲望」をお金に換える新しいシステム
* アダム・スミスは、「利己主義」とともに「共感」にも言及している
* 新しい言葉、「B.C.(Before Crisis)」&「A.C.(After Crisis)」
* 「不確実性」と「リスク」は根本的に異なっている、イージー・マネー(悪貨)がこれを混同させる危険な世界
* 「欲望の資本主義」に代わる「禅的資本主義(Zen Philosophy)」
* 持続性があり、人にやさしい資本主義へとシフトすべき
* 「公益資本主義」は「社中」への還元と中長期の投資により、中産階級を豊かにする
* 私たちの「舵(かじ)」は私たちの手の中にある
日本経営倫理学会(http://www.jabes1993.org/) CSR部会で、「渋沢栄一に学ぶ~『論語と算盤』による経営」の執筆者によるプレゼンがあり、この会のメンバーでもある永年の友人で現在アデランス(株)の箕輪睦夫(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18767)さんからお誘いがあり、私も出席しました。渋沢栄一からそれぞれの視点で学ぶコメントは新たな気づきを与えてくれました。
< 「渋沢栄一に学ぶ~『論語と算盤』による経営」 >
http://www.robundo.com/adana-press-club/wordpress/02/2016/05/24/%E3%80%90%E8%89%AF%E6%9B%B
「論語と算盤」にはその理念が次のように述べられている。「富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」この理念のもと、ともすれば失われてしまいがちな企業の社会的責任について、現在の経営を根本から見直す。
田中 宏司
一般社団法人経営倫理実践研究センター理事・首席研究員、東京交通短期大学名誉教授(元学長)。1959年中央大学第2法学部・1968年同第2経済学部卒業。1954~90年日本銀行、1970年ミシガン州立大学留学(日銀派遣)、ケミカル信託銀行を経て、2002~06年立教大学大学院教授、2008~13年東京交通短期大学学長・教授。1996~2010年高千穂大学・早稲田大学大学院・関東学院大学・日本大学等兼任講師を歴任。経済産業省・日本規格協会「ISO/SR国内委員会」「ISO26000JIS化本委員会」委員等歴任
水尾 順一
駿河台大学経済経営学部・大学院総合政策研究科教授、博士(経営学:専修大学)。1947年生まれ。神戸商科大学(現・兵庫県立大学)卒業、(株)資生堂を経て1999年駿河台大学へ奉職、現在に至る。専門はCSR、経営倫理論など。東京工業大学大学院理工学研究科・東洋大学経営学部兼任講師、日本経営倫理学会副会長、経営倫理実践研究センター首席研究員、2010年ロンドン大学客員研究員。2008~2009年度経済産業省BOPビジネス研究会等座長・委員。CSRイニシアチブ委員会代表、(株)アデランス社外取締役、(株)西武ホールディングス企業倫理委員会社外委員
蟻生 俊夫
一般財団法人電力中央研究所企画グループ上席、白鴎大学経営学部兼任講師(1995年~)、日本経営倫理学会常任理事・CSR研究部会長、公益事業学会評議員。1988年東北大学大学院修了(工学修士)、(財)電力中央研究所経済研究所入所。1992年日本開発銀行非常勤調査員、1994年ドイツケルン大学エネルギー経済研究所客員研究員、2005~14年電力中央研究所社会経済研究所上席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
・・・・・・・
私なりに手元に留めたメモです。
* 「職業倫理」からの読み解き: 商業従事者の倫理=商人の倫理+企業家としての倫理、マックス・ウェーバー、鈴木正三、石田梅岩を越えて――>武士道に通じる儒学で構成されることを示した。アダムスミス、ベンサムを参照しながらも日本的価値観に基づく独自の理論を
* 思想・社会システムにおける「日本型」の再検討の重要性!
* 教育のイノベーション: 封建制下の教育から商業教育への貢献となる――> 現代的意義は、1)多様化(ダイバーシティ)と包含(インクルージョン、2)商業、経済活動に、「公、公益」という普遍的概念の導入、3)商業教育の内容変革、リーダーの育成
* ドラッカーが共鳴した渋沢栄一の社会観: CSRがすべての行動基準、意思決定の中にすでに溶け込み、企業の事業活動から切り離せない状態、活動そのものになっている。経済は社会のためにあることを共通の社会観として持っている。社会と人を幸せにするにはどうしたらよいか、からスタートしている、すなわち「人権」思想からのスタート。
* 渋沢栄一はソーシャル・アントレプレナー: 明治期の日本社会が必要としていたもの(社会的課題)をビジネス(事業)として提供した
<参考> 渋沢栄一賞(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/sibusawaeiichishou.html)
* 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」、初代ドイツ帝国宰相のオットー・フォン・ビスマルク
* 渋沢栄一「航西(こうせい)日記」に学ぶアデランスのCSR: 世界各地での展開の基本に渋沢栄一の理念・思想、そして「San-Po-Yoshi」のCSR
<航西日記> http://school.nijl.ac.jp/kindai/SUMI/SUMI-00156.html#1
以上、まだまだ貴重なメッセージがぎっしり詰まった意見交換でしたが、取り急ぎ書き留めました。今年1月に私が訪問した東京北区飛鳥山の「渋沢栄一史料館(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25430)」、機会を見つけて深谷の生地も訪れたいと思っています。
秋山財団事務所がある札幌市中央区宮の森地区の連合町内会で、この度防災研修会が開催され、そのプログラムの一つ、秋山財団の「ネットワーク形成事業(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_08)」で応援した根本昌宏さんが講師として発表の機会がありました。
* 冬期被災対応ネットワーク形成事業(http://www.toukihisaitaiou.jp/)
この事業の目的は次の通りです:~~~~~~~~~~~
「北海道には冬と対峙する昔からの知恵が数多く存在しています。これらの知識を掘り起こし、蓄積をしながら、最新の技術との融合を目指します。
古くから生活は三原則「衣・食・住」とされています。しかし災害時はそれらに加え「情(情報)」「情(心)」を加えた五原則が不可欠であることを本ネットワークでは提言いたします。
五原則を均一に網羅し、最低限必要な備えを提示し、最低限必要な知識を考案し、最低限必要なネットワークを構築します。これらを総括した「いきる力・いきぬく力」を、机上シミュレーションではなく、演習・実践によって培い会得し、多種多様な災害に対応する能力を見出すことが本ネットワークの目的です。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もう一つの講演は、同じ町内で私も「宮の森の環境を守る会」でお友達のみかみめぐるさん、「みみをすますプロジェクト(http://mimisuma-sapporo.com/)」でした。
HPより~~~~~~~~~~~~~~~~
2011年3月11日に東北地方を襲った大地震や大津波は多くの尊いいのちを奪いました。
そして福島原発の大事故が起き、放射能汚染によるいのちの危険や健康被害の危機にさらされた方達は広範囲に及びそれは今も続いています。
この大災害や原発事故によって多くの方達が避難生活を余儀なくされ、特に放射能汚染から逃れるために沢山のこどもがお母さんに手を引かれながら全国各地に避難して暮らしています。
避難生活にあるこども、被災地に留まって暮らすこどもなど、置かれている状況はそれぞれに違いますが、放射能汚染によってこどもたち本来の落ち着いた生活が奪われてしまったことは明白で、これはおとなたち社会全体の責任です。
みみをすますプロジェクトは、2011年に起きた大災害と大事故を契機に被災者支援活動をはじめた者たちが、手をつなぎ合わせて誕生させたプロジェクトです。わたくしたちは未来あるこどもたちの今を大切にしながら、いのちの鼓動に耳を澄ませ、放射能からいのちを守り育てたいと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり
数年前から、秋山財団では「アウトリーチ活動」に注力をしています。研究者にもそれを限りなく望み、市民活動の担い手の方々にも情報発信の場を提供すべく努力を続けています。今回もそんな流れから、「ネットワーク形成事業」の成果の発信の場として、まさに足元での活動となりました、参加者の満足度も高く嬉しかったですね。今後は北国のみならず、全国モデル、モンゴル・ロシア等世界に、この北海道防災モデルを発進していきたいと思っています。
秋山財団のアウトリーチ活動の様子はこちらから――> http://www.akiyama-foundation.org/news/1158.html
「寒地技術シンポジウム 2014(http://www.decnet.or.jp/project/ctc/)」が札幌で開催されて、秋山財団のネットワーク形成事業(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_08)で応援している根本昌宏(北見看護大学)先生グループの発表もありました、素晴らしいプレゼンでした。是非、日本全国の自治体、町内会では参考にして頂きたい内容です、寒冷地で活きる知恵は、全ての地域でも参考になるノウハウだと確信します。早速、年明け早々に、秋山財団事務所がある地元連合町内会で根本先生をお招きしてプレゼンを行う予定です。
* http://www.toukihisaitaiou.jp/
プロジェクト名 | 積雪・極寒冷地域のいのちを護る防災・減災への取り組み―いきるための力を創出する |
概要 | 道内の積雪・極寒冷地域災害に対処できる能力を人的ネットワークを生かした実践演習を通じて集積し、「いきる力・いきぬく力」を培い、多種多様な災害に備える。 |
代表者 | 根本 昌宏 |
助成期間 | 平成23年度~25年度 |
これまで慎重な計画のもと、着実にプロジェクトは進化しています。全てデータに基づいた念入りの計画・実践・検証であり、それゆえに普遍性を持つ一連の活動です。一番の特徴は、下のスライドにある「住む場所だけ提供してもいのちを守る避難所にはならない!」ことを指摘している点だと思います、食べること、団欒できること等も、不安な状況の中で重要なファクターであることを実証実験から学んでいるのです。この辺りが、行政の無機質なアリバイ的計画との大きな違いでしょうね、「いのちを守る」視点からの取り組みゆえに獲得できるものだと思います。
このプロジェクトは、秋山財団のネットワーク形成助成で3年間ですが、さらに発展してより極寒地仕様に磨き上げられて、日本全国のモデルに成長していくでしょう。最も不安なことを考えない、或はそんなこと起こりえないと根拠なく楽観するのではなく、まずはこれへの備えを整えて、日々の安寧な暮らしを送る、3・11以降の日本国民のあるべき姿なのではないでしょうか。