(社)経済同友会主催の「CSR:Corporate Social Responsibilityシンポジウム~社会的課題をビジネスにしたCSR経営の実践」が600名を越える参加で開催されました。経済同友会ではこれまでも「企業の社会的貢献(CSR)」に関して、積極的な提言を行ってきていますhttp://www.doyukai.or.jp/csr_summary.html。
先日のシンポでは基調講演として、グローバル・コンパクト・ボード・ジャパン(http://www.ungcjn.org/)議長の有馬利男氏が、国連のこの活動の背景と経過説明と、今後のCSRのあり方への仮説を提起しました。国連グローバル・コンパクト(http://www.unic.or.jp/globalcomp/)は、2000年にダボス会議での提唱を基に創設し、その後も継承されています。特に、「10原則」は人権・労働・地球環境」に対して、「コンパクト:誓約」としてまとめられています。「Conpact」という言葉は、「Promise:約束」と「Contract:契約」との中間的意味あいで、「誓約」と認識するのがベストとか。
この流れに沿った形で活動している先進的企業の取り組みが紹介されましたが、いずれも地についた自社の強みの延長として位置付けており、新しい時代のCSRとして新鮮な印象でした。事例紹介は下記の企業です。
味の素(http://www.ajinomoto.co.jp/company/csr/)、住友化学(http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/society/index.html)、ネスレ日本(http://www.nestle.co.jp/japan/j/csr/shared-values.asp)、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(http://www.unilever.co.jp/sustainability/)
有馬さんもおっしゃっていましたが、現在の認識としては、1)CSRは経営そのもの、2)CSRはグローバル競争力の源泉、3)グローバル・コンパクトはグローバルなCSRのプラットホーム、であることを再確認しました。
一方これとは対照的に、スモールビジネスとして「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネス」の起業も世界各地で活発です。いずれにせよ、一昨年のリーマンショック以降の新しい資本主義経済を志向する意味でも、金融至上主義・利益至上主義から脱却する「社会課題解決型ビジネスモデル」の構築が企業競争力として重要だと思いました。そしてこれが、21世紀型「成長戦略」に違いありません。
「景気が悪い」一辺倒の昨今の日本国内の論調ですが、国際社会の中では確実に新しい時代が到来しています。
1 月 12th, 2011 at 9:07 AM
[...] 企業のCSRでもそうなのですが、国連の議論・決定事項に関して、日本のメディアはもっとしっかり報道すべきだと思いますね。昨年2月、東京で開催されたフォーラムでは、グローバル企業も国際社会の中で生き残る存在として、CSRを真剣に展開している様子も発表されていました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3348)。 [...]