クリント・イーストウッド主演「グラン・トリノ」http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/、伝説のインタビュー「フロスト×ニクソン」http://www.frost-nixon.jp/ は面白かったですね。
「グラン・トリノ」は、「硫黄島からの手紙」にも通じる78歳のクリント・イーストウッドのメッセージを感じました。音楽も印象的でしたが、自らの命の価値をラストシーンで見せつける、以前日本映画でも同じ様な衝撃を受けたのを思い出しました。「武士道」にもつながるいのちの終わり方の価値とでもいうのでしょうか。
チラシには「俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を」とありました。フォード車「グラン・トリノ」を媒介として、老人から若者への命の繋がりを受け止めたつもりです。日本車営業の息子、朝鮮での軍隊経験等、アジアとアメリカとのこの間の歴史でも、彼は何か課題を提起したかったのではないでしょうか。
「フロスト×ニクソン」は、1970年代を彷彿させました。フロストの髪型もそれを象徴していましたね。「マスメディアの王座に駆け上がろうとする男:フロスト」と、「政界の王座から引きずり降ろされた男:ニクソン」とのインタビュー番組を通しての迫真の対決の経過は、次第に双方の立場が変わっていく様子が分かり、映像の説得力を感じました。
現実として、大統領経験者でウオーターゲート・スキャンダルで権力の座を引きずり降ろされたニクソン、過熱するメディア競争の中でスポンサー探しに奔走しながらも巨大アメリカ市場への野心を燃やし続けるフロスト、ともに日本の同様な経験を持つ人物と比較して、良い意味でも悪い意味でも目的達成への激しさと気迫を感じます。それぞれのスタッフ(陣営)の切れのある能力と魅力、延々と続く会話にも飽きることもなく、あっという間の2時間少々でした。
6 月 10th, 2010 at 5:55 AM
[...] *映画「大統領の陰謀(http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD5664/story.html)」、「フロスト×ニクソン:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1064」、このような映画が日本で制作されるだろうか [...]