昭和史に学ぶ、そのこころは!

Posted by 秋山孝二
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 以前から昭和史ほか、戦争の総括・論評に定評のある保阪正康さんが、札幌での道新フォーラム(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/576308.html)の翌日、小樽「道新文化センター特別講座」でお話をされました。

* http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/576632.html

保阪正康さんの鋭い分析と見識

保阪正康さんの鋭い分析と見識

 お話は、本当に素晴らしい内容で溢れていました。太平洋戦争から学ぶべき点として、

1. 軍部による政治のコントロール

2. 特攻や玉砕を「国家システム」として採用

3. 捕虜の扱いなど国際ルールの無視

の三つを挙げ、「昭和史には無数の教訓が詰まっている」と指摘しました。  以下に私の心に残るフレーズを書き留めます。最後の質疑応答で、東京裁判についての保阪さんのコメントも実に明快でした。

* 「歴史から学ぶ」ことは自分だけの為だけではない、子・孫につないでいく作業に

* 歴史は実証主義的に検証、取材、点検しなければ「教訓」、「学び」とはならない

* 日本が「軍事力」を本気で考える場合、「旧日本軍」を徹底的に検証すべき

* 「昭和」の指導者の「錯覚」は、軍事の歴史を振り返ると不可避だったのではないか、参謀優位、ロジスティクス軽視等

* 「歴史修正主義」は、国際社会では最も軽蔑され、相手にされない。歴史を理解するには「礼儀」があるもの

* 日本社会の「知的劣化」を強く感じる。昭和が創ってきたものがガタガタと壊れてきている。左翼の「甘え」、組合の「特権化」

* 「覚悟」が必要、言い換えるなら、今、生きていることを問われている

* 昭和史のささやきは、最短距離を最短時間で一気呵成に進むのではなく、「ゆっくり歩こうよ」だ

 今月の講師は、以前からお世話になっている戦史研究家・渡辺大助さんです、また小樽に行って聞いて参ります。身近な人を通して歴史を紡ぎ直す作業は、実に大切な気がします、そこで生きた人の息遣いを感じながらです。

渡辺大助さんのご講演

渡辺大助さんのご講演