ベルリンはこれまで一度も行ったことがなかったので、というより1989年前には生きている内には到底無理だと思っていましたので、今回、またとない機会であり、週末に少しだけ寄ることにしました。
一番の興味は、冷戦構造のシンボル「ベルリンの壁」で、今それがどうなっているのか、市民はどう受け止めているのか、です。空港からのタクシー運転手は、彼が10歳の時に壁が崩壊し、あっという間に無くなって驚いたと笑いながら語っていました。現在、市内三か所にモニュメントとしてしっかり残し、歴史資料も写真入りで豊富に展示されていました。特にナチスが政党として熱狂的に迎えられていた時期からの解説、戦後の裁判の記録は、その意味する所が理解できます。2年前のアウシュヴィッツ訪問時(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1485)も説明がありました、それが仕組みとして、政策として実行されていたことに我々は目を向けなければ再発は防げない、と。
ブランデンブルグ門は、東西冷戦の象徴のような場として記憶にありましたが、今はその面影は無く、多くの観光客で賑わっていました。広場ではあちこちでパフォーマンス、もっと厳粛な場と勝手に想像していましたので拍子抜けでした。私が考えている以上に、時代は先を行っているのでしょうね。
街全体は、トラディショナルとモダンが調和した街づくりで、ゾーンの位置づけ等、ち密な議論と計画の奥深さと感じました。鬱陶しい壁を壊して、主要駅の開放系の設計は、明るさと機能性に優れていて、これまでの歴史的建造物と対抗するのではないというメッセージも感じて取れます。
今回の短い滞在、美術館・博物館系の見学を全くスキップして、タイトルをつけると「歴史とまちづくり」系とでも名付けましょうか、ディテールはまたの機会に訪問できればと多少残念な気もしながら、ハノーバーに来ました。