ワグナー・ナンドールの足跡を訪ねて(3)

Posted by 秋山孝二
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 このシリーズ最終日は、ブダペストから約1時間西、バラトン湖手前の古都・セーケシュフェヘールバール(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/246751/m0u/)、ワグナー・ナンドール作「ハンガリアン・コープス像」のある広場で、市民挙げての式典でした。広場の中心にある像、空高く突きあげる指の表現に、作者の強いメッセージ「希望」を感じます。

右が「ハンガリアン・コープス像」

右が「ハンガリアン・コープス像」

  式典では、市の代表、「Academia Fumana」を代表して日本大使夫人とワグナーちよさん、そして日本の「ワグナー・ナンドール財団:http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html」を代表して評議員の堅田さんと私が、それぞれ兵士二人が運ぶ後をついて献花しました。あらかじめの連絡はなく、直前の指示に戸惑いながらも、我々の名前が大きく呼ばれて身の引き締まる思いでした。ただ、ここでも決定的証拠写真が撮れず、日本に帰ってから誰か撮影している方を探し出す必要があります。兵士、子供たち、楽隊、政治・行政の幹部、ピーンと張り詰めたあの緊張感が、たまらなく感激でした、絵になるというか、毎年こうやってメッセージを伝え続けて、自分たちの歴史に対して真摯に向き合っている姿への感動かもしれません。

式典前、少し緊張気味の旗手・高校生たち

式典前に彫刻を囲み、少し緊張気味の旗手・高校生たち

式典に参加の右・副市長(文化・芸術担当)、左・県議会議長

式典に参加の右・副市長(文化・芸術担当)、左・県議会議長

 式典の後、副市長のご案内で街の中心部を歩きましたが、まるでテーマパークのように見事な景観を形成しています。市議会議場でも説明を受け、歴史の一コマに居る雰囲気をかもしだす、重厚で厳かな議場でした。その後、リニューアルした歴史的建造物について考古学者の方によるご案内・説明も興味深く、歴史の節目・節目に壁の増改築もあった様子が石の積み上げの違いで検証されたり、またそれらを透明の壁で「見える化」しながら、結婚披露宴会場として今も活用する、保存・展示の技術にも驚きました。今もなお遺跡の発掘作業が続いていました。

 前日のナジュバラドでは、朝の6時に教会の透き通る鐘の音で目を覚まし、ここでは正午に、市内十数か所の教会が次々と鐘を鳴らし、時を告げていました。その鐘の音を聴き終えて、空間を復元したレストランで副市長主催の昼食会が和気あいあいで開催。

市議会議場

市議会議場

 この街は人口10万人少し、数100年間、歴代の国王の戴冠式が行われていた誇りが、圧倒的な存在感と自信をを示しています。市庁舎・議場の壁には大きな絵画が掛けられて、どうみても美術館といった建た住まいです。「自治」の伝統、歴史への誇り、今の殆どの日本の地方自治体が持ち合わせていない「エネルギー」のようなものなのでしょうね、とにかく感動しました。

<12日に追加分:公式写真集と地元テレビの報道>

http://www.szekesfehervar.hu/viewer.php?image=0&group=90042
 
http://www.fehervar.tv/index.php?pg=video&cid=16&vid=4572&autoplay=true