地元では、これまでたくさんの経営者とお会いする中で、庄司社長ほど多彩な活動の場をお持ちの方を知りません。以前からフォーラム等では何回も同席しましたが、一番お人柄を知ったのは、今から8年くらい前に、新しく就任された札幌市の上田文雄市長に対するアドバイス集団「経済アドバイザー会議(SEF)」でご一緒した時でしょうか。2年間に8回程会合を開き、経営的視点から様々の提言を行いました、私はその事務局長として会議の議事録作成のためにテープ起こしをしたので、そこでの庄司社長の大変内容の濃いメッセージの数々と見識の高さを、忘れることができません。特に、「食―農」に対する哲学、日米関係への批判的考察、環境問題への提言等、とにかく幅広い分野に対する筋の通ったご発言は、確固たる信念に基づいていて、実に説得力がありました。
これまでに多くのメッセージも発信されています。特に、2004年11月「さっぽろガイアミーティング」では、ハンガリー人で世界賢人会議「ブダペストクラブ:http://www.peaceproposal.com/jbudapestclub.html」主宰のアーヴィン・ラズロー氏、映画「ガイアシンフォニー:http://gaiasymphony.com/」監督・龍村仁氏をお迎えしてフォーラムを開催されました。
~~~すべての存在は繋がりあい、その相互関係を進化させることこそが環境問題など混とんとした現代を克服する鍵となり、そして我々人間もまた繋がりあう有機的な総体の一部として、宇宙の進化に影響を及ぼすことができるのだ~~~~
哲学者であり、物理学者であり、ピアノ奏者として優れた活動を続けたアーヴィン・ラズロー博士、映画監督・龍村仁さん、そして庄司昭夫社長との鼎談は、この10年の中で私にとって際立って印象深いひと時でした。
庄司社長は、食―農分野では、国際食糧戦略としての日本の農業のあり方に対して戦う姿勢を鮮明にして、「真に消費者の立場に立つ」ことを追求し、BSE問題に関連しても積極的提言を行いました。そして企業のあり方では、社会性のある組織としての企業、「何を目的として戦うのか、理念競争の時代」と断言し、「昨今のように、ものごとが大きく変化していく時期には理念が必要で、何に命を使うか、死んでもこれだけは絶対に譲れないと守るべき自らの『掟:おきて』を持っているかどうか、会社の『掟』、個人個人の『掟』を持っているかどうかが、厳しく問われているのです」、そう発言集にも記されています。「掟:おきて」という言葉に込められる庄司社長の哲学に心を打たれました。
尊敬する経営者、思想家であった庄司昭夫さま、どうか安らかにお眠り下さい。