<訂正版>心に響く「ネパール民族音楽」

Posted by 秋山孝二
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 大変申し訳ありません、私の記憶に間違いがありました。修正して再度掲載致しました、関係の皆さまにお詫び申し上げます(6月6日)。

 秋山財団のネットワーク形成事業の一つ(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema06.html)で今年3年目を迎える「 WIN-AINUhttp://www.win-ainu.com/」の年次総会が、札幌で開催され、この間の着実な発展も報告されました。特に昨年のCOP10では、名古屋で国際会議を主催したり、海外とのネットワーク形成も進んでいます。

 終了後の特別プログラムで、ネパールの基本的な国事情(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/nepal/index.html)と民族音楽パフォーマンスがありました。多民族・多言語国家で、すぐにヒマラヤを想像しますが、実は低地から高地まで多彩な国土とのお話、固定概念だけの認識の貧困さを再確認しました。民族音楽の演奏では楽器、基本的なリズムのパターンの解説に始まり、次第にエキサイティングな演奏になる様子は、壮大な物語を聴くようで、実に素晴らしいひと時でした。

打楽器を体につけて

リズムの解説:打楽器・マーダルを体につけて

笛ほかとのアンサンブル

笛ほかとのアンサンブル

 写真の左はマーダル(太鼓)、右端はバンスリ(竹笛)、真ん中は今は鈴ですが、彼はハルモ二ウム(手風琴)も演奏します。音域の異なる数本の竹笛を取り替えて、まるで日本の尺八の音色で始まる懐かしい演奏は違和感なく体に入って、次は両面太鼓を二本お腹にくくりつけてのソロ演奏になって盛り上がり、クライマックスを迎えます。

 今回、ネパールから来日していらっしゃった演奏者3名を終了後に復習をしました。ネパール伝統芸能保護・発展寄与の目的で活動している『ネパールソンギートに親しむ会』というプライベートなボランティア団体が企画・運営している研修です。コーディネートされたのは、代表の岡本マルラ有子さんで、東京の和光大学で非常勤でネパール芸能の講義をされています。

<クリシュナ・グルンさん:右端>49歳。ネパール国立劇場音楽ディレクター及び常勤ミュージシャン。私財を投じて伝統音楽のリサーチと後継者育成に尽力しているネパール民族楽器「バンスリ(竹笛)」の有名な奏者。その温かで実直な性格がアーティスト仲間からの絶大な信頼を得ている。

<ゴビンダ・グルンさん:真ん中>42歳。銀行支配人をしているが、かねてより出身村の伝統芸能の継承に尽力しており、その村のグル(昨年100歳で逝去)から認められた一番弟子。村に伝わる伝統民族舞踊「ソラティ」の名手。他にも民謡などを作詞作曲したり、その民族の映画に出演したりと芸能をこよなく愛している。
 

<ブラ・カルカさん:左端>46歳。ネパール国立劇場ミュージックインストラクター及び常勤ミュージシャン)。ネパール民族伝統打楽器の代表「マーダル(小型の両面太鼓)」の名手。彼の手にかかると、マーダルがまるで生き物のように見えてくる。

 

 万国共通の打楽器の底力、木管の笛の心地良さ、とでも言うのでしょうか、さらにその国の歴史・民族構成・文化を知っていくと、音楽が音楽以上の芸術・文化となるような気がします。今年の「WIN-AINU」総会で、また一つ勉強になりました、感謝です!