このところ、期せずして幾つかの場で「待っているひと時(待ち時間」があり、その間、様々なことが頭を巡りましたので、多忙な日常ではあまり考えることもないある意味では貴重な体験であり書き留めておきます。昔は、床屋さん、歯医者さん等、待っている場面がずいぶんありましたが、最近は予約制も普及してずいぶん減りはしました。
まずは、先日も書きましたが、医療機関外来窓口の対応。昨今の厳しい競争の賜物とでも言うのでしょうか、昔に比べると格段に来る患者(顧客)に対してのきめ細かい姿勢を感じます。例えば、私が二か月に一回通っている内科外来窓口では、スタッフの声掛けが事務受付から検査看護師、診療室看護師まで、挨拶だけでなくごく自然な形でコミュニケーションを取っています。医療機関に来ている人々なので、どこかしら具合が悪いという状態を鑑みて、おそらく日ごろからそいう教育研修をしていると思われます。診察後の次回の予約を取る段では、名前を呼んだあと、「あっ、そのままで結構ですよ、今、行きますから」と、毎回100%同じ対応で、膝をついて座っている私たちと同じ目線で対応しています。どのスタッフでも誰でも同じですから、その医療機関の日頃の教育なのでしょう。
もう一つの医療機関窓口では、高齢者が多いせいか、朝の受付にかなり早くから訪れる方もいらっしゃるようですが、整理券を配り、機械での受け付け時刻を明示しています。待合ロビー・廊下には、それぞれの先生の患者番号が電光掲示板に順番に掲示されて、「あと何人で自分の番か」が一目瞭然、待っていてもその時間に別の算段ができます。また、受付窓口の事務の方も、プラス1名カウンターの奥に立って待合室の状況をいつも視ているスタッフがいるのです。これもその病院の体制・システムとしてかなりよく吟味された仕組みと私は毎回感心しています。
と、そんなこんなで時代と競争の激化でサービス産業のフロントラインのレベルアップを具に感じていた時、つい先日、私が代表を務める法人格を持った団体の銀行口座について用事があったので、市内中心部の北洋銀行本店営業部と北海道銀行本店営業部を訪れました。普段は、ATMで用件が済むので、久しぶりの窓口でした。以前から、私の周りの方々ともお話をしているのですが、「今、税務署窓口の対応はよくなったけれど、銀行窓口が一番訪れて気分が悪い」との声を聞いており、私自身もこの十数年、ますますその気持ちを強くしています。ただ、もう時間も経っているので、さすがに銀行自身そういった顧客の声を取り入れてサービス対応はレベルアップしているだろうとのほのかな期待を持って先日行ってみたのですが、北洋銀行はかなり改善されていましたが、北海道銀行は全く以前のままのひどい状態でした。
今回、両行ともに団体の口座に関して3つの用事があったので、窓口の女性にそれぞれご説明をして必要書類等に書き入れて、そこまでの様子はほぼ同じ、ただ、北洋銀行窓口の女性は、上司に伺いを立てる箇所についてはすぐに席を立って、OKですとの返事を得たとか、その場で即決している雰囲気は感じられました。いつも感じることですが、日本のサービス業のフロントラインのレベルの高さは、世界でもかなりのものだと思いますね。今回も、両行とも窓口の女性の対応は説明の言葉も非の打ちどころがなかったと思います。
問題はその後です。北洋銀行では「30分ほど時間を頂きますのでご容赦下さい」と、北海道銀行では「1時間ほどお時間を頂けますか?」とのことでもちろん了解してその間、ロビーを離れて自分なりの他の用事も済ませました。時間が経ち、北洋銀行窓口に行くと、私が預かっていた番号札を渡すと別の担当の方が、「こちらの通帳ですね、引き継いでいましたのでお渡し致します」と、ほんの1分のやり取りで銀行を出ました。
次に北海道銀行本店営業部に移動して、ロビーに立っている案内係の方に、「これできていますかね?少し時間が早いのでできるまでここで待っています」と私は係の方の目の前の席に座っていました。スマホで高校野球のライブをチェックしたり、何だかんだで受け付けてから1時間が経ったので、「そろそろ出来上がりましたかね?」と代わった案内係の方にまた伺ったところ、バックオフィスに行って戻ってきて、「まだのようです」とのご返事。その間、「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」を何十回聞いたことか、コンビニ以上でした、案内係を責めているのではありません、やらせている仕組みと上司にこれでいいのか、と言いたいですね。
結局、結論は、受付から2時間15分後に、私は「念願の?!」通帳を受け取ることができました。ただ、私に通帳を渡してくれた女性は、まだ入行それほど経っていない職員ではないでしょうか。何もいきさつを知らされずに、もちろんお待たせしたというような気すらなく、ただ「ありがとうございました」と。私は、今回はクレーマーにはなりたくないと我慢していたのですが、バックオフィスにチラチラ見える上司と思われる男性陣に無性に腹が立って、「どこでこんな時間が掛かるのか説明して頂けませんか?」とかなり冷静にお願いしました。しばし奥の方で気乗りしない様子の上司と思われる男性がやってきて、「申し訳ありません」を繰り返し語るのみ。私は、「いや、お詫びを聞きたいのではなく、どうしてこんなに時間が掛かるのかを説明して頂きたいのですが」と再度聞いてみたのですが、明確な答えは何もありませんでした。
私は2時間以上も待ったあげく昼食も取りそびれ、食後の薬も飲めず、これ以上道銀に寄り添う気持ちも無く、早くその場を離れたかったので退出した次第です。2時間が掛かりすぎるというのではなく、業務の見積もりで当初から2時間程度かかるのであれば、最初にそう言うのが顧客への配慮ではないかと思うのです。そうすればその間の時間の算段が付くし、顧客としても予定が立つというものでしょう。それにしても、あの程度の業務で2時間以上、営業店の看板を降ろして事務所と名称を代えた方がいいと思います、顧客不在です。
実は、北海道銀行では以前にも本店営業部二階で同じようなことがあったので、これじゃ忍耐強い日本の顧客も離れていくのではないかと、まるで銀行幹部になったような心境で寂しくなった次第です。バックオフィスの非効率、決済の過剰なプロセスによるスピード感の欠如。曲がりなりにもこの間大学で「経営組織論」を10年間教えた私としては、北海道銀行の経営幹部にこの声が届くことを期待します。
ちなみに、秋山財団は北海道銀行鳥居前支店にお世話になっています。昨日も私は払い出しで窓口に行きましたが、カウンターの女性、お金をお渡し頂いた女性とも、穏やかで笑顔を絶やさず会話もあり、何も文句を言う筋合いはありませんでした。ATMが主流の銀行窓口業務、せめて人が対応する場面では、心のこもった会話とかコミュニケーションが一層大切になっている気がします。バックオフィス上司の方々も、顧客目線を忘れてほしくないですね。
書いていてだんだん不愉快になってきたのでこの辺でやめます、それにしても日本の銀行、顧客を粗末にしている、またその意識さえ銀行全体にない、憂うべき事態だと私は思います。
以下、ついでなので、今年2月にFacebookに私がアップした記事も一緒に掲載します。金融機関窓口は、私にとっては鬼門かも。
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テナントビルの受付業務を熟知されている方、いかが思われますか?
東京都内、金融機関本拠が入居するビル、ビル玄関前の表看板にもその金融機関の名称が明示。詳しく言えばグループ企業がテナントとして入っているのかもしれません。受付カウンターでどこにでもあるように入館表を書き終えたら、「お名刺を2枚提示を」と冷たい笑顔で受付嬢は言いました。私はとっさに「以前は何も言われなかったけど、どうして2枚なの?」と聞いた所、「ご本人様確認のため」と何のためらいもなくそう返事、要するに1枚だと他人の名刺かもしれないということらしい。これまで国内外、何千回と企業訪問して多くの受付を体験していますが、こんなのは初めてでした。少なくともここまで足を運んできた訪問者に対して失礼な、と。総合受付を通り該当階に行くとそこにまた受付。私は少なくとも顧客、アポイントも事前に取っての訪問です。時代が変わってしまったのか、東京ではこれが常識となっているのか、どこか寂寥感を感じる私なのですが・・・。今の日本の金融機関とすれば、当たり前のビヘイビヤーか。
言いたいことは、テナントビルなら万が一の不審者来訪のリスクはビル側が取れと。ほとんどの善意の訪問者に求めるものではないと思うのです。
日本社会、責任をとにかく回避するために懸命に知恵を働かせる、そのくせ、大きな損失は減りもしない、まさに経営者の劣化ですね!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~Facebookの私の投稿コピー おわり