久しぶりの洞爺湖 2023(下)

Posted by 秋山孝二
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 思えば2008年の「G8北海道洞爺湖サミット」以降、私は初めてのこの洞爺湖畔。記念館ができて当時の様子が展示がされていると聞き、短い時間でしたが足を運んできました。私のこのブログを始めたのも、丁度このサミットが終了した直後でしたので想い出深いですね。

 ゴールデンウイーク近くの観光シーズンとは言え、殆ど人通りのない温泉街の道を横切り、記念館建物をゆっくり見学しました。

* G8北海道洞爺湖サミットーー> https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/toyako08/index.html

* 私の洞爺湖サミット関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%B4%9E%E7%88%BA%E6%B9%96%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%83

 洞爺湖サミットの後、日本では三重県の伊勢志摩サミットが開催され、今年はもうすぐ広島市で開かれます。先月はそれに先立つ「環境大臣会合」が、札幌で開催されました。

「平成」最後の大晦日に思う

Posted by 秋山孝二
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 今年1年、そして平成の30年間、私にとっても激動の時代でした。

 今朝の北海道新聞朝刊の一面トップは、「アイヌ民族差別禁止を明記 新法案の全文判明 国や自治体に理解深める義務
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/263371)」。基本理念として、アイヌ民族に対する差別や権利侵害を禁止することを明記し、国や自治体が、アイヌ関連施策を実施する責務や、「アイヌの伝統等」に関する国民理解を深める努力義務を負うことも定めたそうです。

 このところのアイヌに関する動きと今日の記事を読んで、私は10年前の「G8北海道洞爺湖サミット」開催時に、「G8サミット市民フォーラム北海道」の共同代表の一人として、「世界は、きっと、変えられる」をメインテーマに掲げた時の頃を思い出しました。

*詳細は、http://kamuimintara.net/detail.php?rskey=143200809t01

 この「フォーラム北海道」の規約では、その目的は(1)北海道洞爺湖サミットを市民に開かれたものにすること、(2)北海道(アイヌモシリ)の問題をグローバルな視点で討論すること、(3)道内のNGO・NPOなどが一緒に活動し市民の声をサミットに反映させること、としていました。

 さらに、政策提言も高橋はるみ北海道知事宛に提出していて、提言の日本文は7ページにわたり、英訳が加えられています。気候変動、生物多様性、平和・人権、貧困・開発の4分野で構成されており、「私たちが暮らしているこの島は、先住アイヌ民族が住み続けている島です。アイヌの人たちは、この島をアイヌ・モ・シリ(人間の住む・静かな・大地)と呼んできました…」という前文で始まります。(アイヌ・モ・シリのリは小文字)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~以下、一部引用

 G8サミットはサミット(頂上)という言葉が示すように、地球規模の課題を『上から』解決しようとする場です。しかし8つの『大国』だけでこうした問題が解決できないことは、すでに明らかになっています。地球規模の課題を解決していくために必要なのは、気候変動や経済のグローバル化の影響を受ける世界の人びとと、とくに地域に生きる人たちの知恵や経験、価値観です。私たちは北海道・アイヌモシリという地域に住む住民という立場から提言を行います。

・・・「北海道・アイヌモシリは豊かな自然が今も残り、食料やエネルギーの『地産地消』が可能な島でもあります。この可能性をさらに発展させ、北海道・アイヌモシリを持続可能で平和な島に変えていくことを私たちは提案します」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 当時は、はなはだ残念ですが当局から何の反応もありませんでしたが、10年の時を経て、冒頭の新聞の見出しのような世の中に大きく変わってきています。時間は掛かりましたが、私たち北海道からの提言は決して無駄ではなかったのでしょう。

 もう一つの話題は、昨日のBSでも放映されていましたが、元日本ハムファイターズの大谷翔平選手のメジャーリーグでの大活躍です。

* これまでの関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A4%A7%E8%B0%B7%E7%BF%94%E5%B9%B3

 番組でもたくさん紹介されていましたが、アメリカでの活躍に多くの方々がその勇敢な挑戦に拍手を送り、違いを乗り越える真摯な努力と適応力を褒めたたえていました。ファン、アナリスト、メディア、ライバルチームの超一流選手たち、エンジェルス球団の幹部等、プロフェッショナルが支える一つの産業の中で、大谷翔平くんの少年のようにベースボールと向き合う姿が共感と感動を与えたと私は理解しました。「褒める文化」が実に美しい、日本のこの業界で飯を食っている連中のレベルの低いバッシングに比べて、人が育つ、育てる土壌の違いを感じました。と同時に、ここまで日本で育て上げた日本ハムファイターズ球団と栗山監督の功績も実に大きかったことを再確認しました。

 以上、様々な出来事の2018年でしたが、最後に、今年の秋山財団贈呈式での私の挨拶の手元メモからの引用です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<日本の凋落・劣化、そして新しい担い手たちの台頭>

ひどい大人たちの惨劇

政府 モリ・カケ疑惑

経済―アベノミクスの行き詰まり・破たん

記録改ざん・廃棄・隠ぺい~中央官庁

障碍者雇用の水増し~中央官庁

パワハラ・セクハラ問題

~元TBS山口敬之の犯罪と隠ぺい

~スポーツ:女子レスリング、日大アメフト部、日本ボクシング連盟、日本体操協会、etc

* 女子レスリングの伊調馨(かおり)と栄和人監督

* 日大アメフト部の悪質タックル問題で、内田正人監督、井上奨(つとむ)コーチ、記者会見時の広報部司会者・米倉久邦

* 日本ボクシング連盟の山根明会長(当時)

* 日本体操協会

<一筋の光>

+ スーパーボランティア尾畠春夫さん(78歳)

+ 宮川泰介(みやがわ たいすけ)日大アメフト選手

+ 体操女子 宮川紗江(みやかわさえ)選手

+ 伊藤詩織さん

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 私自身、限られた時間を自覚して、少しでも社会の役に立てればなと思っています、皆さま、今年一年お世話になりました、どうかよいお年をお迎え下さい。

公法協コラムに掲載

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 今月の(公財)公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/)のWeb版広報に私の文章が掲載されました。

* http://www.kohokyo.or.jp/kohokyo-weblog/column/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用

◆◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆◆

◎市民活動との本格的出会い

公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団

理事長 秋山孝二

◆◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆◆

私は32年前に、この財団の設立に携わり、以来、理事を経て10年後、1998年に

初代理事長の秋山喜代(伯母)の逝去後を引き継いで22年間、理事長を務めています。

企業経営者としての人生を送っていた私にとって、市民活動との本格的出会いは、10年前の

「G8北海道洞爺湖サミット」開催時に、「G8サミット市民フォーラム北海道」の共同代表の

一人として、「世界は、きっと、変えられる」をメインテーマに掲げた時でした。

*詳細は、http://kamuimintara.net/detail.php?rskey=143200809t01

当時、私自身は二つの意味合いで、フォーラム代表の使命を感じていました。

1) 世代としての使命:20世紀半ばに生まれた者として、これからの若い世代が夢を持ち

続けられる社会・自然環境への努力を惜しまないこと、

2) 北海道に育った者としての使命:行政・企業とは異なった、本来の「市民セクター」

として、北海道においてプラットホームの構築、そして世界との直接的なネットワーク

づくりの実践です。

市民活動と企業活動は相対立するのではなく、担い手こそ違うとは言え、その課題解決策は、

かなり共通していると信じていました。

永く企業セクターに身を置いた私は、少しでもこの「市民活動とのコラボ」に、メディアを

含めた地元民間企業が興味を持つべく、出来る限りの努力をするつもりでこの任を引き受け

ました。

活動の詳細は、上記のサイトをお読みいただきたいのですが、今も私が忘れることができない

のは、クロージング・セッション、参加した74団体の中から14団体/個人によって、

3日間を締め括る実に多様なレビュースピーチが行われました。

G8を問う連絡会(小倉利丸)、市民外交センター(上村英明)、先住民族サミット(木幡カムイサニヒ)、

ゆうばり再生市民会議(熊谷桂子)、Japan Volunteer Center (熊岡路矢)、日本自然保護協会(道家哲平)、

生物多様性フォーラム(山下洋)、SANSAD/インド(Anil Singh)、日生協保健部会(北嶋信雅)、

Africa Jubilee South(Noel)、毎日新聞(横田愛)、Youth G8 Project(林雄太)、ezorock(草野竹史)、

ACE(岩附由香)のみなさん。

そして総括挨拶として、NGOフォーラム代表の星野昌子さんが、

「気になるのは、行政などを動かすことに成功してきた分、逆に日本の公的セクターも

市民社会とつきあい方に慣れてきて、気を緩めると取り込まれてしまうのではないかと

いうこと。

いたずらに敵対する必要はないが、私たちは立場の違いを常に意識して、緊張感と距離感を

持ち続ける一方、なおかつ喧嘩別れにならずに粘り強い話し合いを今後も続けていきたい

と思います。

大組織主体ではなく、多様なNGOの声に耳を傾け続ける姿勢を大切にしたい」と、

含蓄のあるお言葉で締めくくられました。

あれから10年、国際社会の枠組みは、「京都議定書(1998年)」、「MDGs(2000年)」から、

2015年の「SDGs」、「パリ協定締結」へと一層進展してきています。

これらを共通語として、「民が担う公共」の立ち位置にこだわり、「Society 5.0」を

先取りする取組みを果敢に地域で果たして参りたいと思う昨今です。

*society5.0とは、http://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 当時の私の総括はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=54

懐かしい首相官邸での写真(日本のNGOの代表の方々と)

懐かしい首相官邸での写真(日本のNGOの代表の方々と)

ブログ、1,000本目です!!!

Posted by 秋山孝二
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 2008年10月16日から始めたこのブログ「秋山孝二の部屋」が、今回、めでたく6年目で1,000本を迎えました。量の問題よりもまずは良く続いたなと、率直に思います。

深まりゆく秋・札幌 2014

深まりゆく秋・札幌 2014

 スタートは、ちょうど「G8北海道洞爺湖サミット(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/toyako08/」が終了して、リーマンショック直後でした、何か残したいなとの自然な気持から。

 第一回はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24

 最初は何も分からずにおっかなびっくり、ただただ文字だけを書き連ねていましたが、読まれた方が「写真もあったらいいね」とおっしゃったので、6か月経って初めて写真を挿入してみました、その第一回がこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=799

 「予めのカテゴリー分けもままならず、最初からしばらくはアトランダムに垂れ流しになりますが、そのうちに整理していこうと思っています。取りあえずスタートを前に、『決意表明!』です。」と始めたのですが、今もってカテゴリー分けもできずに、垂れ流しです。途中、一時「コメント可」にした時期もあったのですが、スパムがひどくて今は「不可」にしています。ただ、Facebookも途中から活用し始めたので、時々はそちらにも投稿したり・・・。この6年間でインターネットの世界は格段に拡がり・奥行きを見せていますね、同時に少々忙しくなったりもして・・・。

 Facebookはメッセージのやり取りのスピードがかなり速く、ある環境系のオピニオンリーダーは、「内圧が上がらない内にアップするので、思考が浅くなるような気がします」とおっしゃっていましたが、私も全く同感です。ロジック以前の反射・反応のレベルでメッセージのやり取りが成立している、ノリのいい方向き(?)、そんな場と感じられます。

 自分のブログの中で、私的に「連載」で気に入っているものは以下の二つでしょうか。

* 愛生舘の「こころ」

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%84%9B%E7%94%9F%E8%88%98%E3%81%AE%

’71 北アメリカへの一人旅

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA

 この間、「2011.3.11」が起こり、原発事故報道ではマスメディアへの不信でいっぱいでしたが、私はブログのお陰でインターネットの大海から検索機能で世界の知恵と出会う機会も多く、かなり正確な状況を把握できました。関西の新聞社の方、メディアの方から「写真を使わせて頂いて宜しいでしょか」とか、検索でアクセスし、引用で使って頂いた時もありますし、ご連絡がありその後も何回もお会いしている方もいらっしゃいます。一方、私の場合は未だにありませんが、特定のブログへのヘイトスピーチ、品の無い誹謗中傷も頻発し、情報社会の裏面、社会の病んでいる様子も垣間見ます。

 いつまでとか、出来るだけ長くとか、何も特段の目標は持ち合わせてはいません、自然体で書けなくなった時には静かに消えたいと思っています。今では書くことが「日常」になっているので、それまではお時間のある時にご覧い頂ければ大変嬉しいです、これからもよろしくお願いします!!

2010年、少しの満足!

Posted by 秋山孝二
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 今年は、私にとっては情報発信をする機会に恵まれました。この欄は勿論ですが、北海道新聞の1年間の「新聞評」担当、パネルディスカッションのパネラー、札幌劇場祭審査員等です。「新聞評」は、辛口でと担当の方から言われて多少意気込んで取り組みましたが、多くの新聞等も読まなくてはとても辛口での論評は難しく、予想以上の作業でしたね。でも、本当にたくさんの方からの反応も直接頂き、手応えがかなりあったので嬉しかったです。

北海道新聞「新聞評」・担当3回(各1300字)で、以下その抜粋:

<2月上旬掲載>・・・・・・未来は予測するものではなく創り出すものであり、激変期にありながら「従来型」の視座に固執では感動はない。特に「東アジア共同体」構想の国際社会での意味、4つの密約等について、編集には座標軸と原点を示す「覚悟」と「勇気」を期待したい。

<6月上旬掲載>・・・・・・「APEC札幌会合まで1ヶ月」(5日朝刊)、「日本酒外交舞台で存在感」(17日夕刊)に接して、2年前のG8北海道洞爺湖サミットの記憶が蘇った。私は留寿都・国際メディアセンター(IMC)にNGO枠でしばし滞在し、海外からを含めて4000名を越える報道関係者の活きた取材・発信現場を垣間見た。NGOメンバーの記者会見等を含めた真摯で積極的な情報提供活動、市民メディアの的確な課題把握力、日本の映像メディアの浅薄さ、そして質・量ともに贅を尽くしたセンター内の無料飲食メニュー等である。国際会議で大切な地元の姿勢は、上滑りな「おもてなしの心」ではなく、しっかりした議論に裏付けられたメッセージの発信であり、日本のマスメディアに今問われているのは、目の前の状況から課題を認識・抽出する感性と能力なのではないだろうか。

<10月上旬掲載>・・・・・・・・・昨年、足利事件の菅家利和さんが釈放されたのは、元局長が逮捕されるわずか10日前である。多くのメディアは、今年3月に菅家さんの無罪判決が出た時、「捜査の全面可視化」を提起する一方、裁判員制度の導入も踏まえて事件報道のあり方に関して、捜査中心から公判中心へ基本的に転換したはずではなかったのか。本紙には、発表依存の報道から脱却し、以前、道警裏金報道で見せたような、果敢な取材に基づく調査報道の復活を期待したい。

<10月・新聞週間特集(800字)として>~~~~~~~~~

 メディアとしての「新聞」の危機は、諸外国の事例で頻繁に語られている。日本では、発行部数の多さ、テレビと内容的に同期している点、広告料の構成比の違い等、特有の環境があり、必ずしも同じ道をたどるとは思えない。ただ、本来の新聞の強みを関係当事者が見失った時、衰退が始まるのだろう。

 先月の記事で、私が数社を比較して注目した一行の見出しがある。2010年版防衛白書・閣議報告は「沖縄海兵隊の役割強調」(10日夕刊)、他紙は「防衛白書、薄い民主色」(11日朝刊)と、一歩踏み込んで沖縄普天間問題の迷走との関連を表現していた。また青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場問題で、本紙が「再処理工場2年延期」(10日夕刊)とした記事が、他紙では「核燃 展望なき操業延期」(11日朝刊)だった。「安心・安全」への国民の高い関心に応える見出し、記事になっているかどうか、考えていただきたい。

 私はこよなく新聞を愛する読者として、期待を込めて望むことがある。一つは、「時代を展望して」、「流れを読んで」と難しいことを言うつもりはないが、少なくともリアルな現場から発せられる「今」を伝えてもらいたい。現場を深く掘る取材によって、「時代の空気」を読者に提供できないものだろうか。もう一つは、「たれ流し」のごとき発表報道ではなく、徹底した取材を基に、主語の明確な検証・調査報道を行ってほしい。発表報道の偏重は、いずれテレビやインターネットへ取って代わられる自滅行為ではないか。

 戦前、新聞は「上から目線」の国民教育機能で、権力の監視機能とは大きく性格を異にしており、さらに「報道」が「宣伝」に変わっていった。検証・調査報道の意義は、出来事には時間がたってから分かることがあり、安保・沖縄関連の「密約」でも明らかなように、当時「報道されなかったこと」の意味も、後に検証すると重要性を再認識することができるということである。

 市民の視点を貫き、立ち位置を明確にするためにも、記事の検証企画・調査報道にこだわって頂きたい。冷戦後の国際社会、政権交代後の日本社会、今、新しい時代に会社としての「覚悟」が問われているような気がする。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~

パネラーとして: 

8月「札幌の芸術都市構想フォーラム」http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5134

12月「社会起業研究会フォーラム」http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6770

 

劇場祭審査員として:

11月札幌劇場祭審査員講評:http://www.s-artstage.com/2010/tgr/2010/12/936/

 

 いずれも多くの皆さま方からご批判、お褒めを頂き、私自身大変励みとなりました。世の中まだまだ先の見えない混とんとした時期が続きますが、やらなければならない事がたくさんあります、来年も一日一日丁寧に生きていきたいものと心に決めています。今年1年、この欄を読んで頂いた方には心から感謝申し上げます。どうか、良いお年をお迎え下さい。

今、7月のG8サミットをどう評価するか

Posted by 秋山孝二
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私は異業種交流会「北を語る会」の会員です。先日会報担当の方から連絡があり、今年7月のG8サミットを市民はどう考えるかについて、この間私なりに活動した視点から、下記のように報告をまとめてみました。また、それとは別に下記のサイトでも様子を知る事が出来ます。

http://kamuimintara.net/detail.php?rskey=143200809t01

 

 

世界は、きっと、変えられる 」

 

G8サミット市民フォーラム北海道 共同代表

http://www.kitay-hokkaido.net/

(財)秋山記念生命科学振興財団  理事長    秋山孝二

http://www.akiyama-foundation.org/

2008年7月6日から3日間、札幌コンベンションセンター他で開催されたオルタナティブな「市民サミット」は、国内140のNGO会員からなる「2008G8サミットNGOフォーラム」(星野昌子代表 以降 NGOフォーラム)http://www.g8ngoforum.org/forum/と、北海道の80NGO会員からなるG8サミット市民フォーラム北海道」(以降フォーラム北海道)の共催でした。「市民サミット」は札幌市の後援と、18の資金助成団体、43の協賛団体・企業からの支援を頂いて、40を越えるワークショップ・フォーラムの数々に、延べ2000人を越える参加者で盛況でした。 3日間の議論では、「気候変動」「生物多様性」「人権・平和」「貧困・開発」の大きな枠組みで、問題提起と意見交換が活発に為されました。

                                                         この「市民サミット」の意義は、ただG8サミット期間中に企画したという意味合いだけではありません。この市民フォーラムの一連の活動と有機的に結びついている所に更なる価値があります。 たとえばその一つとして、G8と日本政府、そして北海道庁に対して今年6月に政策提言を行いました。それは活動する市民たちがお互いの違いを尊重しながらも、市民の目から政策に反映させていくという、新たな時代の到来を期待させるものでした。

振り返ると、2007921日に「フォーラム北海道」を設立して以来、もうお二人の代表世話人他皆さんとともに、大変密度の濃い活動をして参りました。設立時の挨拶の中でもお話しましたが、私自身は二つの意味合いから、今回の関わりでの自分の使命を感じていました。1)世代としての使命:20世紀半ばに生まれた者として、これからの若い世代が夢を持ち続けられる社会・自然環境への努力を惜しまないこと、2)北海道に育った者としての使命:行政・企業とは異なった、本来の「市民セクター」として、北海道においてプラットホームの構築、そして世界との直接的なネットワークづくりの実践です。市民活動的課題と企業的課題は相対立するのではなく、担い手こそ違うとは言え、その理念はかなり共通していると信じています。永く企業セクターに身を置いた私は、少しでもこの「市民活動への支援」に、メディアを含めた地元民間企業が興味を持つべく、出来る限りの努力をするつもりでこの任をお引き受けしました。

 

手始めの活動として、昨年1029日に、内閣総理大臣、外務大臣、北海道知事宛に、「サミットに対する要望書」を提出しました。いわゆる「開催のあり方」に対する要望書です。具体的内容としては、1)市民に開かれたサミットの開催:政策提言の事前打合せ、CivilG8の開催、イベント・デモ等の市民活動への理解、市民メディアセンター設立への協力等、2)環境と人権に配慮したサミットの開催:会場周辺の環境保全、過剰警備・過剰交通規制反対、無駄な税金投入反対等、です。

 

次は今年1月に札幌市に提出した「公園使用に関する要請書」です。活動自粛を促すとも受け取れる市役所の姿勢に対して、普段と変わらない公的空間での活動を強く要請しました。

 

そして66日に、市民フォーラムは北海道知事へ「政策提言」を提出し、更に北海道的課題への意見交換の場を要望致しました。618日にはNGOフォーラムと共同で、首相官邸において「政策提言」を提出し、その後約1時間半に渡ってそれに基づいた意見交換を首相官邸会議室で行いました。私は市民フォーラムの代表として出席しましたが、30数名出席した政府関係者、海外・国内NGO関係者との緊張感のある意見交換は、大変貴重な経験でした。

 

200877日から3日間開催された「北海道洞爺湖サミット」。いつものように、北海道内ではそれに合わせてさまざまなイベントが繰り広げられました。北海道知事を会長とする「サミット道民会議」は、行政、経済団体などで構成され、サミット1年前の昨年6月に発足、「みんなでサミットを成功させよう」のスローガンのもと、3億円近い予算を立てて、その費用の大半は民間企業からの寄付でまかないました。それに対して私たちは、「おもてなしのこころ」と称して相変わらずの中央依存のこのようなお祭り騒ぎとは明確に立ち位置を異にして、コンパクトな予算の中、しっかり世界に向かって、北海道的課題を共有し発信していく強い決意を表明しました。

 

もろ手を挙げたサミット応援とは一線を画して開催されたのが、「市民サミット」や「オルタナティブ(既存のものとは別な・もう1つの)サミット」と呼ばれる市民参加の集いです。北海道では、環境、平和・人権、開発・貧困問題など多様な分野で活動している道内の団体・個人が一堂に集結し、その中心を担ったのが市民フォーラムでした。東京では昨年1月、NGOフォーラムが結成され、昨年6月初旬にドイツで開かれたハイリゲンダム・サミットに人を派遣し、現地で開催されたオルタナティブサミットに参加していました。近年のサミットでは市民活動団体からの働きかけが活発になり、諸団体が連携して声を上げ、途上国の債務や貧困問題などがサミットの議題に反映し始めています。NGOフォーラムはそんな世界的な動きの中で生まれました。

 

沢山の取り組みをご紹介したいのですが、紙面の都合も限られているので、幾つかだけを紹介致します。

一つは、市民ウイークスとして、補助金なしで成し遂げた「先住民族サミット」です。71日から4日まで二風谷・札幌で開催されて、海外・国内の多数の先住民族・市民の方々が参加し、最終日には「二風谷(にぶたに)宣言」と「日本政府への提言」が発表されました。「宣言」の序文は「イランカレプテ-アイヌ語で『あなたの心にそっと触れさせていただきます』」で始まり、内容は環境、食料、教育など多岐にわたりました。

 

次は、フォーラム北海道とNGOフォーラムが主催する市民サミットです。キャッチコピーは「世界は、きっと、変えられる」、英語で「We can change the world」。各国首脳が続々と来日した76日、オープニングシンポジウム「人々の声を世界に響かせる」が開かれました。冒頭にも書きましたが、3日間で40をえるワークショップを通して、湧き上がるG8サミットへの疑問、地域と世界の課題の共通性、行政とNGOとの新しい関係性等に関して、大変貴重な情報共有と共感を経験しました。たとえば、「夕張から考えるー債務と貸し手の責任を問う」の企画では、フィリピン・インドの方々から貴重な提起があり、別の企画でも北海道の自立と農業・エネルギーを巡るグローバルな課題との関連性を知ることが出来ました。この間主体的に関わった市民には、新たな気づきと連帯感により、確かな手ごたえを得たに違いありません。

 

 最終日のクロージング・セッションでは、参加した中から次の14団体/個人によって、3日間を締め括るレビュースピーチが行われました。G8を問う連絡会(小倉利丸)、市民外交センター(上村英明)、先住民族サミット(木幡カムイサニヒ)、ゆうばり再生市民会議(熊谷桂子)、Japan Volunteer Center (熊岡路矢)、日本自然保護協会(道家哲平)、生物多様性フォーラム(山下洋)、SANSAD/インド(Anil Singh)、日生協保健部会(北嶋信雅)、Africa Jubilee SouthNoel)、毎日新聞(横田愛)、Youth G8 Project(林雄太)、ezorock(草野竹史)、ACE(岩附由香)。

 

そして総括挨拶として、NGOフォーラム代表の星野昌子さんが、「政府に取り込まれることなく、緊張感と距離感を持ち続ける一方、大組織主体ではなく、多様なNGOの声に耳を傾け続ける姿勢を大切にしたい」と、含蓄のあるお言葉で締めくくられました。

別の活動として、どうしてもご紹介したいのが日本初とされる「市民メディアセンター」が札幌市内の3カ所に設置された事です。デモでの逮捕報道だけでなく、シンポジウムの内容の詳しい報道や、市民活動の記者会見などで大きな力を発揮したのが独立メディアや市民メディアと呼ばれる新しいジャーナリズムでした。動画・音声・活字をフルに活用し、近年のG8サミットやWTOなどの国際会議では、こうした草の根的なメディアの活動を支援するための組織が現地に設置されており、今回は「G8市民メディアセンター札幌実行委員会」が結成され、中心的活動を担いました。

この間主体的に関わった幅広い市民には、新たな気づきと連帯感により、確かな手ごたえを得た一連の活動だったに違いありません。そして単に思い出に留めるのではなく、今後のNGO活動へのステップとして役立てたいと今思っています。