もう、一月以上も手元に温めてしまいました、アジア太平洋研究所推進会議(APIPC:http://apipc.org/-forum/)が主催する、8月に大阪で開催された(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5162)一連のシリーズの総まとめフォーラムです。
ただの議論に終始するだけでなく、「温室効果ガス削減のための新たな国際協力枠組み」を目指す、「グリーンニューディール(GND)研究レポート」としてまとめ上げました。当日はそれに関わった方々が壇上で、それぞれの立場から大変前向きな提言をされました。
今回のレポートは、京都議定書で書かれている「CDM:http://eco.goo.ne.jp/word/ecoword/E00011.html」の限界性・課題を指摘し、今後の温暖化問題解決のための新しい国際協力による、日本の技術貢献等の果たす役割にも言及しています。 CDM理事会他については「京都メカニズム(http://www.kyomecha.org/cdm.html)」で詳細説明があります。
今回のまとめでも語られていた、「悩ましき隣人:中国」とどういう国際協力の装置を創っていくか、日本国の政策パッケージ他「本気度」の不足、日本の「知恵のアドバイス」に対してフランスの「哲学からの戦略提案」等、傾聴する指摘・提案の数々でした。
特に、環境分野での日本の議論が、戦略よりもライフスタイルの問題に矮小化されているのではないか、日本の技術提案は高価でハイスペック過ぎる、といった指摘は理解できます。また、人材育成の装置として、「留学生の止まり木:人間交差点」機能の重要性も提起されました。「止まり木」で思い出しましたが、以前、スイスの方から聞いた話です。街中の広い道路、郊外の高速道路に作られているグリーンベルトの本来的機能は、帯状に木々が伐採されて鳥たちの生態系を狂わさないように、「止まり木」の意味だそうです。決して、人間の心地良さの為ではないと。
人間は、「面白い」か「有り難い」が無いと集まってこないそうです。言い換えれば「たまり場」的仕掛けが必要であり、今後、日本のAPI(http://apipc.org/)が、アジアのERIA(http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/10070201.html、http://www.eria.org/)とコラボレイト出来れば大変面白くなりそうです。
こう言った議論がメディアに登場する場面も殆どありません。ましてや政治の世界では期待も出来ません。総合的「構想力」の発揮として、日本の総力を挙げて、民間の高い見識の出番なのでしょうね。