一人旅での人と出会いは、時として砂漠の中のオアシスのように印象深いですが、長い年月を経ると次第に記憶も薄れてきます。そんな時に当時の写真が残っていると、辛くもその場面を頭の隅に留めてくれるから有り難いですね。
そんな中で今でも鮮明に覚えている幾つかを書き留めましょう。最初の出会いは、横浜からハワイ・オアフ島経由サンフランシスコ行きの貨客船の中、アメリカ人ジニーです。まだ中学生くらいの女の子でしたか、船上で誕生日を迎えて数人で「ハッピー・バースデー」の歌でお祝いをしたような気がします。次がグレイハウンドバスのサンフランシスコからロスアンゼルス行の車内で、メキシコ系の男の子です。名前は忘れましたが、休憩のバス停で撮った写真がこれです。なぜかこんなポーズを自然に取ってカメラに収まりました。英語はほとんど通じなかった記憶があります。
続いて記憶に鮮明なのは、アメリカンインディアンとの出会いです。バスは確かワイオミング州辺りだったかと思いますが、まずは体の大きい60歳くらいのおじさん、トーマス・ホワイトベアさん。アメリカンインディアンの歴史と言葉「ハオ・ニジ!(やあ、こんにちは)」を教えて貰いました。彼が別れ際に握手した時のグローブのようなごつい大きな手は忘れられません。もう一人名前は忘れましたがアメリカ・インディアンの当時同じくらいの女性でした。席が隣になり少しの時間でしたが、日本の説明を一生懸命した記憶があります。彼女は理解したのかどうか、ずっとケラケラ笑っていましたね。
ニューヨークからカナダ・モントリオールまでのバスの便では、夜に終点のモントリオールに着く手前からはお客が私一人になり、運転手さんが「前においでよ」と言って、ずっと話をしていました。そして市内に入るとルートを変更してバスステーションではなくて直接バスの車庫に入り、そこから一緒に遅い夕食に行きました。彼は私に家族の写真も見せて、「これからも元気でよい旅を!」とYMCAまで送ってくれました。
カナダでは秋も深まっていて、すでに気温もかなり下がっている時期でした。観光地でも有名なバンフで車道を歩いていると、下の写真にあるイギリス人に出合いました。名前は忘れましたが、日本人と知ると「日英同盟」の歴史も関係するのか(?)、大変親しく話しかけてきて、初めて会ったような気がしませんでした。
更に別れた後に帰り路を歩いていると、トラックを運転する現地の夫婦が声をかけてきて、特にヒッチハイクをした訳ではないのですが、バンフ市内まで私を乗せてくれました。アメリカとは違った人の心の「優しさ」に、カナダの雄大な自然とともに感動したひと時でした。
1 月 30th, 2016 at 8:13 AM
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