今回の報告を、早速、北海道再生可能エネルギー振興機構の田原沙弥香さんがまとめて掲載してくれました。資料等も読めます。
* http://www.reoh.org/news/20151004SympoBroshure_presentation
また、参加者の一人で「エネルギーチェンジ100ネットワーク(http://enechan100.blogspot.jp/)」代表・宮本尚さんは、FBで下記のように述べています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮本尚さんのメッセージより
・・・・・その間、たくさんの専門家の方のお話、インドネシア、タイ、中国、韓国、ベトナム、アジア各国の方から、再エネの取組みを聞きました。それとともに、私も、無いアタマでものすごく考えた。特に、今の私たちに決定的に足りないこと、どうしたらいいのかずっと考えてた。
カンタンに言うと、この国には、プロフェッショナルが持つ知見、その財産を市民のレベルアップにつなげていくシステムが足りない。市民の日常につながらない。さらに、エネルギーということで言うと、3.11の「失敗」を知見に変えて蓄積し、それをもって国際社会に貢献するということができていないということ。そんなことないよ、と言う人もいると思う。専門家レベル、業界レベルでは共有できているのかも知れないけど、市民には伝わってこない。市民側も、日常の中で受けとるためのベースとなるものが養われていない…。
例えば、大停電のとき、インフラが全滅したとき、命を守るためのリスクマネージメント、エネルギーのバックアップはどうあるべきか、自治体、個人、いろんなレベルでどう取組むか。エネチェンは最初からそこを目的のひとつにしてきた。そもそも私自身がなーんにも知らなかったので、いっしょにみんなで勉強しようよ、という感じではじめた。
しかし、あれから4年、具体的な、効果的な方法はまだ見つけられていない。もちろん、3.11以前とは飛躍的に変わってきているのだけど、まだまだ学びたいときにいつでも学べるようなシステムにはなっていない。暮らし自体は、技術の進歩や設備機器の価格がダウンすることで、テレビやスマホのように、飛躍的に変わる、飛躍的に導入が進み、あるのがあたりまえというような変化が起きることはあるけど、今求められてるのは、そういう変化じゃない。市民は、学び考える習慣が伴わなければダメだと気づいてる。どうやってつなげるのか、どんなシステムが「普通」に、常にそこにあるようになればいいのか。がんばっているNPOやがんばってる人はあちこちに居るのだけど、そこにたどりつくのには相当の意志やめぐりあわせがまだまだ必要だよね。
本来は学校教育の中にそれがあるべきなんだろうけど、学校で学ぶことと暮らしは乖離したまま。カンタンにめざすものに手が届くようにはなっていない…。うーーん…。それは、私はたまたまエネルギーやってて実感しているけど、エネルギーだけじゃなくて、多分あらゆる分野で。・・・・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ コピー おわり
私も宮本さんと同じようなことを感じていました。札幌でのシンポジウムでコーディネーターをされた松浦正浩先生(東京大学 准教授)は、「合意形成論」がご専門です。昨今の原子力発電、特定機密法に始まる今年の安保法制議論等の社会・政治問題で、私自身、この「合意形成」プロセスの欠如を痛感しているので、先生のご専門には興味を抱いています。今回はコーディネーターのお立場だったので、松浦先生ご自身の発言は限られていましたが、以下の国会における参考人陳述の発言は素晴らしいです。
* https://www.youtube.com/watch?v=iquX1evXdDk
今回の運営スタッフは、皆さん大変有能な方々ばかりで、それぞれ持ち場持ち場でご尽力を頂きました。気持よく仕事が出来る、そんな雰囲気がいいですね、皆さん、ありがとうございます!
初めてのケイタリングで少々緊張されていた「鶴雅ビュッフェダイニング札幌(http://www.tsuruga-buffet.com/)」の皆さん、大西希支配人、高橋料理長ほか多くのスタッフのお陰で皆さん大満足でした。希さんのお父様の大西雅之さんは、秋山財団の理事でもあり、私の高校の5年後輩になります。今回、チームによる料理の盛り付け、テーブルへ配膳のプロセスも具に拝見していて、プロフェッショナルの拘りと凄みも見せて貰い感激でした、ありがとうございます!
トヨタ財団遠山敦子理事長ともゆっくりお話しができました。トルコ大使、文部科学大臣、文部科学省職員時代のお話、私の教員時代とは少し時期は異なってはいますが、校内暴力等、日本の教育政策と現場のお話にも花が咲きました。オリンピック組織委員会評議員等、超多忙の中、札幌までお越し頂きありがとうございました。
シンポジウム最後で私のご挨拶、3日間の感想を兼ねて、以下のような趣旨でした。
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秋山財団では、特にこの5年間、研究助成でのアウトリーチ、ネットワーク形成事業助成でのコラボレーションを受領者の方々に期待し、それへの協力も行ってきました。点が線に、そして面に繋がって、「生命地域(バイオ・リージョン)」としての北海道の発展に寄与したいとの理念からです。
日本は「技術立国」と言われて今日まできています、確かに自動車産業ではトヨタ自動車さまの先駆的テクノロジー等、世界に誇れるものも多いのでしょうが、今回の再生可能エネルギー分野では、むしろアジアに学ぶ技術ばかり、「技術」というよりも「生きる力・知恵」と言うべきなのでしょう、簡単に技術を輸入するのではなく、それぞれの地域にある資源、見合った方法から編み出す努力を惜しんではなりません、この数日のWSでそんな認識を持ちました。課題を認識することは今後の展望を切り拓くことに繋がります。ワークショップ、シンポジウムを通じて、多くの「確信」と「気づき」、そして「希望」を持ちました。
今回の企画、トヨタ財団さまが北海道の地で企画して頂いたことに感謝するとともに、「よいお話を聞いた」で済ますことなく、それぞれの立ち位置から、北海道、日本における「再生可能エネルギー」の実践に取り組んでいくことをお約束して、それが「3.11」以降を生きる我々の使命であることを確認して、締めのご挨拶とさせて頂きます。
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この企画に関わられたすべての皆さまに、心から感謝申し上げます、ありがとうございます!!