「Rio + 20」の報告会が開催され、「今回何が決まったのか?わたしたちとのつながりは?」を確認する場となりました。主催は「環境中間支援会議・北海道:http://enavi-hokkaido.net/」で、 この報告会は、公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団ネットワーク形成助成の採択事業の一環でもあります。
今年6月20日から3日間、ブラジル・リオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されました。この会合には、各国の首脳をはじめ約4.4万人が参加し、「グリーンエコノミー」、「持続可能な開発目標(SDGs)」 など、様々なテーマについて議論が行われ、最終日には成果文書として「私たちの望む未来(THE FUTURE WE WANT)」が採択されました。
ただ、私たちにとっては関係する報道も少なく、今一、そこでの議論が理解されていないという危惧の中、今回、持続可能な社会の達成に向けて、北海道で何をすべきかを考える目的で、緊急報告会が企画されました。報告者として、1992年の地球サミットから持続可能な開発の問題に携わられている京都大学・松下和夫さん、「リオ+20 NGO連絡会」事務局を担当した「環境パートナーシップ会議」の星野智子さん、北海道から現地に足を運ばれた北海道大学・瀬名波栄潤さんを迎え、これまでの経緯や会議の内容や成果、現地の様子などについて発表されました。
[プログラム]
■ 報告
*全体概要:地球サミットから20 年、そしてリオ+20
(報告者)松下 和夫 氏 京都大学大学院地球環境学堂 教授
*NGO からの報告:NGO が見たリオ+20
(報告者)星野 智子 氏 一般社団法人 環境パートナーシップ会議(EPC)
*現地報告:わたしが感じたリオ+20
(報告者)瀬名波 栄潤 氏 北海道大学大学院文学研究科 准教授
■ パネルディスカッション (パネラーは3人の報告者)
*テーマ:“わたしたちは地域で何をすべきか?”
(ファシリテーター)荒井 眞一 氏 北海道大学大学院環境科学院特任教授
[共催]北海道地方環境事務所、北海道大学持続可能な低炭素社会づくりプロジェクト
それぞれのお立場から、今回の会議で議論されたこと、されなかったこと等、貴重な報告の数々でした。特に、キーワードの「グリーン経済」については、当日フロアーからも複数質問があり、今後の活動の中から、具体的事例を創っていくプロセスが大切なようです。また、NGOからはアイヌ民族が居住する地として、北海道からのメッセージ発信が必要であるとの提起もありました。政府、産業界、NGO等、マルチステークホルダーでの合意形成の重要性も。そのための信頼構築は大前提であり、これは、3・11以降の「エネルギー問題の今後」を議論する際にも、全く共通することだと思いました。
星野智子さんとは、2008年の洞爺湖でのG8サミット(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=54)でお会いして以来、久しぶりの再会でした。
瀬名波先生は、新千歳空港から関空・ドバイ経由でリオデジャネイロを往復、二泊五日に強行軍だったそうです、やはり、リオは地球の裏側ですね。