セコマ、道新の底力!

Posted by 秋山孝二
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 大きな災害の中、幾つかの企業のファインプレーが伝わってきます。

 北海道全域でコンビニを展開する「セイコーマート(https://www.seicomart.co.jp/」、今回の台風・地震の被災に際しての対応で多くの方々から絶賛されています。先日、以前からのお約束で(株)セコマの丸谷智保社長と面談して、その隠れたエピソードをたくさん伺い、涙が出るほどの感動でした。

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 たくさんのエピソードの中からいくつかをご紹介します。

* 地震発生当日、6日午前8時に全店に指示を出したそうですが、後からの報告では、殆どの店が午前5時には各店のスタッフがそれぞれ自主的に駆けつけて店をオープンしていたと。真っ暗な中、歩いてたどり着いたスタッフもいたようです。地域の顧客のためをモットーとは言え、結局は現場第一線のモラルの高さと日頃の経営理念の徹底なのでしょうね、まさに経営の基本。

* 「ホットシェフ」ではガス使用。いつもの4倍くらいのご飯を炊いて、具なしのあたたかなおにぎりを量産し、無料で提供しました。ガスは使えて、お米の在庫は売るほどあるので、と。

* 開店前の店で、中で準備をしている社員を見つけてドアを叩き、飲み物売ってくれませんかというお客さんに対して、あるコンビニは、「冷やしてないので売れません(平常時のマニュアル通り」と断り、セイコーマートでは、「冷えていなくて済みませんがよろしいですか」とお詫びして販売しました。

* お母さんがパートで働いてたそうですが、その娘さんが代わりにお子さんを連れてお店を手伝いにきました。

* 本社からの指示を待つというよりも、全店舗がそれぞれの状況において即判断した様子が何よりも社長としてうれしい。

* 各お店で働いている方々は、それぞれ地元に長く住んでいる方なので、このような災害の場合にご近所の皆さんのためにという思いが強いのでしょう。

応接室の生花

応接室の生花

 丸谷社長は大変控えめにお話をされていましたが、直後から食品・飲料メーカー本社に直接電話をして、緊急の配荷をお願いしたそうです、臨戦態勢のトップの姿、昔の私自身、医薬品卸業の社長時代を思い出しました。

 もう一つ、「北海道新聞社(https://www.hokkaido-np.co.jp/」のファインプレー、私は当日朝刊からずっと自宅に届いた新聞を読みながら、あの大規模停電の状況でどうやって輪転機を回していたのか不思議でした。Facebookの金子国彦さんの投稿から。

■ 停電の中の道新
 6日未明の胆振東部地震で全北海道がブラックアウトの中で、新聞の夕刊が何事もなかったかのように配達されたのには驚いた。取材し原稿を送る電話、編集 ・制作するコンピュータ、そして輪転機、相当な電力が必要だ。さらに配送車と戸別配達する人も欠かせない。それぞれの奮闘ぶりを13日の社友会( 年一回)の挨拶で広瀬兼三社長が語った。
 地震発生の午前3時過ぎ、本社には朝刊を作り終えたメンバーが残っていた。非常電源に切り替え、そのまま夕刊作業に入ることができた。記者たちが自転車などで動き出した。問題は膨大な電力を必要とする輪転機。函館、釧路を含む6工場で印刷しているが、非常電源を持つのは大曲の札幌工場のみ。東北震災を教訓として億単位の投資をして備えた。それが生きた。
 夕刊は懸命に作った4ページ、他に朝日新聞など5媒体も印刷した。朝刊段階。電力が回復する見込みのないことがわかった。16ページ、それに日経、朝日のほか、非常時協力の協定を結んでいる毎日、苫民、十勝毎日の印刷も。スポニチ、日刊スポーツも印刷。全部で12媒体130万部の印刷を成し遂げた。札幌工場の通常の4倍の作業だった。
 全道にどう運ぶか。他の5工場の配送車を札幌工場に呼び集めてピストン輸送した。その先の販売店の努力も尋常でなかった。停電がこれほど長引くとは想定していなかったので、次には重油の確保に奔走したようです。
ジャーナリズム史に残る仕事だったと思う。努力に拍手を送りたい。

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 これに対して、関係者からの補足の説明も。
 日浅 尚子さん  自家発電とストックしていた重油で動かしました。それに加え、不休で働いた人たち、判断し、決断し、動く人たちが非常時の機械を動かしました。工場の食堂のスタッフも駆けつけ、食事を作ってくれました。とどのつまりは人なんです。有事に役割を全身全霊で果たそうとする熱い人たちがいる組織。私は、誇らしく思います。新聞社だけでなく、あちこちで、誠実な人が真面目にきちんとじぶんの仕事をしているんだなあと、そんなことを思った今回の地震です。電力のことなど批判はあるでしょうが、まずは、一線の人はちゃんと働いていますね。
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 地域の顧客のためをモットーとは言え、結局は現場第一線のモラルの高さと日頃の経営理念の徹底なのでしょうね、まさに経営の基本かと感動した次第です。教訓から学ぶ企業と学ばず愚を繰り返す企業、これこそ経営者の力量なのでしょうね。