2018年6月12日は、歴史的な日として記録されることと思います、シンガポールで米朝首脳会談が開催されました。
シンガポールと言えば、2015年と2017年に私も会議出席のため訪問し、特に2015年は、今回会談があったセントーサ島のカペラホテル(https://www.capellahotels.com/singapore/about-ja/)に泊まりました。
<2015年 シンガポール>
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24919
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24921
<2017年 シンガポール>
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31850
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31853
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31855
12日は朝からのライブ放送ほか、その後数日間の朝・昼・夜のニュース番組等の分析、コメントが面白かったですね。
* http://ch.nicovideo.jp/article/ar1550798
会談だけでなく、直後のトランプ大統領の記者会見、数日後の北朝鮮のニュースビデオは両者の受け止め方の違いが鮮明で外交の難しさも感じました。記者会見を私はライブで見ていましたが、トランプは米軍に関して「お金が掛かる」みたいな話を繰り返し語り、「Deal」という言葉も頻繁に使い、何かアメリカのリーダーとして品格に欠けて俗っぽい人物像を再確認しました。朝鮮戦争の終結とか、新しい歴史を創るみたいな、高邁な理念を彼の口から求めるのは、無いものねだりなのでしょうね。
北朝鮮のニュースを分析したTBSの昼の番組は面白かったです。秒単位の映像の分析、背景に流れる音楽、ナレーションの声の高さ・スピードの変化、画面の切り貼りが、ライブ映像と微妙に違い、金正恩の主導権を印象付ける様子等を、メディアの視点から鋭く指摘していました。
<トランプ大統領の会談後の記者会見全文はこちら>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31865230W8A610C1I00000/
<北朝鮮の発表>
その中で、私は寺島実郎さんの分析に賛同致します。特に、朝鮮半島の人々が日本という国を見る視点は、1910年の韓国併合から35年間の日本帝国主義支配の歴史認識です。とかく日本国内ではすぐに「拉致問題」と喧伝されますが、その下地の歴史認識として、海外の東アジア研究者の多くは、拉致に至る終戦までの35年間の日本の統治の問題を抜きには「人権問題」として日本は言及できないとみています。
一方、この首脳会談の裏の主役「中国」の存在もしっかり認識しておく必要があります。今回、金正恩が母国からシンガポールに搭乗した飛行機は中国国旗を記したジャンボジェット機、命を託す手段に中国機を使用したメッセージは深いものがあると寺島さんも指摘しています。
また、この首脳会談の直前に、中国山東省青島市で、「上海協力機構(https://kotobank.jp/word/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%8D%94%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B-181044)」の首脳会談・調印式を開催し、今回の会議には、プーチンロシア大統領やインドのモディ首相のほか、オブザーバー国としてイランのロウハニ大統領も出席しています。
それにしても日本の存在感の無さは何とも情けないですね。東アジアの非核化において、リーダーシップを発揮する絶好の機会だと私は思います、国際社会の中で、日本のビジョンがありませんね。
1989年のベルリンの壁崩壊の時も感じましたが、歴史は人が創り出す、いろいろ課題山積ですが、2018年も20世紀の歴史が一つ区切りがつくスタートとなりました。
* 2011年 ベルリン訪問ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10458
* 2018年 南北会談ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33038