戦後70年、私なりの思い(4)

Posted by 秋山孝二
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 8月に入り、近代の日本の歴史に関する番組、記事が多いですが、原爆投下から15日の終戦記念日にかけては更に一層拍車が掛かっています。

 その中で、朝日新聞2015年8月4日「オピニオン」掲載の<戦後70年 日本の誇るべき力>は、MIT名誉教授のジョン・ダワー氏のメッセージです。ピューリッツァ賞を受賞した「敗北を抱きしめて」等で著名ですが、彼の指摘にあらためて気づかされることが多いです。<http://www.asahi.com/articles/ASH7W6CQ1H7WUPQJ00J.html

 彼は言っています、「戦後70年、日本が国際社会で成したこと、それは日本国憲法の下で国民が守り育てた『反軍事の精神』、それこそが日本の外交上の力であるとの指摘。この力は、政府主導ではなく、国民の側から生まれ育ったものであり、日本人は誇りとすべきである。郷土を愛する気持(パトリオティズム)ゆえに過去を反省し不寛容と一線を画すべきである」、と。

 また、今年は若者の団体「SHEALDS(http://www.sealds.com/)にも注目です。その一環として以下も。

* 7月15日大阪梅田での演説: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253905

* 8月7日京都での若者の集まりでの演説: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/257253

* 高校生の集まり: http://teenssowl.jimdo.com/

一方、この間出張中に読んでいた「日米開戦の正体(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/160651」(孫崎享・著)は、戦争を時間軸でしっかり捉えての歴史検証で、大変興味深かったです。2012年の「戦後史の正体」もすごい本でした(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14211)。

* 「真珠湾攻撃への愚」と、今日の「原発、TPP、消費税、集団的自衛権等の安保法制の愚」とは驚くべき共通性がある。1)本質論が論議されないこと、2)詭弁、嘘で重要政策がどんどん進められること、3)本質論を説き、邪魔な人間と見なされる人は、どんどん排除されていくこと

* 外務省の人間が戦争阻止のために必死に動いた姿はほとんど見えない

* 「真珠湾への道」で顕著に見られる日本の特性は「勝手読み」、自分の都合のいいように解釈すること

* 記録を検証してみると、日本は戦前、戦うにあるべき態勢を取っていなかったといっても過言ではない。ある外国人通訳は、日本は政界も経済界も、トップはじめ責任ある立場に行けばいくほどIQが低くなる、と。

* 上村伸一氏は、「昭和の動乱期を通じて私の痛感したことは日本の世論の頼りなさということである。もし日本が真の民主主義を願うなら、とりわけ民主主義の政治形態は、市民一人一人が良心に対する危機感を強くし、個人的な責任を果たすことである」と指摘。

* 最後に教訓を一つ、「発言すべきことを発言できる」、それを確保する社会を維持していくことである

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 多彩な角度からの歴史検証は、ある時はハッと気づきを与え、ある時は再確認を致します。今年の若者たちの街頭での演説、デモ行進は、新しい時代の到来を感じさせます。