3年ぶり、ハンガリーへ 2022(10:最終)

Posted by 秋山孝二
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 今回のハンガリー出張は、昨年ちよさんが亡くなってから初めての訪問で、皆さんにはお世話になった御礼の意味も込めてご挨拶と思っていました。そんな中、次の世代にしっかりと繋がる方々との出会いも多く、持続可能な今後の活動に明るいメッセージを受け止めました。

3Dによる制作の方

3Dによる制作の方

お父さまの代からの契約カメラマン!

お父さまの代からの契約カメラマン!

 今回、ハンガリーの方々とのお話で幾つか印象的だったことを最後に書き留めます。

* 3Dによる野外彫刻の室内展示の初めての試みは大成功

* 「彫刻」は、多くの方々に観られて彫刻自体の価値が深まり、多様になり、「成長していく」もの

* ハンガリーは港がない国、エネルギーは全てパイプラインに依存せざるを得ない

* ウクライナは国としての歴史はわずか30年、世界の報道はアメリカからのものに偏っているのでは

* これからの活動は、作品の『見える化」が重要、関係者への取材を短編動画にする等のビジュアル化を実現

 そして、前回に続き道中ご一緒だった江原稔さん、100年記念展示のオープニング式典のライブが中止になり、日本の皆さんには動画による後日配信の重要性が高まり、一連のイベントを丹念に記録されていました、お疲れ様でした。ひとまず今回の報告はこれで終わりにします!

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(9)

Posted by 秋山孝二
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 今回の3年ぶりの訪問は、何かと話題が多く、なかなか語り尽くせないのが残念ですが、そろそろ終わりに向けて話題を絞らなければなりません。

 先ずはハンガリーの企画で、ちよさん亡き後、和久奈ナンドール・ちよの一対の胸像をハンガリーと日本で建立しようというものです。その一つが今回の『生誕100年祭』にお目見えしました。そして、彫刻家のアトリエを訪問して日本に送られる予定のもう一対の胸像とも対面しました。

 右端の彫刻家の方のアトリエで。日本でどう配置するかを意見交換しました。

制作の彫刻家のアトリエで

制作の彫刻家のアトリエで

 次はキッシュさんのご自宅で今後の財団の事業展開について打ち合わせを。私も数回泊めて頂いたり、ちよさんは長期滞在を何回もしていました。今日のワグナー・ナンドール作品の再評価があるのは、偏にキッシュ・シャンドールさんのご尽力によるものです、感謝しかありません。奥様のイロナさん、娘さんのレイカさん、皆さん日本語の権威で素晴らしいです。

 最終日、空港に行く前に、昨今話題の日本人建築家の藤本壮介さん設計の新しい建物『音楽堂』です。今回の展示会開催の現代美術館のすぐ近く、大勢のお客さんが並んでいました。

* https://architecturephoto.net/109540/

 その隣にも奇抜な建物&公園?!弧を描いている建物です!!!!

 とにかく歴史的建物と現代のイノベイティブな建物が混在している懐深いまちづくりと言えるのでしょうね。

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(8)

Posted by 秋山孝二
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 ヘレンド訪問の後はそこからほど近いSOMLO(ショムロー)のワインセラーで試飲会、ここは白ワインで有名なワインの産地で、これまで数々の輝かしい賞を受賞しています。

ショムロー山を背景にしたワイン畑

ショムロー山を背景にしたワイン畑

ここの社長から直々の各ワインの物語!

ここの社長から直々の各ワインの物語!

 カウンターには近所の方か、ボトル持参でワインセラーのタンクから直接量り買い!

 更に奥の室の中でもまた試飲です、タンクと樽が併設。

 最後にはショムロー山のふもとまで車で登ると火山の跡の柱状節理、眼下には一面の見事なブドウ畑!

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(7)

Posted by 秋山孝二
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 今回のハンガリー訪問の公式行事は終了し、この日はヘレンド社とショムロー地域でのワインテイスティングでした。あいにく午前中予定のヘレンド社は、折からのエネルギー価格高騰の状況下、展示場等が数日前から閉鎖されていたので、外からの見学でした。私はこれまで二回ここの工房・作品展示場を訪問していますが、歴史に裏付けられた確かな技術というのでしょうか、どっしりとした企業風土、しかしながら実にオシャレな雰囲気をいつも感じます。

ヘレンド社の工房群

ヘレンド社の工房群

 建物のこんな所にもデザイン性を感じます。

建物の四隅に動物の彫刻が!!

建物の四隅に動物の彫刻が!!

 今回は残念ながら工房の中は見学できませんでしたが、抜けるような青空の下、逆にこれまで気が付かなかった外壁等のデザインに注目できて面白かったですね。

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(6)

Posted by 秋山孝二
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 オープニング式典の後、場所をホテルに移して関係者による直来(懇談会)です、常連の皆さん、次の世代の子供たちも、リラックスでした。

 何回でも乾杯です!!!

若い世代のいいですね!

若い世代のいいですね!

 今回も出ました、定番のパーリンカ!!赤ワインとともにハンガリーの心です!

 そして、今回もまたまた出ました『母子像ふるさと』爆弾ケーキです。

* 2012年ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14710

* 2017年ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31598

 カメラマンの彼のフットワークは実に軽い、お父さまが今年亡くなられた後、私たちのほぼ専属カメラマンとなってくれています。

 ここに集まった方々が、ハンガリーでのワグナー・ナンドールの作品と業績を支えてくれています、感動の時間でした。

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(5)

Posted by 秋山孝二
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 翌日いよいよ今回のメインイベント、午後5時から『ワグナー・ナンドール生誕100年特別展』のオープニング式典です。

* https://culture.hu/jp/tokio/articles/Wagner-Nandor

 午前中にはこのブダペスト現代美術館のSzego Gyorgy芸術監督を表敬訪問し、この度の特別展示会開催の御礼と日本におけるワグナー夫妻の創作活動についてご説明しました。

 その後、メディア関係者向けの内覧会があり、テレビ・ラジオ・専門誌等の方々がキュレーターのReka Fazakasさんの説明で展示会場を順番に内覧し、質疑応答も熱心なやりとりでした。

 夕方5時からは予想を上回る300人以上のお客様がご来場、先ずは展示のご紹介を。

創造活動の国々

創造活動の国々

 式典では、大鷹正人駐ハンガリー日本大使のご挨拶に続いて私も主催者の一人としてちよの遺影と共に登壇しました。

 大鷹大使は岩手県のご出身、祖父・父と代々外務省官僚としてご活躍されました。

 そして、あのTőkés Lászlóご夫妻もルーマニアからご出席して頂きました、ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊の発端となった「ティミショアラ集会」の当事者です。

* Tőkés Lászlóーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%BA%E3%83%A

大勢の参加の方々!

大勢の参加の方々!

 式典の後、美術館ロビーでは簡単な懇親パーティも。

今回の功労者の方々

今回の功労者の方々

 私も便乗して記念撮影!!

 終了後に外に出てみると何とも言えない夕焼けでした。

 長い一日でしたが、一つの歴史を刻んだ実感を得ました、ここまで漕ぎ着けた関係者の皆さんに心から感謝致します、ありがとうございます!

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(4)

Posted by 秋山孝二
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 3日目午後は、ワグナー・ナンドール作品『モーゼ』が建物正面に建立されているブダペスト南のドナウ川沿岸、ドゥナウイバーロッシュ市のカソリック教会を訪問、大変大きな建築でした。

ハンガリー地図

 正面の入り口広場に『モーゼ』像が。ちよさんにより日本の栃木県益子町から船便と陸送で贈られました。この像はワグナー・ナンドールの作品としては二番目、一番の母子像は街なかの映画館前の庭に建立されています。

 神父さんのご理解により、この像が建立されました。直前に通訳のエステルさんから聞いたのですが、彼女が赤ちゃんの時に洗礼を受けた神父さんだったとか、実に不思議な縁ですね。

 この町は、第二次世界大戦中に爆撃で被害を受けましたが、戦後、ハンガリー人民労働者党中央委員会は、1949年に鉄鋼コンビナートで重工業に従事する労働者のための住宅を建設することを決め、1950年代に五カ年計画で始まった都市建設において、市はスターリンの都市を意味するスターリンヴァーロシュ(Sztálinváros)と呼ばれたそうです、今もその名残の集合住宅が立ち並んでいます。町に入るなりこれらの集合住宅を見たので、スターリン時代の影響だなと私自身感じました。ハンガリー人にとっては悪しきソ連時代の遺物なのかもしれません。

 教会内は素晴らしい多数のステンドグラス、日中は陽の光で鮮やか、夜は内側の灯りで外からの景観が素晴らしいようです。このステンドグラスの制作者がつい先日お亡くなりになったそうです。

 ワグナー・ナンドールの作品は、ハンガリー、ルーマニアのそれぞれ縁のある土地に建立されて、これからもその土地・人々とともに生き続けるのでしょうね、野外彫刻という価値の力強さにあらためて感動する日々です。

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(3)

Posted by 秋山孝二
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 ハンガリー3日目は、セーケシュフェヘールバール市とドゥナウイバーロッシュ市訪問です。

 セーケシュフェヘールバール市は、これまでも何回か記事を書いています、今年も午前10時から、ワグナー・ナンドール作の『ハンガリアンコープス』が設置されている公園での戦没者慰霊祭、市長ほか議会関係者は例年通り出席しましたが、ただ、コロナ禍で軍隊・学校の生徒たちは不参加、音楽隊も無しでかなりコンパクトな式典となりました。私は昨年10月に亡くなった叔母の和久奈ちよの遺影とともに参列して花輪を捧げました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%98%E3%83%

ホテルの前庭

早朝のセーケシュフェヘールバールのメインストリート!

早朝のセーケシュフェヘールバールのメインストリート!

ミルク売りのおばさん!

ミルク売りのおばさん!

 ホテルでの朝食時、キッシュ・シャンドールさんと。

式典開始前、生徒代表も

式典開始前、生徒代表も

ちよさんもご一緒に!

ちよさんもご一緒に!

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(2)

Posted by 秋山孝二
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 二日目はそれ以降の密な日程に備えて、郊外への気分転換の一日、貴族のMoric Sandor伯爵の住まいだった大邸宅、午後にはワイン産地を訪問です。

* Moric Sandor(https://hu.wikipedia.org/wiki/S%C3%A1ndor_M%C3%B3ric

 門の前で通訳のエステルさんと記念写真、広大な敷地に大きな館も。

門の前で通訳のエステルさんと

 門をくぐって抜けると見事な中庭と館の裏も立派です。
館の中庭
館の中庭

 館の奥には広大な緑が広がっています、農地にもなっていたようです。

 そして、その昔、馬車が着く館の正面玄関。

 正面玄関には馬に颯爽と乗るここの主人Moric Sandorの姿も、「デビルライダー」の異名を取るほど!

 二階に上がると大広間。天井にはたくさんの壁画も、乗馬とともに特にこちら?の方も盛んだったようです。

 午後は、白ワインの産地でほど近い町ETYEKで遅めの昼食をゆっくりと。

 ここでキッシュ・シャンドールさんが、ワグナー・ナンドールとの出会いからの話をしていると、通訳のエステルさんが急に空を見上げて「虹が出てますっ!」て叫んだのです。見上げると写真では上手く撮れていませんが、空に丸く虹が見えるではありませんか、まるでナンドールが天から覗いているかのようで不思議な瞬間でした。

 毎回ハンガリーを訪問して感じるのですが、地政学的にも歴史的にも分厚い物語がびっしりと詰まっている土地柄、どこを訪問してもそれぞれの人々の歴史と営みが印象的で、今回もまた貴重な時間となりました。

3年ぶり、ハンガリーへ 2022(1)

Posted by 秋山孝二
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 今回の3年ぶりの海外出張は、ハンガリー・ブダペストで開催される『ワグナー・ナンドール生誕100年記念展示会(http://mucsarnok.hu/exhibitions/exhibitions.php?mid=vDptk9njGpl36mY3LTr3lG』のオープニング式典ほか、ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/)が関係するイベントへの出席とお世話になった方々との訪問・意見交換が目的です。

 道中、合計16時間の飛行機の旅を終えて、先ずはブダペスト到着後にホテルにチェックイン、昼食後に『英雄広場(https://amazing-trip.xyz/t-blog/heroes-square/』側の会場「ブダペスト現代美術館(http://mucsarnok.hu/index1.php」に行き、準備の様子を見に行きました。正面玄関はエントランス階段が修復中ですが、展示会場は一番奥まった素晴らしい場所、記念展示の大きさに胸が躍りました。

修復中の階段はかなり昔の遺跡

修復中の階段はかなり昔の遺跡

裏正面と側面

裏正面と側面

 早速展示会場に足を運ぶと初日まであと3日にもかかわらずこの程度の仕上がり、果たして本番開始までに完成するのか一抹の不安を正直抱きました。メインの『哲学の庭』8体は3Dのレプリカですが、色合いも含めて実によくできていました。

台座も塗装の最中、まるで本物!!

台座も塗装の最中、まるで本物!!

 日本での活動プースでは日本の栃木県益子町にある『ワグナー・ナンドール・アートギャラリー(http://wagnernandor.jp/mobile/wnag.html』から取り寄せたオリジナルの図面を基に、地元ハンガリー的な解釈を入れての『茶室』の復元です。こちらもまだまだ段ボールによる木組みだけの仕上がり、率直に言って、障子を含めた建物の高さ・太さがどこか少しずつ違和感がありましたね。

 これまでもそうでしたが、ハンガリーの皆さんの仕事の運び方は、日本人から感覚からは準備の段取りもゆっくりで大丈夫かと思うのですが、必ず本番にはきっちり仕上げてくる、そんなスタイルがまた興味深いですね。いずれにせよ、オープニングを間近に控えて、ワクワク感が高まってきたブダペスト到着初日でした。