2財団・合同報告会 in 2014

Posted by 秋山孝二
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 今年で第4回目を迎える前田一歩園財団(http://www.ippoen.or.jp/)さんと秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)との「合同報告会」が開催され、この会もすっかり定着して、交流会の最後まで活発な意見交換となりました。

 秋山財団のHPより先に、こちらのHPにも掲載して頂きました、ありがとうございます。

* http://minnanohana.net/2014/07/11/

 これまでの報告会は以下の記載の通りです。

* 2011年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9140

* 2012年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13683

* 2013年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17201

事 業 名、プロジェクト名

1 /  Rio+20 北海道ネットワークプロジェクト

1 /「藻岩山の森林と関わるきのこたち」きのこと野生の花の本を刊行

2 / 次のエネルギー社会を担う人を生み出すエネチェン塾

3 / 森と里つなぎプロジェクト

昼 食(50分間)

4 /「みん菜の花」プロジェクト

2 / 富ヶ岡の森環境整備・地域活性化第1期事業

5 /和解と平和のための東アジア市民ネットワーク

3 /北海道ラムサールネットワークと子どもラムサール交流会

中間質疑(10分間)

6 /「ハッカの香るまちづくり ~ 地域の伝統的農産物を後世に伝えよう ~」

7 /ともにつくろう!江別から発信 食文化の創造

8 / 高校生による被災地とのネットワーク形成

4 / 十勝海岸湖沼群自然調査

中間質疑(10分間)

9 / 医療スタッフの地産地消 ~住民主導で創る世界一の看護学校

5/ 「野生植物入門書 花も実も美しい!」の出版

6 /「なまら!!サロベツ∞クラブ」~ 次世代環境リーダー育成事業 ~

10 / 道内の意思伝達支援普及プロジェクト

中間質疑と休憩(20分間)

7 / 栗山町ハサンベツ里山地の水辺環境の復元と創出

11 / 歴史は生きる力「れきし・いのち」プラットホームプロジェクト

8 / 南北海道・大沼湿地の野生生物ガイドブック「沼のいきもの」の出版

12 / 積雪・極寒冷地域のいのちを護る防災・減災への取り組み-いきるための力を創出する

冒頭のご挨拶

前田三郎理事長に続いて冒頭の私の挨拶

 前田一歩園財団の前田三郎理事長に続いて、私からの冒頭のご挨拶、今年は、「私たちは活動をただ『応援する』ではなく、『徹底的に応援する』のです」、「研究、活動において『挑戦的』、『先駆的』というのは、研究者・活動者側の意欲とか姿勢というよりも、むしろそれを受け入れる組織、社会の側の問題ではないのか」、「私たちの財団は、それらを応援し受け入れる『覚悟』はすでに出来てます」、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平くんの二刀流挑戦、STAP細胞研究の小保方晴子さんの論文発表等を例にとって、皆さんにお伝えしたつもりです。

 続いて今年は20の活動団体からのご報告、午前11時から昼食休憩を含めて午後5時40分までの報告会となりました。

 報告会の動画は近々掲載されます、こちら――> http://www.ustream.tv/recorded/50868288

みん菜の花プロジェクトの成果

「みん菜の花」プロジェクトの成果

極寒地の災害予防

積雪・極寒令地のいのちを護る防災・減災への取り組み

東アジア人道支援

和解と平和のための東アジア市民ネットワーク

iCare北海道の3年間の成果

道内の意思伝達支援普及プロジェクト「iCare北海道」の成果

 今回の報告会を準備し、当日も切り回した両財団の素晴らしいスタッフたち。終了後はしばし「反省会」、また来年もよろしくお願いします、ですね!写真には一部しかご紹介できず、他のスタッフの皆さん、お許しを。

美女と野獣?

他にも反省会参加者は居ましたが、ここは美女と野獣?

日本海サミット 2014 in 山形(後)

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 今回の基調講演は、私にとっては大変新鮮な内容でした。山形は、もう50年近く前に、蔵王にスキーに行った時に通ったような気がするのと、その後では、医薬品卸時代にご挨拶回り等で行ったきりで、日本の中では馴染の薄い地域だったもので。

 まず最初のご講演、最上川の歴史から読み解く江戸・明治の国内物流を垣間見た気がします。明治中期に鉄道の奥羽本線が開通する前までは物流の中軸として、さらに物流拠点と運ぶ物資の関係等から、当時の暮らしぶりも想像できたりで、しばし歴史空間の拡がりに感動しました。特に青苧(あおそ)は北陸では縮(ちぢみ)、上布(上布)、奈良ではさらしへと受け継がれ、紅花(べにばな)と共に、この地域の特産品として名をはせていました。現在も、南陽市では「青苧フェスティバル」として盛んです。

「やまがたと最上川文化」

講師 : 東北文教大学短期大学部 教授  菊池和博 氏
http://www.t-bunkyo.jp/academics/sougou/professors/5.html

* 最上川 :http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E4%B8%8A%E5%B7%9D

* 青苧(あおそ) :http://aosofukkatsu.com/aoso.html

 二つ目は、主として港湾政策の立場から日本海物流の今後の可能性について、興味深いお話でした。国際港としての整備とともに、循環型社会の拠点として「リサイクルポート」の概念導入等、静脈物流ネットワークの拠点となる港湾を目指して、環境負荷の少ない海上輸送への挑戦も続けています。さらには再生可能エネルギーへのシフトも。

「やまがたの湊 酒田港の可能性」
講師 : 山形県 県土整備部長   上坂 克巳 氏
https://www.decn.co.jp/onlineservice/News/detail/201405070808

* 酒田港 :http://www.city.sakata.lg.jp/ou/shoko/kowan/kuko/160810.html

 交流会終了後、北海道からの参加者で再度地元経済への貢献を続けました(?)!

北海道経済同友会の参加者
屋台村入口で北海道経済同友会の参加者、撮影は事務局次長の久保木眞さん

「エネチェン100ネットワーク」設立ほか

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 もう一月前の行事となりましたが、注目する活動が新たに始まりました、「エネルギーチェンジ100ネットワーク(http://enechan100.blogspot.jp/」です。これまでのプロジェクト(http://www.enechan100.com/?page_id=174)を発展的に解消してさらに高みを目指し、フィールドで結果を出そうとの意気込みです、メンバーも素晴らしい方々、これからのダイナミックな展開が楽しみです!
 

午前中は、「エネルギーチェンジ100ネットワーク」設立総会

午前中は、「エネルギーチェンジ100ネットワーク」設立総会

<決意表明> ~~~~~~~~~~~~~

 これまで私たちは「認定NPO法人北海道市民環境ネットワーク」の会員有志グループによる、「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」として3年間、活動を行ってまいりました。

 2014年5月17日に設立総会を開催し、今後は「北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク」という、独立した任意団体として活動していくことになりました。社会的な責任ある団体として、これまでの「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」の趣旨を引き継ぎ、さらに発展させ、活動していきます。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 同じ日の午後には「認定NPO法人 北海道市民環境ネットワーク(http://www.kitanet.org/」の総会と同日行事「きたネットセミナー:安全なエネルギーと食、北海道の明日を動かす力」でした。

当日の動画はこちら――>http://kitanettv.blogspot.jp/2014/06/2014.html

ビアンカ・フェルストさんの事例発表

八剣山エコケータリング代表、ビアンカ・フェルストさんの事例発表

* 八剣山エコケータリング――>http://www.hakkenzan.jp/ecocatering/

スローフードフレンズ北海道 さんの事例発表

スローフードフレンズ北海道事務局長、すずきももさんの事例発表

* スローフードフレンズ北海道――>http://slowfood-friends.org/

 「エネルギー」と「食」は、人間と社会にとって同じ概念で語ることができますね。

* コミュニティ・パワー

* ご当地エネルギー

* ローカルなファイナンス・モデル

* 再生可能エネルギーを地域の「産業」として、雇用機会を創出する

 鈴木亨さんは、「中年は荒野をめざす・・・!」とおっしゃいました、そうですね、私たちの学生時代に、五木寛之作詞の「青年は荒野をめざす(http://www.youtube.com/watch?v=uwvD0DP-s5s)」というフォークソングが流行っていました。今は、まさに「中年」世代の責任を全うしなければなりません。

飯館村・現場からの報告 2014

Posted by 秋山孝二
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 「飯館村エコロジー研究会:IISORA(http://iitate-sora.net/」主催の東京シンポジウム、今年は國學院大學で開催されました。飯舘村のフィールドからデータに基づいての発信は、継続の価値に裏付けられて益々貴重な取り組みとなってきています。

* 東京シンポジウム 2014 http://iitate-sora.net/tokyosymposium/tokyo2014

 昨年の様子はこちら――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16313

 この研究会の設立経緯はこちら――>http://iitate-sora.net/about

國學院大學でのフォーラム

國學院大學でのフォーラム

「<基調講演>飯舘村の歴史と原発事故」 多田 宏/飯舘村 綿津見神社宮司

基調講演

基調講演 多田宏宮司

「飯舘村初期被曝評価プロジェクトの報告」 今中哲二/京都大学

京都大学 今中哲二さん

京都大学 今中哲二さん

「飯舘村の山菜・食品等の放射能汚染調査」(発表スライド伊藤延由/飯舘村住民 貴重なスライドです!

現場で測定を続ける さん

現場で測定を続ける飯舘村の伊藤延由さん

 今年のシンポジウムの報告は、近くHPで掲載されると思いますのでそちらに譲りますが、この研究会の発起人のお一人、小澤祥司さん(http://earthkids.sakura.ne.jp/homepage/TOP.html)は、今年9月3日の秋山財団贈呈式・特別講演でお話をして頂くことになっています。現場に密着した活動を通してのエネルギーのお話は、大変興味深く期待が大きいです。

~~~~~~~~

小澤祥司(おざわ・しょうじ)1956年静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。出版社勤務などを経て、取材・執筆活動のほか、環境学習・環境保全活動の支援・自然エネルギーの普及・持続可能な地域づくりなどのプロジェクトにも携わる。3・11以降、福島県飯舘村の放射能汚染調査、村民の支援活動にも取り組む。
主な著書に『メダカが消える日―自然の再生をめざして 『コミュニティエネルギーの時代へ』(以上岩波書店)、『飯舘村6000人が美しい村を追われた』(七つ森書館)、『減電社会 コミュニティから始めるエネルギー革命』(講談社)、『バイオマスエネルギー・ビジネス』(共著、七つ森書館)他。

「野のなななのか」、全国上映!

Posted by 秋山孝二
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 ここにきて、私の周りでは映画の話題が続いてます。

 まずは、北海道・芦別を舞台にした「野のなななのか(http://www.nononanananoka.com/」です、「なななのか」は「七・七日:四十九日」です。先日は北海道での先行上映に際し、大林宣彦監督、俳優の常盤貴子さん、品川徹さんらを囲んでのパーティが初日前夜、札幌市内で開催されました。以前にテレビでも報道されましたが、地元芦別の制作委員会(http://blog.goo.ne.jp/nanananoka)の皆さまが大勢ご出席でした。

大林宣彦監督と女優の常盤貴子さんと札幌で

大林宣彦監督と女優の常盤貴子さんと札幌で

 本州では今週末から、北海道ではすでに各地で上映中で、札幌でも複数館で観られます。

 その一つの札幌のシアター・キノ(http://theaterkino.net/では、ゴールデンウイークに面白い映画が連続して上映中です。一つは、「8月の家族たち(http://august.asmik-ace.co.jp/」、メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツほか、役柄と役者の個性が見事なコラボレイト、会話のやり取りほか表情にも目が離せませんでした。

円熟した役者たちとストーリー

円熟した役者たちとストーリー

 そして、「ワレサ、連帯の男(http://walesa-movie.com/」です。あの時代の東ヨーロッパは、ハンガリーの歴史にもダブり緊張感がありました。「変革のリーダー」というよりも一人の夫・父親としての人間味を前面に出したアンジェイ・ワイダ監督の意図が魅力的でした。

懐かしのワレサ、英雄というより一人の夫・父として

懐かしのワレサ、英雄というより一人の夫・父として

 監督の意気込み、それを支えるロケ地の方々の熱意、そして演じる俳優の方々、一つの作品を創り上げるのにご尽力された皆さんの多彩なサイドストーリーは、映画の面白さを一層引き立てる素晴らしい宝の山ですね。演劇も同じように、その作品を観る楽しみから、さらに周辺の多くのこぼれ話も時間を掛けて巡ると何倍も喜び、気づきが膨らみます。

【追記】

 この映画の原作「なななのか」は、演劇の「弘前劇場(http://www.hirogeki.co.jp/)」代表の長谷川孝治さん、そして、終盤の四十九日の草原の中で、泊原発につとめる彼が、「北海道には、『エネルギーチェンジ100プロジェクト(http://www.enechan100.com/)』という再生可能エネルギー推進の活動がある」と語る場面もありました。そういう彼は、泊原発を退社する決断をしたのですよ。

基本的な経営者の視座!

Posted by 秋山孝二
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 現代は、日本のマスメディアに掲載されなくても、インターネットの世界で外国紙のインタビュー記事を読むことができるので、日本国民にとっても有難いことですね。外国記者の質問は、日本の窮屈な記者クラブの縛りもないのか、率直であり、それ故にか答えもシンプルで分かりやすい場合が多いです。以下のやり取りも、質問が引き出した功績でしょうね。

~~~[東京 18日 ロイター]~~~~~~

―-脱原発路線を強力に主張する異色の地域金融機関トップとして知られる城南信用金庫(本店・品川)の吉原毅理事長が、ロイターのインタビューに応じ、原発コストが安いというのは将来負担を無視した国家ぐるみの粉飾決算に近いとの見解を示した。

また、新エネルギーの開発が新しい経済の活力を生み出すとの持論を展開した。

東京・神奈川を地盤に信金業界2番手の総資産3兆6000億円を持つ同信金は、地銀中位行に匹敵する規模を誇る。そのトップとして、金融業とエネルギーの政策のかかわりあいに関し、どのような本音を持っているのか聞いた。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3H06620140418?fb_action_ids=496454680454663&fb_action_types=og.recommends&fb_source=other_multiline&action_obje

~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 経済界に身を置く私としては、特に以下のコメントに賛同します。

* 原発のコストの方が低いという人で、いやしくもビジネスマンや経済に携わる者ならば、会計の原則ぐらい勉強していただきたい。コスト計算には、直接原価と間接原価があり、そこで総合原価計算が行われる。原発は、今あるウランを使うだけならば直接原価は低い

* では、その結果の間接原価はどうなのか。将来の廃炉費用や、使用済み核燃料の保管料や処理費用、工事費や人件費、地代がカウントされているのか。カウントされていない。われわれは今、時価会計で、将来に発生するキャッシュフローをすべて現在価値化し、負債計上している。原発にはそれが入っていない

* 1回事故が発生したら、天文学的なコストがかかる。貸し倒れ引当金の積み立ての考え方を入れれば、とんでもない引き当てを積まなければならない。これは、不採算というのではないか。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だ

 以上のことは、経営のイロハです。新規事業プランでも、ニーズがあるからとか、喜ばれるから、だけでは「事業」としては成り立ちません。誰からお金を頂けるのか、維持管理費を含めて持続可能なのか等の考察もないと、とても「事業案」としては成り立ちません。思い起こしてみれば、これらは直接金融・間接金融含めた金融機関から言われ続けた指摘ばかり。今の日本の金融は、そんな本来の価値創造の視座をかなぐり捨てて、ひたすら手数料商売で利益を計上している歪んだ姿です。保険会社、再保険会社、金融機関のリスク査定からみても、上記の吉原理事長のご指摘はまさに正論です。

 城南信用金庫の吉原毅理事長については、3年前の9月にこちらで書いています

――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10232

ひと時、アルテピアッツァ美唄で

Posted by 秋山孝二
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 「アルテピアッツァ美唄(http://www.artepiazza.jp/」の指定管理者が「認定NPO法人」格を取得した記念フォーラムで、私がお話をする機会がありました。

認定NPO記念イベントチラシ

旧校舎と体育館も活用した広大な敷地に

旧校舎と体育館も活用した広大な敷地に

安田侃先生の作品が数多く!

安田侃先生の作品が数多く!

 北海道の4月の素晴らしい光景、始まる前に加藤知美さんにご案内して頂きました。背景の山、流れる川の音、旧校舎と体育館、残雪とともにノスタルジックな静けさに、しばし時を忘れます。

 私のお話の趣旨は、主としてファンドレイジングに関することでした。以下はその中の一枚のスライドより~~~~

市民社会」と「シビル・ソサエティー

*近代市民社会:選挙制度によって代表者を選び、政府の活動を決定-->公共的活動に関わる主体は行政であり、民間部門は納税者としてのみで、担い手とは想定されていない。
*シビル・ソサエティー:非営利団体が民間部門として積極的に関わる。企業・市民は選挙による投票行動だけでなく、自らの私有財産を公共財に転換する(寄付・ボランティア)自発的な意志の持ち主
~~~~~ 引用 おわり

 その後、磯田憲一理事長との対談でした。

指定管理者の磯田憲一理事長

指定管理者の認定NPO法人・磯田憲一理事長

 理事長の磯田憲一さんとはもうかなり長いお付き合い、特に北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)設立時のご尽力が忘れられません。芸術・文化への造詣と見識は群を抜いたものがあります。磯田さんが代表の「君の椅子プロジェクト(https://www.asahikawa-u.ac.jp/page/kiminoisu_project.html)」は、つい最近、NHK全国放送のニュースでも紹介されていました。

 安田侃先生もお元気でした。世界で活躍されているエネルギーというか、溢れ出てくるものを感じました。

安田侃先生の締めの熱弁!

安田侃先生の締めの熱弁!

 芸術・文化が人々の暮らしに大きな力と豊かさを与えることは疑う余地がありませんが、その場、、機会、プログラムを維持管理・運営するシステム・装置を組み立てるのは、生易しいことではありません。ワグナー・ナンドール財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)、北海道演劇財団のこれまでの活動からも、その大変さは言葉に表せません。

生命科学の研究者を応援する立場から

Posted by 秋山孝二
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 一つ前のブログをFacebook に掲載したら、大変たくさんの反応があったので、こちらにもそのやり取りを載せたいと思います、初めての試みですが、これは著作権的にはOKですよね?

私のブログ――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19588

  • あえて私にも言わせて下さい!
    まるで「トカゲの尻尾切り」で終わらそうとしていた感ありありの理化学研究所の面々、特にノーベル賞まで取った野依さんの評判は私の中ではガタ落ちしました。
    居て欲しくない上司の典型に見えましたね。

    小保方さんには研究の成果で、理化学研究所を見返して欲しいです!
  • 社会的実績と人格は別、イコールではないですね。
  • 発見というものは、なかなか自分一人では判断が難しいはず。見つけたと思っても、其を、発見と同意してくれる仲間や先生がいて初めて確信が持てると思うのです。これだけ予算のかかる研究、さらに発見によって多くの利益が生まれるものだと尚更です。
    間違いと嘘も視点によっては変わってきます。何故ならそれだけシークレットな面もありますし。核心に迫る発言が出来ないこともあるのではと。こうした事件に怯えず、研究者たちは胸を張って研究に邁進していただきたいです。
  • 同感です。
  • 小保方晴子さん、がんばれ!!!
  • 彼女に落度があったことは事実だと思いますので、一方的に彼女を応援したり、理研を批判する気にはならないんですが、若い研究者を潰さずに育てようという視点が、なぜメディアや世論に出て来ないのかな?と思います。彼女がやったことはまずかったことに変わりはないですが、科学技術の分野で闘うことのシビアさに社会が気づいてくれないもどかしさも同時に感じます。
  • 私は理研の捏造も小保方さんの不服申し立てもある意味マスコミの被害者であると思う。ただ研究論文である以上検証実験による再現性について実験して欲しい。200回も再現できたとしたら、尚更。
    結論を早く出しすぎたのでは。
  • 秋山孝二 メディアからの質問に、「公開すれば私たちが取材して確証を得られる」みたいなものがありましたが、先端技術研究分野で熾烈な国際競争の渦中で、当然「機密部分」もあるでしょう。それと、今朝の北海道新聞の香山リカさんのコメントも失望しました。小保方さんの置かれた昨日の場は、診察室ではなく300人以上のメディアを前にした記者会見です、自分一人でメディア、組織を相手に必死で説明する、弁解する、口を濁すのは当たり前でしょう。この構図自体が異常であり、そもそもフェアな場でありません。彼女はインディペンデントではないのですよね、理研の研究員ですよ。
  • おっしゃる通りです。リケジョとしてもてはやしたのは、理研とマスコミです。ミスは大きかったけれど、謝罪したうえで、明らかにしていくことが、先決なのでは。
    得てして、女性に敵対するのは、女性です。
  • いろいろな問題が露呈した今回の騒動でした。科学者として(プロとして)足りない部分があったという小保方さんの問題もありましたが、理研の権威的な事なかれ主義の方が問題だし、なにより懲りないメディアの姿勢は大問題だと考えます。現在の原発・エネルギー問題でも、外交・安全保障の問題でも、懲りないメディアの姿勢が大きく悪影響を及ぼしていると考えています。
  • 本当に気の毒以外に言葉が無いですね~ 出来るなら海外の整った環境で研究を続けてスタップ細胞の存在を立証してほしいと思えるくらいでした 本当に頑張ってほしいです
  • 秋山孝二 本当に情けないですね、若い方々に「外国に行った方がいいよ」と言いたくなる日本の既存研究環境。税金でこの程度の組織しか運営できないとすれば、金額の問題ばかりでなく質の劣化として二重の落胆です。
  • わたしは本人にも理研どちらにも肩入れはしませんが、謝罪する必要はないと思います。なにに対して謝るのか、騒いでいる人はよく考えるべきです。
  • 「論文を撤回すればSTAP現象が間違いであったとの意味になる」というごまかしの論理にだまされてはいけないように思います。
    撤回しても、STAP細胞の存在を否定されるはずがありません。否定されるのは、将来STAP細胞の存在が確認されたときの、彼女が先駆者であるというステータスだけです。もし、きちんと現象を再現できる自信があれば、それをきちんと論文に仕上げて再度投稿すれば良いだけです。不備のある論文で手に入れたステータスにしがみつく様子をみて、科学者としてのプライドが感じられないのは私だけではないと思います。もっとも、理研自体の責任や、マスコミ報道の異常さを否定している訳ではありません。トカゲのしっぽ切りは許せないので、小保方さんの問題とは別に、理研その他の組織の問題をきちんと正すべきだと思います。あと「悪意」についてですが、今回の不備は、ついうっかりして起きることではないと思います。論文は、きちんと論理を構成して作成するものですから。なので、「過失」ではなく「故意」と判断されて当然と思います。そして、「故意」に行った行為の目的は、「ごまかして論文を完成させる」ということだったと推察されるのが自然と思います。たとえ出来心であっても、それは「いけないこと」をしようとしたのだから、「悪意」と表現されても仕方がないと思います。
  • 小保方さんも理研も、乗る土俵を間違っていませんか…?
  • 秋山孝二 千葉さんのご意見を伺っていて、私は研究機関のマネジメントについて言及しているのだと分かりました。自然科学の専門分野には素人ですが、研究助成を永く続けていて、これまでの研究論文にもかなりコピー&ペーストがあったようですし、それを見抜けないで通している指導的立場の方々も多かったのでは?間違い、不適切を全て個人に帰しているその無責任体制の下では、リスクを含んだ先進的研究などできないのではと思うのです。さらに飛躍すれば、画期的事実の発見は、所詮その時代からは相手にされない、そう研究の場を与えている組織が開き直れるかどうか、ただの予算獲得機関に成り下がっているのではないかと、そんな気がします。野依先生も、理事長就任前にはそうおっしゃっていたはずですが。
  • 秋山さんのおっしゃる通り研究機関のマネージメントの問題は、是非解決の方向に向かって欲しいと思います。
    一方、マスコミが、小保方さんvs理研の構図を娯楽ショーのごとく煽り立てるのを、小保方さん陣営がうまく利用している、というゲスな見方もできそうです。ただ、小保方さんをそう動かしてしまうのは、マスコミの過剰な偏向報道が大きな原因の一つだと思うので、彼女もまた、マスコミの被害者なんだと思います。
    彼女のやるべきことは、理研を訴えることではなくて、研究者として再出発することだと思います。彼女に限らず失敗をした人を社会から葬り去るのではなく、次のチャンスを与える社会であって欲しいです。
    その意味で、娯楽ショー提供者と化したマスコミの罪は非常に重いです!そのためには我々国民がマスコミに振り回されない様に努力する必要もあると思ってます。
  • ノーベル賞受賞、野依さんの管理者としての責任は重大でしょう。「学者バカ集団」差別用語ならゴメンンナサイですが、それを地で行く我が国の権威ってなんだったんだぁ~!
  • 科学者の端くれとして、一言言わせて頂きたいですが、今回の事例は、少なくとも私の分野では到底考えられない、異常な事態だと思っております。どうか、理系科学者全体がこうだというように思われませんように。。博士論文の件で、指導教官の無指導ぶりがひどすぎるのもさることながら、当該論文についても、笹井副センター長の責任は、もっと追及されてしかるべきです。(そもそも、こんな未熟なポスドクを、何故リーダーに据えたのか!)マスコミが、どうしてここをもっと責めないのか、理解に苦しみます。小保方さんの会見については、「一労働者」の弁明としては、理解できますが、科学者としては、頂けません。200回も成功しているのであれば、客観的な土俵で、再現実験をすれば済むことです。それが科学です。あと、野球でも同じだと思いますが、「名選手=名監督」ではないということです。ところが、ノーベル賞をもらうと、みんながその人をオールマイティだと思って持ち上げるのでおかしなことになるのです。ノーベル賞学者は研究者として優れてはいますが、マネジメントや科学政策に対して、必ずしも資質がある保障はありません。なのに、ネームバリューで理事長などに据えてしまう。。。日本がいかに本当の専門性を軽視しているかの表れと思います。
  • 仰る通り!!です。

「遠友夜学校」記念館建設に向けて

Posted by 秋山孝二
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今年2月に「札幌遠友夜学校記念館」建設については書いたばかりです。

こちら―――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19168  

 3月中旬に「建設コンセプト設計公募」の結果を発表しました。

< 「札幌遠友夜学校記念館」(仮称)建設コンセプト設計公募結果発表 >

今回の公募につきましては国内、国外から50点の応募を頂きました。
応募して下さった皆様には心から感謝申し上げます。
結果は以下の通りでございます。詳細につきましては個別に応募者の皆様へ
ご報告申し上げる予定でございます。

一般社団法人「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」
代表理事 秋山孝二

一等賞  Naomi Darling 様  Naomi Darling Architecture, LLC (USA)

二等賞  佐治卓 様、佐屋香織 様、藤木俊大 様
ピークスタジオ一級建築士事務所 (横浜市)

三等賞 佐野天彦 様、道尾淳子 様  アトリエサノ(札幌市)


※以下は、一等賞のNaomi Darling様(Naomi Darling Architecture, LLC(USA))のデザイン図・提案内容です。

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi6

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi7

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi8

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi9

ヒアリング:アメリカ東部からわざわざ来札

ヒアリング:アメリカ東部からわざわざ来札のNaomiさん

設計コンセプト等について詳細の意見交換

設計コンセプト等について詳細の意見交換を札幌で

選考のポイントは下記の点です(ナオミさんへのレターから抜粋):~~~~~~~~
 

「太平洋をかける橋になりたい」と言った新渡戸の想いを造形化するにあたり、その著作『武士道』で言及されている簡潔な日本美の伝統と米国東海岸のファームハウスに共通する要素として切妻屋根を取り上げた点、また新渡戸夫妻がクエーカー教徒であったことから、クエーカー教徒集会所に見る「光」の象徴的な扱いを大切にして、その精神性を造形化したプロセスを特に興味深く拝聴いたしました。

 

応募された作品の造形は、公園の一隅の限られた敷地という条件に無理のないデザインであり、一見したところ平凡に見えながら、周囲の建築を背景とした時、静かな個性が生きてくると思われます。南西側は光を制御しつつ地域の人々に落ち着いた寛ぎ交流空間と公園との視覚的/身体的融合性を与え、北東側および展示室には静謐な光を高い位置から取り入れている点も評価されました。人間の触感と深く関わる空間の質については、良質の自然建材を用いるという点も、この規模の建築には有効なことと賛同を得ました。

 

持続可能な建築に関しては、sustainableという言葉の本来の意味にたち、単に技術的な装置に依存することなく、エネルギー需要の軽減として自然光と風のながれを最大限利用した点、また、屋内の空気の質や建物の寿命の全工程におけるカーボン・フットプリントに考慮した建材の選択も評価されました。

~~~~~~~~~~~コピー おわり

 

今回の選考は、当初予想はるかに上回る国外・国内からの応募を受けて、大変難しいものとなりました。上位3件の方々には、旅費支出もなく札幌で最終のプレゼンを行い、横浜の3人は、暴風雪で予定の飛行機が欠航し、何と電車で横浜から陸路札幌までお越し頂きました。マサチューセッツ州のナオミさんとは、運営委員3名がスカイプでのやり取りでヒアリングでした。札幌のお二人も熱心なプレゼンだったと聞いています。

 

ナオミさんは、その後、急遽アメリカ東海岸から札幌までお越し頂き(これも旅費の支出は無し)、現地視察及びヒアリングで幾つかの課題解決策を検討致しました。彼女が、この場の50年間の活動理念を具現化した設計思想を語った時、私は思いを形にできる仕事に感動しました。

  

設計コンセプトも決まり、寄付金を受ける「一般社団法人」格も出来て、これから約1年間でこのプロジェクトを広く全世界に知ってもらって、その思いを建設寄付金として実現する活動が本格始動です。大口寄付先、小口寄付先を含めて、どうか皆さんの周りの方々にもお声を掛けてご支援をお願い致します。そして、再来年完成時には、この場で活動をご一緒にやって参りましょう!

きたネットカフェ 2014春

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「認定NPO法人 北海道市民環境ネットワーク(通称きたネット:http://www.kitanet.org/)」では、毎年、「きたネット・カフェ」で、多様な話題を提供しています。年度も押し迫った先日は、「フィンランドの原子力とエネルギー」と題して、染井順一郎さんから多彩な視点からの報告がありました。

これまでにも「きたネット・カフェ」については、数回書いてきています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2038

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12044

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14955

フィンランドの食、健康増進、原子力、エネルギー

フィンランドの食、健康増進、原子力、エネルギー

はじまりました。 当初から、興味深いお話満載です。 フィンランドで、国をあげての食習慣を変えるキャンペーンで、心臓疾患や糖尿病などの生活習慣病を激減させた話からスタート。  染井 順一郎氏 フィンランドの原子力とエネルギー ~放射線やエネルギーの問題を身近に感じる国のお話~

きたネット広報部長 相蘇かおり撮影

染井順一郎さん

染井順一郎さん

染井さんは大変幅広い視座からのお話です。これまで札幌でも違った視点からご講演をされています。

* http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1308some/index.htm

さらにはアムール川流域関連の「環オホーツク海」でのコメントも興味を惹かれます。

* http://www.hkk.or.jp/kouhou/file/no521_report1.pdf

人の縁は奥深きものです。彼とはお役人として札幌でお会いして以来の今年早々の再会でした。学部は違いますが、千葉大学の後輩になり、今回の「きたネット・カフェ」の実現に至りました。京都で現在、管理栄養士としてご活躍中で、時々網走にも来られてる、マルチで活躍です。今回はお忙しい中、誠にありがとうございました!

染井順一郎さん
1960年千葉県生まれ。千葉大学園芸学部卒業。北海道開発庁、農林水産省、外務省(在フィンランド日本大使館一等書記官)、国土交通省北海道開発局開発監理部開発企画官を経て農業と栄養士&技術士として活動中。
バルト海(フィンランドを含む)における海洋及び周辺陸域の環境保全と農業との関係について行った調査に基づき、網走川流域においてサーモンアクションプランを立ち上げ、サケを育む環境保全型農業による流域づくりを推進している。
技術士(総合技術監理部門・農業部門)及び栄養士

第一期「まちエネ大学」、終了

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 第一期「まちエネ大学 北海道スクール(http://www.greenpower.ws/areas/hokkaido」が、事業計画発表会で最終回を終えました。5つの事業化計画が発表されて、最後は今後の情熱を誓って大きなハートが映し出されました!

第一期「まちエネ大学 北海道スクール」発表会

第一期「まちエネ大学 北海道スクール」発表会

プレゼン最後には大きなハートも登場

プレゼン最後には大きなハートも登場

 「まちエネ大学(http://www.greenpower.ws/」は資源エネルギー庁のパイロット的プロジェクトで、今年は全国5か所で開催され、北海道・札幌もその一つとして参加していました。

 当初準備段階で多くの関係者からは「是非、北海道も手を挙げて!」とのラブコールが寄せられましたが、それぞれの地域の金融機関の協力を得てというのが最低限の条件でした。いろいろご説明はしたのですが、北海道はなかなか金融機関からの乗りの良い返事が頂けず、開催に漕ぎ着けるまでには多くのハードルがありました。「北海道庁はどう考えてる?」、「北海道経産局は協力を約束しているのか?」、「個別融資の話か?」とかまで飛び出したり、さんざん身元調査をしての後、「考えて置く」みたいなネガティブな反応に落胆しましたね。

 それでも参加者の皆さんは、議論を繰り返し、先日の最終回では5つの事業化案が提案されて、すでに二つは立ち上がってスタートしていました。また、さらに一つのプロジェクトもジョイントするものもあったりで、今後が楽しみになっています。

 再生可能エネルギーの宝庫と言われている北海道、ここで地域の多彩な資源を活用したエネルギー創造をやらないで、どこでやるのでしょうか、そんな可能性を感じたシリーズでした。

北方領土問題の視点

Posted by 秋山孝二
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 昨年9月に(社)北海道倶楽部(http://www.hokkaido-c.or.jp/から「北方領土問題の視点(http://www.hokkaido-c.or.jp/kaiin/kaiin/kaiho/201310-1kaiho.pdf」と題してのシンポジウムのご案内があり、衆議院第一議員会館に足を運びました。

 北海道とはとりわけ深い関係のある北方領土問題は、サハリン州との関係を含めて、まさに日本の外交力が試されている場と言えます。そして、外交交渉はすなわち国内の政治基盤が大前提ということも明確です。

北方領土問題

北方領土問題

左:荒井總衆議院議員、右:松田昌士JR東日本顧問

左:荒井總衆議院議員、右:松田昌士JR東日本顧問

 松田昌士さんは、鉄道を軸とした永年の経験から、ロシアを知らな過ぎる日本の各セクターの指導者たちについて問題を提起しながら、排除の論理を捨て、交流の中から「超党派で」領土問題を考える視座を提起しました。例えば、ウラル西のヨーロッパロシアと、ウラル東のアジアロシア1200部族からなる多様で広大なロシアであること、アジアロシアは日本への期待が強く、私たちと一緒のプロジェクトに前向きである現実、そんな中で、命がけで解決しようとする人が日本国内に極めて少なく、今まさに政治家の出番である、そう主張されていました。そしてこの問題解決こそが、戦後処理の最終局面ではないか、と。

 荒井總議員は、私の高校の4年先輩です。官僚、外交官、地方自治体幹部の経験から、外交は結局は個人の信頼関係と多様なレベルでのパイプが重要と指摘されていました。考えてみると、これまでの数多くの戦争も、クラウゼヴィッツの戦争論によるまでもなく、外交の行き詰まりの結果と検証される場合が多く、時の政府だけに任せている限り、「国家の面子」みたいな国民の意思とは異なった視点から展開していく危険性があります。

 ビジネスでも全く同様ですが、二国間の交渉事も、結局は信頼できる「誰か」の存在が必要なのだと思いますね。昨今の日本の政治には、そんな「誰か」が見当たらない、排除してしまった、気がします。経済界にも、国の将来を視野に入れた諸外国要人との付き合いをしてきた方々が激減しているのだと思います。今の経団連をはじめ、財界を代表すると言われる方の国際社会の見識の低さには、一経済人として「恥ずかしく」なるばかりです。これが戦後から驚異的復興を実現した日本国を支えてきた経営者たちの行く末か、とですね。

 でも、失望ばかりしてはいられません。現在の在札ロシア総領館のワシリー・サープリン総領事は、数回に渡り現在のロシアの「シベリア開発計画」について言及し、同時に北海道とロシアの長い歴史的つながりについても深い洞察をお持ちでした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8364

~~~~~~~~~~~~ 私のブログからの引用

 サープリンさんのお話は、17世紀からカムチャツカ・サハリンに交易目的でロシア人は来ていた歴史に始まり、「赤蝦夷」と呼ばれた「赤」は、コサックの赤い服からそう呼ばれたこと、その後しばしばカムチャツカ知事の交易状を携えて北海道に寄港している事実等でした。ラクスマン、ゴローニンも函館を訪問しています。1855年下田条約締結により、長崎・下田・函館にロシア領事館が開設され、函館の初代ロシア領事はゴシュケヴィッチでした(http://orthodox-hakodate.jp/history)。函館港は不凍港として重宝がられ、軍艦・商船が来航して、北海道の国際交流は、ロシアとの歴史が最も古いのでしょう、少なくともアメリカとではないようです。

 それ以来、北海道はロシアの窓口となり、独自の交易を始めていました。今、ロシアは、2008年の経済危機を乗り越え、日本ともっと深く新しい交流の可能性を期待しているようです。LNG等のエネルギー、IT、科学技術、建設技術、農業(特にサハリンで)分野でですね。平和条約は難しくても、「北方四島を特別区で共同開発」といった具体的提案もありました。

~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 私たちは、シベリア再開発の大プロジェクトばかりでなく、冷戦構造崩壊後のロシアについて「思考停止」状態のような気がします。「領土問題」は、シベリアを含めた経済分野での協調の視点から、新しい日露関係構築の先駆けとして、北海道こそ取り組むポジショニングにあると思います。その点が、同じ領土問題として語られる「尖閣諸島」、「竹島」との違いではないでしょうか。

 こんな思いでいたところ、年明けの北海道新聞(1月3日朝刊)で見開きでの記事が掲載されていました。

「動くか領土交渉」?

「動くか領土交渉」?

中間支援団体2013 in 熊本 (上)

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 「一般財団法人 セブンイレブン記念財団」の支援による全国の4つの環境系中間支援団体、今年は熊本に集合して会議が開催されました、昨年は札幌での開催でした(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15405)。

 今年は会議に先立ち医薬品卸時代の友人と会うために一日早く熊本入りし、以前来たときは外観だけでしたが、今回は会議前に熊本城内(http://www.manyou-kumamoto.jp/castle/)をゆっくり散策することが出来ました。城内は広大で高低差があり、多くのボランティアの方々、展示もたくさんあって、充実した時を過ごすことができました。それにしても築城が戦略的で、攻撃的であり要塞としても堅固な造り、城内での食・エネルギー自給にも配慮した設計は、当時の武士階級の見識の高さを感じます。

幾重もの石垣

幾重もの石垣

大天守閣と小天守閣

大天守閣と小天守閣

復元された大広間の奥座敷

復元された本丸御殿大広間の奥座敷

 前日夜は、紅蘭亭(http://www.kourantei.com/content/blogcategory/18/31/)の太平燕(タイ・ピー・エン)をご馳走になりました。あっさり味でコクがあって実に美味しい料理でした!

前日夜は「太平燕(タイペイチン)

前日夜は「太平燕(タイ・ピー・エン)」

市民エネチェン研究会 in 遠軽

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 オホーツク・遠軽町(http://engaru.jp/)で、再生可能エネルギーのフォーラム、北海道スタイル 市民エネチェン研究会 第4回 in 遠軽が開催されました。第一回札幌、第二回帯広の様子は下記の通りです、第三回目は道東・別海町でした。

* 札幌~http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15906

* 帯広~http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15991

 今回は、「オホーツク自然エネルギー・プラットホーム(Ohrep:https://www.facebook.com/OkhotskEnergy」と「きたネット(http://www.kitanet.org/」との共催でした。参加者は、町内だけでなく、湧別町、興部町、網走市からも来られて、主催者側も含めて18名が集まりました。第一部は映画「シェーナウの想い:http://www.geocities.jp/naturalenergysociety/eiganaiyou.html」の上映、第二部は二つの事例報告と出席者との意見交換でした。映画は、今年3月、グリーンファンドの会合でも見る機会がありました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16177)、まさに市民の力にエネルギーを取り戻した実例ですね。

会場ロビーの案内板

会場ロビーの案内板

「Ohrep」の活動趣旨も

「Ohrep」の活動趣旨も

地元・遠軽町の取り組みの説明

地元・遠軽町の取り組みの説明

遠軽町の特徴は、「白滝小水力発電所」の存在でしょう。

* 遠軽町ホームページ「白滝水力発電所

http://engaru.jp/engaru/03kikaku/sin-energy/sirataki-suiryokuhatudensho.html

* 遠軽町白滝水力発電所 (北海道紋別郡遠軽町)220キロワット

http://j-water.sub.jp/database/detail.php?no=241

* 遠軽町白滝水力発電所条例

http://60.32.156.37/reiki/reiki_honbun/r266RG00000758.html

 オホーツク自然エネルギー・プラットホーム(Ohrep:https://www.facebook.com/OkhotskEnergyの松田正弘代表は、ご自身が高校まで育ったこの土地で、多様な再生可能エネルギー事業を起業し、地域の活性化と自立に夢を託しています。先日もオホーツク紋別空港までお出迎えをして頂き、フォーラム終了後は、札幌までに4時間の道のりを札幌まで送って頂きました。道中、これからの活動でもコラボ出来る部分での協力を約束致しました。

 ポテンシャルとしての可能性をどう見える形の事業にしていくか、まさに地元の力が試されているのでしょうね。今後ともこの遠軽に軸を据えて、松田さんたちは活動し続けるそうです、また新たな再生可能エネルギーの種が蒔かれました。

六華同窓会 2013 総会・懇親会

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 学校に関係する記事がこのところ連続3つです、今回は高校同窓会「六華(りっか)同窓会:http://www.rikka.net/」総会・懇親会です。私はこの会の幹事長を担っていて、今年で満6年目になりました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18329

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18365

 総会に続いての懇親会は600名に迫る参加者、オープニングはダンス部の元気いっぱいのパフォーマンス、続いて吹奏楽部、一番前の席からはその場の雰囲気を伝える写真が上手く撮れないのが残念です。

オープニングはダンス部

オープニングはダンス部、ものすごい迫力!

続くは吹奏楽部・北海道地区金賞受賞!

続くは吹奏楽部・北海道地区金賞受賞!

 今年度から、これまで会長だった近藤龍夫さんから小砂憲一さんに代わり、副会長には鶴雅グループ(http://www.tsuruga.com/)代表の大西雅之さんが加わりました。民間経済界から2名のご就任で大歓迎です。

 小砂憲一さんは、(株)アミノアップ化学(http://www.aminoup.co.jp/)の代表取締役会長です。以前、この欄でもご紹介しました、本社・工場は実にユニークな建物です(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16395)。当日は小砂さんの人となりの一端が南15期の同期生から紹介されました、「静修高校屋上ステテコ事件」ほか、数々の「武勇伝!」の持ち主、まさに六華らしい会長ですね。

今年度から新しい同窓会長・小砂憲一さん

今年度から新しい同窓会長・小砂憲一さん

 今年の一中同窓生は皆さん例年以上に気合が入っていました、エールの交換もありがとうございました。幹事当番期の38期の皆さんも壇上に上がってくれての声援でした。

一中卒業生の大先輩たち、校歌、応援歌、エールと大盛り上がり!

一中卒業生の大先輩たち、校歌、応援歌、エールと大盛り上がり!

 毎年お元気な大先輩たちのお姿、輝いている後輩たちの笑顔に、自分自身何かエネルギーを貰う気持がします。来年の幹事当番期は、何と「平成」卒業の最初の同窓生です。時は確実に過ぎて、嬉しくもあり悲しくもあり、複雑な心境ですね。

<参考> これまでの「六華同窓会」関係の記事は下記の通りです:

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%85%AD%E8%8F%AF%E5%90%8C%E7%AA%93%E4%BC%9A

「まちエネ大学プレ」、スタート!

Posted by 秋山孝二
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 「まちエネ大学:http://www.greenpower.ws/machiene_unv」が、全国5か所でスタートしますが、そのプレ企画が先日、東京についで札幌で開催になりました。ここまで御尽力頂いた「グリーンTV(http://www.japangreen.tv/」の水野雅弘社長、萩谷衛厚さん、ありがとうございます。札幌スクールでは、「きたネット(http://www.kitanet.org/index.html」も共催です、常務理事の宮本尚さんにも感謝致します。

グリーンTV・水野社長

グリーンTV・水野雅弘社長(中央)、裏方でご活躍の萩谷衛厚さん(右)

 今回の進行は、「(有)ドリームコーチ・ドットコム(http://www.d-coach.com/」代表取締役の吉田典生さん、「勝屋久事務所(http://www.independents.jp/data/supporter/2013/07/post-18.html)」プロフェッショナルコネクターの勝屋久さんです。冒頭から毒気に当てられて(?)参加者はしばし沈黙だったかも。徐々にこのシリーズの意図することを感じ始めて、何とも和やかなコミュニケーションの場となって行きました、楽しみです!

お二人のキャラクターも

吉田典生さん、勝屋久さんのキャラクターも存分に

 さらに登場したのが、「変人(失礼!)・中央官僚」・経産省資源エネルギー庁の村上敬亮課長です、とにかくユニークが歩いているようなキャラクター、これまでの「お役人」のイメージを一新です、よく今日ここまで霞が関を生きてきたと、エネルギーを頂きました。

 「まちエネ大学」の目的は、「ネットワークづくり」であること、それは新たなコミュニティづくりであり、「ちゃんとつながってもらいたい」とも。

村上課長

プログラムにあった映画「Pawer to the people(http://unitedpeople.jp/p2p/)」 も勇気を貰いましたね、とにかく皆さんの笑顔が素晴らしい。ドイツの自立した市民力を強く感じました。「電力コスト」を日々の暮らしでしっかり意識しなければならない時代になっていくこと、「エネルギー革命」と「情報革命」が社会を変えていくきっかけになっていくこと」等、キーワードがたくさんありました。
今回は「プレ企画」で、来月からいよいよ「まちエネ大学」が札幌での開始します。「担い手」として手を挙げる、挙げようとしている方々にたくさん集まって頂きたいものです。
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第1回 まちエネ大学さっぽろ講座 (開催概要:http://www.greenpower.ws/localschools/hokkaido_scinfo

・日時:2013年11月20日(水)14:00~16:30

・会場:北洋銀行 本部 7F会議室 ・定員:30名程度

・参加料無料、テキスト代(第1回~第4回分)3,000円(税込)

(講座内容) 再エネビジネスを通じて持続可能な地域をつくる、再エネビジネスのパイオニアに出会う! 再エネの最新動向を知り、全国各地で再エネ事業を立ち上げたリーダーの体験談を聞きながら、事業計画を作り始めます。

(ゲスト講師) 村上敬亮 資源エネルギー庁新エネルギー対策課長 1990年通産省入省。2009年7月より地球環境対策室長として地球温暖化問題の国際交渉に従事。2011年9月より現職として日本の再エネ政策を担当。

鈴木 亨 NPO 北海道グリーンファンド 理事長 自治体職員、生協職員などを経て、同法人に事務局長として参画。2001年、日本初の市民出資による風力発電所「はまかぜちゃん」(北海道浜頓別町)を実現させた。これまでに、北海道、青森、秋田などで合計16基の風力発電を運営。

(地域ファシリテーター)※第三回まで地域のファシリテーターが担当。 加藤知愛 株式会社イディアリズ 代表取締役 北海道教育大学大学院修了。北海道大学国際広報メディア・観光学院広報ジャーナリズム専攻博士課程在籍。研究テーマは「公共合意形成」「社会的企業」等。地域コミュニティ形成を実践する株式会社 イディアリズを2012年設立し現在に至る。

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公開討論会、パネラーとして

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 北海学園大学開発研究所(http://hgu.jp/laboratory/laboratory06_01/)とNPO法人自治体政策研究所(http://www16.plala.or.jp/koukyou-seisaku/)の主催による「公開討論会 政治不信・議会不信の解消方策を考える」に、パネラーの一人として参加しました。いつものように、自分が登壇する時は撮影チャンスが限定されていて、少々説得力の無いもので申し訳ありません。この討論会の模様は、後日、インターネット上にアップされるので、ここにも掲載致します。――>https://www.youtube.com/watch?v=WXwDmhuCecQ

公開討論会開始前

公開討論会開始前

パネラー席

パネラー席

 この会の趣旨は、「 議会不信は投票率の低下に現れており、投票率の低下は民主政治が危殆に瀕している兆候である。代表権限逸脱を制御する自治基本条例を制度・政策・理論の観点から多角的に討論し民主政治の蘇生方策を考察する」です。

以下、討論会趣意書からの引用です~~~~~~~~~~

< 論 点 >
・議会不信の現状認識
・なぜ、その状態が続いているのであろうか。
・自治基本条例は何のために制定するのか
・自由民主党の「ちょっと待った-自治基本条例」
・自治体の権限はどこまでか
・市民の政治参加の方策

開催趣意      北海学園大学開発研究所 小坂直人(所長)
論点提起      自治体政策研究所 渡辺克生(副理事長)

討 論
・ 自治体首長    高橋正夫 (本別町長)
・ 自治体議員   宮下裕美子(月形町議員)
・ 市 民       秋山孝二(北海道市民環境ネットワーク理事長)
・ 北海道自治体学会 大坂敏文 (事務局長)
・ 北海学園大学   内田和浩  (教授)
・ 司 会      森 啓   (開発研究所特別研究員)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  引用おわり

 私は「市民」の立場からの発言を求められていましたが、自由度が高く心地よかったですね。高橋町長、宮下議員、大坂事務局長、内田先生、それぞれのご発言を壇上でお聴きしていて大変興味深かったです。今のお立場で真正面から課題に向かっている様子、これを実感できたことが、私にとって最大の収穫でした。また、自治基本条例については、これまで報道程度の認識でしたが、森啓先生からいろいろお話を伺い、「市民自治」を勝ち取るというのもかなりのエネルギーと見識が必要だと感じました。条例を策定しても、形骸化していては意味がない、「市民自治」のこころの部分を高く掲げて「実を取らねば」と強く思いました。

 住民投票の是非の議論も面白かったですね。議会の果たす役割との関係性等、直接民主主義と間接民主主義との兼ね合い、私にとっても永年の課題解決のテーマでしたから。

「バラトン」と聞いて

Posted by 秋山孝二
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 環境系の市民活動をされている皆さんには、すでにお馴染みの「バラトングループ(http://vimeo.com/51860396」は、この間、地球規模の環境問題への数多くの提言があり、時代を先取りしながらグローバルなオピニオンリーダーとしての存在です。私は当初、それがハンガリーのバラトン湖だとは知らずにいましたが、ワグナー・ナンドール財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)の関係でハンガリーをたびたび訪問しているうちに、「あっ、あのバラトン湖畔に集まるグループか」と気がついたのです。

メンバーはこちら(http://www.balatongroup.org/who-we-are/)

<これまでのこの欄への私の記載です>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7722

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10357

 日本からは枝廣淳子さんが2002年からただ一人参加していて、今年で12回目とのこと。今年は第32回、世界から60人ほどが集っています。JFS(http://www.japanfs.org/ja/)通信によると:

~~~~今年のテーマは「テクノロジー」。休み時間や食事中に、旧知のメンバーからも新しいメンバーからも聞かれるのは、「フクシマの現状と見通し」「日本のエネルギー政策の今後」です。いかに世界の人々の関心がいかに高いかを(国内の方が低い……)を感じます。と同時に、国内でもそうですからしかたないのかもしれませんが、情報が世界に届いていないのだなあと……。今朝、テクノロジーに関する発表が始まるまえの小グループの議論で、「フクシマの事故を考えても、人は複雑で先進的な技術のほうに向かう傾向がある一方で、もっとシンプルでわかりやすく、レジリエンスの高い技術もある」という問題提起から、「だれが技術を評価し、だれが選ぶのか」も大事な議論のポイントだ、という話になりました。

 だれが技術を評価し、だれが選ぶのでしょうか?技術革新が便益とともにリスクを大きくする(原発のように)可能性がある場合など、「もっともっと(技術の進歩を)」に歯止めをかけるべきときがあるとしたら、その歯止めはだれがどのようにかけることができるのでしょうか?

 今朝の発表でも、遺伝子組み換え技術、温暖化に対するジオエンジニアリング(成層圏にエアロゾルを散布して太陽光を反射し、地球への入射を減らすといった、気候システムに対する大規模・意図的な工学的介入)といった技術が例として取り上げられていましたが、その結果を不特定多数の人が被る技術(原発もそうですね)についての評価や選択・決定はだれがどのように行うべきなのでしょうか。

~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 2011年3月の原発事故直後もそうでしたが、私自身とほぼ同じ思いを上手に表現してくれて、「レジリエンス」な思考の枝廣淳子さんの活躍は、環境系課題解決の方向性を示してくれます。最近、東京でのワークショップ等にもあまり参加できないのが残念ですが、北海道の地で引き続き活動は続けていますので、どうか宜しくお願いします、ね。

< 参照 >
* 枝廣淳子の環境メールニュース http://www.es-inc.jp

* 「幸せ経済社会研究所」~幸せと経済と社会との関係を見つめ直す  http://www.ishes.org/

* 「私の森.jp」~森と暮らしと思いをつなぐ  http://watashinomori.jp/

* 「変える」メソッドを経営へ  http://www.change-agent.jp/

* 「システム思考」に関する情報を提供  http://groups.yahoo.co.jp/group/systems_thinking_byCA/

* 日本から世界へ情報発信 ジャパン・フォー・サステナビリティ  http://www.japanfs.org/index_j.html

渡辺謙 in ダボス会議、ほか

Posted by 秋山孝二
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 先日フェイスブック(FB)を開いていたら、映画俳優・渡辺謙さんのダボス会議(2012)のスピーチが目に飛び込んできました、昨年1月のスイスのダボスでのものです。昨今の無原則な「原発再稼働申請」に絡んでの書き込みだったかもしれません。当時日本では、「絆」部分だけの報道だったようですが、全文を読むと再生可能エネルギーへの彼の強い信念と主張が読み取れます。

http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2012/davos/

 最後のフレーズだけ引用します。~~~~~~~~~~~スピーチの引用

私たちはもっとシンプルでつつましい、新しい「幸福」というものを創造する力があると信じています。がれきの荒野を見た私たちだからこそ、今までと違う「新しい日本」を作りたいと切に願っているのです。今あるものを捨て、今までやって来たことを変えるのは大きな痛みと勇気が必要です。しかし、今やらなければ未来は見えて来ません。心から笑いながら、支え合いながら生きて行く日本を、皆さまにお見せできるよう努力しようと思っています。そしてこの「絆」を世界の皆さまともつないで行きたいと思っています。

~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 渡辺謙さんと言えば、「許されざる者:http://wwws.warnerbros.co.jp/yurusarezaru/index.html」が今年9月に封切上映となります。クリント・イーストウッド監督・主演で第65回米アカデミー作品賞、監督賞ほか4部門を受賞した傑作西部劇「許されざる者」(1992)を、日本映画としてリメイクしました。幕府崩壊後の明治初期、北海道開拓時代の歴史の中で、かつて「人斬り十兵衛」と恐れられていた男(渡辺謙)が、再び戦いに身を投じていく姿を描いています。北海道・阿寒湖周辺でのロケも敢行されて、エキストラで知人も出演していますが、「エキストラを越えた存在感が抜群」との前評判もあり楽しみです。

 一方、昨年秋に札幌を訪問された松村昭雄さん(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14850)のメーリングでは下記のような記事が送信されてきました、ソーシャルメディアのメッセージは、いろいろな動きを教えてくれます。

~~~~~~~~~~メールからの引用

日本の友人の皆様へ、

 過日、アメリカ合衆国原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコー前会長が、原子力発電所は基本的安全性にかけるので、段階的に廃止すべきであるという発言をされました。カナダの著名な原子力科学者ゴードン・エドワーズ博士がこの意見について説明をされた記事の日本語訳

原子炉は段階的に廃止すべき:前アメリカ原子力規制委員会会長の発言

原子力専門家のゴードンエドワーズ博士がヤツコー会長の決断の背景を説明します。

原子炉は段階的に廃止すべき:前アメリカ原子力規制委員会会長の発言

By: ゴードン・エドワード博士

2013年4月9日

20130409-211940.jpg昨年までアメリカ合衆国原子力規制委員会会長職にあったグレゴリー・ヤツコー氏が、全ての潜在的に危険な機械は、その全てを完全に停止できる「緊急停止スイッチ」を備えているべきである、という最も基本的な認識に至りました。原子力発電炉にはそれが無いのです。ですからヤツコー会長は、全ての原子炉は段階的に廃止すべきである、という結論を出しました。

ヒーローが爆発装置や巨大な殺人マシンの動力を間一髪に止めて大惨事が無害なものへと代わる、といったアクションアドベンチャー映画が一体何本あることでしょう。大事故の起るほんの一瞬前に(?) 装置や機械が瞬く間に悪から良に代わる。大惨事から無害へと。なぜなら、誰かが「停止」スイッチのボタンを押すからです。

しかし、原子力発電炉は完全に停止させることはできないのです。どんなに緊急な場合にでもです。とんでもない構造欠陥です! 止めることのできない自動車や消せない火事を想像してみてください。

勿論、全ての原子炉に核の連鎖反応を2秒以内に止める「緊急停止装置」はあります。そして大抵はたいへんよく効きます。スリーマイル島の原子炉は最初のトラブルのサインがあった時に直ちに停止しました。ただその後に溶けただけです。福島第一の3つの稼働中の原子炉は全て津波が到着する前に自動停止しました。ところが結局、全て溶けたのです。

問題は、核連鎖反応を止めることが熱発生を止めはしないのです。使用している規模に準じて数千度の熱が、燃料の溶け出すポイントに向かって上昇し続けながら炉心に加え続けられる、という止められないプロセスなのです。

熱は何故止まらないのでしょう? それは私達が放射能活動を停止する方法を知らないからなのです。

通常の稼動をしている原子炉の炉心で激しく発生する、放射性副産物の途方も無い一覧表があります。たとえ核分裂が止まった後にも、核燃料の核分裂の結果炉心に集まった不安定な原子の放射性崩壊(壊変)により物凄い率で熱が発生し続けます。

この熱を「崩壊熱」といい、原子炉の炉心や原子炉の炉心付近にあるもの全てを溶かすに十分なものなのです。「停止」の直後で、崩壊熱はフルパワー熱のおよそ7パーセントです。

1000メガワットの電力を作るよう設計された原子炉では、通常約3000メガワットの熱が発生しています。もし、この原子炉が突然停止した場合、およそ3000メガワットの7%の熱が、照射を受けた核燃料の廃棄副産物による容赦のない放射性壊変により生じ続けます

それは200メガワット以上の熱になります。そして、それは止められないのです。

エネルギー冷却システムで熱を取り除くことができます。しかしもし原子炉が損なわれた場合に、エネルギー冷却システムは損なわれないと、いったい誰が言えるでしょうか?

停止できない原子炉はあたかもステロイド地獄のようなものです。そして、全ての原子炉がそうなのです。

ゴドン・エドワーズ

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前原子力規制委員が原子炉は欠陥であると発言

By: マシュー・L・ワルド、201348日付ニューヨークタイムズ紙

ワシントン発:現在アメリカ合衆国で稼働中の104の全ての発電用原子炉に直すことのできない安全性の問題があり新しい技術と交換されるべきである、と前原子力規制委員会の会長が月曜日に発言した。彼は、全てを直ちに停止するということは現実的ではないが、原子炉の(稼動)寿命を長くしようとするよりは段階的に廃止することを支持する、と発言した。

前会長であるグレゴリー・ヤツコー氏の発言は数多くの原発反対派グループの中では珍しいことではない。しかし、その安全確保を担当していた前原子力規制委員会の会長が、業界に対しそうもはっきりと批判することは至極珍しいことである。

ヤツコー博士は発言後のインタビューで、一体なぜ会長在任中にこの指摘をしなかったのか、という質問に、「私は最近まで本当に考えつかなかった」と言った。

2011年に日本での福島原子力事故でさらに明確となった「問題のことをもっと考えていて、業界と当局として、この本当に難しい問題をどう対応するかを模索する原子力安全コミュニティー全体を監視していました」、「バンドエイドにさらにバンドエイドを貼り付けてもこの問題は修復しません」と発言した。

ヤツコー博士は、ワシントンで行われたカーネギー国際原子力政策会議の福島事故に関する会合で、原子力委員会から初期の40年認可を超えてさらに20年の許可を得た多くのアメリカの原子炉は、おそらくそれほど長くは保たないだろうと発言した。彼は、原子炉が合計80年間稼動するということを意味する、2度目の20年延長申請を原子炉オーナーに許可する、という委員会の提案も拒否した。

ヤツコー博士は、原子炉燃料が連鎖反応停止後もおびただしい量の熱を発生し続けるという特徴について挙げ「崩壊熱」が福島のメルトダウンを引き起こしたものであると言及した。彼は、解決策はおそらく熱が燃料の溶融ポイントまで上がらない小さな原子炉である、と言った。

原子力業界はこのヤツコー博士の査定に不合意。業界の貿易協会である原子力エネルギー研究所理事長のマービン・S・ファーテル氏は「アメリカ合衆国の原子力エネルギー施設は安全に稼動している」、「それはグレッグ・ヤツコー氏の原子力規制委員会会長在職期間以前のケースである。これは多数の安全と性能インディケーターにより立証された原子力規制委員会の特別福島対応専門調査団に認知された彼の会長在職期間のケースである。今日のケースなのである。」と発言した。

ヤツコー博士は、委員会の他の4人の委員との数ヶ月間にわたる対立の後、昨年夏に会長職を辞職した。彼はしばしばあらゆる安全問題について、より強力な安全性の向上を主張する少数派に投票し、原子力業界より疑惑に見られていた。ヤツコー博士はネバダ州のハリー・レイド上院多数党院内総務の前補佐であり、提案されたラスベガスから100マイル程にあるユッカマウンテンの核廃棄物処理場の進展を遅らせる手段としてレイド氏の唆しで指名された(と疑惑視されていた)。

この記事は2013年4月9日付ニューヨーク版A16ページに「前規制委員が原子炉は欠陥であると発言」という見出しで出たものです。

(翻訳:木村道子)

~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 翌日、松村昭雄さんの別便でさらにこんなサイトの紹介も:

http://akiomatsumura.com/2013/07/beyond-control-our-loosening-grasp-on-nuclear-security.html

 私は、グレゴリー・ヤツコー博士について今年4月にこの欄でもご紹介しています。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16358

 つい先日の福島第一原発の汚染水によると思われる海水汚染、メディアの原発事故に関する追及は甘いですね。肝心の日本国内の認識がこのレベルでは、参議院選挙でどんな結果になろうとも、国際社会でのボジショニングはどんどん下がっていくでしょう、憂うべきことです。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013071002000248.html

 福島第一原発自体の事故収束、汚染水の現状と今後、使用済核燃料の問題、何一つ解決の目途も立っていない現実から眼をそらして、日本の将来を考えることはできません、日本の政治の貧困とそれに関わる政治家の質の低さ、そして担い手意識の低い主権者としての国民、これが今の日本の「実力」なのでしょうか。

固定価格買い取り制度の「こころ」は

Posted by 秋山孝二
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 「一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構:http://www.reoh.org/」は、昨年9月の勉強会を経て(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14169)、12月3日に設立されましたが、先日、「再生可能エネルギーの導入拡大に向けた政策支援の成果と課題、今後について」と題して、お二人のお話う伺う機会がありました。これまで最前線で関わってきた方々のお話は、実に理解が容易で、昨年7月から導入された「固定価格買い取り制度:http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201110/4.html」の狙いほかを再確認できた場でした。

 お二人とも、再生可能エネルギー導入に対して、地域の金融機能の関わりの重要性を強調していたのが印象的でした、私も以前から、同じことをフォーラム毎に語ってきたつもりです。これまで、どうしても中央官庁の「補助金」の下で行われた事業がほとんどなので、事業検証ほかの情報等、地域金融機関の融資・投資の事前評価ノウハウの蓄積が貧弱です。もう一つは、この導入が「地域活性化」への起爆剤的役割として期待できることですね、「エネルギーを使う側」に立つ視座の獲得、これは「革命」に近いのではありませんか。

 当日の講演、まずは環境経済政策・エネルギー政策の第一人者、京都大学教授・植田和弘(http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~ueta/jp/)先生です。こちらは昨年の記者会見の様子です(http://www.youtube.com/watch?v=hK9O4T8-gFA)。

京都大学・植田和弘教授

京都大学・植田和弘教授

* 「電力供給源」としてだけの「再生可能エネルギー」の議論は、「再エネ」の過小評価――>総合的政策が重要

* エネルギーにおける「熱」の価値

* 環境経済学の立場からは、「生産・消費」は「廃棄物をどうするか」が無い議論は法律違反である――>「廃棄制約」

―――CO2問題と全く同様に、これは世界的課題

* 「再エネ」は地域と親和的、地域住民との関わりを大切にして、地域でどう上手に使うかが重要

* 北海道の金融機関に「再エネ担当」が設置されること

 お二人目は、固定価格買い取り制度導入にご尽力された、資源エネルギー庁(http://www.enecho.meti.go.jp/)新エネルギー対策・村上敬亮課長です。

資源エネルギー庁 村上敬亮課長

資源エネルギー庁 村上敬亮課長

* 「送電線と規制緩和」、「固定価格買い取り制度」は、車の両輪

* 発送電分離と再エネは直接関係はない

* 北海道にとって最も重要なのは、広域連携としての「北本連携」の強化

* 地産地消は忘れた方がいいのではないか、地域の中で物を廻すのではなく、お金を廻すことを考えよう!

* エネルギーを自分の問題として考えるために、「固定価格買い取り制度」の活用を

* 農家が農業以外で収入を得るチャンス――>「農産物」と「エネルギー」を生産する業態へ

 いずれのお話も、最前線で活躍されている方々なので、とにかく分かりやすいし、最初の全体図、構造・枠組み的お話が貴重でしたね、マスメディアはどうして、この一番重要な最初のスライド部分をしっかり報道しないのか、何か意図的に分かりにくくしている(?)、そんな勘繰りまでしたくなる程、既存の新聞・テレビ・ラジオのニュース・解説は理解しにくいです。恐らく、報道する側の人々が分かっていないのでしょう。

 これから地域で地道に実践される多様な再生可能エネルギー生産の取り組み、いよいよ日本でも本格的に始まって来そうです、北海道の「ポテンシャル」を「オブビアス」に、今、地域力が問われています!