固定価格買い取り制度の「こころ」は

Posted By 秋山孝二
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 「一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構:http://www.reoh.org/」は、昨年9月の勉強会を経て(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14169)、12月3日に設立されましたが、先日、「再生可能エネルギーの導入拡大に向けた政策支援の成果と課題、今後について」と題して、お二人のお話う伺う機会がありました。これまで最前線で関わってきた方々のお話は、実に理解が容易で、昨年7月から導入された「固定価格買い取り制度:http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201110/4.html」の狙いほかを再確認できた場でした。

 お二人とも、再生可能エネルギー導入に対して、地域の金融機能の関わりの重要性を強調していたのが印象的でした、私も以前から、同じことをフォーラム毎に語ってきたつもりです。これまで、どうしても中央官庁の「補助金」の下で行われた事業がほとんどなので、事業検証ほかの情報等、地域金融機関の融資・投資の事前評価ノウハウの蓄積が貧弱です。もう一つは、この導入が「地域活性化」への起爆剤的役割として期待できることですね、「エネルギーを使う側」に立つ視座の獲得、これは「革命」に近いのではありませんか。

 当日の講演、まずは環境経済政策・エネルギー政策の第一人者、京都大学教授・植田和弘(http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~ueta/jp/)先生です。こちらは昨年の記者会見の様子です(http://www.youtube.com/watch?v=hK9O4T8-gFA)。

京都大学・植田和弘教授

京都大学・植田和弘教授

* 「電力供給源」としてだけの「再生可能エネルギー」の議論は、「再エネ」の過小評価――>総合的政策が重要

* エネルギーにおける「熱」の価値

* 環境経済学の立場からは、「生産・消費」は「廃棄物をどうするか」が無い議論は法律違反である――>「廃棄制約」

―――CO2問題と全く同様に、これは世界的課題

* 「再エネ」は地域と親和的、地域住民との関わりを大切にして、地域でどう上手に使うかが重要

* 北海道の金融機関に「再エネ担当」が設置されること

 お二人目は、固定価格買い取り制度導入にご尽力された、資源エネルギー庁(http://www.enecho.meti.go.jp/)新エネルギー対策・村上敬亮課長です。

資源エネルギー庁 村上敬亮課長

資源エネルギー庁 村上敬亮課長

* 「送電線と規制緩和」、「固定価格買い取り制度」は、車の両輪

* 発送電分離と再エネは直接関係はない

* 北海道にとって最も重要なのは、広域連携としての「北本連携」の強化

* 地産地消は忘れた方がいいのではないか、地域の中で物を廻すのではなく、お金を廻すことを考えよう!

* エネルギーを自分の問題として考えるために、「固定価格買い取り制度」の活用を

* 農家が農業以外で収入を得るチャンス――>「農産物」と「エネルギー」を生産する業態へ

 いずれのお話も、最前線で活躍されている方々なので、とにかく分かりやすいし、最初の全体図、構造・枠組み的お話が貴重でしたね、マスメディアはどうして、この一番重要な最初のスライド部分をしっかり報道しないのか、何か意図的に分かりにくくしている(?)、そんな勘繰りまでしたくなる程、既存の新聞・テレビ・ラジオのニュース・解説は理解しにくいです。恐らく、報道する側の人々が分かっていないのでしょう。

 これから地域で地道に実践される多様な再生可能エネルギー生産の取り組み、いよいよ日本でも本格的に始まって来そうです、北海道の「ポテンシャル」を「オブビアス」に、今、地域力が問われています!

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