NHK総合テレビ特集「70年目の戦争と平和」シリーズ、以下の番組も多くの取材と新技術に基づいた画像解析等、力作でした。一つ一つの番組を紹介していると多くのスペースが必要なのでNHKのHPに任せ、タイトルとサイトだけにします。今年の番組は特に力が入っていますね。
「憎しみはこうして激化した~戦争とプロパガンダ(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150807)」
「きのこ雲の下で何が起きていたのか(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150806)」
「特攻~なぜ拡大したのか(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150808)」
「あの日、僕らは戦場で~少年兵の告白(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150811)」
「女たちの大平洋戦争~従軍看護婦 激戦地の記録(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150813)」
全ての番組の基本は、証言のみならず、「戦闘詳報」、「業務報告書」等の詳細な「記録」による読み解きです。従軍看護婦の活動も、彼女たちの派遣先での日々を記録した「業務報告書」200冊が日本赤十字本社に残されていることが明らかになったからです。報告書には、次々と担ぎ込まれる重傷者の看護に忙殺される日常や、作戦の展開や戦況の変化にともない頻繁に移動を命じられた様子など、現地に着いてから敗戦にいたるまでの詳細が記されています。南方の激戦地の中で特に多くの看護婦が派遣されていたインパール作戦ほかビルマ戦線とフィリピン戦線を、この報告書と、20人を超える元従軍看護婦の証言を通してたどっています。年齢的には、丁度私の母の世代です。
彼女たちの心の底にも、「捕虜になってはいけない」の意識が根強くありました。「自活自戦永久抗戦」といった勝手な命令を出す本部、当時の軍幹部・政府当局者は、「自らの死に場所」をただ探すばかりです。
看護婦たちの証言の最終部分、「あの時間は何だったのだろうか」、「戦後、傷病兵から感謝されるたが、そのようなことは何もできていなかった」の言葉は重たく私たちに迫ってきます。生還した方々の苦しみ、恐らく初めての気持の吐露だったのではないでしょうか。
70年を経て、切々と語る元少年兵、元従軍看護婦、これらを今年聞いた世代は使命感をもって今後の不戦に活かしていかなくてはなりませんね、「戦争を知らない世代」とは言ってはいられません。