二日目の公演は、初日とまた違ってお客さんの反応が良かったですね。反応の速さと場所が違います。演技が違うのか、お客さんが違うのか、同行メンバーとも終演後話をしたのですが、とにかく前日とはかなり別物ですから面白いですね。
クルジュ・ナポカは旭川市くらいの人口です。学生が7万人を越える若い方々の多いマチでもあります。
ホテルに程近い遊歩道周辺には、朝から夜まで若いカップル等沢山の市民が憩い語らっている姿を見かけて、素朴で懐かしい光景を目にしています。
「新しい試み」と昨日書きましたが、二日目の会場にも若い世代も多く、トランシルバニアの今後も注目です。
最後のご挨拶、こちらも拍手をしながらの写真で、こんな具合にしか撮影出来ませんでした。クルジュ・ナポカの市民にどんな印象を持って頂いたのか、もうしばらくしてからでないと分かりませんが、劇団員にも今日以降ハンガリー・ブダペストでも聞いて見ようと思います。
ところで、昨日昼過ぎにまち中で劇団員とバッタリ路上で出会い、これまでの準備の苦労をほんの少し聞くことが出来ました。今回の企画の中心として活躍しているイングリッドの並々ならない努力が随所で見られます。芝居で使っている包丁は、イングリッドがブダペストの実家から調達したもの、ピアノの椅子は何とブダペストのリスト音楽院から借用しての調達とか。少しでも傷をつけると罰金ものだそうです。普通の椅子タイプのピアノ用椅子はどこでもなかなか無いようですね。そう言えば2年前の光州でも行ってみると地元には無く、日本から持ち込んで、結局それを寄付して置いてきたとか聞いていますから。更に4年前のハンガリー公演「亀、もしくは・・・」では、予め送った図面と大道具の寸法が違っていて、仕込みの時に舞台上で溶接工が火花を出しながら切断して調整したとも漏れ聞いています。
昨晩の会場、1日目と字幕のスクリーンの場所が異なっていました。パソコン・プロジェクターのケーブルが不具合で、急遽短いものに変更となり、当初の場所での字幕上映が叶わず急遽変更とのこと。地元のお客さんには少々目線が舞台から離れるので心配していましたが、反応を見る限り問題は無かったようです。見る方は気楽なものですが、「舞台は生き物」、をまたまた感じた時間・空間でした。
今日はカンパニーと同行ツアーが一台のバスで、陸路ハンガリー・ブダペストに移動です。途中の国境の雰囲気も、この数年随分変わったようです。思い出します、6年前でしたか、国境そばのオラディア(昔の名称は「ナジュバラド」)にブダペストからマイクロバスで移動の時は、国境の入国・出国で1時間以上も待たされ、何とも言えない緊張感がありましたね。ナジュバラドは、私の叔父ワグナー・ナンドールの生まれたマチです。時代も変わり、ルーマニアもハンガリーもEU加盟を果たしましたが、国際金融の荒波の中、現在財政危機に直面しているから皮肉なものですね。
たくさんの思いが交錯しながら、東欧の今を実感している旅です。