新渡戸稲造連続講座、今月は『二宮尊徳と北海道』と題して、(一財)北海道報徳社(http://dohotoku.sakura.ne.jp/)研究員の柴田浩一郎さんのお話でした。
* これまでの連続講座記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%96%B0%E6%B8%A1%E6%88%B8%E9%80%A3%E7%B6%9A%E8%AC%9B%E5%BA%A7
「徳を以て、徳に報いる」、これは二宮尊徳の言葉です。二宮尊徳の教えを「報徳」と言い、「報徳思想」とは「至誠(しせい)」を基本とし、「勤労(きんろう)」「分度(ぶんど)」「推譲(すいじょう)」を実行するという考え方で、 二宮尊徳は報徳思想を広め、実践することにより、ききんや災害などで困っていた多くの藩や村を復興しました。
戦後、全国の多くの小学校に薪を背に本を読む「二宮金次郎像」が勤勉の象徴のように建立されている風景が残っていましたが、そもそもその姿は本来の「報徳思想」からは大きく外れた活用だったようです。
* https://www.hotoku.or.jp/sontoku/
本来、北海道におけるこの思想は北海道開拓にも大きな影響を与え、札幌の大友亀太郎による『大友堀』、十勝の開発等、その基本的羅針盤として大いに貢献したばかりでなく、戦後は経済更生運動として、農協設立等にも大きな力を発揮して数々の人材を輩出したようです。
今回も参加者が熱心に聞き入っていました。柴田さんの大変丁寧なご説明により、時代を経てその思想が受け継がれてきている様子がよく理解できました。