NHKBS1スペシャル「コロナシフトでつくる日本の未来 デジタル」(https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/P313JKL6RR/)」は、国際社会における今の日本の存在感の低下を見据えて、その歴史的考察、海外事例からの学び、今後の方向性等、大変示唆に富み腑に落ちるコメントの数々でした。
ただこの番組にはこんな批判的コメントも見られますーー> http://blog.ac.eng.teu.ac.jp/blog/2021/12/post-c78bc1.html
単なる技術の問題というよりも、社会実装としての制度設計等もデジタル化には必須要件なのでしょうね。
技術開発的な側面からは開発力の衰えの歴史的考察が興味深かったです。秋山財団に集うアカデミックセクターの方々による、以前から日本の高等教育における研究費の削減、さらに結果を短期的に求める「競争的資金」に対しての警鐘は、企業の研究所のこの30年程度の経過を見ても当たっているのでしょうね。
一方アメリカの新しい技術を支える制度設計は注目すべきです。コロナ禍が進む中、日本ではなぜ国産ワクチンが生まれないのかといったフレーズを目にしますが、歴史を振り返ると国が責任を回避し続けた日本の場合、民間企業のリスクのみでワクチン開発への投資を促すのは無理というものでしょう、国を挙げての推進体制は必須要件だと私は以前から思っていました。
これまで日本では、「イノベーション」というと「技術開発」に矮小化されていました、まさに種を育てる社会システム、マインドセットの革新がさらに重要な要素だと感じました、今後のこのシリーズが楽しみです。