アッシュランドは2万人程の小さな町(http://www.ashland.or.us/)、ただ、まち全体が「テーマパーク」のような芸術・文化の雰囲気でいっぱいです。「OSF」を支えるアカデミックセクター、地元商工会議所、市民団体等、そのすそ野は広く、多彩です。
芸術・文化分野で多彩な人材を輩出する「南オレゴン大学(http://www.sou.edu/)」は、アシュランドに本拠地を置くリベラル・アーツ・カレッジで、「Council of Public Liberal Arts Colleges」 の加盟大学です。学生数5500名ほどで比較的小さな大学、35の専攻を備え、学生は少人数制講義で演劇の専門的講座も行っています。
今回、このフェスティバルを担う方々からは、大変貴重なお話を伺うことができました。例えば、「OSF」が目指すのは、「Destination Theater」であること。開かれたフェスティバルであり、芝居はもちろんオーディションを経ての公演、実行委員会の責任者も全米から3年間契約で公募し特に任期はないとのこと。「OSF」だけが魅力的であるのではなく、レストラン、ショップ、ワイナリー、学校等、コミュニティ全体にとって「よい体験」であるべきとの理念を持っていること。一気に今日の形態になったのではなく、野外劇場からスタートし、インドア劇場の大、小の建設、規模の拡大に伴って研修プログラム・アウトリーチプログラムの充実、顧客に対する戦略的掘り起こし策も懐が深いです。チケット戦略、広報等、劇場に足を運んで頂けるようにとの緻密な働きかけは、実績を積み重ねてきた「歴史」を感じます。
今後の「創造都市札幌」構想に大変貴重なお話ばかり、気温は低く青空も最後の日だけでしたが、現場感覚から得るものが多い訪問でした。