秋山財団・社会起業研究会主催のフォーラム(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6670)が、「企業の力と地域社会の活性化~新たなCSR、地域社会との共生~」と題して開催されました。
IBMの「スマーター・プラネット:http://www-06.ibm.com/jp/press/2009/02/1901.html」への取り組みと、釧路の「スマーターフィッシュ・プロジェクト」の展開について、それぞれご説明を頂き、後半部は私を含めたパネルディスカッション。釧路のプロジェクトについては、12月15日朝7時40分過ぎに、NHK総合テレビ「おはよう北海道」の特集で報道され、築地の料理店で、釧路からの新鮮なタラを材料とした料理が紹介されていました。地元水産会社・IT企業・航空貨物企業の連携によるものとのメッセージでした。
IBM広報紙「無限大:http://www-06.ibm.com/ibm/jp/mugendai/back.html」、今年2月のこの欄にも書きましたが、新春号に特集されている「スマーター・シティ:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3279」です。
「社会起業」という言葉は、昨今ブームの如く巷に溢れていますが、ミソもクソも一緒になりがちで要注意です。市民活動的アプローチが以前は多かったのですが、今回この研究会でも取り上げているように、大企業の力を地域活性化に活用する取り組みも、実を結び始めている事例も出てきています。企業CSRについては、今年2月にこの欄でも書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3348)。大企業においては従来の「社会貢献」の概念から、更に進化したグローバルな活動に注目です。一方地場企業においては、地域に密着した「小さな循環」の中で、雇用の促進も含めた社会課題の解決への貢献が求められているのでしょう。
高度成長期には、実績の向上それ自体が働く人々のモチベーション向上になっていましたが、このところの低成長時代では、人々の間では、「社会に役に立ちたいという思い」が、特に若い世代の働くモチベーションとなっているようです。価値観の転換、社会課題の変化等、確実に新しい時代に突入している気がします。
「スマーター・フィッシュ」は地域ビジネスで、「一つ一つのモノとヒトの結びつき=産地の思いを見える『ストーリー』にする活動」となります。新しい「感動」と「共感」の価値共創!「トレーサビリティ―」は、安心・安全を「見せる化」しブランド化する価値を持ちます。「企業と地域の共生戦略」、すなわちソーシャル・イノベーションによるあらたな人との出会いが期待できます。
札幌市立大学・原田昭学長(http://www.scu.ac.jp/news/message/)は、教育の発想を「異なった者の横断的連携」とおっしゃり、「サービスのデザイン化」がプラットホームであると。
パネラーの皆さんは、ネットワーク形成の価値を語られ、アカデミックセクターのこれまでの教育・研究の機能に、プラス「地域貢献」を揚げられました。目前の社会課題に対して、その解決策を継続的に模索する、それがソーシャル・ビジネスの原点であるのでしょう。