再び、「伝えるのは命の輝き」

Posted By 秋山孝二
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 先月、この欄で予告(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6506)しました酪農学園大学(http://www.rakuno.ac.jp/)での講演会が、100名以上の参加者で開催されました。

 旭川の旭山動物園・坂東園長のお話は、今年7月にも聴きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4855)が、先日の内容は、卒業生でもあり、母校で更に進化した「いのち」の哲学を語られ、あらためて感動致しました。

熱弁の坂東元(げん)園長

熱弁の坂東元(げん)園長

  会場には学校法人酪農学園(http://www.rakuno.ac.jp/houzinn.htm)の麻田理事長はじめ、ご支援頂いた江別商工会議所会頭ほか地元企業経営者の皆さま、とわの森三愛高校の校長・教頭・生徒さんたち等、幅広い方々にご参加を頂き、素晴らしい企画と相まって充実した内容となりました。

麻田理事長も冒頭でご挨拶、講演を最後までお聴きになっていました

麻田理事長も冒頭でご挨拶、講演を最後までお聴きになっていました

会場外の「黒澤酉蔵」記念像

会場玄関横・雪の「黒澤酉蔵」記念像?

  坂東園長のご講演から印象的なフレーズを幾つか書き留めます。

* 「生きる」とは、「共に生きる」こと、「生物多様性」とか難しいことではない

* 現実は取り返しのつかない状況ではあるものの、私たちが大切にできる「いのち」はあるはず

* 最近の富山県・動物園での鳥インフルエンザ発生に強い危機感を抱く:ニワトリでは農水省、野生の鳥では環境省、ヒトでは厚労省、国の「総合防疫体制無し」の状態に、メディア・国民はもっと関心を持つべき、「どうやって国(=国民)を守るのか!」

* 「ただのアザラシ(?)」、大人の不用意な言葉で子ども達のいのちへの価値が歪む――動物園飼育員には、飽きることの無い素晴らしい「普通の動物」たち

* ワンポイント・ガイドの意義――思いを伝えること、具体化すること

* 「ありのまま」が、一番美しいはず!

* 動物のための動物園か、動物園のための動物か

* 「いのちを伝える」ことは、誕生の数だけ死があるとを知ること、死を受け止めることから心の中で生き始める

* いのちを終わらせてくれる仕組みの中で、いのちが溢れているのが「自然界」

* 受け継がれるいのち・食物連鎖――無駄になるいのちはない、いのちの完全なリサイクル

* ヒトは「共有」が出来ない「占有」をする生きものだ、同時にヒトは「大切だ」と思うモノを護る生きものとも信じたい、それはヒトに対する最後の「希望」である

 

 講演の翌日から、今年も旭山動物園で人気の高い「ペンギンの散歩」が始まるとか。7月の講演でも強調されていましたが、旭山でやっているのはペンギンの「パレード」でも「行進」でもなく、ペンギン自身の意思による「散歩」であると。飼育員が先導してここを歩けではなく、全く「自主的(?)」で、その日その日で気が向かなく残るペンギンも時々いるそうです。

 そんな矢先、インターネットのニュースに、首都圏のどこかでペンギン達にクリスマス衣装を着せて人気だとありました。企画をした連中、それを見て喜んでいる人々、取り上げるメディアに、先日の坂東園長のお話を聞かせたいですね、「動物の尊厳」への冒とくでしょう、“Shame on you!”、と突然の英語を投げかけます。

 あっという間の2時間少々、講演後の質問に丁寧に答える姿から、野生動物と真摯に向き合う坂東園長の優しさを感じました。今回の企画をした酪農学園大学の卒業生・現役学生たちの「語り部屋☆レラ」に、心から感謝の拍手です!!!!

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