「越中八尾、おわら風の盆(http://www.yatsuo.net/kazenobon/)」は印象的でした。毎年9月1・2・3日に開催され、私としては10数年ぶりの2回目となります。「かくも叙情豊かに、気品高く、唄い踊り継がれる・・・」とあるように、笛・太鼓なしの胡弓・三味線のゆったりした「越中おわら節:http://www.youtube.com/watch?v=wfrMDksk8u0」と優雅な踊りは、坂道を夜遅くまで11の地区で続いてました。1985年に高橋治の小説「風の盆恋歌」で一躍全国版になったと聞いています。石川さゆりの「風の盆恋歌:http://www.youtube.com/watch?v=YCwYc0s-Gg0&feature=related」、咲いてはかない酔芙蓉(すいふよう)、のフレーズもいいですね。
前回はツアーの一員として、観光バスで富山市内からコンパクトに見学。あまりに効率的で「はい次、はい次!」の世界、かえって印象の薄いものでしたね。今回は妻がインターネットで検索して、「エコロの森:http://www.ecolonomori.com」による新しい企画への参加申し込み、滞在時間もたっぷり取っての素晴らしい体験で、代表の森田由樹子さんは札幌出身で親近感もあり、新しいタイプのツアー企画に意欲を燃やされていました。ただ「見て来ましたの消費」ではなく、時間を掛けて初めての人ともお話が出来て、「体験としての資産」となりました。
午後3時くらいから、夕食をはさんで夜10時過ぎまで町なかに滞在し、その間たくさんの場で踊りを楽しみ、一方、長い階段を登って高台の城ヶ山(じょうがやま)公園から町のパノラマ、八尾観光会館(http://www.yatsuo.net/kankou/KAIKAN/index.html)では曳山展示館・カイコの伝統産業等の展示で、歴史的にも町の経済の底力を理解できました。JR越中八尾駅のすぐ前に、現在、店舗を予定している「AGRIひばり」代表・長谷川充さんのスペースを休憩拠点とさせて頂き、長谷川さんは若者の人材育成の場にしたいと今年秋完成後の夢も語っていました。またそこのスタッフでお手伝いをされていた南砺市商工会・利賀村事務所(http://www.shokoren-toyama.or.jp/~toga/)の松岡幸治さんとも、「演劇によるまちおこし」について貴重なお話をすることが出来ました。お忙しい中、感謝致します。
札幌に帰ってみると新聞にはこんな記事もありました(http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY201009030217.html)。ただ忙しく「観に行く」から不平・不満も出るのでしょうね、その土地の芸術・文化にゆっくり触れる・学ぶ気持が少しでもあれば、旅行会社に文句は言っても、地元の方への批判は明らかに筋違いでしょう。でも多いですね、最近この種の観光客が、「安くて美味いものが食いたい」という都会の消費者(?)みたいな。
夜中に八尾から50分の山の道を他のお客さんと一緒にジャンボタクシーで移動し、南砺市利賀(とが)村、民宿「中の屋:http://toga-nakanoya.com/index.html」に到着しました。オーナーの中西邦康さんは、「百姓」を続けながら若者の「農的くらし」プランによる体験実習にも情熱を傾け、地元の多くの団体の代表もつとめていらっしゃいます。マスターズ陸上の1500メートル・駅伝でも現役で優勝を重ねて、玄関・居間には数多くの賞状・メダル・写真も掲載されていました。
家の前には「古代米」、「地元米」、「酒米」が有機栽培で元気に生育中です。有機栽培は今年から挑戦とのことでしたが、長い間の豊富な経験を持った「百姓」でも、技術は全く別物とそのご苦労を語っていました。翌日はゆっくり中西さんの「農への思い」をお聴きしながら朝食、そして近くを散策です。演劇でも大変有名な利賀村(http://www1.tst.ne.jp/togapk/)ですので、関連施設も見学したかったのですが、距離もあり、また次の機会にしました。
「中の屋」さんから近くの参道を通り、八幡宮境内、「8.4メートルの木の周り」と記されている「坂上の杉の御神木(http://www.hitozato-kyoboku.com/sakaue-oosugi.htm)」に到着です。遠くの山並みも朝日に照らしだされて美しく、清々しい午前でした。昼前に、八尾へ帰る昨夜通った道を戻りましたが、何と何と大変な山道だったことが分かりました。崖あり、湖の横あり、連続のS字カーブありで、随分山を登っていたのです。
二日間、八尾での夕食、利賀村での朝食では、地元高原野菜を使った料理が大変美味しかったですね。特にみょうが、独特の歯ごたえのある豆腐、手造り味噌による味噌汁、元祖スイカ、とにかく新鮮で素材の味が素晴らしかったです。
「越中おわら節」、「風の恋盆歌」を聴きながら、八尾の町並み、利賀の山並みを繰り返し思い出すでしょう。森田さん、中西さん、長谷川さん、松岡さん、お会い出来て嬉しかったです。皆さま大変お世話になりました、ありがとうございます!